2403.2013年12月11日(水) あまり使いたくない言葉

 最近気になる言葉がある。若い女性が平気で使う「~のやつ」という表現で、汚く下品な言葉で私の大嫌いな言葉のひとつである。元々男性言葉であまり良い意味には使われないが、それが若い綺麗な女性が使うから違和感がある。「青い板」とか、「赤い棒」のようにそのものズバリの名詞を使えば良さそうなものなのに、「青いやつ」「赤いやつ」と言うから耳障りで聞いていられなくなる。

 今日もテレビの街頭インタビューで若い新婚の外交官夫人が「あのやつ」という言い方をしていたが、折角美人でインテリなのだろうが、傲慢に見え、件の女性が下品に見えてきたからあまり得にはならないのではないかと思う。

 最近は男女間に言葉の境界が失われつつあり、男は弱々しくなり、女はガラが悪くなったような気がしている。これはテレビなんかの影響もあるだろうが、本人は自分を時代にマッチさせ時流に乗っているという勘違いしたアピールの仕方なのではないだろうか。本人たちはそれで佳しとしているかも知れないが、決して褒められた言い方ではない。聞いていてこちらが恥ずかしくなるし、軽蔑したくもなる。やはり、あまり境界線を越えない方が良いと思うが、「そんなやつ」は放っておけと言われそうだ。

 もう大分前になるが、ツアーの添乗員としてイタリアへお供した時、現地でガイドを務めてくれた中年の日本人女性のきれいな言葉遣いと物腰にお客様が感心していた。とても清々しいと言っておられたが、いまではきれいな日本語は、このように外国に行かなければ耳にすることができなくなってしまったのだろうか。

 言葉の表現の序に、黒川玲子・東京理科大学教授のエッセイを紹介したい。今夕の日経夕刊「あすへの話題」で取り上げられた英語の「L」と「R」の発音についてである。この「L」と「R」の区別は日本人には難しく耳の感覚の鋭い子どもの頃に英語圏で聞きなれないと聞き分けるのは無理と言われているが、彼女は外国人からはよく冷やかされるそうである。それに対してご自分の名前を‘Reiko’か、‘Leiko’で外国人をからかっているそうだが、この点で彼女が一番気にしているのは、PCで英語の表現をローマ字でタイプする場合のようだ。例えば、ロンドンをLONDONと打ち出すためにはロンドンをローマ字でRONDONとタイプする必要がある。確かにそう言われればそうだ。

 もうひとつ、「トラウマ」という言葉が日本語ではないと初めて知った。いまのいままで「虎」と「馬」、或いは「寅」と「午」を組み合わせた日本語だと思っていた。‘Trauma’は英和辞書を引くと「精神的外傷」と出ていた。タイミング良く、今日ロンドンでG8の認知症サミットがあった。

 少々座興が過ぎたかも・・・。

2013年12月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2402.2013年12月10日(火) マンデラ元大統領の追悼式挙行

 右手を剥離骨折してちょうど3週間が経った。全治3週間との診断だったので、今日整形外科へ行ってレントゲンを撮って診てもらったが、剥がれた骨はまだ完全には付いていない。引き続き、いままで通り添木を当ててもう1週間後に改めて診てもらうことになった。少しうんざりしてきたが、こればかりはしようがない。友人からお見舞いのメールをいただくが、ほとんどが年齢を考えて行動を注意深く、セーブするようとのありがたいご託宣である。

 さて、今日先日亡くなった南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領の追悼式がヨハネスブルグで行われた。アメリカからはオバマ大統領夫妻以下、歴代大統領のブッシュ、クリントン、カーター氏らが、イギリスからはキャメロン首相、ブレア元首相、フランスからオランド大統領、サルコジ前大統領、潘基文・国連事務総長ほか世界の政界で活躍中の大物がやって来た。日本からは皇太子、福田康夫元首相が出席した。最近アフリカ諸国への経済投資が活発な中国は誰を派遣したのだろう。

