2015.2012年11月18日(日) 政治的にも外交的にも頼りにされなくなった日本

 解散総選挙に向けて与野党、第三極とも呼ばれる「日本維新の会」を始め、他政党も一斉に走り出した。先日4年に一度のアメリカ大統領選挙が大きな脚光を浴びるのと時を同じくして、中国共産党全国大会及び最高幹部の交代も大きく注目された。その最中に多分6年間で7人目の総理大臣が選出されるであろう、日本の解散総選挙は外国でも一寸ばかり報道されたが、それもいかにも皮肉交じりである。残念なことは知日派のハーバード大学名誉教授エズラ・ヴォーゲル氏の朝日新聞に紹介された言葉にも表れているように、日本の政治と外交が世界から関心を持たれることなく、期待もされなくなっていることである。

 今朝の朝日新聞で昨日の石原・橋本新党発足について、「石原代表・橋下代行―維新・太陽合併に合意」とニュースではトップ記事に取り上げながら、社説では「総選挙『維新と太陽』腑に落ちない合流だ」と首を傾げられ、その合意について手厳しく批判されている。

 朝日2面の「座標軸」では、解散総選挙についてヴォーゲル教授の最近のコメントを取り上げている。「日本ではあまりにリーダーがくるくると代わり、政権が弱すぎるので、米国政府も日本とは長期の話ができなくなった。忍耐力を失ったのです。その点、異質な相手でも中国となら長期の話合いができる」と対中外交に比べて、がっかりするような内容が書かれている。日本とは真剣な外交ができないと友好国のアメリカから袖にされるような見方なのは何とも情けない。

 かつて1970年代に流行ったヴォーゲル教授の「ジャパン・アズ・ナンバーワン」を始めとして、私の書棚にもエドウィン・ライシャワー著「ザ・ジャパニーズ」、ロベール・ギラン著「第三の大国日本」、ハーマン・カーン著「超大国日本の挑戦」等々錚々たる名著が並んでいる。当時の経済大国・日本を賞賛する声はひっきりなしだった。私もこれらの書を読み耽り日本の底力を随分頼もしく思ったものである。それが、30有余年の間に徐々に地盤沈下して最大のパートナーであるアメリカからの評価も下がり、今では外交の相手として頼りにされなくなっているのが実態である。

 しかし、現実はすぐに解決できるものではない。漸進的にあるべき姿へ軌道修正していかざるを得ないのではないか。現状を見ていると気の遠くなるような話だが、それも仕方ない。我々国民が選んだ政治家が、真面目に職務を遂行してくれないのだから、しゃくに障るが、選んだ我々にも大きな責任があると言わなければなるまい。

2012年11月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com