昨日深夜ついに特定秘密保護法案が参議院本会議で可決成立した。国民はもちろん、新聞各紙、テレビなどメディアは一斉に反発している。戦前の治安維持法以来の悪法である。
今朝も横浜にお住まいで亡父の元同僚だった91歳になる方から、日中戦争から太平洋戦争に突入していった過程に治安維持法が果たした危険と怖さをメールでご連絡いただいた。陸軍経理学校を出てビルマ戦線へ応召されて戦争の恐ろしさを知りすぎるほど知っているご高齢の方である。大学の後輩からも国民の知る権利の平等を脅かしかねない法律の成立であると危惧したメールをもらった。
これまでの動きを見ていると、何が何でも法案成立を目指していた自民党は、過半数を超える数を背に公明党とともに有無を言わせぬ強引な手法で突っ走ってきた。昨年暮れまでは野党だった自民党が総選挙で過半数を制するや、一転して力づくで正面突破を図ってきた。それが昨晩の強行採決である。これにいままでとは異なり、終始公明党が同調している。これまで独走気味の自民党のブレーキ役を務めてきたのに、最近はどういうわけか肝胆相照らした同一政党のような行動である。公明党の独自性がまったく姿を消して最早第2自民党となっている。
公明党がなぜ自民党とこれほど仲良く足並みを揃えられるのか。公明党はこの法律の内容が自分たちに利すると承知したうえで自民党と足並みを揃えたに違いない。すでに両党の間で「秘密」を共有しているのではないか。これでは最早公明党は政権政党としての役割を終えたと言えるのではないか。
この法律の怖いのは、秘密を知り、それを漏らすと重い罰則が課せられることであるが、一体何が秘密なのか国民にはまったく分らないことである。それを大臣の意向を汲んだ官僚が、国民に知らせずに恣意的に決めるという乱暴なやり方を法律が認めている。まるで恐怖政治が取り締まるスパイ防止法案である。
こうなったら戦争の恐ろしさを知らないノーテンキな議員、そして世間知らずの自民党世襲議員らを次回の総選挙で法にギリギリの範囲内で絶対落選させるという運動を起こさないとお先真っ暗だと考えざるを得ない。