 これだけ世界の要人が出席する追悼式はそうざらにはないと思う。どれだけ世界中の人々から尊敬され慕われていたかということが分る。何といっても一番尊敬できる点は、人種の対立を止め、融和を目指すことを信念として、自分自身が白人政権から投獄されていながら釈放されるや白人への復讐を禁止し、白人至上主義と黒人至上主義をなくし、相互の融和を図ったことである。その結果黒人の白人へのあからさまな攻撃はなかった。このマンデラ氏のヒューマニティはどうしたら培われるのだろうか。敬服するばかりである。

 今日はもうひとつ嬉しく思うニュースがあった。着任間もないキャロライン・ケネディ駐日米大使が長崎を訪れ、慰霊碑にお参りし、原爆資料館を見学したことである。これまで原爆投下国アメリカの駐日大使では着任後大分経ってから訪れた前任のルース大使を除いて原爆被災地を訪れた米大使は残念ながらいなかった。被災地訪問を電光石火で行ったケネディ大使は20歳の時、叔父のエドワード・ケネディ議員とともに広島も訪れている。ケネディ大使の行動には、自らの強い信念と積極性が窺えるようだ。日米2国間には問題が山積しているが、専門ではないとされる政治を学んで日米間の融和を演出していただけることを期待している。

2013年12月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2401.2013年12月9日(月) よく分らない特定秘密保護法

 昨日の朝日新聞朝刊に「特定秘密保護法(全文)」が頁いっぱいに掲載されていた。実は、先月27日付朝日朝刊にも同じように一面いっぱいに掲載されていた。それは「特定秘密保護法4党修正案(全文)」で、同じように組版されているので、どこがどう違うのかよく分らない。読み出してしばらくして難解な法律用語と文字を詰め込んだ窮屈な紙面にはお手上げである。これを果たして国民のどれだけの人が読んで理解するのだろうか。それより何より、これに賛同し支持した国会議員は本当に条文を読み、理解して国民のため、国家のために正しいと思ったのだろうか。

 どうしてこの法案をもう少し分りやすくできないのだろうか。国民に理解してもらおうとの考えがまったく窺えない。法律の中身が悪く、その内容も分り難い。これでは悪法と言わざるを得ない。

 いまミクロネシア連邦に関するノン・フィクションを書いているが、同連邦の憲法前文には次のような簡潔でほのぼのとする表現がある。

 「この島々に住むようになったわれら先祖は、先住者を押しのけてここに住んだのではない。この地以外に移ろうと望むものではない。・・・ミクロネシアの歴史は、人々が筏やカヌーで海を探索した時からはじまった。ミクロネシアの国は星をたよりに航海した時に生まれた。われらの世界はそれ自体1つの島であった」と素朴で分りやすく優しくて格調高い。特定秘密保護法も「秘密」「秘密」とばかり騒がないで、少しはこういう素朴な表現と視点を見習ってはどうか。

 さて、お隣のお騒がせ国家・北朝鮮で政変があった。数日前に韓国放送が公表していたが、今日になって朝鮮労働党が金書記の後見人である張成沢・国防委員会副委員長をすべての職務から解任し、党から除名することを決めたと朝鮮中央通信が正式に伝えた。張氏は金正恩第一書記の叔父である。それがある日突然追放されるのだから、「一寸先は闇」の怖い国である。

 とにかく生活の乱れや麻薬問題まで理由に挙げられているが、具体的な理由が知らされないまま突然失脚した。張氏が今日政治局拡大会議場から引っ立てられるように連れ出された屈辱的なシーンがあった。2人の側近はすでに処刑されたそうだ。

 それにしても思い出すのは、共産党独裁国家と言われたスターリン時代のソ連、文化革命時代の中国で反対意見の幹部を次々と粛清した恐怖政治である。今回の北朝鮮の政変により金体制の権力集中化が進むと見られているが、金第一書記が操り人形にさせられているのではないかと思っている。怖いのは今後軍部がどういう動きを見せるかである。

2013年12月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2400.2013年12月8日(日) 戦争の恐怖。初めチョロチョロ、あとパッパ

 一昨日深夜特定秘密保護法案を強行採決した自民党、公明党への批判が激しい。朝日新聞の世論調査に依れば、同法案の反対者は76%だという。国民の3/4が反対していることになる。冷静に分析して少なくとも国民の過半数は反対だと見ている。これではもう世論の支持を得られているとは思えない。それを(議員)数の力に物言わせ、拙速に自分らの考えを押し通す政権政党自民党の傲慢さに対して腹が立つが、よく考えて見れば自民党議員を当選させた我々国民にも大きな責任があると思う。

