2018.2012年11月21日(水) セルビア語訳書の岩波文庫出版について

 駒沢大で公開講座を受講した後、清田義昭講師とともにバスで渋谷へ出て、定番の「ハチ公像」前で一昨日ベオグラードから一時帰国した山崎洋さんと会った。3人で夕食を取りながら、山崎さんの翻訳書「山の花環」の出版について改めて話し合った。すでに4月に話した一件だが、山崎さんの思うようには計画が中々進まない。その後清田講師から岩波、中公、新潮等々にも話を通してもらったが、希望通りにはならなかった。その後セルビアへ戻った彼ともメールで話合った中で、彼が岩波文庫出版に強く拘っていることを知り、清田講師に改めてそのコネクションをお願いしたところだ。

 今日清田講師と山崎さんがその点をじっくり話し合い、また山崎さんの翻訳書への思い込みと原作者ニェゴシュに対するセルビア人の気持ちを清田講師が汲み取ってくれ、近々清田講師が改めて岩波へ山崎さんの気持ちと「山の花環」の出版価値等を伝えてもらい、担当者と山崎さんの橋渡しをしてもらうことになった。まぁ少し話が進捗したので、ほっとしているところだ。

 偶々ではあるが、来年2013年は岩波書店創立100周年の記念すべき年に当たり、同時にニェゴシュ生誕200年に当たる。この符牒も何かの因縁だと思うので、岩波が101年目の文庫企画の中にぜひともニェゴシュ作、山崎洋訳「山の花環」を加えられることを切に望んでいる。

2012年11月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2017.2012年11月20日(火) ビルマ民主化とビルマへの経済支援

 再選後最初にアジア諸国を訪問先としたオバマ米大統領とクリントン国務長官は、昨日ビルマを訪れた。オバマ大統領にとってビルマは初めての訪問であり、アメリカ政府のビルマへの援助再開のスタートとなった。

 オバマ大統領のビルマへの訪問は、ビルマ政府に対する経済封鎖解除を世界へ訴える狙いがあった。大統領は滞在僅か6時間の間に、ティンセイン・ビルマ大統領と会談し、2年間で136億円の経済援助を約束した。

 昨日カンボジアで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に出席した野田首相も日本から500億円の資金援助を約束した。日米両国がビルマ政府の民主化進捗を歓迎してビルマへ援助を再開したのは、その一方で中国のビルマ国内におけるインフラ事業に伴う中国の圧倒的な存在感を少しでも抑えようとの思惑があるからである。

 そのビルマで民主化運動のリーダーで、国会議員でもあるアウンサンスーチーさんの政治家としての存在感が今少しずつ薄くなりつつある。月刊誌「選択」11月号に、「色褪せるアウンサンスーチー」として取り上げられているが、その副題にはやや悪意があるのではないかと勘ぐりたくなるような「政治家としては『役立たず』か」と極めて露骨で辛らつなタイトルがつけられている。

 今年クリントン長官が初めてビルマを訪れ、スーチーさんと会った時お互いに抱擁し、スーチーさんの不屈な民主化への不屈な行動を高く評価したクリントン長官だったが、どうも最近では政治家としてのスーチーさんの力量にやや疑問を感じているようだ。15年間も軟禁状態に置かれ、外部との接触を禁じられ、国民的人気がプレッシャーとなって下手に動くこともできず、また周囲にも必ずしも優秀な人材に恵まれているわけでもない。ただ、最もスーチーさんの評価を下げたのは、ビルマ国内の民族問題にスーチーさんが一歩引いた発言をしたことが大きく影響しているようだ。ビルマには現在少数民族だけでも130以上もあると言われており、複雑な民族問題が国内における大きな社会問題となっている。「選択」は西部ラカイン州で勃発した仏教徒と少数派イスラム教徒・ロヒンギャ族の衝突事件で、ビルマ国籍を与えられていない最下層の棄民・ロヒンギャ族に対するスーチーさんの対応について、「ただでさえ複雑な民族問題を抱える中で、国民ですらない『異教徒』に肩入れするのを避けた」と手厳しく非難している。

