1968.2012年10月2日(火) オスプレイ配備に政府の無策と無慈悲

 昨日山口県岩国基地から沖縄・普天間基地へ配備されたオスプレイ6機以外に、岩国に残った6機のうち理由も分からないまま出戻った2機について、今日駒沢大学の片山正彦講師がそこには何か原因がある筈だと言われた。片山講師は共同通信の出身であるが、在職中防衛庁担当だった時代があり、防衛関係について大変詳しい。その片山講師が発表しにくい原因が隠されているのではないかと仰っていた。

 今日在日米軍は機体の故障だと発表した。そして、それらの2機を除いて3機が普天間へ配備された。沖縄県民がいらだち、オスプレイ配備反対の声が強くなる中で、敢えて予定通り配備を強行するというこの非民主的なムーブメントをこのままにしておいては、国と国民の間に不信感を募らせるばかりであろう。

 昨日の抗議集会で、翁長雄志・那覇市長は「県民が一つになって反対しているオスプレイ配備を強行する。ほかの都道府県でこんなことがありえるのか」と憤りをあらわにした。沖縄県内の全41市町村長と全県議が反対の意思表示をしている。野田政権も苦しい対応を迫られているが、政府・民主党内からは誰ひとりとしてこのこじれた事態を解決しようとの意欲も姿勢も見られない。常套句の抽象的な言葉で逃げているだけである。無責任なのである。沖縄県民の怒りと不満、そして事態の深刻さがまったく分かっていないとしか言いようがない。

 ところが、他国のことだからと真剣味がないのが、アメリカ国内の反応でもある。日本の防衛を肩代わりしてやっているのだから当然とでも思っているのか、メディアの報道も概して関心が低いようだ。国防総省ですら「アメリカでも我々の家の上空でオスプレイを飛ばしている。どの軍用機でも安全性は最大の関心事だ」程度の認識である。まるで沖縄住民にオスプレイの騒音ぐらい我慢しろとでも言わんばかりである。沖縄米軍基地が存在する複雑な住民感情や歴史背景がまったく分かっていない。こういう無理解を解くのが、政府の責任のひとつではないのではないだろうか。

 これだけ土地の反対が強いのに、どうして日本政府はアメリカ政府と話し合って、冷却期間を置いて徹底的に話し合いを行い、少しでも理解してもらおうとの努力を払わないのだろうか。現状のままでは、60年安保条約成立で日米安保体制にも影響が及んでくるであろうが、こうなるとその安保自体を成立させたことが足を引っ張っているということにもなる。このままだと沖縄県民の心は政府から益々離れて取り返しのつかないことになってしまうのではないかと思う。どうにも政府には国民を守るとの気概が見られない。こちらがいらいらしてやり切れないし、情けないとも思う。

2012年10月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1967.2012年10月1日(月) 何もかもぱっとしない中で年度後半に入った。

 昨日は日本列島で大型台風17号が猛威を振るい、各地で交通機関に大きな支障を来たした。中でも航空機の欠航が600便を超える状況に、最近参入した国内外の格安航空会社がいかに多いか、改めてその存在の大きさを再認識させられた。今日は台風一過というところだが、また近日秋の台風がやって来そうだ。やれやれである。

 さて、今日から年度の後半である10月に入った。いろいろなことがある。早速今日野田第三次内閣が発足した。これまでの民主党政権で脱官僚・政治主導を叫んでいた民主党が、かくも管掌の大臣をころころ交代させては新任大臣が傲岸不遜な官僚をうまくコントロールできるだろうか気にかかるところである。

 良きにつけ悪しきにつけ過去にとかくの噂のあった田中真紀子氏が、文部科学大臣として入閣した。総選挙を控えてその発信力を買われたとの声がある一方で、民主党代表選に立候補せず、野田代表支持へ回ったことが評価された論功行賞とも言われている。全般的にかなり若返って第三次野田内閣全閣僚19名の中で年齢的に私より年長者は、同年生まれでやや年配の、かつて医療費違法請求や野次を飛ばした通行人を投げ飛ばしてスキャンダルとなった柔道五段の田中慶秋・法務相ただひとりとなった。しかし、この人事もミスマッチでなければ良い。法律を守るべき法務省のトップとしては、法破りの前科のある御仁だからだ。

