2401.2013年12月9日(月) よく分らない特定秘密保護法

 昨日の朝日新聞朝刊に「特定秘密保護法(全文)」が頁いっぱいに掲載されていた。実は、先月27日付朝日朝刊にも同じように一面いっぱいに掲載されていた。それは「特定秘密保護法4党修正案(全文)」で、同じように組版されているので、どこがどう違うのかよく分らない。読み出してしばらくして難解な法律用語と文字を詰め込んだ窮屈な紙面にはお手上げである。これを果たして国民のどれだけの人が読んで理解するのだろうか。それより何より、これに賛同し支持した国会議員は本当に条文を読み、理解して国民のため、国家のために正しいと思ったのだろうか。

 どうしてこの法案をもう少し分りやすくできないのだろうか。国民に理解してもらおうとの考えがまったく窺えない。法律の中身が悪く、その内容も分り難い。これでは悪法と言わざるを得ない。

 いまミクロネシア連邦に関するノン・フィクションを書いているが、同連邦の憲法前文には次のような簡潔でほのぼのとする表現がある。

 「この島々に住むようになったわれら先祖は、先住者を押しのけてここに住んだのではない。この地以外に移ろうと望むものではない。・・・ミクロネシアの歴史は、人々が筏やカヌーで海を探索した時からはじまった。ミクロネシアの国は星をたよりに航海した時に生まれた。われらの世界はそれ自体1つの島であった」と素朴で分りやすく優しくて格調高い。特定秘密保護法も「秘密」「秘密」とばかり騒がないで、少しはこういう素朴な表現と視点を見習ってはどうか。

 さて、お隣のお騒がせ国家・北朝鮮で政変があった。数日前に韓国放送が公表していたが、今日になって朝鮮労働党が金書記の後見人である張成沢・国防委員会副委員長をすべての職務から解任し、党から除名することを決めたと朝鮮中央通信が正式に伝えた。張氏は金正恩第一書記の叔父である。それがある日突然追放されるのだから、「一寸先は闇」の怖い国である。

 とにかく生活の乱れや麻薬問題まで理由に挙げられているが、具体的な理由が知らされないまま突然失脚した。張氏が今日政治局拡大会議場から引っ立てられるように連れ出された屈辱的なシーンがあった。2人の側近はすでに処刑されたそうだ。

 それにしても思い出すのは、共産党独裁国家と言われたスターリン時代のソ連、文化革命時代の中国で反対意見の幹部を次々と粛清した恐怖政治である。今回の北朝鮮の政変により金体制の権力集中化が進むと見られているが、金第一書記が操り人形にさせられているのではないかと思っている。怖いのは今後軍部がどういう動きを見せるかである。

2013年12月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com