2396.2013年12月4日(水) 政府与党、特定秘密保護法案成立へ強引な仕掛け

 政府与党は特定秘密保護法案を今国会会期末の明後日6日に参議院で通過させる方針を固めた。法案を明日参議院国家安全保障特別委員会で可決させて、6日参議院本会議で可決させることを確認した。何と強引で不遜なやり方だろうか。まだ何が秘密事項かも明らかにされていない。誰がチェックするのかも決まっていない。いつになったら情報公開するのかも未定である。それで、仮に政府が恣意的に秘密と見做し、国民がそれを知ったら検挙されるというのでは、戦時下の日本どころか、スターリン時代のソ連と変わらないのではないか。

 安倍首相は秘密指定の統一基準に際して意見を聴くための有識者会議「情報保全諮問会議」を設けると表明したが、その妥当性をチェックする機関として「保全監視委員会」を設けるとも言ったが、これは内閣官房内に設置され、そのメンバーも事務次官級を中核とする委員会とする考えらしい。これが第三者機関の設置を謳っていた首相のアイディアか。

 これでは政府内に役人で作る組織を設置することでチェックなんて利くわけがない。首相は第三者機関でチェックするということをしばしば述べているが、首相の目指す第三者機関とは、自分の思い通り言うことを聞く組織のことで、こういう機関は第三者機関とは呼ばない。あまりにも多数の自民党議員を背に首相は一体何を考え、何を企んでいるのか。

 今朝の朝日新聞のコラム「異議あり 特定秘密保護法案」で、ニューヨーク・タイムズ東京支局長が、①本法案は世界の言論とは反対の方向に進んでいる、②秘密を決める官僚に大きな裁量と権限を与える、③秘密の定義が曖昧で広すぎ、チェックもない、④官僚組織から独立した第三者機関が必要であると厳しく指摘している。

 それでも安倍首相はわが道を行くと勇ましい。国民の間に国家不信、戦争への道につながることがなければ良いがと願う。

 今日東日本大震災発生から数えてちょうど1000日となった。多くの被災者が仮設住宅から出られない。復興はまだ緒についたばかりと言うしかない。

2013年12月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com