 一方明るい話題として注目を集めているのは、ほぼ100年前の姿に復元されてお披露目された東京駅丸の内駅舎である。ステーションホテルも開業したようだ。このホテルには今月29日に1981年文部省教員海外派遣団でルーマニアへお供した先生方と宿泊する予定なので、その翌日東京スカイツリーへ搭乗することとともに楽しみにしている。

 また、今朝の日経新聞「私の履歴書」では、高校の先輩であるノーベル化学賞受賞者・根岸英一博士の1ヶ月の執筆連載が始まった。博士には何度かお目にかかっているが、その際伺った話が早々に紹介されている。母校思いの博士なので、これから懐かしい話をご披露していただけるのではないかと楽しみにしている。

 歓迎されないニュースとしては、今日オスプレイが岩国基地から沖縄・普天間基地へ反対の声を振り切るように飛行して配備された。今日は反対するデモ隊が気勢を上げる中を強引に12機中6機が飛来した。残る6機は近い内に配備されると言われているが、今朝岩国基地を離陸してすぐ戻った2機も含まれている。なぜ戻ったのか。そこには機器系統に不具合でもあったのではないか。本当に安全なのだろうか、疑問を残したオスプレイの今日の動きである。

 他方で、年度後半に当たり大型企業同士の合併が話題を呼んでいる。その最たるものは今日大手鉄鋼会社同士が合併したことだ。粗鋼生産世界6位の新日鉄と27位の住友金属の合併である。この合併によって新会社「新日鉄住金」は、世界第2位の規模になるが、その規模は1位のアルセロール・ミタル社(ルクセンブルグ)の精々半分であり、背後のベストテン内には中国企業5社と韓国企業1社が間近に迫っている。往時は世界でもダントツだった新日鉄も今ではその陰が薄くなってきた。

 かつては「鉄は国家なり」と豪語していた鉄鋼会社も、国際的な激しい競争の中で苦戦を強いられ、今度の合併は日本の鉄鋼会社の反転攻勢への第一歩と受け取られている。

 思えば、1970年に八幡製鉄と富士製鉄が合併して新日鉄となった時、当時大企業同士の合併という、その意外性に驚き、ショックを受けたくらいだが、国際社会の中では今や企業を発展、成長させていくためには企業規模を大きくすることが要件のひとつとなっているようだ。

 「鉄の町」として知られる新日鉄のある北九州市では、かつて4万人の従業員がいたが、それが今では当時の1/10の4千人に減少したそうだ。日本の鉄鋼会社は、今後世界的企業間の争いの中に伍して戦っていけるのだろうか。時代の変遷とは言いながら、「鉄の町・八幡」と「北九州工業地帯」の力強いイメージを持っている我々世代には何とも寂しい話である。

2012年10月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1966.2012年9月30日(日) 民主党政権の日本よりアメリカを重視する二枚舌

 昨日の本ブログでカメレオンも真っ青な変幻自在で、頭がどこにあるのか分からない八岐大蛇のような野田政権の原子力政策について懸念する心情を書いたが、その政府方針の本音の一端が今朝の日経新聞から垣間見えた。

 同紙記事に依れば、政府はアメリカに対して「安全が確認された原子力発電所は引き続き重要な電源として再稼動させていく」との方針をすでに伝えていた。何のことはない。日本国民に説明し理解してもらう前に、すでにアメリカ政府に本心を伝えていたということだ。これは日本国民よりもアメリカを重視しているということだろう。しかも、日本国民には原発ゼロという幻想を与え、その一方でアメリカには「安全な」原発は再稼動するということをはっきり伝えていたのである。日本政府は二枚舌を使っていたのだ。こんな卑怯なやり方は日本国民に対する背信行為であり、騙まし討ちではないだろうか。更に驚くのは、アメリカにそのメッセージを伝達したのは、原子力を司る最高機関と位置づけられた原子力規制委員会発足前で、委員会が最終決定を下す前に結論は出ていたのだ。原子力規制委員会は原発稼動の是非を決める権限を有すると政府から一方的に押し付けられたが、すでに委員会発足前に賽は投げられたのである。こんな理不尽なことが許されるのだろうか。

