1864.2012年6月20日(火) 官僚の隠蔽行為と無責任体質をもっと糾弾すべきではないか。

 昨日は6月にしては8年ぶりの台風4号襲来により、午後になってから激しい風雨に交通機関も寸断され、各地で大きな爪痕を残した。その影響であろうか、今日空は晴れたが、気温は午後になってぐんぐん上がり都内では今年最高の30.2℃を記録した。台風4号に続いて南方洋上に発生した5号の影響で、明日以降も再び強い風雨がやってきそうで一寸心配である。

 さて、本ブログでも指摘した、朝日新聞が槍玉に挙げたアメリカ・エネルギー省提供の福島原発汚染地図の放置について、責任感の薄い官の原子力村の関係者が大した反省もせず、一部には開き直ってその経緯と内部事情を他人事のように説明した。

 本来住民避難に活用されるべき汚染地図は、アメリカから外務省を通じて間違いなく経産省原子力安全・保安院と文科省に届けられた。だが、前者の言い分は、提供された7枚のデータは大変重要で情報は共有されるべきだったと認識していながら、内部でどう取り扱われたかの記録がなく、住民避難対策担当である「住民安全班」になぜ渡らなかったのかが分からないという不始末ぶりである。室内にA2判に拡大した地図が掲示され、同じ室内で作業していた「住民安全班」のスタッフの目に入らないわけがない。その説明は極めて不自然で説得力に欠けるものである。その原因は調査中というが、判明したらきちんと説明してもらえるだろうか。

 後者の文科省に至っては、更に無責任が過ぎる。情報は共有すべきものと認識しながらも、陸上でのモニタリングを収集することが文科省の担当としらけた答えが返ってくる。対応する必要があれば、保安院が出すと思ったと、もう完全に責任転嫁をしている。そのうえで文科省に不手際はないとまで言い切っている。縦割り行政の最も悪い点である。ことは国民の生命に関する問題が、当事者意識の薄い官僚たちによって都合の良いように取り扱われている印象を受ける。

 第一これでは、日本では得られなかった貴重な資料をわざわざ提供してくれたアメリカ政府に対しても失礼ではないか。

 仕事をするフリはする。しかし、あくまで決められた範囲内で、決められた通りにしか動かない。間違っても言い訳ばかりで、責任転嫁する。つまり隣家が火事に遭っても消火する気はまるでないということだ。公僕であるべき筈なのに国民のことは一向に構わない。それにも拘わらず官僚たちは好待遇を受けている。一体いつごろから官僚たちは、こういう背任的な行為にぬくぬくと身を任せるようになったのか。

 福島原発事故の各調査委員会の議事録もほとんど記録していなかった不始末があったばかりではないか。あまりにも酷いと言わざるを得ない。

2012年6月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1863.2012年6月19日(火) 「地元」と「被害地元」の違い

 どっちを向いても揉め事ばかりで好い加減にうんざりである。一番お粗末なのは、民主、自民、公明の与野党合意が形成された消費増税一括法案に関する民主党内の内輪もめである。修正合意した同法案について、小沢一郎・元代表を中心とするグループらが昨日開かれた党合同会議で同法案の採決に反対を唱え、混乱は一向に納まる気配がない。今日も午後遅くなってから全党員を集めた集会で、実のない討論を繰り返している。消費増税は断じて容認できないと民主党に離党届を提出した、確信犯的な議員も現れた。最終的に前原誠司・政調会長が一任を取り付ける形で党内調整を打ち切った。結局民主党は党の方針に反対して、離党して党は分裂の事態に陥るではないかと見られている。

 さて、今原発立地自治体を「地元」と呼ぶ、当然の呼び方に対して地元とは境界を越えていても、万が一の場合、被害が及ぶかもしれない地域を「被害地元」と呼ぶことを主張する自治体が増えてきた。

