1661.2011年11月30日(水) 話にならないお粗末な沖縄防衛局長

 今朝の日経紙に掲載された日経新聞社が行った総合企業ランキング‘NICES’によると、「良い会社」の一位がNTTドコモで、以下武田薬品、キャノン、花王、資生堂と続く。この総合評価というのは大学生の就職人気などとは違って実態経済に即した5つの指標で判定している。例えば、5つの評価として①「投資家」の視点から高利回り株が評価される企業としてNTTやDeNA、信越化学が挙げられる。②「消費者・取引先」から見てブランド力の高い企業、キャノン、資生堂、NTTなどが得点を稼いだ。③「潜在力」として設備投資額、M&Aへの投資額、研究開発費用や人材育成費などの多い武田、ユニ・チャーム、日立などが評価されている。④「従業員」への対応の視点からは、人材活用、育児介護、女性活用、人材育成などの評価が高い。グローバル人材の育成に熱心なダイキン工業、資生堂、高島屋などが高得点を得ている。⑤「社会」は社会貢献度が配慮され、従業員数の多いキャノン、納税額の多いトヨタや三井物産、東日本大震災の復興に義捐金を提供したイオン、東芝、三菱商事などが評価され、総合的に判定された。

 結局老舗とか、名前だけの大企業とか、重厚長大企業は、以上の5項目に照らしてみると必ずしもこれらの企業は評価に該当しない。結局30位内に銀行、証券、鉄道、製鉄、不動産等の所謂「大会社」は入っていない。選出方法は必ずしも公平とは言えないが、一応の目安にはなる。われわれの学生時代には、ほとんど知りもしなかったユニ・チャーム、セブン&アイHD、ベネッセなどの新興勢力が30位以内に入っているのだから時代と業種の変化には驚くばかりである。

 さて、昨日防衛省の大馬鹿者が職を解かれた。沖縄防衛局長というエリート官僚である。しかも、着任してまだ半年にもならない。微妙な沖縄問題が1番わかっている筈の人間が、決して言ってはならないことを、言ってはいけない時にしゃべった。軽口というより、欠陥人物が1番不似合いな職に就いていたというべきだろう。

 では、大馬鹿者の田中聡・防衛局長は何をしゃべったのか。普天間基地の辺野古への移転を巡り、辺野古海域の環境影響評価書(アセスメント)を政府が、年内に沖縄知事へ提出するかどうか注目を集めている時に、アセスメント提出時期を明言しない理由として「これから犯す前に犯しますよと言いますか」ととんでもなく卑猥で、沖縄県民を愚弄するが如き発言をした。良識も、社会常識も微塵も感じられない。即座に一川防衛相は暴言局長を更迭した。沖縄中が煮えくり返っている。まったく話にならない。

 しかし、玄葉外相も頼りない。一川防衛相も荷が重い。こんな中でアメリカに向き合いいま難しい舵取りを求められている沖縄問題に、一体誰が責任を持ってきちんと対応することができると言うのだろうか。

2011年11月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1660.2011年11月29日(火) 「大阪維新の会」完勝に浮き足立つ既成政党

 既成政党が大阪で「大阪維新の会」に完敗して、これまで維新の会と距離を置いていた各党代表者も流石に背に腹は変えられず、会の立場を理解するような態度に変わってきた。民主、自民、共産党までもが橋下徹氏や松井一郎氏が所属する会の主張、手法に反対し対立候補を応援していたのに、この期に及んで恥ずかしげもない君子豹変ぶりである。橋下氏が市長選当選直後の記者会見で、大きな公約である「大阪都構想」について、地方自治法改正のために国会議員に働きかけ、もし同意を得られないなら、次の衆議院選では会が独自の候補者を擁立すると語るや各党は戦々恐々に陥り、恥や外聞もなく会の考えを聞くだの、話し合いをしたいだの、まったく橋下氏の狙い通りの流れになってきた。その動きは、大阪周辺に地盤を持つ現職国会議員が、今「大阪維新の会」と勝負したら自分たちは間違いなく選挙に負けると弱気な発言をしたあたりから加速している。