 アメリカは福島原発事故発生当時から、日本が原発ゼロへ向かうことを密かに恐れていた。そこには、確かにアメリカの方向性とは相容れない問題点があったからである。

 アメリカは核燃料サイクル政策で、日本が原発ゼロを目指すなら再処理事業を停止することを要求していた。使用済み核燃料からプルトニウムを取り出すサイクル政策が残ると日本に核兵器への転用が可能なプルトニウムが溜まり続けるからである。もしこのままだと、アメリカはイランや北朝鮮に核不拡散を迫っている日米の方針との整合性を欠いているからだと主張したのである。これはやや押し付けがましい理由付けだと思うが、アメリカ政府としては、アメリカの原子力政策は官民一体となって日本との共同によって行われていると考えているので、仮に日本が脱落すれば、アメリカの原子力産業にとって、人材育成を始め多くの点で致命的な打撃を蒙ることを恐れているからである。更にこんなことも理由に挙げている。原発を止めれば、中東を中心に資源獲得競争が激化して石油価格が急騰する恐れがあるとしている。

 単刀直入に言えば、アメリカ政府としては日本と二人三脚で原子力政策を進めてきたにも関わらず、一方的に日本がその協調から逸脱することは容認できないと主張したいのだ。しかし、これは自分たちの都合だけを自己本位に相手国に押し付けているのだ。日本国民が脱原発を求めているということがアメリカには正しく伝えられていないことは問題である。しかし、そんな基本的な問題については日本が原発ゼロ方針を発表する前に話し合っていた筈ではなかっただろうか。肝心な問題点をクリアせず、一方が勝手に行動を起こすというのも不思議な話だ。それでも言語道断にも結局、日本政府はアメリカの腹の内を慮って日本国民には騙まし討ちをして、アメリカ政府には忠義を尽くしたということである。

 それにしても少々全体の話の組み立てがおかしいのではないだろうか。日本の総理大臣として、まずは日本及び日本国民のことを考えるべきではないか。主権を失いイニシアティブの取れない野田政権には正直言ってがっかりである。これでよくも中国に対しては、領土問題は存在しないと強気が貫けるものだ。一方に強く他方に弱くが、野田政権の表看板なのか。

2012年9月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1965.2012年9月29日(土) 原子力政策に民主党政府の無責任ぶり

 丁度半月前の今月14日政府は2030年代に原発ゼロの方針を打ち出した。その直後から米英仏の消極的反対論や、経済成長にブレーキをかけるとの経済団体の反発、そして原発立地自治体からの脱原発に反対の声が寄せられ、政府の方針は揺さぶられぐらりとしている。政府の本音は脱原発なのか、再稼動容認なのか、分かりにくいところだが、脱原発を目指しながらも安全確認がなされれば稼動もあり得ると曖昧なことを発言し出したり、原発新規建設はしないが、建設途中の原発施設についてはそのまま建設中止を意味するものではないと言ったり、毅然としてYes or Noをはっきりさせないところが原発政策に党としての理念と信念がない中途半端なところだ。

 そして‘Go or Stop’の重要な結論を出すべき決定機関を政府自身ではなく、最近発足したばかりの原子力規制委員会に押し付け、責任を逃れようとする無責任極まりない決断をした。

 昨日枝野幸男・経産相は「安全性に原子力規制委員会がゴーサインを出して、地元の理解が得られれば重要な電源として活用する」と表明した。これまでの原子力発電推進という重要な国のテーゼの是非を独立機関とは言え、国家の下級組織のひとつに決断を委ねるという図式は、国の行政府としてはあまりにも無責任ではないだろうか。これでは、こと原子力に関しては、政府はまったく関与しないと言っているに等しい。

