昨日の本ブログに登山について書いたら、何と今日アラスカの北米最高峰マッキンリーで日本人登山者4名が雪崩に遭い遭難したとのニュースには驚いた。マッキンリーと言えば、1984年にあの冒険家・植村直己さんが遭難した山である。今度の遭難事故では、登山隊長だけが難を逃れたようだが、遭難した4人は登山経験が豊富だったという。現地では崩落事故の危険のため捜索を打ち切らざるを得ないという。正に悲劇である。
さて、気がかりだったヨーロッパ債務危機の端緒となったギリシャで、議会選の再選挙が行われ、緊縮策を進めていた旧与党の新民主主義党(ND)が第1党となり、同じ旧与党の全ギリシャ社会主義運動(PASOK)との合計議席数が、議会定数の過半数を占めることになった。これでギリシャのユーロ離脱の危機はひとまず遠のいた。
しかし、依然として国内の緊縮策への反感は根強く、今後も予断を許さない。というのは、比例代表制をとるギリシャ議会選は、第1党に無条件で50議席が上積みされるため、議席数と民意の間に格差が見られるからである。事実、一部では薄氷の勝利との評も見られる。
ギリシャの反緊縮派の勝利がユーロ離脱の可能性を含んでいただけに、緊縮派の勝利は欧州連合のみならず、世界中の財政担当者をほっとさせている。対ユーロ相場も敏感に反応し、ユーロは一時一週間ぶりの高値をつけたし、日経平均株価も先週末に比べて151円も値を上げた。当分この綱渡りのまま推移するのだろうが、一日も早く安定してほしいものである。
エジプトでも大統領選挙の決戦投票が行われ、ムバラク前大統領の影武者のような、前首相・シャフィーク氏が僅差でイスラム原理主義・イスラム同胞団のモルシ氏に敗れた。エジプトの様子を見ていると、どうもアラブの春が冬になりそうな様子も垣間見える。旧政権を倒した若者たちが推した人物が前回の選挙に敗れたことにより前途に希望を失い、社会全体が閉塞状況から脱却できていない印象があるからである。
更に、フランスでも国民議会(下院)選挙の第2回投票があり、オランド大統領の社会党が577議席のうち、314議席で単独過半数を獲得した。今後オランド政権の足場は固まり、当面の危機対応に対して自らの政策を進めることができることになった。野田首相よりよほど政策実行過程ではやりやすい環境にあるようだ。
翻ってわが国の政治現況はどうか。野田首相はG20に出席のためメキシコへ旅立った。21日の国会会期末日に野党と修正協議成った消費増税法案の採決に参加する。但し、問題山積である。
その中でも今朝の朝日によって暴露された、政府の失態が問題である。福島原発事故直後にアメリカから提供された放射能汚染地図を日本政府が公表しなかった。これをきちんと伝えるべき時に、伝える人に伝えておけば、避難民が放射能汚染に晒されることはなかった。関係機関の文科省と原子力安全・保安院は責任逃れの説明に終始している。こんな甘ったれた体質で、果たして原発を安全に機能させていくことができるのだろうか。不安だらけである。
今日も内科と肛門科で診てもらった。しかし、依然視界良好ならず。駒沢大の公開講座は当分欠席することにして、各講師にはメールで連絡した。