 確かに行政的には地元とは言えないかもしれないが、放射能が風の向きや流れによって立地自治体の境界を越えて流れ込んで被害を及ぼすのを、立地自治体でないからと言って差別されたのでは、住民の気持ちは納まるまい。

 特に、滋賀県の嘉田由紀子・知事は4月に山田啓二・京都府知事とともに、大飯原発の再稼動をめぐる7項目の提言を政府に突きつけた時、「被害地元」という言葉を使った。それは去る3月再稼動の同意が必要な「地元」に、滋賀県は含まれないと藤村修・官房長官が述べたのがきっかけだった。

 嘉田知事によれば、大飯原発との距離は、福井県庁より滋賀県庁の方が近い。近畿地方の水源である琵琶湖が汚染されれば、影響は極めて大きいと懸念を示し、立地自治体並みの扱いを求めた。今、原発周辺の各地で「地元」の定義を問い直す動きが広がっているという。

 その典型的な例は、新潟県の東電柏崎刈羽原発から20kmの長岡市であり、佐賀県にある九州電力玄海原発・周辺自治体である。後者では県境を越えて長崎県と30km圏の長崎県内4市が、九電と安全協定を締結した。

 一方で、立地自治体には不満が燻っているようだ。立地自治体は、「被害地元」とは完全に立場が違うと強調する。そもそも立地自治体は「被害地元」とは、歴史も自覚も異なるというのが彼らの言い分のようである。地元の解釈が異なれば、核燃料税や電源三法交付金などのリスクと引き換えの既得権益が揺らぐのではないかとの危機感があるようだ。「地元」と「被害地元」との間で妙ないがみ合いのようなものが生じなければ良いがと願う。ここには、まだ相手の気持ちを慮る思いやりと話し合いの余地があるようだ。

 いずれにせよ、ひとつの原発事故が自治体同士の不信感、対立まで誘発する事態となっている。せめて、民主党には同じ党内の見苦しい揉め事だけは人前に晒さないようにお願いしたいものである。

2012年6月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1862.2012年6月18日(月) 選挙によって国は変わるか。

 昨日の本ブログに登山について書いたら、何と今日アラスカの北米最高峰マッキンリーで日本人登山者4名が雪崩に遭い遭難したとのニュースには驚いた。マッキンリーと言えば、1984年にあの冒険家・植村直己さんが遭難した山である。今度の遭難事故では、登山隊長だけが難を逃れたようだが、遭難した4人は登山経験が豊富だったという。現地では崩落事故の危険のため捜索を打ち切らざるを得ないという。正に悲劇である。

 さて、気がかりだったヨーロッパ債務危機の端緒となったギリシャで、議会選の再選挙が行われ、緊縮策を進めていた旧与党の新民主主義党(ND)が第1党となり、同じ旧与党の全ギリシャ社会主義運動(PASOK)との合計議席数が、議会定数の過半数を占めることになった。これでギリシャのユーロ離脱の危機はひとまず遠のいた。

 しかし、依然として国内の緊縮策への反感は根強く、今後も予断を許さない。というのは、比例代表制をとるギリシャ議会選は、第1党に無条件で50議席が上積みされるため、議席数と民意の間に格差が見られるからである。事実、一部では薄氷の勝利との評も見られる。

 ギリシャの反緊縮派の勝利がユーロ離脱の可能性を含んでいただけに、緊縮派の勝利は欧州連合のみならず、世界中の財政担当者をほっとさせている。対ユーロ相場も敏感に反応し、ユーロは一時一週間ぶりの高値をつけたし、日経平均株価も先週末に比べて151円も値を上げた。当分この綱渡りのまま推移するのだろうが、一日も早く安定してほしいものである。