 今日テレビで識者が、なぜこれほど急いで法案の成立を図るのかとの質問に、早く法案を通さないと法案の内容が国民に理解されるようになり反対意見が多くなり、法案成立が危ぶまれるから国民がまだ気がつかない今のうちにエイコラサとやってしまおうとの考えのようだ。事実朝日の世論調査の結果も前回の反対者は50%、前々回は42%だった。どんどん反対が増えている。これだから後ろめたい政府が採決を急ぐわけである。しかし、これでは国家の国民に対するだまし討ちではないか。国民こそ良い面の皮である。これこそ一党独裁の怖いところではないか。

 今日も友人たちから政府のやり方に憤るメールをもらった。口では民主政治なんて言っていながら、天下を取った自民党には謙虚とか、遠慮とか、少数意見の尊重なんてまったく考えてもいないことは明らかである。

 さて、今日は太平洋戦争の開戦記念日である。開戦時は3歳だったから当時の世相は知る由もないが、時恰も特定秘密保護法案が戦時中の秘密とか、密告を想像させ、暗い時代の到来を思わせる。

 今朝の「天声人語」に永井荷風「断腸亭日乗」に書かれた開戦3日後の文章が面白い。荷風らしく浅草の踊り子が気になったようで「歓楽街の人出はいつもと変わりなく、芸人や踊り子のふるまいもまた同じ」とあった。

 書棚に大分前に入手した吉野俊彦・元日銀理事の「『断腸亭』の経済学」なる荷風文学の収支決算と称した分厚い評伝書がある。平成11年11月に読了とのメモがある。所々朱線を引いてあるが、著者には申し訳ないことに内容はあまり印象に残っていない。

 だが、荷風書の12月11日に確かにこう書いてある。

 「~日米開戦以来世の中火の消えたるやうに物静なり。浅草邊の様子いかがならむと午後に往きて見る。六区の人出平日と変りなく、オペラ館芸人踊子の雑談亦平日の如く、不平もなく感激もなく無事平安なり。余が如き不平家の眼より見れば、浅草の人達は堯舜の民の如し~」

 最初は案外こんな程度だったのだ。この後にじわじわと恐怖がやって来る。特定秘密保護法案が戦時中の治安維持法のように法衣の下の鎧でないことを祈りたい気持ちである。

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2399.2013年12月7日(土) 恐ろしい戦後の治安維持法(特定秘密保護法案)成立

 昨日深夜ついに特定秘密保護法案が参議院本会議で可決成立した。国民はもちろん、新聞各紙、テレビなどメディアは一斉に反発している。戦前の治安維持法以来の悪法である。

 今朝も横浜にお住まいで亡父の元同僚だった91歳になる方から、日中戦争から太平洋戦争に突入していった過程に治安維持法が果たした危険と怖さをメールでご連絡いただいた。陸軍経理学校を出てビルマ戦線へ応召されて戦争の恐ろしさを知りすぎるほど知っているご高齢の方である。大学の後輩からも国民の知る権利の平等を脅かしかねない法律の成立であると危惧したメールをもらった。

 これまでの動きを見ていると、何が何でも法案成立を目指していた自民党は、過半数を超える数を背に公明党とともに有無を言わせぬ強引な手法で突っ走ってきた。昨年暮れまでは野党だった自民党が総選挙で過半数を制するや、一転して力づくで正面突破を図ってきた。それが昨晩の強行採決である。これにいままでとは異なり、終始公明党が同調している。これまで独走気味の自民党のブレーキ役を務めてきたのに、最近はどういうわけか肝胆相照らした同一政党のような行動である。公明党の独自性がまったく姿を消して最早第2自民党となっている。

 公明党がなぜ自民党とこれほど仲良く足並みを揃えられるのか。公明党はこの法律の内容が自分たちに利すると承知したうえで自民党と足並みを揃えたに違いない。すでに両党の間で「秘密」を共有しているのではないか。これでは最早公明党は政権政党としての役割を終えたと言えるのではないか。