 しかし、これはスーチーさんには少々厳し過ぎると思う。15年間手足を縛られ、外との連絡も絶たれて苦しみながらビルマの民主化のために耐え続けて、1年前に漸く自由の身となって公に活動を始めたばかりである。ロヒンギャ族問題にしても情報のない中で、スーチーさんはほとんど何も知らされなかったのではないだろうか。今でもビルマ民主化のためには、スーチーさんはなくてはならぬ人であるし、彼女がいなければ、今日の民主化の芽もなかったのではないかと思う。

 中国のビルマにおける影響力をできるだけ排除したい日米両国としては、極力ビルマへ支援を続けようと考えている。日本としては、30年以上前には絶対額は少なくても、相対的に影響力があった存在感を再びビルマ国内で取り戻し、日本とビルマの経済的な友好関係を維持しようと考えている。

 アジアでもまだ充分開発されていない自然資源の宝庫であるビルマに対して、戦前から歴史的にも、ビルマ独立の過程でも強いつながりのある日本が、経済制裁解除を機に経済面ばかりでなく、人的交流の伴う文化的な援助を含めて援助の手を差し伸べ、中国とは違った形でその存在感を高めてもらいたいものである。

2012年11月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2016.2012年11月19日(月) 心配なパレスチナ情勢

 イスラエル空軍機がパレスチナ自治区のひとつ、ガザ地区を空爆して、イスラム過激派組織ハマスから反撃を受け戦闘に火がついた。これまで危険な綱渡りのように、危ない均衡状態が保たれていたイスラエルとアラブ諸国のバランスが微妙に崩れた。これは単にイスラエルとハマスの戦いだけではなく、かねてからイスラエルによるイラン攻撃が懸念されていたように、他のアラブ諸国とイスラエルの多角的な局面での戦いが点火する危険性が増してきた。

 18日になってエジプトが仲介したイスラエルとハマスの停戦交渉が平行線のまま終わった。

 この先パレスチナを巡る駆け引きと交渉はどうなるのだろう。もともと好戦的なイスラエルはイランの核施設を攻撃すると度々公言していたが、或いは最近になってその機が少しずつ熟してきたのだろうか。

 1967年勃発した第三次中東戦争では、アラブ諸国のうち、シリアはゴラン高原を、ヨルダンはヨルダン川西岸を、そしてエジプトはガザ地区をイスラエルに奪われ、アラブ諸国はイスラエルによって完膚なきまでに叩かれた。その直後に現地を訪れた時感じたアラブ人の怨念を胸に、長きに亘って反撃の機会を狙っていたアラブ側が、今月に入りついにシリアがイスラエル占領地に迫撃砲を着弾させ、一触即発の危険性は高まってはきていた。

 今年6月ヨルダンとイスラエルを訪れた時に現地で感じたのは、お互いの反発や反感ではなく、むしろ意外なほど冷静な両国の感情だった。少なくとも敵対心とか、嫌悪感は表面上感じられなかった。それが第三次中東戦争の敵対国同士でありながら、陸路で国境を越えられる意外に緩い出入国管理に接してみると、事前に懸念していた両国間の強い怨念の篭った対立感情が和らいでいるのではないかとさえ思わせるものだった。

 当事者が考えることと、我々部外者が感じることにはもちろん落差があるとは思うが、それにしても中東戦争当時の殺気立った雰囲気がほとんど感じられなかった6月の空気と、ここ数日のイスラエルとアラブ諸国の間に急激に高まってきた嫌悪感剥き出しの感情的な対立はどう理解したら良いのだろうか。

 願わくは、戦火が地上戦へエスカレートして欲しくはない。

2012年11月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2015.2012年11月18日(日) 政治的にも外交的にも頼りにされなくなった日本