 エジプトでも大統領選挙の決戦投票が行われ、ムバラク前大統領の影武者のような、前首相・シャフィーク氏が僅差でイスラム原理主義・イスラム同胞団のモルシ氏に敗れた。エジプトの様子を見ていると、どうもアラブの春が冬になりそうな様子も垣間見える。旧政権を倒した若者たちが推した人物が前回の選挙に敗れたことにより前途に希望を失い、社会全体が閉塞状況から脱却できていない印象があるからである。

 更に、フランスでも国民議会(下院)選挙の第2回投票があり、オランド大統領の社会党が577議席のうち、314議席で単独過半数を獲得した。今後オランド政権の足場は固まり、当面の危機対応に対して自らの政策を進めることができることになった。野田首相よりよほど政策実行過程ではやりやすい環境にあるようだ。

 翻ってわが国の政治現況はどうか。野田首相はG20に出席のためメキシコへ旅立った。21日の国会会期末日に野党と修正協議成った消費増税法案の採決に参加する。但し、問題山積である。

 その中でも今朝の朝日によって暴露された、政府の失態が問題である。福島原発事故直後にアメリカから提供された放射能汚染地図を日本政府が公表しなかった。これをきちんと伝えるべき時に、伝える人に伝えておけば、避難民が放射能汚染に晒されることはなかった。関係機関の文科省と原子力安全・保安院は責任逃れの説明に終始している。こんな甘ったれた体質で、果たして原発を安全に機能させていくことができるのだろうか。不安だらけである。

 今日も内科と肛門科で診てもらった。しかし、依然視界良好ならず。駒沢大の公開講座は当分欠席することにして、各講師にはメールで連絡した。

2012年6月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1861.2012年6月17日(日) 海外旅行経験と登山歴とその効用

 母の日に比べてあまりぱっとしないが、今日は父の日である。新潟市内に住んでいる二男夫婦から父の日プレゼントにポロシャツを送ってくれた。遠い所に住んでいても、気にかけてくれるのは嬉しいものである。 

 大飯原発再稼動が各方面に様々な問題を投げかけている。特に驚いたのは、嘉田由紀子・滋賀県知事が、再稼動に反対したことに対して、きつく言えば政府、電力会社、企業に脅かされていると知事自身が語ったことである。ついに国家権力の圧力と目に見えない暴力はここまできたかと暗然たる思いである。これでは、反対したくても誰しもその気持ちを行動に移せなくなるのではないか。この嫌がらせは個人の自由な発言が許されないことであり、明らかに民主主義を否定するものである。今後、原発是非の問題はどうなるのやら、第二の大飯として、ストレステストを終えた各地の原発は次々に再開されていくのだろう。こうして結局福島以前へ舞い戻り、何ら裏付けのない原発安全神話が堂々とまかり通ることになる。

 さて、自分の旅行歴と登山歴に関して僭越だが、一部を思いつくまま披露してみたい。案外気づかなかったが、不思議に符牒が合うこともあるものだと感じた。

 今度の旅行でペトラ遺跡を見学して、見学・訪問した世界遺産の数は、40ヶ国、160ヶ所になった。同時に、このペトラ遺跡は、現在コロッセウム(ローマ)、万里の長城(中国)、タージ・マハール(インド)、チチェイン・イッツァ(メキシコ)、マチュピチュ(ペルー)、コルコバードのイエス・キリスト像(ブラジル)とともに「新・世界7不思議」として認証されている。幸運にも私はそれらもすべて見学したことになる。運を味方にして自分でもよくやったと思う。スイスに本部を置く「新世界7不思議財団」は、2007年7月7日にかつて古代ギリシャ時代・古代ローマ時代の注目すべき7つの大建造物として知られていた「世界7不思議」に替わって、「新・世界7不思議」を認定した。残念ながらかつての「世界7不思議」は、今日ギザの大ピラミッドを除いて現存していない。そこで財団は5年前7つの偉大なる、古代から近代に至る文化的大建造物を広く世界に知らしめるため「新・世界7不思議」を決定した。その7つを幸いにして先日のペトラ遺跡の見学によりすべて訪れることになったのである。しかも、その最終リストに21ヶ所の文化的建造物がノミネートされていたが、どういう幸運か、私はその21ヶ所のうち18ヶ所にも訪れている。18/21の割合である。かなりの頻度だと感慨深い気もしてくる。とても充分とは思っていないが、やはり世界各地へ旅行回数が多い証左であろうか。

