「国民の生活が第一」の小沢一郎代表が政治資金規正法違反の罪で強制起訴された控訴審判決は、今日東京高裁で行われ、検察官役の指定弁護士による控訴が棄却された。上告しなければ小沢氏の無罪が確定する。
今日の判決の結果は、検察審査会という民意により強制起訴する制度の見直し論議が強まる可能性を促すことになるのではないだろうか。真実は何とも言えないが、常識的、かつ素人の目から見て小沢氏の資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐる疑念は完全には払拭されておらず、小沢氏から「シロ」を証明する明確な言葉も聞かれず、小沢氏の説明責任が果たされていない点が釈然としない。
ただ、専門家の間では、弁護士でもある橋下徹大阪市長のように、「今回のメディアの論調は推定無罪もへったくれもなかった。あそこまで有罪心証を築く報道をやっていいのか。戦後メディア史上の大失態ではないか」と週刊朝日と対決したばかりの反メディア感情からであろうか、アンチ検察観を物語っている。
憂慮すべきは、国民が裁判での無罪と無実というのは別物だと思うことである。
検察側はこれらの声を受けて上告するのか、取り下げるのか、小沢氏の言動にグレイな点があるだけに、今日の判決のままではどうにも納得できない。しかし、上告には憲法違反などの証拠が必要だとされており、検察側にとっては新たな証拠不足から上告は難しいと見られている。それでもどうもすっきりしない。やはり最後まで争うべきではないか。
さて、アメリカ大統領選挙の最終投票結果がやっと公表された。8年前のブッシュ大統領対ゴア候補のケースでもフロリダ州の結果が不透明で最後まで得票の結果ははっきりせず問題になった。毎度このフロリダ州の投票結果はもめる。今回も最後の最後になってフロリダ州の結果が発表された。どうして結果がもっと早く公表されないのか、近代国家にしてIT国家のアメリカ大統領選挙の結果にしては苛立たしく、何とも不可思議なことである。
今日の結果によると、フロリダでも結局オバマ大統領が勝った。これで全米の獲得選挙人数が確定し、オバマ氏が332人となり、ロムニー氏の206人を圧倒した。見かけ上はオバマ氏の圧勝であるが、得票率を見ると51%対48%の僅差の勝利(残りの1%は?)である。これがアメリカ式民主主義かも知れないが、どうもこのウィナー・テイクオール方式というのが、我々日本人には分り難い。
一昨日の本ブログに取り上げた「北京国際マラソンから日本人が締め出された」話題であるが、今日になって組織委員会がこれを撤回し、日本人も参加できるようになった。遅かりし由良の助と言いたいところだが、中国政府と主催者・組織委員会が反省したわけではなく、ネット上に「国の恥」との批判的な声が多数投稿されるようになった空気に押されたからだという。組織委員会の謝罪はまったくない。まあこんなものだろう。