昨日は日本列島で大型台風17号が猛威を振るい、各地で交通機関に大きな支障を来たした。中でも航空機の欠航が600便を超える状況に、最近参入した国内外の格安航空会社がいかに多いか、改めてその存在の大きさを再認識させられた。今日は台風一過というところだが、また近日秋の台風がやって来そうだ。やれやれである。
さて、今日から年度の後半である10月に入った。いろいろなことがある。早速今日野田第三次内閣が発足した。これまでの民主党政権で脱官僚・政治主導を叫んでいた民主党が、かくも管掌の大臣をころころ交代させては新任大臣が傲岸不遜な官僚をうまくコントロールできるだろうか気にかかるところである。
良きにつけ悪しきにつけ過去にとかくの噂のあった田中真紀子氏が、文部科学大臣として入閣した。総選挙を控えてその発信力を買われたとの声がある一方で、民主党代表選に立候補せず、野田代表支持へ回ったことが評価された論功行賞とも言われている。全般的にかなり若返って第三次野田内閣全閣僚19名の中で年齢的に私より年長者は、同年生まれでやや年配の、かつて医療費違法請求や野次を飛ばした通行人を投げ飛ばしてスキャンダルとなった柔道五段の田中慶秋・法務相ただひとりとなった。しかし、この人事もミスマッチでなければ良い。法律を守るべき法務省のトップとしては、法破りの前科のある御仁だからだ。
一方明るい話題として注目を集めているのは、ほぼ100年前の姿に復元されてお披露目された東京駅丸の内駅舎である。ステーションホテルも開業したようだ。このホテルには今月29日に1981年文部省教員海外派遣団でルーマニアへお供した先生方と宿泊する予定なので、その翌日東京スカイツリーへ搭乗することとともに楽しみにしている。
また、今朝の日経新聞「私の履歴書」では、高校の先輩であるノーベル化学賞受賞者・根岸英一博士の1ヶ月の執筆連載が始まった。博士には何度かお目にかかっているが、その際伺った話が早々に紹介されている。母校思いの博士なので、これから懐かしい話をご披露していただけるのではないかと楽しみにしている。
歓迎されないニュースとしては、今日オスプレイが岩国基地から沖縄・普天間基地へ反対の声を振り切るように飛行して配備された。今日は反対するデモ隊が気勢を上げる中を強引に12機中6機が飛来した。残る6機は近い内に配備されると言われているが、今朝岩国基地を離陸してすぐ戻った2機も含まれている。なぜ戻ったのか。そこには機器系統に不具合でもあったのではないか。本当に安全なのだろうか、疑問を残したオスプレイの今日の動きである。
他方で、年度後半に当たり大型企業同士の合併が話題を呼んでいる。その最たるものは今日大手鉄鋼会社同士が合併したことだ。粗鋼生産世界6位の新日鉄と27位の住友金属の合併である。この合併によって新会社「新日鉄住金」は、世界第2位の規模になるが、その規模は1位のアルセロール・ミタル社(ルクセンブルグ)の精々半分であり、背後のベストテン内には中国企業5社と韓国企業1社が間近に迫っている。往時は世界でもダントツだった新日鉄も今ではその陰が薄くなってきた。
かつては「鉄は国家なり」と豪語していた鉄鋼会社も、国際的な激しい競争の中で苦戦を強いられ、今度の合併は日本の鉄鋼会社の反転攻勢への第一歩と受け取られている。
思えば、1970年に八幡製鉄と富士製鉄が合併して新日鉄となった時、当時大企業同士の合併という、その意外性に驚き、ショックを受けたくらいだが、国際社会の中では今や企業を発展、成長させていくためには企業規模を大きくすることが要件のひとつとなっているようだ。
「鉄の町」として知られる新日鉄のある北九州市では、かつて4万人の従業員がいたが、それが今では当時の1/10の4千人に減少したそうだ。日本の鉄鋼会社は、今後世界的企業間の争いの中に伍して戦っていけるのだろうか。時代の変遷とは言いながら、「鉄の町・八幡」と「北九州工業地帯」の力強いイメージを持っている我々世代には何とも寂しい話である。