 そんな折も折、電源開発は青森県大間町で、東日本大震災により中断していた大間原発の建設工事を再開することを決定した。財政の厳しい市町村では、補助金欲しさに不安視されても危険を承知のうえで原発誘致に執着しているところが多い。原発工事がすでに4割方進んだ大間町では、補助金の甘い蜜に味を占めて、最早その魅惑から抜け出せなくなっている。津軽海峡を隔てた対岸の北海道・函館市では危険が及ぶ一方で、何らの甘い蜜もなく当然のことながら市長自ら強い反対と怒りの声を上げ出した。

 それにしても本家の民主党内に、党としてどうすべきかの意見がまったく聞かれないのはどういうわけだろうか。我々国民は政府見解により、2030年代には原発稼動を中止すると理解している。それは、取りも直さず調査会意見、アンケートで国民の圧倒的多数が原発反対の気持ちを表し、また、原発稼動を続ければ、排出される使用済み核燃料の処分方法がないまま将来に亘って国内に核のゴミが溜まってしまうことを懸念し、政府がそれを受け入れたと理解しているからである。それがその直後から自らの方針を曖昧にし、最高権威の決断を丸投げするとは、政治を与る者として無責任であり、呆れ果てるばかりである。政府は国民を愚弄するのも好い加減にして欲しい。

 それにしてもこの民主党の曖昧な原発政策と原発丸投げ問題について、昨今鳴りを潜めている社民党や共産党はどう考えているのか。国民の立場に立って少しは自己主張をしたらどうか。

2012年9月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1964.2012年9月28日(金) 防衛省の杜撰な予算管理

 米軍海兵隊のオスプレイ配備問題が依然として視界不良である。アメリカ国防総省と防衛省は安全であるとしきりに訴えているが、その安全性について不安視する声が一向に収まらない。岩国基地から沖縄・普天間基地へ今日移動して配備される予定だったが、台風が予想されるため移動は明日以降に延期された。普天間基地周辺では相変わらずデモ隊がオスプレイ配備反対を叫び、その配備は中々一筋縄では行きそうもない。

 米軍と防衛省は予定通り来月には普天間基地にオスプレイを配備し、訓練を行うと前言を考え直す気はないようだ。だが、これだけ沖縄県内、特に基地周辺で拒絶反応が表面化すれば、そう簡単に強行するわけにはいかないのではないか。日本政府がいくら口先だけ安全と言っても、配備に反対する住民の心情を政府が理解しないようでは所詮両者の主張は平行線を辿るばかりだと思う。そこには「相互不信」と「危険」という大きな壁が立ちはだかっている。遮二無二配備を進めるのではなく、ここは頭を冷やして予定を少し先延ばししてはどうだろうか。

 仲井真・沖縄県知事が再三述べているように、「オスプレイ配備、先に在りき」でどうも当事者同士が実質的に話し合う様子が見られない。難しいかも知れないが、取り敢えず話し合いの時間をオスプレイ配備を先延ばしにして、多少妥協点が見えそうになった時点で配備させるということにはならないものだろうか。どうも拙速のキライがしてならない。

 それにしても防衛省という組織は普通の役所とは、一味違うようだ。防衛省の交渉、折衝術というのは浮世離れしているところがあり、一般の感覚とは相当ずれていて普通人には中々理解できない。