 解散総選挙に向けて与野党、第三極とも呼ばれる「日本維新の会」を始め、他政党も一斉に走り出した。先日4年に一度のアメリカ大統領選挙が大きな脚光を浴びるのと時を同じくして、中国共産党全国大会及び最高幹部の交代も大きく注目された。その最中に多分6年間で7人目の総理大臣が選出されるであろう、日本の解散総選挙は外国でも一寸ばかり報道されたが、それもいかにも皮肉交じりである。残念なことは知日派のハーバード大学名誉教授エズラ・ヴォーゲル氏の朝日新聞に紹介された言葉にも表れているように、日本の政治と外交が世界から関心を持たれることなく、期待もされなくなっていることである。

 今朝の朝日新聞で昨日の石原・橋本新党発足について、「石原代表・橋下代行―維新・太陽合併に合意」とニュースではトップ記事に取り上げながら、社説では「総選挙『維新と太陽』腑に落ちない合流だ」と首を傾げられ、その合意について手厳しく批判されている。

 朝日2面の「座標軸」では、解散総選挙についてヴォーゲル教授の最近のコメントを取り上げている。「日本ではあまりにリーダーがくるくると代わり、政権が弱すぎるので、米国政府も日本とは長期の話ができなくなった。忍耐力を失ったのです。その点、異質な相手でも中国となら長期の話合いができる」と対中外交に比べて、がっかりするような内容が書かれている。日本とは真剣な外交ができないと友好国のアメリカから袖にされるような見方なのは何とも情けない。

 かつて1970年代に流行ったヴォーゲル教授の「ジャパン・アズ・ナンバーワン」を始めとして、私の書棚にもエドウィン・ライシャワー著「ザ・ジャパニーズ」、ロベール・ギラン著「第三の大国日本」、ハーマン・カーン著「超大国日本の挑戦」等々錚々たる名著が並んでいる。当時の経済大国・日本を賞賛する声はひっきりなしだった。私もこれらの書を読み耽り日本の底力を随分頼もしく思ったものである。それが、30有余年の間に徐々に地盤沈下して最大のパートナーであるアメリカからの評価も下がり、今では外交の相手として頼りにされなくなっているのが実態である。

 しかし、現実はすぐに解決できるものではない。漸進的にあるべき姿へ軌道修正していかざるを得ないのではないか。現状を見ていると気の遠くなるような話だが、それも仕方ない。我々国民が選んだ政治家が、真面目に職務を遂行してくれないのだから、しゃくに障るが、選んだ我々にも大きな責任があると言わなければなるまい。

2012年11月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2014.2012年11月17日(土) 石原新党「太陽の党」が「日本維新の会」に合流

 衆議院解散により各政党は一気に総選挙モードに突入した。世評では政権政党の民主党は離党者が絶えず、このままでは第1党はもちろん望むべくもなく、野党に落ちて議員数も相当減らすだろうとの見方が強い。取って代わるのは、政権奪還を狙う自民党で、いずれにせよ現時点では政権交代の可能性はかなり高いと思う。

 それ以上に今回の総選挙で広く関心を集めているのは、橋下徹・大阪市長が代表を務める「日本維新の会」と東京都知事を辞めたばかりの石原慎太郎・党首の「太陽の党」の、第三極の流れと影響力である。

 それが、今日唐突に驚ろかされたのは、その2つの党が合流すると発表されたことである。つまり、石原新党と橋下新党が手を結び一つの政党として、民主・自民党ら既成政党を相手に総選挙で戦おうというのである。まさかこれほど性急にことを進めるとは思いも寄らなかった。まだ、提携するにはまとめるべき政策課題が沢山残っていると思っていただけに意外なスピードぶりには些か驚いている。石原氏が再三繰り返し言っていた「小異を捨てて大同に就く」に納得して踏み出したのだろうか。発足したばかりの「太陽の党」を敢えて解散までして「日本維新の会」へ合流するというのもびっくりである。代表は石原氏、副代表が橋下、幹事長は「日本維新の会」の松井一郎氏、国会議員代表は「太陽の党」の平沼赳夫氏だが、果たして他の第三極を目指す会派とともに政策協定を結びながら、どれほどの風を巻き起こし、台風の目となることができるか。

