2364.2013年11月2日(土) 中国政府による新疆ウィグル族弾圧

 先日北京の天安門広場で乗用車が突っ込み運転手を含めてウィグル人5名が亡くなり、多数のけが人が出た。中国政府はこの事態を何とか政府に傷がつかないよう、かつ対応が世界から非難されないよう考えた末、新疆ウィグル地区のウィグル人が仕組んだ計画的テロと断定して、ウィグル人に対する警戒と監視強化を今後一層厳重にする考えのようだ。

 中国には人口は10%足らずだが、約55の少数民族がいる。彼らは大なり小なり漢民族で占める中央政府から弾圧され、自治区の政治、行政はほとんど漢民族によって支配され、自治は束縛され、民族の自由は押さえつけられている。これに不満を持つウィグル人はしばしば反抗し、それを弾圧され、これをまた繰り返すことで次第に自治区は共和国体制の中に組み込まれつつある。

 これまでチベット民族、ウィグル民族の暴動が世間の注目を集めたが、彼らの間に不満は鬱積する一方で、このまま中央政府が弾圧を続けていくと、いずれ彼らの不満は爆発し取り返しのつかない事態を招くことを心配している。

 中国共産党政府は少数民族の自治拡大要求と民主化運動が合流することをいま最も恐れているようだが、力で押さえつけられると考えている頑固な非民主的考えこそが、このような民衆の不満を燻らせ、爆発させている原因だということが分らないようだ。

 政府当局が国民の自由をがんじがらめに抑圧する政策は、いずれ民主化運動の勃興と拡大によってつぶされることはこれまで歴史が証明しているが、それに気がつかない、或いは気がついているが怖くて言い出せない共産党幹部はただ貴重な時間を浪費しているだけの話だ。

 それにしてもどうして中国では民主化運動に学生が立ち上がらないのだろうか。諸外国の実情を見てみれば、明らかに自分の国の自由が一番失われているということがわかる筈である。それを見過ごして、他の恵まれない人たちのために活動しようとしないのは、勉学できる環境と条件を与えられ恵まれた学生としては、怠慢であり、勇気も誠実さもないと言いたい。彼らが将来社会の指導者になった時、事態は一層悪くなっていることは明らかである。

 問題が多すぎる中国であるが、経済活動だけが発展し、その間に人間が生きるために大切なことを見失い、自由と自治を放り投げ、いつまでいびつな国家のままで歩んでいくのだろうか。

2013年11月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com