昨日山口県岩国基地から沖縄・普天間基地へ配備されたオスプレイ6機以外に、岩国に残った6機のうち理由も分からないまま出戻った2機について、今日駒沢大学の片山正彦講師がそこには何か原因がある筈だと言われた。片山講師は共同通信の出身であるが、在職中防衛庁担当だった時代があり、防衛関係について大変詳しい。その片山講師が発表しにくい原因が隠されているのではないかと仰っていた。
今日在日米軍は機体の故障だと発表した。そして、それらの2機を除いて3機が普天間へ配備された。沖縄県民がいらだち、オスプレイ配備反対の声が強くなる中で、敢えて予定通り配備を強行するというこの非民主的なムーブメントをこのままにしておいては、国と国民の間に不信感を募らせるばかりであろう。
昨日の抗議集会で、翁長雄志・那覇市長は「県民が一つになって反対しているオスプレイ配備を強行する。ほかの都道府県でこんなことがありえるのか」と憤りをあらわにした。沖縄県内の全41市町村長と全県議が反対の意思表示をしている。野田政権も苦しい対応を迫られているが、政府・民主党内からは誰ひとりとしてこのこじれた事態を解決しようとの意欲も姿勢も見られない。常套句の抽象的な言葉で逃げているだけである。無責任なのである。沖縄県民の怒りと不満、そして事態の深刻さがまったく分かっていないとしか言いようがない。
ところが、他国のことだからと真剣味がないのが、アメリカ国内の反応でもある。日本の防衛を肩代わりしてやっているのだから当然とでも思っているのか、メディアの報道も概して関心が低いようだ。国防総省ですら「アメリカでも我々の家の上空でオスプレイを飛ばしている。どの軍用機でも安全性は最大の関心事だ」程度の認識である。まるで沖縄住民にオスプレイの騒音ぐらい我慢しろとでも言わんばかりである。沖縄米軍基地が存在する複雑な住民感情や歴史背景がまったく分かっていない。こういう無理解を解くのが、政府の責任のひとつではないのではないだろうか。
これだけ土地の反対が強いのに、どうして日本政府はアメリカ政府と話し合って、冷却期間を置いて徹底的に話し合いを行い、少しでも理解してもらおうとの努力を払わないのだろうか。現状のままでは、60年安保条約成立で日米安保体制にも影響が及んでくるであろうが、こうなるとその安保自体を成立させたことが足を引っ張っているということにもなる。このままだと沖縄県民の心は政府から益々離れて取り返しのつかないことになってしまうのではないかと思う。どうにも政府には国民を守るとの気概が見られない。こちらがいらいらしてやり切れないし、情けないとも思う。