 例えば、今朝の朝日新聞に暴露された航空自衛隊の練習用飛行機の入札に際して、メーカーの提案した価格を実際には大幅に超過していたことが、会計検査院の検査で判明したという。その差額たるや「20年で227億円の予算が、11年で240億円かかった」という。これだけ無駄使いしていながら、内部でこの暴走にブレーキをかけるサーモスタットが働かないのだ。このザルのような予算管理意識はどうして生まれるのか。防衛省内にはチェック機能がまったく働いてない。普通の組織だったら破産、お家断絶である。税金ですべてを賄ってもらいながら、その意識がないのだ。これは国民への背信ではないだろうか。まったく金銭感覚に疎く、予算管理意識が欠乏していると言わざるを得ない。防衛省がこういう杜撰な感覚で業務を行っているとすれば、安全管理も相当目こぼしがあったと考えざるを得ない。これではオスプレイの安全宣言だって信用できる筈がないではないか。普段から杜撰な業務を行っていて、沖縄県民が安全性が担保できないからと反対することに対して、どうして絶対安全などと言えるのか。税金の無駄使いを止めて、せめて普通の役所並みに粛々と業務を行ってもらいたいものだ。

2012年9月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1963.2012年9月27日(木) 一時上がった血圧が下がった。日中国交もそうありたい。

 どういうわけだか、毎日測っている血圧が夏になってからちょっと上がり気味だった。実は、ここ数年血圧降下剤を服用しているおかげもあってか、血圧はこのところ比較的安定していたのだ。それが6月にヨルダン・イスラエル旅行から帰った辺りから急に上がりだし、朝の数値(上)が140を超える日が7月に3日、8月に至っては何と8日もあったのである。寒い冬の時期ならある程度納得できるが、この暑い時期に血圧が上がるというのも気になって、今月初めに森内科医に相談して、降圧剤として毎日朝食後に服用しているブロプレス錠とアムロジン錠のうち、ブロプレス錠を夜間に切り替えて飲むことにしてみたのである。

 その処方が効いたのかどうかは分からないが、今月に入って今日まで27日間に140を超えた日は1日もない。元々そんなに血圧は高くなかったので、割合簡単に成果が表れたようだ。一度夜に変更してみてはどうかとアドバイスしてくれた、かかりつけの松本整形外科医に今朝その話をしたところ、そうですか効きましたかと言っていただいた。アルコールも含めて身体に良くないことはあまりやっていないつもりであるが、それでも内科的要因はCRP数値にしても基準値0.35まであと一息のところまで下がりながら、直近値が0.41でなかなか基準値を下回ることができず、根治するには時間がかかるものだ。とりあえず血圧が下がってほっとしている。

 さて、尖閣諸島をめぐる日中間の不穏な空気は、一向に収まるどころか加熱する一方である。今日国連総会で演説した後の記者会見で野田佳彦首相は、尖閣諸島の領有権について歴史上も国際法上もわが国固有の領土であることは明白で、中国に対して譲歩しないと述べた。国連総会の演説では名指しは避けたが、これを受けた中国は「公然と他国の領土主権を侵犯し、世界の反ファシズム戦争の勝利の成果を否定するもので戦後の国際秩序への重大な挑戦だ」とけん制した。だが、この中国の論理は少しおかしくないか。案の定、藤村修・官房長官は日本が第二次世界大戦の結果に挑戦しているかのような主張は、まったく的外れで不適切コメントだと批判した。どうも中国は前方だけしか見えなくなっているような発言が相次ぐ。大国を自認するならもう少し国際情勢や周囲に目を配れる配慮のあるコメントを述べるべきであろう。これでは、気に食わないことを思いつくままの言いたい放題ではないか。もう少し大人の国かと思っていたが、あまりにも子どもじみた言動には失望するばかりである。

 今日も呆れた自己本位の行動があった。河野洋平・元衆議院議長、加藤紘一・元自民党幹事長や、日中友好協会幹部が搭乗した全日空機が定刻になっても羽田から飛び立てず、相当遅れて飛び立った。原因は中国航空局から北京空港への着陸許可が出なかったため、羽田で待機していたのだという。だが、中国国際航空の定期便は北京を予定通り離陸して定刻に羽田空港へ着陸した。トヨタの張富士夫会長の社用機は待たされた挙句にフライト・キャンセルしたそうだが、こんな幼稚な嫌がらせを中国はいつまでやるつもりだろうか。何の得にもなるまいに。