 この法律の怖いのは、秘密を知り、それを漏らすと重い罰則が課せられることであるが、一体何が秘密なのか国民にはまったく分らないことである。それを大臣の意向を汲んだ官僚が、国民に知らせずに恣意的に決めるという乱暴なやり方を法律が認めている。まるで恐怖政治が取り締まるスパイ防止法案である。

 こうなったら戦争の恐ろしさを知らないノーテンキな議員、そして世間知らずの自民党世襲議員らを次回の総選挙で法にギリギリの範囲内で絶対落選させるという運動を起こさないとお先真っ暗だと考えざるを得ない。

2013年12月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2398.2013年12月6日(金) マンデラ元南アフリカ大統領亡くなる。

 ネルソン・マンデラ元南アフリカ大統領が亡くなられた。95歳だった。最近健康を害してその様子が遠慮がちに伝えられていた。27年間に及ぶ獄中生活を送った不屈の人だった。何といっても人種差別を象徴するアパルトヘイト政策と闘い、獄中からその撤廃を訴えて実現して1990年釈放されるや南アフリカ最初の黒人大統領に就いた後も、黒人が白人に対して報復することを許さず、人種融和の象徴として世界中から尊敬を集めた。93年にはノーベル平和賞を受賞している。日本にも2度訪問された。

 1991年5月南アフリカを訪れた時、マンデラ氏は釈放され自由の身となっていたが、まだアパルトヘイトを支持する勢力は根強く、支援する人は数多くいた。彼らがアパルトヘイトを支持する理由は、居住地区を自由にすると反って治安が悪化するということだった。鉱山内に社宅を用意された黒人従業員はアパルトヘイトに賛成だと話していたことが強く印象に残っている。彼らの言い分は、働く職場や住居が与えられるなら働く意欲のある自分たちにとってアパルトヘイトは好都合であり、働き者の黒人にとってはその方がずっと良い。怠け者の黒人にとっては反アパルトヘイトは反って都合が良いので、アパルトヘイトに反対しているのは、こういう怠け者だと話してくれたことが妙に頭の隅に引っかかっている。

 ちょうどその春ロスアンゼルスで白人警官が寄ってたかって黒人を殴打する、所謂「ロスアンゼルス暴動」が発生したが、その時ガイドをしてくれた黒人の鉱山会社社員が、アパルトヘイトをやっていればこんな事件は起きなかったと言ったのにはびっくりした。

 しかし、幸いにしてマンデラ氏の強い反人種隔離政策の理念が少しずつ効果を上げ、黒人に対して白人を憎まず反白人運動を起こさないよう、つまり反差別を強く訴え続け、結果としてそれが功を奏した。恨みを相手にぶつけず、あくまで反差別と自由を追求して、その成果を国民に与えた、稀に見るヒューマニストだったと思う。

 1995年南アフリカでラグビー・ワールドカップが開催された時には存在感を示され、それが数年前映画にもなり、マンデラ氏に扮した俳優が出て来て中々面白かった。

 ヒューマニズムに溢れ、実行力のあったマンデラ氏のような理想と信念が固く実行力のある人は今後もそう現れないだろう。心よりご冥福をお祈りしたいと思う。

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2397.2013年12月5日(木) ノン・フィクションは最後の追い込み

 いまかかりきっている旧トラック島大酋長に関するノン・フィクションもそろそろ大詰めであるが、新たな事実がいくつか見つかったことから、改めて推敲に時間を割かれている。

 その中で旧トラック島大酋長・相澤進さんが湘南中出身だという事実関係は、真偽を取り混ぜた噂がずっと尾を引いているが、先日大酋長の父親の実家を継いでいるご当主から、湘南の傍の学校だったらしいと伺ったばかりである。

 それが、先日湘南東京有志会のパーティ席上で昭和20年に旧制湘南中4年で卒業した堀江昭さんから、その当時湘南校舎内にもうひとつ別の学校があったということを伺って、昨日堀江さんに電話で知る限りのことをお尋ねした。