 石原代表はすでに80歳でかなり高齢であり、自身最後のご奉公と言っているように、短期決戦で第三極の道筋さえつければ佳しとしているのかも知れない。

 ただ、既成政党にとっては自分たちの縄張りの中で、談合して票を分け合っていたような政界だけに、まったく異質な政治家集団が切り込んできたことは、彼らにとっては衝撃であろうし、政界には新風を吹き込むという点で意味のあることだ。

 今の政治は世の中の動きに大きく後れて国民の信頼を失っているだけに、この大転換期に際して新しい政治の風と流れを呼び起こし、社会をリードして政治に対する信頼を回復して欲しいものである。

 その点で石原・橋下新党の影響力はどうなのか、注目して見てみたい。

2012年11月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2013.2012年 11月16日(金) 夕のひとときタンゴを楽しむ。

 今日衆議院が一昨日の野田首相のサプライズ発言通り解散された。「ウソツキ」呼ばわりされた首相の捨て身の逆襲と言われている。「解散」という実は取った安倍晋三・自民党総裁だが、元々理念も力もない「お坊ちゃん」には、討論では首相の鋭い逆質問に切り返す術はなかった。各メディアがこの時の両党首の対応について、アンケート調査を含めて採点しているが、完全に野田首相の判定勝ちである。

 これでいよいよ来月16日が投票日となった。昨日は国会で衆議院議員「0増5減」案が可決された。これにより次の総選挙は議員定数が5人減らされると思いきや、来月の投票には間に合わず、この法案はその次の総選挙で生かされるということである。従って今回の総選挙は最高裁が判断した「違憲状態」のまま行われる。その後に野田首相が声をからして安倍自民党総裁に訴えていた、定数削減を行うことになる。普通の常識では、何とか違憲状態をクリアしたうえで、総選挙を行うと考えられるが、別世界に住んで空気の読めない政治家の解釈は、「違憲状態は憲法違反ではない」という開き直りになる。すでに具体的に比例代表区で40名定数削減との民主党の提案に対しても、安倍氏は首相と自分の二人だけで決めて良いのかなどとピント外れの科白を言い、それまでに自民党も提案していたことなど忘れて惚けている。いちいち党内に持ち帰っていたら時間がいくらあっても足りない。自分は党の代表として決断を任されているとのトップの認識がまるでない。この次の選挙で、民主党、自民党のどちらが勝利を収めようとも、総理としての器、資質、演説の上手さにおいては、安倍総裁より野田首相の方が遥かに上回っていることが党首討論を通して明らかになった。

 さて、今夕は妻ともども神保町の如水会館で、ゼミの先輩である利光さんご夫妻と島田さんご夫妻とともに慶應のOBグループ「KBRタンゴ・アンサンブル」のディナー・ショーを楽しんだ。3度目であるが、よく知られているコンチネンタル・タンゴとアルゼンチン・タンゴの名曲と、東京会館のディナーを楽しんだ。こういうように気軽にタンゴを楽しめるのは、気分晴らしにはもってこいだ。多分年齢層もわれわれとほとんど差がない70名ほどのご同輩のタンゴファンもそう思ってエンジョイしていたのではないかと思う。たまにはこういう企画で寛げるのもいいものである。

2012年11月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2012.2012年11月15日(木) 永田町のお祭りに国民が振り回されそうだ。