 この行き詰まった状態を元へ戻すのは、並大抵のことではない。せめて両国がこれからはマイナス的な行動を止めて、少しでもプラスの行動を行い、相手国を中傷する言動を慎んで歩み寄る気持ちを抱くことが大切である。

 欧米から見るとどこにあるか分からない小さな孤島のことで、両国がぶつかりあってお互いに批難し合っている愚行と見られている。お互いに尖閣から遠く離れて見るアングルが必要かもしれない。

2012年9月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1962.2012年9月26日(水) 自民党新総裁に安倍晋三・元首相を選出

 今日午後行われた自民党総裁選挙は予想通り、国会議員と地方議員を合わせた1回目の投票ではケリがつかず、決戦投票に持ち越された結果、安倍晋三・元首相が第1回でトップだった石破茂・前政調会長に逆転勝利を収め新総裁に選出された。次の総選挙では自民党は民主党から与党の座を奪還する可能性が高く、その折は安倍新総裁が再び日本のリーダー、即ち次の総理大臣になるであろう。

 確かに安倍氏のおしゃべりは経験を積んで立て板に水の感じになってきたが、何とも中身が薄い。分かりやすい一般的なテーマなら今までの経験則から考えて喋るのはそれほど難しくはあるまい。だが、深みのある論題に対してしっかり理論武装した持論を開陳し、それを展開できるのか、そしてそれを根拠にディベートで相手を説得できるのか、極めて悲観的にならざるを得ない。敢えて言えば、安倍氏の理論構築はあまりにも表層的で、一国を代表するリーダーとして心許なく、とても納得できるものではない。

 元々右寄りの立場上今対立している中国に対しても強気の政策を進めるだろうから、反って中国の反発を買い、日中間の対立を益々加熱させることによって当分対立解消は期待できない。この人には総理大臣として一国をリードする資格と能力に欠けるのではないかと心配である。右翼的な勇ましい掛け声ばかりで、わが国の将来像をきちんと見据えた哲学や理念がほとんど感じられない。5年前に発刊された中公新書「美しい国へ」も陳腐な内容だった。国会議員というのは、どうして弱気で、かつて政権を放り出したようなこんな人物を総理の座へ押し上げてしまうのだろうか。こんなリーダーを戴くようでは日本は益々救われない。困ったことになりそうだ。

 さて、今日駒沢大学の清田義昭講師の講座では、2007年2月に放映されたNHK特集番組「焼け跡から生まれた憲法草案」ビデオを鑑賞した。終戦直後日本政府に対して占領軍が、帝国主義と軍国主義を排除した新しい憲法草案作りを命じた。巷間わが国の憲法は占領軍に押し付けられたものと信じられている。安倍自民党新総裁も、それ故憲法改正して自主憲法を制定すべきであると改憲論を持論としている。だが、このビデオを観る限り、必ずしも押し付けではなく、むしろ明治の植木枝盛、大正の吉野作造らの精神を取り込んで、終戦直後の昭和20 年11月に発足した憲法研究会委員7人衆が練り上げた「憲法草案要綱」に基づいて作られたものだと主張している。私もこのドキュメントを観る限り、日本憲法はアメリカから民主的たれとのアドバイスこそもらったが、その当時の日本の実情に合った自主的な憲法だと思う。実際、その経緯を追ってみると「天皇の主権」「主権在民」などが最も難しい課題だった。アメリカは日本が提案した憲法草案に対して、憲法が国家の最高法規であるとの表現が欠けていると物申したほかには、ポツダム宣言の精神、労働者の権利保護、国民投票採用、差別廃止などをアドバイスしたということのようだ。このビデオを観たところでは、それほど占領軍、つまりはアメリカの押し付け憲法という印象はなかった。

 ところでビデオに簑島清夫さんが登場したのには驚いた。しばらくお会いしていないが、箕島さんは憲法研究会委員で7人の中で唯一の憲法学者・鈴木安蔵が小田原の宿に滞在した、その宿・国府津館の主人であり、かつて仕事の場で何度もお会いしたことがある。

