今夕駿河台の「山の上ホテル」で開かれた税理士・柏木隆雄さんの詩集出版記念会は中々気持ちの好い心温まる集まりだった。各界に人脈が広い柏木さんを良く知る人々100人足らずのアトホームな雰囲気だった。普通の出版記念会とは違い、出版されたのは絵本詩集で綺麗な絵が描かれた詩集だ。懇親会の前に第一級の音楽会が開催されるような趣向だった。
世話人代表が日本童謡協会会長で作曲家の湯山昭さん、小中陽太郎さんも世話人のひとりである。お顔の広い柏木さんらしく、作詞家、作曲家ら音楽関係者が多数出席された。NHKの「ブーフーウー」や「泳げタイヤキくん」を作曲された元慶應病院外科医の小森昭宏さん、タイスの「瞑想曲」と「早春賦」を演奏されたバイオリニスト松井利世子さん、子ども音楽番組のお姉さん役だった歌手真理ヨシコさん、作曲家中田喜直夫人らの他に、柏木さんの母校・千葉県立佐原高校の同窓生で、元巨人軍のエースだった城之内邦雄、北川芳男両氏が出席して挨拶までされたのにはびっくりである。巨人軍チーム・メートだった大学同級生の大橋勲くんについて尋ねたところ、最近OB会で会ったらあまりにも痩せていたのでびっくりしたと聞いて、学生時代から肥満体だった大橋くんの現況にはむしろこちらがびっくりした。
柏木さんが作詞された童謡を童謡歌手が6曲も丁寧に歌ってくれて心が洗われたような気になった。それは遅れて駆けつけた海江田万里・民主党代表も同じことを言っていた。柏木さんのお人柄であろう、立派に装丁された詩集の表紙は、先日94歳で亡くなられたイラストレーターのアンパンマン・やなせたかしさんと伺い合点がいった。
愉快だったのは、以前に同窓会でお会いしたことのある世話人の湯山昭さんとちょっともめたことだった。湯山さんは湘南高校の6年先輩であるが、同級生の石原慎太郎氏が湘南から都立日比谷に転校して日比谷を卒業したと仰ったので、それは文芸評論家・江藤淳さんの間違いではないかと質したところ、出て行ったのは石原だと言ってきかない。傍で小中さんが聞いていて笑っておられたが、まぁ湯山さんも今年81歳になられる。勘違いというか、思い違いも許されるだろう。いま執筆中のノン・フィクションに母校について大分書いているので、上梓したらお贈りすることを約束した。元巨人軍の北川芳男さんも81歳だと言っていた。時の過ぎるのはとつくづく早いと思う。
ピアニストの長谷川芙佐子さんとは松井さんとの合奏についてお話したり、松井さんが演奏された「早春賦」を清水次郎長が聞いたと現在日経朝刊に連載中の「波止場浪漫」に紹介されていたとお話したらびっくりしていた。
今日の集まりは気持ちが良く中々楽しかった。柏木さんの益々のご活躍を願って止まない。