 池袋メトロポリタン・ホテルで開かれた学校法人豊昭学園創立60周年記念式典にお招きいただいた。同学園が経営する東京交通短大の特別講義に毎年1回だけ講師を務めているご縁でお呼ばれしたものだ。同学園は東京交通短大のほかに、付属の昭和鉄道高校、及び豊島学院高校を経営している。交通というより、鉄道に特化した全国でも珍しい個性的な学園で、鉄道好きな高校生が全国から集まり、定員割れの多い全国の短大の中でも、同短大の入学希望者は定員を充足している。ところが、大学の後輩でもある副学長・松岡弘樹教授の話によると問題は、入り口は良いが出口の就職が厳しいことだと渋い顔をされていた。同短大卒業生はほとんどが鉄道会社志向である。近年鉄道会社は機械化の普及により新規採用を押さえ気味なので、鉄道会社を目指す彼らにとって就職戦線は茨の道だと思う。ただ、こういう専科で鉄道好きな学生が学んでいるユニークな短大であるので、何とか学生が安心して勉学に、就職活動に身が入るような環境造りと就職対策をやってもらいたいものである。

 今日の式典の中で専門家による貴重な講演があった。家田仁・東大工学部教授が「国際的視点から見た日本の鉄道とその将来」のテーマを、元国鉄技術屋さんらしい視点から話されたが、内容が中々新鮮で興味深かった。特に、鉄道インフラ事業の海外展開として、日本人は海外で鉄道敷設を請け負う際どうしてもハードとソフトを一体化してパッケージ方式で受注したがる傾向があるが、相手国の国情や海外の高額物件商談という点を考えると、日本人が安全面からもこだわりがちな一括請け負いを考えるより、パーツで商談をまとめる方が成果が上がると話されたのには意外な感じがした。その実例として台湾の新幹線のケースを話された。

 また、専門的であるが、分野間の「せめぎあい」という言葉を使って、技術が進歩して高度なものと高度なものが組まれた製品が、必ずしも最高の品質とはならないと話されたことが強く印象に残っている。

 来月1日に今年度の講義があるので、できるだけ学生にパンチが利いて、少しでもヒントを与えられる話をしてみたいと考えている。

 さて、昨日の野田首相の解散宣言で、各党は一挙に選挙ムードに突入した。石原慎太郎・前都知事の「太陽の党」結成に続く、第三極の動きもめまぐるしい。今日は「減税日本」と「新党きづな」「国民の生活が第一」に動きが見られた。「日本維新の会」の橋下代表は、どうも「太陽の党」と「減税日本」が連携しそうなことが面白くないらしい。またもや民主党から離党する議員が出ている。衆議院解散を鬼の首でも取ったかのようにはしゃいでいる安倍晋三・自民党総裁のような無神経な世襲政治家もいる。動いているのは政治屋ばかりで、国民はしらけきった様子である。こんな永田町界隈の動きに対して、震災被災地では、復興への道筋が半ばなのに、選挙なんかやっている場合ではないとの当たり前の批判的な声が上がっている。

 中国では今日習近平新体制がお披露目された。中国共産党の総書記以下の重要ポストも決まり、来年3月には国家主席ら国家の最高ポストも決まるようだ。いつまでも日本の政界がもたもたしているようだと、益々世界から置いていかれてしまう。

2012年11月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2011.2012年11月14日(水) ついに明後日衆議院解散

 党首討論で野田首相の口から突然明後日衆議院解散が発表された。号外も出た。あまりの不意打ちに、民主党内でも喧々諤々で不審や反対の声が強い。政局がらみではあるが、ここ数日与野党幹部の話し合いや民主党内のいくつかの会議を推察すれば、何か動きがありそうな気配はあった。衆議院解散に対する自民党や公明党の要求を結果的に受け入れた形になった首相に対して、民主党内には首相の唐突な解散発言を批判する考えが強い。

 しかし、野田首相は自らの実績を何とかアピールしたかったのか、自民・公明党との間で赤字国債法案、衆議院議員0増5減等定数削減を約束させ、イニシアチブを取って彼らの要求する解散を呑んだ形となった。これによって逆に民主党内で首相に対する不満が噴出しそうな雲行きである。どっちもどっちだ。政治の駆け引きである。どう転んだにしろ、国民のことは与野党ともに念頭にはないようだ。