 次いで登山記録であるが、国内の高峰登山歴を改めて調べてみた。昨日の朝日新聞によると深田久弥氏の日本百名山には、3000m以上の高峰が13座あるそうだ。では、日本には3000mを超える高い山は全体でいくつあるだろうかというと合計21座である。3776mの最高峰・富士山に始まり、3013mの南アルプス・聖岳が21位である。学生時代に登山を始めてからサラリーマンとして結婚するまでの間ひたすら登山に熱中して、私はこのうち18座を征服している。不思議なことにこれも18/21である。これらの登山には、特徴がある。登らなかった富士山、御岳、乗鞍岳は独立峰であることである。今でもいつかはすべて登ってみたいとの気持ちがある一方で、両膝を痛めて登山から足が遠くなっている現状を鑑みると悲観的に成らざるを得ない。

 今度の旅行でもつくづく感じたことは健康に勝るものはないということである。今、痔の具合が悪く、蛋白質量を表示するCRP数値が下がらず、風邪気味で、たくさんの薬を服用している現状は、かつての元気溌剌とした自分とは大分変わってきたように思う。

 それにしても、海外旅行にしろ、国内登山にしろ、これらの個人記録は思い切り青春を謳歌した勲章であり効用だと思う。あまり嫌な思い出がないのも、誇るべき勲章だったからだろう。

2012年6月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1860.2012年6月16日(土) 漸く与野党間で妥協案成立

 昨深夜まですったもんだしていたが、漸く与野党が修正案につき話し合いがつき、「社会保障と税の一体改革法案」が成立する見通しとなった。これで現行5%の消費税率を2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上げる法案は成立に向けて大きく前進する。

 改めて手元に保存している3年前の民主党マニフェストを見ても、消費税増税なんて言葉はどこにもない。実行できそうもない体裁の良い言葉ばかりが並んでいる。

 しかし、現実問題として日本の財政が危機的状態にあることは間違いない。それを承知していた当時の自民党は、消費税の値上げを考えていた。結果的には総選挙で敗れた自民党の知恵を借りる形で、今回の合意は成立したと言える。

 民主党が国の火の車の財政を懸念してマニフェストで訴えなかった消費税の値上げに踏み切ったことは、割り切れない思いはするが、ある面で止むを得まい。ただし、社会保障の抜本改革を先送りしたことは、一体改革と標榜していた手前、些か足元を掬われたような気がする。

 問題は今国会で上記法案採決の際、執拗に消費税値上げに反対している民主党内の異分子をどう説得し、仮に採決に反対票を投じた場合、いかなる処分をとるのかがむしろ関心の的である。民主党内は分裂するのか、現時点では予断を許さない。

 それにしてもどうして同じ党内でここまで考え方が割れるのか。元々小沢一郎・元党首を含む元自民党の離脱者や、社民党を離脱した横路孝弘・現衆議院議長や江田五月・前参議院議長のような対極軸にあった議員の寄り合い所帯である。しかし、一度ひとつの御旗の下に結集したからには簡単に他党と手を組んで、党内を割るようなことがあっては法案成立、実行はとてもできないと思う。現在の民主党には、その辺りの辛抱強さに欠ける面があると思う。

 野田首相は今国会成立に政治生命を賭けると言明していたように、本法案の成立を確実にするために21日に会期が終わる国会を8月ごろまで延期することを言い出している。自分たちの都合のためには、何でもありなのである。

