先日大道芸役者の源吾朗さんから大道芸のイベントの案内をいただいた。珍しい企画なので、ゼミの仲間を誘ったが、それぞれ予定があるようなので結局ひとりで新宿ゴールデン街劇場へ出かけた。源吾朗さんのショーを観るのは初めてだったが、いま失われつつある昔の日本の大道芸をシャンソン歌手とのコラボレーションで楽しく見せてもらった。
腹話術、紙芝居、バナナの叩き売りなど懐かしいショーだった。劇場も花園神社の裏にある小さな芝居小屋で、客席数は僅か41席だから、今日もたちまち満席となった。源吾朗さんは歯肉癌とメラノーマという足の癌の2つの癌を抱えながら、東北地方の震災地の人々のために復興支援ライブと銘打って活動している。モンゴルではゴミを回収するプログラムも企画したりして、ボランティア活動にも熱心で頭が下がる。
今日の劇場の雰囲気はアトホームなムードが溢れて、源吾朗さんも自分で楽しんでいる様子が窺えてほのぼのとした気持ちになった。支援なんて大袈裟なことはできないが、これからも友人らに声をかけて観劇に出かけるようにしたいと思っている。
さて、昨夕NHKテレビ「クローズアップ現代」で水銀汚染問題を取り上げていた。水俣病の前科を持つ日本が何と水銀を輸出していることを初めて知った。番組は「水銀汚染が世界に拡散-日本迫られる対応」と題して放映されたが、外国への水銀の輸出が制限されることが過日の水俣条約協定で合意された。ブラジルでは金の産出のために水銀を使用しているために、未だに世界的に水銀使用の抑制が効かない。金産出現場の労働者は水銀中毒の危険性を知りながらも、現状を甘んじて受けたまま抜け出せない。厳しい現実である。
それにしても水俣病の悲劇的な経験がありながら、日本が海外へ水銀を輸出していたとは驚きである。今後は条約の発効によりこれがなくなるので、世界に対して多少は顔向けできる。
こういう啓蒙的なテレビ番組が放映されたおかげで、水銀が抱える現在の問題を知ることができた。さもなければまずこういう深刻な問題は知らないままだったと思う。
今日歌手の島倉千代子さんが亡くなられた。私と同じ昭和13年生まれの75歳である。好きな歌手だった。最近あまりテレビでもお見かけしなかったので、具合でも悪いのではないかと案じていた。段々寂しくなる。心よりご冥福をお祈りしたい。