 1時間半のビデオは、改めて憲法誕生の内幕を見せてくれ、新しい事実も知ることができた。中々見ごたえのあるドキュメントだった。

2012年9月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1961.2012年9月25日(火) 駒沢大学後期公開講座始まる。

 駒沢大学マスコミュニケーション研究所の後期公開講座が今日から始まった。「現代日本政治と報道論」を担当する菱山郁朗講師は、「包括的政治報道論」として最近のわが国の政治情勢について話された。民主党代表選については、結果は予想通りと触れただけで特別なコメントはなかった。自民党総裁選については、元日本テレビ政治部長らしく、元部下の石原伸晃・幹事長について立場上発言は拙いと言いかけて止められた。ある週刊誌からコメントを求められたが、断ったとも言っておられた。「週刊朝日」では、この石原氏について「軽すぎる」として、全体的には「もうウンザリだよ」と書いている。だが、天下の朝日が、立候補者のどんぐりの背比べに愛想尽かしをして匙を投げているのだ。そんな風に簡単に放り出して良いものだろうか。そうなった責任の一端は、マス・メディア、特に朝日新聞にもあるのではないだろうか。

 その総裁選については、メディアの予想と同じように第1回の投票では石破茂氏が過半数には達しないがトップだろうが、第2回目の国会議員だけの投票では3位以下の票をどう取りまとめるかにかかっていると話された。今日の講義の中では、メディアは「尖閣諸島の国有化」について、きちんと検証すべきであると話されたことが印象に残っている。

 「報道メディア論」を講義した片山正彦講師は、共同通信社が作成したDVD「世界に衝撃を与えた21世紀のでき事」を観せてくれた。9.11テロ、リーマン・ショック、アフガン情勢、中国の現状、東日本大震災等の映像を観せてもらったが、その中で現場で撮った写真だからこそ訴えるものがあると画面に向かって語る写真家の言動に同感だ。これからどんな授業を展開してくれるのか楽しみにしている。

 明日も映像を通して現代を反映させるテレビ番組について、清田義昭講師の講義がある。

2012年9月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1960.2012年9月24日(月) 大関・日馬富士が第70代横綱へ

 昨日大相撲秋場所で大関・日馬富士が横綱白鵬を破り全勝で優勝を飾った。先場所も全勝優勝を遂げたので、2場所連続優勝したことにより、横綱昇格の資格と条件をクリアした。今日横綱審議会が開かれ横綱昇進を理事会へ答申したことによって、近々正式に横綱昇進が決定して、日馬富士は11月福岡場所において70代日下開山としてお目見えすることになる。

 大相撲界には、このところあまり芳しい話は聞かれなかった。依然として日本相撲協会内外で聞かれる噂はぱっとしない。大体ミソをつけて辞めた理事長が、僅かな期間経過後、再び同じ理事長職に就くということ自体極めて異常である。普通の組織や団体ではあり得ないことである。八百長問題は根本的に解決されたのか。聞くところによれば、大相撲界は今暗雲が頭上を早く通過するのをじっと息を潜めて待っている状態だという。同じような過ちを繰り返さないよう願うだけである。

 幸い大関・日馬富士は人間的にも真面目な性格で努力家のようなので、仮に横綱になっても手を抜いたり、八百長に手を貸すようなことはないと思う。白鵬と並んで東西に力強い横綱が控えるようになれば、いずれ相撲人気も復活するのではないか。欲を言えば、引退した68代横綱・朝青龍を含めて69代白鵬も日馬富士もモンゴル人だが、相撲が日本の国技であることを考えると、せめて次の横綱くらいは、日本人になってもらいたいものだ。