 さて、西川一誠・福井県知事の同意を受けて、野田首相は今日関西電力大飯原発の再稼動を正式に決定した。防潮堤や免震棟が未整備の段階でGOサインである。福島第一原発事故の被災者からは、早すぎるとの声があり、菅前首相も脱原発を主張して再稼動反対を行動している中での政府の原発OKには首を傾げたくなる。これもこのバランスの取れていない政党の限界を暗示しているのだろうか。

2012年6月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1859.2012年6月15日(金) オウム事件最後の逮捕者

 今朝からテレビは大物?逮捕で大騒ぎである。ニュース、ワイドショーに「高橋克也」なる人物の大捕り物帖に尾ひれがついて、どこで、どんな服装を身につけていたか、またどこに潜伏して、どのような逃走経路を辿っていたかと微に入り細に入って報道している。各テレビ局が同じような手法で同じ人物を取材している。この無駄は何とかならないものだろうか。

 他に伝えるべきニュースがもっとある筈であり、特に緊急にして最大の重要法案・消費増税法案が最後の詰めで与野党間で揉めている最中である。夜遅くなってもまだ与野党間で修正協議を続けている。他にも原発再稼動問題、墜落したオスプレイ配備問題等々が身に差し迫った課題である。

 その「高橋克也」は全国重要指名特別手配犯人の中で最後に残った人物で、17年前の、あの呪わしいオウム地下鉄サリン事件の実行犯のひとりである。しぶとく逃げ回っていたオウム関係者は、残り3人から中々追い詰められず、昨年大晦日に平田信が逮捕され、今月に入り最後の2人目の菊地直子、そして今日の高橋が最後のお縄頂戴となった。最後まで逃げ回っていたが、ついに年貢の納め時となった。事件発生からすでに17年が経過している。これでオウム裁判が進むのかどうか定かではないが、こんな忌まわしい事件は一日も早く決着をつけてほしい。

 さて、旅行から帰ってから一寸体調がおかしい。やや風邪気味で、喉もいがらっぽいし、咳やくしゃみが出る。鼻をかむことも多い。思い切って森内科へ出かけて診てもらったところ大したことはないようだが、風邪との診断を下してもらう。痔もやや小康状態であるが、どうもぱっとしない。

2012年6月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1858.2012年6月14日(木) 危険に鈍感になった日本人

 国会では今会期中に消費増税法案を通すため、与野党入り乱れて手練手管の猿知恵を出し合っている。政府提出案に同意してもらうため、政府・民主党は自民党と公明党に対して度重なる妥協を受け入れ、実際どの政党が起案した法律案か分からなくなっている有様である。これが民主党内では、野党に譲歩し過ぎとの別の声も上がって、不満が渦巻いている。

 さて、今日の朝日夕刊「窓」欄に、沖縄に布教に来て半世紀以上になるラサール・パーソンズ神父が紹介されている。沖縄の米軍普天間基地へ4月にモロッコで墜落事故を起こしたばかりの新型輸送機MV22オスプレイが配備されることについて、「沖縄の人たちにはもっと怒ってほしい。それは暴力の怒りでなく、非暴力の怒りです」と言っている。そのオスプレイは、沖縄配備の前に一時的に航空自衛隊岩国基地に配備されることが予定されており、先日森本敏・新防衛相がアメリカから絶対安全の保証を得たと述べた。沖縄と岩国住民を安心させるための気休めのメッセージである。

 ところがどうだ。その朝日夕刊の1面に「オスプレイ、米で墜落」と大々的に報じられているではないか。フロリダ州で訓練中に事故を起こしたらしい。アメリカが安全だと確約した安全が、安全ではなかったのである。

 「安全」とは一体何だ? 「安全」と相手から言われたまま信じることが国のトップ層が考える「安全」なのか。

 今朝のテレビ番組でも大飯原発の安全について、不安だらけの実態が報告され話題になっていた。原子力保安・安全院の示す「安全」報告により、野田首相が安全であると受け止めて大飯原発の安全を宣言した。それを西川福井県知事が安全と考え、自ら大飯原発を訪れるパフォーマンスを行って安全をアピールして、時岡大飯町長の安全信用の過程へ導いていく。これにより一応大飯原発は「安全」と容認された。原子力保安・安全院以外は原子力に関してすべて素人である。その素人の判断によって「安全」が一人歩きを始めたのである。あな、恐ろしや!