 中国共産党の第18回党大会は今日閉幕した。今朝の朝日新聞に昨日までの憶測から一転して胡錦濤・総書記が完全に引退すると報道された。これまでは、明日発足する習近平体制の影で院政を敷くと噂されていたが、それをきっぱり断った。同時に江沢民・前国家主席の長老支配とも手を切ったと言われている。その背景には、新たに総書記に就任する習氏の力があったわけではなく、むしろ江・胡氏の影響力をお互いに排除しようとする双方の鞘当や駆け引きがあったようだ。

 明日習近平体制はスタートする。習氏の健康問題が払拭しきれない中で、果たして長老支配の影響がないかどうかは何とも言えないが、今後の中国の進むべき方向を注視していきたいものである。

 さて、今日は①JAPAN NOW観光情報協会企画会議と、②駒沢大講座を梯子することになった。①は今年4月に松尾前理事長が亡くなられて、初めての会議で、新理事長となった大島慎子さんが議長として、今後の運営方針を打ち合わせた。松尾さんが元運輸事務次官としての幅広い顔を生かして強い牽引力を発揮された後だけに、新理事長の精神的な負担も大変だと思う。それだけに我々理事もしっかり支えてあげないといけない。②では、昨年放映された「パリの中国人」と題するNHKドキュメント番組を鑑賞した後に感想を話し合った。天安門事件で亡命した2人のバリ在住の中国人の天安門事件体験、現在の生活、考え方、ビジョンなどを通して民主化運動と経済力向上のどちらを優先させるのか、狭間の苦悶を描いた力作だった。私は過去における社会主義国家の相互監視主義及び秘密主義と同様に、現在の中国の一党独裁国家の恐ろしさとは裏腹に、亡命者を受け入れる自由な空気のある懐の深いフランスについて、簡単に私の考えを述べた。

2012年11月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2010.2012年11月13日(火) 積極的に海外へ出ようとしない日本人学生

 アメリカのシンクタンク「国際教育研究所」の報告書によれば、2011~12学年度にアメリカの大学や大学院に在学した日本人留学生は前年度比で6.2%減となり、7年連続で減って、初めて2万人を下回ったという。近年積極的に海外へ出かける若者の数が減少気味で、各界から将来の若手育成という観点で懸念されていた。それが、単に海外旅行者の減少ではなく、異国へ研究に、また自分の力を伸ばすため、更に自分の潜在能力を引き出すために留学しようという学生が年々減るということが現実となった。海外渡航が自由化されなかった学生時代に何とかしてアメリカへ留学してみたいといろいろ手を尽くしてみた私にとっては、掌中の宝をむざむざ捨てるようで、その気持ちが理解できないし、悲しい現象であるとすら思っている。

 これに引き比べて中国人留学生は前年比23.1%増で約19万人、3年連続1位だというから驚く。やはり中国でも経済的な余裕さえあれば、子どもに高等教育の機会を与えようと親は考える。その場合かつてはソ連へ留学させていたのが、今ではライバルとなったアメリカへ留学させるようになった。やはり共産主義国家の中国人も能力を伸ばそうと考えれば、公正な競争と自由に研究ができる民主主義国家・アメリカこそが、自分を磨くうえに一番効果的であると考え、アメリカに一目も二目も置くようになったのだ。

 かつてアメリカへの留学生はインド人が最も多かったが、今や中国人が一番となり、アメリカへの外国人留学生の内約1/4が中国人だそうである。サウジ・アラビアのように国が学資を援助して若者のアメリカへの留学を積極的にサポートしている国もある。この傾向が続くと日本人学生は中国人ばかりでなく、新興国の学生にもどんどん追い越されていくのではないかと、些か気になる。