 さて、ゼミ恩師の追悼文集も最後の詰めを迎えた。今日2人の編集委員とともに印刷会社へ最終原稿を持参して打ち合わせをした。全体としてはほぼ固まっているので、大きな問題はないが、PCのソフト、或いはバージョンの種類により「通し原稿」の表現の決まりが一部に左右されることがあることを知った。90頁程度の本文の内後半10頁弱が全体的な基準として決めた基準を勝手に逸脱して、別の基準の影響を受けて動くとは意外だった。印刷会社の部長さんも首を傾げていた。それでも何か対策はあるのではないかと思う。基本的な点で思うようにできないとは情けない。それでも一応のメドが立ってきたので、まずまず一安心ではある。

2012年9月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1959.2012年9月23日(日) 絶滅種動物の指定を見直し

 今日は急に冷え込んできて、漸く身体で秋を感じる。朝からしとしと雨も降っていて遅い秋がやって来たかなと思うのはまだ早計だそうで、明日から再び残暑に戻るという。この異常気象のせいで、世界的にもおかしな現象が起きている。

 ‘NATIONAL GEOGRAPHIC’今9月号に「猛威を振るう異常気象」という特集記事が取り上げられているほどである。自然界に及ぼす影響が大きいようだが、野生動物への影響も無視できないようだ。高山の氷河や雪渓が解け出して年々小さくなったり、北極の氷が解け出したり異常現象が目立っている。確かに地球温暖化の傾向は、あらゆる分野に表れてきている。日本の気候も亜熱帯地方の陽気に似てきて、南方の動植物が一部には日本でも見られるようになった。従来は日本固有の動物だったものが、絶滅種に指定されている。何年か前にニホンカワウソが四国の四万十川で見られたのを最後に、完全に姿を消して絶滅種に指定されたのはつい最近のことであるが、カワセミの一種も絶滅種に指定された。保護色に衣替えをする愛らしい雷鳥も年々数が減り、このほど絶滅危惧種になったが、近い内に繁殖させるための専門家会議を行うという。

 その中で珍しいのは、一旦絶滅指定となった田沢湖に生息していた「クニマス」が、姿を消して時間が経ち、絶滅種と指定されながら富士五湖のひとつ、西湖で生息が確認された。環境省は絶滅指定を見直し、本来の生息地以外で生きている種類と位置づけして「野生絶滅」にする方針だそうである。動物を保護するために止むを得ない措置かもしれないが、あまりやり過ぎるとややこしくなりそうだ。

 佐渡のトキが保護されて少しずつ数が増えてきたことに鑑み、温かいサポートによって絶滅に近づく動物が救われるなら、当然そうすべきだと思う。そのためには、環境省の考えているような、発見されてから手を打つということではなく、学校教育の現場や家庭教育の場から保護の必要性を地道に啓発して、か弱い動物の保護に当たるべきではないかと思う。

 あまりこういう動物にお目にかかることはないが、幸い雷鳥は、学生時代に立山で夏と冬に変色した姿を見ているので、運が良い方かもしれない。

 今日「知的生産の技術研究会」八木哲郎会長へ6月に再訪したヨルダン旅行記を組版して送った。焦点を絞ったので誰が読んでも分かるように書いたつもりだが、写真を挿入して8頁になった。実体験のドキュメントとしては僭越だが珍しい内容で興味を持たせることができると思うので、少しでも読んだ人に楽しく、記憶に残るような印象を与えられれば嬉しい限りである。

 さて、日中間の対立は、ついに今月27日に北京で予定されていた日中国交正常化40周年記念式典を無期限延期、つまりほぼ中止すると今日中国政府から正式に通達があった。延期の理由は諸般の事情とのことだが、尖閣諸島国有化であることは疑う余地もない。残念なことである。何とか少しでも対立を解こうと、事務レベルで打ち合わせする準備を進めていたが、国政レベルでNOのサインが出された。10年前の正常化30周年記念では、当時の橋本龍太郎首相が北京を訪れ、時の国家主席・江沢民氏とにこやかに握手を交わしていたが、それも今は昔となってしまった。

 いつになったら両国が歩み寄りを見せるのだろうか。中国を何度も訪れ、中国人と仕事も一緒にして多くの友人もいただけに残念である。

2012年9月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com