 その大飯原発の2号機と3号機の間に、大きな活断層が走っていて、極めて危険だという。もっと精密な調査を続ければ、更に他の原発にも危険が潜んでいることが明らかになるだろうというのが、むしろ原発を容認する学者の意見である。

 いつの頃から日本人は危険を危険と思わなくなったのだろうか。これでは、いずれ首都東京近郊にも原子力発電所を作り、オスプレイを配備するのではないだろうか。

2012年6月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1857.2012年6月13日(水) 福井県のしたたかな政治力

 今朝の朝日「天声人語」にこんなことが書いてある。「大相撲の八百長問題で忘れがたい怪文がある。<立ち合いは強く当たって流れでお願いします>」。同コラムは更に「大飯原発が『流れ』で動き出そうとしている。福井県知事の求めで野田首相が地元に感謝し、再稼動の決意を表明、それではと地元が同意に動く」と一昨日の本ブログに書いたのと同じような指摘である。

 この福井県知事・西川一誠氏なる人物は、その風貌と話の姑息な進め方から推して何となく役人上がりではないかと調べてみたら、やはり地方行政を管轄する自治省のお役人だった。そつなくことを運ぶ作業にはうってつけの人物なのだと思う。だが、果たして県と県民のためを考えて行動する人物かとなると少々疑問である。

 今度の大飯原発再稼動に当たり、昨日の現地視察で安全宣言を述べるにしても自分は極力責任を取らないように、事前に原子力保安・安全委員会から安全との担保を得たうえで動き、安全宣言をしている。大飯原発の現地を視察したにせよ、京都大法学部出で原子力の専門家でもない元自治官僚に原発の安全性なぞ正しくチェックできるはずがないではないか。とにかくこういうように巧妙に動く狡賢い輩が多くなった。

 日曜日にヨルダンから帰ってきたら「三田評論」の及川健治編集長から同誌6月号が送られてきていた。早速ベオグラードの友人・山崎洋氏のエッセイに目を通す。今年3月にベオグラードで演奏された慶應塾歌のエピソードが心に訴えるように書かれていた。彼は中々の文筆家であるが、本エッセイも中々秀逸で、読者に好評だった現場の臨場感を温かく伝えてくれる。文中にはその橋渡しをやってくれたとして私や、ゼミの後輩らの名前までヨイショして紹介してくれる心配りぶりである。12月に作曲した信時潔の名曲演奏会が信時所縁の国分寺で開かれ、以前は演奏されなかった塾歌を♪海ゆかば♪などとともに、セルビア在住のバイオリニスト豊嶋めぐみさんが演奏してくれるのが楽しみである。

 さて、シリアの治安混乱はいよいよ内戦状態になってきた。国連停戦監視団ははっきり内戦状態と述べている。にも拘わらず治安維持のためシリアへ国連軍を投入することができない。ロシアと中国が国連安保理で他国の介入は内政干渉であると強く反対しているからである。その中国が国連安保理決議で禁止されている武器を北朝鮮へ輸出した情報を日米韓が得ていたことが明らかになった。証拠が明らかなのに、中国はその疑惑を真っ向から否定している。最近の中国は一体どうなってしまったのか。世界の嫌われ者となって地球上の孤児にならなければいいが・・・。

2012年6月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1856.2012年6月12日(火) 特別自治体、広域連合とは?