 「湘南創立90周年記念」誌に依れば、県指令により昭和14年に湘南中校舎内に湘陽中という別の私立(財団法人)の中学校が開設され、湘南中赤木校長が湘陽中の校長を兼任された。初年度生徒数は46名だった。この湘陽中は終戦直前の昭和20年3月に廃止となったが、大酋長は昭和17年に中学校入学と考えられるので、湘南中ではなく、この私立湘陽中に入学、在学した可能性があると推察することができる。

 言動に謎の多い大酋長であるが、生前本人が湘南出身と語っておられた、その湘南に大酋長の記録が一切なく、あれやこれや憶測していたところである。そんな中でこの湘陽中説が一番可能性としては考えられるのではないかと思っている。それにしても情報整理に手間がかかる。まだまだ結論を出すわけには行かず、推敲も屋上屋を重ねるようなものだが、詰めをきちんとして大酋長のノン・フィクションを興味深いものに仕上げたいと思っている。

2013年12月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2396.2013年12月4日(水) 政府与党、特定秘密保護法案成立へ強引な仕掛け

 政府与党は特定秘密保護法案を今国会会期末の明後日6日に参議院で通過させる方針を固めた。法案を明日参議院国家安全保障特別委員会で可決させて、6日参議院本会議で可決させることを確認した。何と強引で不遜なやり方だろうか。まだ何が秘密事項かも明らかにされていない。誰がチェックするのかも決まっていない。いつになったら情報公開するのかも未定である。それで、仮に政府が恣意的に秘密と見做し、国民がそれを知ったら検挙されるというのでは、戦時下の日本どころか、スターリン時代のソ連と変わらないのではないか。

 安倍首相は秘密指定の統一基準に際して意見を聴くための有識者会議「情報保全諮問会議」を設けると表明したが、その妥当性をチェックする機関として「保全監視委員会」を設けるとも言ったが、これは内閣官房内に設置され、そのメンバーも事務次官級を中核とする委員会とする考えらしい。これが第三者機関の設置を謳っていた首相のアイディアか。

 これでは政府内に役人で作る組織を設置することでチェックなんて利くわけがない。首相は第三者機関でチェックするということをしばしば述べているが、首相の目指す第三者機関とは、自分の思い通り言うことを聞く組織のことで、こういう機関は第三者機関とは呼ばない。あまりにも多数の自民党議員を背に首相は一体何を考え、何を企んでいるのか。

 今朝の朝日新聞のコラム「異議あり 特定秘密保護法案」で、ニューヨーク・タイムズ東京支局長が、①本法案は世界の言論とは反対の方向に進んでいる、②秘密を決める官僚に大きな裁量と権限を与える、③秘密の定義が曖昧で広すぎ、チェックもない、④官僚組織から独立した第三者機関が必要であると厳しく指摘している。

 それでも安倍首相はわが道を行くと勇ましい。国民の間に国家不信、戦争への道につながることがなければ良いがと願う。

 今日東日本大震災発生から数えてちょうど1000日となった。多くの被災者が仮設住宅から出られない。復興はまだ緒についたばかりと言うしかない。

2013年12月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2395.2013年12月3日(火) 特定秘密保護法案は理解できず、問題だらけ

 特定秘密保護法案が自民党の力任せのやり方で成立しそうな雲行きであるが、反対運動も激しくなっている。6日に今国会が閉会するので、時間のない政府自民党は何とかこれを成案とすべくごり押しをしている。世論調査をすれば、国民の過半数は反対であり、読売新聞、サンケイ新聞を除いてメディアはほとんど反対である。それでも強引に法案を通そうとする政府の真意は、数日前に石破茂・自民党幹事長が自身のブログで「デモ隊の絶叫戦術はテロ行為と本質においてあまり変わらない」と公表するに及んで明らかになった。権力者の驕りが見えてきた。数の論理で議論を打ち切り正面突破しようと考えている。石破氏は批判を浴び、テロ行為云々という表現は取り下げたが、相も変わらず強気でいささかも反省の様子が見られない。本音としては音を出すことと、デモなどの反政府的行動はすべてテロだと言いたいらしい。拡声器を使って行う正当な選挙運動もすべてテロと言いたいのか。