 完全に橋下ペースに巻き込まれているのだ。今度の選挙戦では戦前に橋下氏を貶めるような陰湿なメディア情報が流された。特に橋下氏の父親が暴力団出身であるとか、彼の母親がそれを認めるようなコメントが出回り、かなり痛めつけられていた。そのマイナスイメージを橋下氏は否定することもなく、敢えて立ち向かい堂々選挙に勝った。実に逞しい。最近の政界や経済界のやわな人物なんかとても太刀打ちできないのではないか。

 偶々現在日経夕刊の角田光代執筆の連載小説「空の拳(こぶし)」が、ボクシングを取り扱っているが、昨日のトレーナーの言葉に「のびる子は田舎の子。田舎っていうかさ、十歳くらいまでに山とか川とか林とかでさ、体ぜんぶ使って遊んでたような子が、やっぱ身体能力は高いよね」というのがある。そうだと思う。橋下氏は大阪育ちとは言え、田舎の子なんだと思った。それにしてもこういう逞しい人物が少なくなってきた。もう手遅れだが、鳩山由起夫・元首相には在任中にこの橋下氏の爪の垢を薬缶一杯煎じて飲ませてやりたかった。

 さて、世田谷区から広報紙「せたがや」や、「せたがや区議会だより」が定期的に配布される。11月23日発行の後者に22年度一般会計決算報告が掲載されている。細かく内訳も書かれているが、よく見ると肝心要の議員の人件費、歳費がどこにも見当たらない。職員費として職員の人件費は全体支出の18.9%が計上されているが、議員の歳費はない。この点について昨日FAXで問い合わせたところ今日電話で回答があった。小さい数値なので科目としては計上していないが、「その他」勘定の中に含まれているとのことだった。小さいことはないと思うが、疑問を感じたのは重要な議員歳費が「その他勘定」に組み込まれていて良いのだろうかという点である。あまりしつこく聞くつもりもなかったので、回答者がご意見は承っておきますとの役人言葉で終ったが、国会議員歳費縮小や公務員給与削減を叫ばれている最中に、きちんと議員歳費が分るよう金額を計上すべきではないかと提言させてもらった。

2011年11月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1659.2011年11月28日(月) 大阪市長に前府知事の橋下徹氏が当選

 昨日大阪で大阪市長と大阪府知事の同日選が行われ、市長選では「大阪維新の会」代表で前府知事の橋下徹氏が現職の平松邦夫氏に圧勝した。また、橋下氏が辞職した府知事選は、同じ「大阪維新の会」幹事長・松井一郎氏が6人もの対立候補者を大差で破り、結果的に「大阪維新の会」がダブル選で完勝した。政治、経済が停滞している日本の現状に鑑み、強いリーダーシップを求められたことと、危うさも伴うがその抜群の突破力を全面に出した橋下氏の個性的な行動力が高く評価されたのではないだろうか。

 戦前の市長選予想ではほぼ互角の勝負ながらも橋下氏が一歩リードしているとの接戦の予想だった。府知事選ではまったく予想がつかず、勝敗の帰趨は無党派層次第と見られていた。

 ところが、蓋を開けてみれば市長選、府知事選ともに「大阪維新の会」の圧勝である。今朝の新聞ではそれぞれコメントが掲載されている。投票率も40年ぶりに60%を超えたと言われ、関心の高さを窺がわせる。

 今回異常なまでに有権者の関心を高めたのは、前府知事だった橋下氏が大阪市と大阪府の二重行政の無駄を排除し、大阪都構想を打ち出して脚光を浴びて、その動向と可能性が注目を集めたからである。