 今月21日に国会会期が終わる。今国会でも相変わらず与野党の茶番が行われているが、時間をかけているにも拘わらず、与野党の番外ショーによって重要法案は何一つ通らず、今や国会は機能不全の体たらくである。

 最大の狙いだった野田政権の消費増税が、「税と社会保障の一体改革」の名の下に消費税値上げとセットにした社会保障制度改革が野党の合意を得られないからである。ましてや、消費税値上げに関しては、野党ばかりでなく民主党内に反対派がぞろぞろいるようでは政治家最大の仕事である法律を作り、実行するという理念は望むべくもない。

 ライバル政党の粗探しばかりにうつつを抜かす野党の自民党と、お互いの足の引っ張り合いに終始して前向きな政策の実行に何らの関与もできない与党民主党の次元の低い政争には呆れるばかりである。これでは海外諸国のわが国を見つめる目は一層厳しいものとなるだろう。政治家がダメなら誰に頼ったら良いのか。

 さて、「関西広域連合」という言葉をメディアが言うなりに、曖昧なまま理解してきた。特に、大飯原発再稼動問題が話題になるようになってから、「関西広域連合」という組織が大きく取り上げられるようになった。今朝の朝日新聞にこの言葉の解説が出ていた。

 一つ一つの自治体では対応が難しい課題に複数の自治体が取り組むため、17年前に設置が認められた特別な自治体だそうだ。面白いのはこの関西広域連合には奈良県を除く近畿5府県と鳥取、徳島県が加わり、大阪市と堺市が参加している。更に8月には神戸市と京都市が加盟するという。横の連絡や指揮命令系統にはそれなりの難しさがあるだろう。実務はどう行うのだろうか。でも、新たな面白い試みだと思う。

 この広域連合という自治体の実態を知らずして、生半可な理解をしていたのは軽率だった。そう言えば、東日本大震災で未曾有の被害を蒙った陸前高田市で、4年前に陸前高田市、大船渡市、住田町からなる「気仙広域連合」の仕事を請け負ったことがあったが、その時は自分が講師を務めたにも拘わらず、広域連合の実態がよく分かっていなかった。お恥ずかしい限りである。

2012年6月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1855.2012年6月11日(月) 大飯原発再稼動の政治的プロセス

 今日最初にやるべきことは肛門科で痔の症状を診てもらい、治療してもらうことだ。早いに越したことはないと妻に定例のコーラスの練習をキャンセルしてもらい、新幹線・新横浜駅前のクリニックまで車で送ってもらった。医師の診断は、患部が腫れているので薬で試してその後様子を診て再検査をしようということだった。医師の強烈なアドバイスは、極力座らないということだが、それが中々難しい。普段座って仕事をすることが多いので、これではパソコンも使えず生活のペースも乱される。PCは立ったまま打ち、後は寝ころびながら溜まった新聞をむさぼり読むしかない。当分こんな生活を送るのかと思うとぞっとする。

 新聞を開くとどうだ!心配していた大飯原発再稼動について野田政権はすでにGOサインを発し、近々地元福井県議会の承認が得られれば、正式にスイッチが入る。この再稼動までのプロセスがどうもすっきりしない。旅行出発前から懸念していたように、関係者はみんな責任を取りたくない気持ちがミエミエである。西川一誠・福井県知事は再開に関しては、地元の同意を得ることが条件と公言し、自らが地元福井県民の同意を得ようということではなく、政府のバックアップを得て世論を盛り上げて再稼動しやすい環境づくりを考えている。つまり政府の再稼動容認により再稼動の空気を作ったところで、議会の再稼動同意の議決を勝ち取り、「福井県民再稼動に同意」のムードへ持ち込もうとする。

 結局大飯原発再稼動について、住民の理解を得るとの建前は、自治体トップが再稼動したいとの希望を他人の手を借りてまんまと思惑通りにことを運ぶ、いやらしい手法によって実現される。

 どうもこの世の中に直球勝負が少なくなってきた。

2012年6月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com