今日は急に冷え込んできて、漸く身体で秋を感じる。朝からしとしと雨も降っていて遅い秋がやって来たかなと思うのはまだ早計だそうで、明日から再び残暑に戻るという。この異常気象のせいで、世界的にもおかしな現象が起きている。
‘NATIONAL GEOGRAPHIC’今9月号に「猛威を振るう異常気象」という特集記事が取り上げられているほどである。自然界に及ぼす影響が大きいようだが、野生動物への影響も無視できないようだ。高山の氷河や雪渓が解け出して年々小さくなったり、北極の氷が解け出したり異常現象が目立っている。確かに地球温暖化の傾向は、あらゆる分野に表れてきている。日本の気候も亜熱帯地方の陽気に似てきて、南方の動植物が一部には日本でも見られるようになった。従来は日本固有の動物だったものが、絶滅種に指定されている。何年か前にニホンカワウソが四国の四万十川で見られたのを最後に、完全に姿を消して絶滅種に指定されたのはつい最近のことであるが、カワセミの一種も絶滅種に指定された。保護色に衣替えをする愛らしい雷鳥も年々数が減り、このほど絶滅危惧種になったが、近い内に繁殖させるための専門家会議を行うという。
その中で珍しいのは、一旦絶滅指定となった田沢湖に生息していた「クニマス」が、姿を消して時間が経ち、絶滅種と指定されながら富士五湖のひとつ、西湖で生息が確認された。環境省は絶滅指定を見直し、本来の生息地以外で生きている種類と位置づけして「野生絶滅」にする方針だそうである。動物を保護するために止むを得ない措置かもしれないが、あまりやり過ぎるとややこしくなりそうだ。
佐渡のトキが保護されて少しずつ数が増えてきたことに鑑み、温かいサポートによって絶滅に近づく動物が救われるなら、当然そうすべきだと思う。そのためには、環境省の考えているような、発見されてから手を打つということではなく、学校教育の現場や家庭教育の場から保護の必要性を地道に啓発して、か弱い動物の保護に当たるべきではないかと思う。
あまりこういう動物にお目にかかることはないが、幸い雷鳥は、学生時代に立山で夏と冬に変色した姿を見ているので、運が良い方かもしれない。
今日「知的生産の技術研究会」八木哲郎会長へ6月に再訪したヨルダン旅行記を組版して送った。焦点を絞ったので誰が読んでも分かるように書いたつもりだが、写真を挿入して8頁になった。実体験のドキュメントとしては僭越だが珍しい内容で興味を持たせることができると思うので、少しでも読んだ人に楽しく、記憶に残るような印象を与えられれば嬉しい限りである。
さて、日中間の対立は、ついに今月27日に北京で予定されていた日中国交正常化40周年記念式典を無期限延期、つまりほぼ中止すると今日中国政府から正式に通達があった。延期の理由は諸般の事情とのことだが、尖閣諸島国有化であることは疑う余地もない。残念なことである。何とか少しでも対立を解こうと、事務レベルで打ち合わせする準備を進めていたが、国政レベルでNOのサインが出された。10年前の正常化30周年記念では、当時の橋本龍太郎首相が北京を訪れ、時の国家主席・江沢民氏とにこやかに握手を交わしていたが、それも今は昔となってしまった。
いつになったら両国が歩み寄りを見せるのだろうか。中国を何度も訪れ、中国人と仕事も一緒にして多くの友人もいただけに残念である。