 さて、一昨日午前ビルマでM6.8の地震があった。ビルマの優しい人々を考えると心が痛む。これまであまりビルマの地震は意識したことがなかったが、今度は中部サガイン(メディアではザガインと呼んでいる)地方で発生した。サガインはマンダレイの110余㎞ほど北上した地域で、かつて旧航空隊の慰霊団にお供しては、昔の飛行場跡で亡くなられた日本兵たちのために慰霊祭を行った都市である。砂埃の中をエアコンなしの古いバスで3時間半ほどかけて揺られながら出かけたものだ。灼熱地獄のようなところだったとの強い印象がある。この地震で死者が10名を超えたとの報道もある。大きな被害がなければと願う。

 今日駒沢大片山正彦講師による「誤報・虚報と情報操作」の講義があったが、その中でイラク戦争が始まった1991年1月に、油にまみれた海鳥の写真が世界中の新聞に掲載され世界中に衝撃を与えたが、日本でもテレビや新聞で事実として報道された。イラク空軍の攻撃で石油タンクが破壊されて流れ出た油で海が汚染されたというものだった。それをそのまま事実として今日まで受け入れてきたが、実はこれが作為による誤報だったとはまったく知らなかった。真実はどうだったのだろうか。これこそショックだった。一寸情報収集が甘かったと反省している。

2012年11月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2009.2012年11月12日(月) 小沢裁判、これで良いのか?

 「国民の生活が第一」の小沢一郎代表が政治資金規正法違反の罪で強制起訴された控訴審判決は、今日東京高裁で行われ、検察官役の指定弁護士による控訴が棄却された。上告しなければ小沢氏の無罪が確定する。

 今日の判決の結果は、検察審査会という民意により強制起訴する制度の見直し論議が強まる可能性を促すことになるのではないだろうか。真実は何とも言えないが、常識的、かつ素人の目から見て小沢氏の資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐる疑念は完全には払拭されておらず、小沢氏から「シロ」を証明する明確な言葉も聞かれず、小沢氏の説明責任が果たされていない点が釈然としない。

 ただ、専門家の間では、弁護士でもある橋下徹大阪市長のように、「今回のメディアの論調は推定無罪もへったくれもなかった。あそこまで有罪心証を築く報道をやっていいのか。戦後メディア史上の大失態ではないか」と週刊朝日と対決したばかりの反メディア感情からであろうか、アンチ検察観を物語っている。

 憂慮すべきは、国民が裁判での無罪と無実というのは別物だと思うことである。

 検察側はこれらの声を受けて上告するのか、取り下げるのか、小沢氏の言動にグレイな点があるだけに、今日の判決のままではどうにも納得できない。しかし、上告には憲法違反などの証拠が必要だとされており、検察側にとっては新たな証拠不足から上告は難しいと見られている。それでもどうもすっきりしない。やはり最後まで争うべきではないか。

 さて、アメリカ大統領選挙の最終投票結果がやっと公表された。8年前のブッシュ大統領対ゴア候補のケースでもフロリダ州の結果が不透明で最後まで得票の結果ははっきりせず問題になった。毎度このフロリダ州の投票結果はもめる。今回も最後の最後になってフロリダ州の結果が発表された。どうして結果がもっと早く公表されないのか、近代国家にしてIT国家のアメリカ大統領選挙の結果にしては苛立たしく、何とも不可思議なことである。

 今日の結果によると、フロリダでも結局オバマ大統領が勝った。これで全米の獲得選挙人数が確定し、オバマ氏が332人となり、ロムニー氏の206人を圧倒した。見かけ上はオバマ氏の圧勝であるが、得票率を見ると51%対48%の僅差の勝利(残りの1%は?)である。これがアメリカ式民主主義かも知れないが、どうもこのウィナー・テイクオール方式というのが、我々日本人には分り難い。

 一昨日の本ブログに取り上げた「北京国際マラソンから日本人が締め出された」話題であるが、今日になって組織委員会がこれを撤回し、日本人も参加できるようになった。遅かりし由良の助と言いたいところだが、中国政府と主催者・組織委員会が反省したわけではなく、ネット上に「国の恥」との批判的な声が多数投稿されるようになった空気に押されたからだという。組織委員会の謝罪はまったくない。まあこんなものだろう。

2012年11月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com