 大体この法案は分らないことが多く、とてもすべてを納得して理解するというわけにはいかない。政府与党はなぜ学ぶ時間を与えてくれないのか。先週の朝日新聞には全条文が掲載されていたが、全1頁に及んでいた。これを国民に理解させようとすること自体まず難しい。委員会の質疑を見ていても、答弁する担当の森雅子・少子化担当相の回答がふらふらしている有様である。また、内容的にも指摘されれば分るということが多い。例題がなければとてもこの法律は分らないままになる。

 例えば、日米間で米軍基地費用の負担について国民に知らされることなく、日本政府が費用負担を増やすと決めることは機密事項に属するようだが、するとそれを明かした防衛省職員は罰則を課せられるし、国民は税金の使い道を知らされないままにされるということである。

 また、自衛隊が海外で戦闘活動を行うことも国民に知らされることなく秘密のままに置かれる危険性がある。まったく危ないことだらけである。

 日本国内のみならず、海外からも問題ありと指摘されているこの法案は、もっとじっくり審議すべきではないか。さもなければ当然廃案にすべきである。

2013年12月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2394.2013年12月2日(月) 剥離骨折に続き、今度は関節炎に罹る。

 昨晩遅くなってから左膝が急に痛み出した。先日転倒してすりむいた個所の近くで、気休めにパテックスを貼ったが夜中になって痛み出し、目覚めてしまった。痛いままうつらうつらして今朝起きても痛みが消えない。階段の昇り降りの際にも一歩ずつやっと歩く情けない状態である。

 そこで先週の剥離骨折の時と同じように松本整形外科医で診てもらうことにした。同じようにレントゲン写真を2枚撮ってもらった挙句、診断は関節炎ということになった。松本先生のお話では、「温めない」「動かさない」「使わない」に徹することだという。つまり、風呂に入らず、ウォーキングをせず、重い荷物も持たないことが大切だそうだ。結局入浴しないで外出をせず、箸より重い物を持たないという貧乏侍のような生活をしろということである。2週間前に右手を剥離骨折し、いままた左膝の関節炎とは、情けない限りで93歳で亡くなるまで割合健康だった父親に合わせる顔もない。

 しかし、今更嘆いても仕方がない。養生して一日も早く元通りになることが大切である。それにしても今年は年末近くなってついていないことが多い。

 案の定、このところ年賀欠礼の葉書をいただくことが多いが、今日いただいた2通は特に辛い。いずれも故人の奥様からいただいたものだが、良く知っていた友人なので少々堪える。

 1人は京都上桂中学時代の友人で、宇治市で八百屋卸業を手広くやっていてまだ元気だと思っていた。宇治市と言えば、治安維持法に反対して凶刀に斃れた社会主義者「山宣」こと、山本宣治の出身地であることが、偶然にも今朝の朝日新聞「天声人語」に紹介されていた。山宣については、学生時代に社会主義者を学んでいて幸徳秋水、河上肇、片山潜、山川均らとともに関心を持った。いま問題の特定秘密保護法案が、その治安維持法と比べられている。

 学校の帰りにその友人と松尾山で猪に追いかけられ逃げ回ったこともある。中学を出て八百屋の丁稚として修行し、二十歳前に家庭と店を構えた。自力で独立した大した奴だった。3~4年前に中学の同期会で会ったのが最後となった。亡くなった父が海外出張中に彼に絵葉書を送ったほど父も気に入っていた友だった。

 もうひとりはかつて勤めていた会社の腕のいいセールスマンだった。頑張って良い顧客を沢山抱えていた。ゼミの仲間と山形へ旅行した時世話をしてくれたのも彼だった。今年の春会社へ立ち寄った時唐突に相談を持ちかけられ、何とか彼が望むように働きかけてやった。それで随分感謝されたが、これは明らかに会社のやり方が間違っていた。

 それぞれいくつも思い出があるが、こうして親しかった昔の知り合いが1人去り、2人去って行くのだということを最近特に実感として感じている。その意味でも私の友人たちからも私が黄泉の国へ旅立ったとして惜しまれるというようなことのないよう、自分の健康には充分留意する責任があることを痛感させられた「関節炎」である。

 2人の友人のご冥福をお祈りしたい。

2013年12月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com