 早速橋下氏はその可能性について記者会見で、2015年春に現在の大阪府と大阪市を大阪都へ移行させる目標を掲げていると述べた。しかし、ハードルは高い。その準備過程として①府・市議会での賛成、②府民・市民の住民投票で過半数獲得、③地方自治法の改正、をクリアしなければならない。さしあたって、13年度までに大阪市議会の決議可決が必要である。市議会では第1党を確保しているが、過半数を獲得していない。人気は高いが、一部には傲慢とか独裁とかあまり芳しくない噂のある橋下氏は、議論を尽くして価値観が合わなければ、市議会解散請求(リコール)も考えていると相変わらず強気である。この他にも公約で掲げた全教育委員が反対し、日本ペンクラブも反対する教育委員会制度の見直しを目指す「教育基本法条例案」や、公務員の制度改革を図る「職員基本条例案」など前途に問題山積である。府知事選では、民主、自民、共産まで既存政党は「大阪維新の会」の対立候補者を支援した。国政にとっても維新旋風は少々手に負えない風雲児なのではないか。一般にも期待する半面、どこか不安もあるような有権者の投票パターンである。

 果たして知恵者・橋下徹氏と「大阪維新の会」の面々が、いかなるアイディアと実行力を発揮して難問をさばいてくれるのか。お手並み拝見である。

 さて、今日はペンの日で、恒例によって日本ペンクラブでは毎月の例会とは変わった形で「ペンの日懇親の会」を開いた。会場にはプロの写真家が撮った東日本大震災の悲惨な写真が展示されていた。それを撮った写真家は現場では言葉も出ないくらいしばし立ち尽くしたと言っておられた。

 9月にセルビアの国際ペン大会で、ベオグラード在住の友人・山崎洋さんと共同運営に協力された常務理事で国際ペン専務理事でもある堀武昭さんと国際ペン大会の話をしたところ、中々日本ペンと国際ペンの間で苦労が絶えないと漏らしていた。国際ペンの費用を日本ペンが負担することの是非もあり、弱音も口にしていた。昨年9月に国際ペンの専務理事に選出され、メディアでも大きく取り上げられたくらい名誉な話だが、あまり嬉しそうな話をしなかった。むしろ国際ペンの財政問題は、彼にも相当プレッシャーとなっているようだった。名誉ある職に就いても、日本ペンと国際ペンの狭間で頭を痛め、浦安の自宅が液状化現象で傾き、奥さんが健康を害して悩み、やせ細った彼の健康がちょっと気になる。

 会場で先日の脱原発セミナーでお見かけした法政大名誉教授・袖井林二郎の姿を再びお見かけしたが、今日もまた場違いにも真っ赤なセーターに法被を着て目立った動きをされていた。つい最近になって急に表舞台に再登場されてきたような印象だが、こう言っては失礼かも知れないが、何か目的とか思惑があるのだろうか。認知症の症状が顕われたのでなければ良いが、心配である。

 元朝日新聞の轡田隆史さんからエッセイ「トラック島日系大酋長」にご関心をいただき、改めて「知研フォーラム」をお送りすることをお約束した。小中陽太郎さんほかの皆さんには2次会へのお誘いをいただいたが、糖尿病と痔の件をお話して失礼させていただいた。気持ちとしては残念だが、今後2次会はできるならお断りしようかと思っている。

2011年11月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1658.2011年11月27日(日) ゼミ仲間とクラシック名曲を楽しむ。

 今や年2回が恒例となった上野浅草オーケストラの定期公演会のうち、秋の部第51回定期演奏会がいつも通り浅草公会堂で開催され、ゼミの仲間が夫人を含め21人集まった。私も妻を伴って出かけた。

 オーケストラでチェロを演奏している赤松晋さんは、この公演のために日頃から厳しいトレーニングを積んでいる。普段から努力家でひたむきな精進ぶりには頭が下がるし、彼を支える奥様の内助の功にも拍手である。

 これまでは公演であまり有名な曲は演奏されなかったが、今日は知る人ぞ知るシューベルトの「未完成交響曲」と、プッチーニのオペラ曲「蝶々夫人」の2つの名曲を聴くことができて、じっくり楽しむことができた。「蝶々夫人」は、いくつかの名場面を抜粋して、ピンカートン、蝶々夫人、シャープレス、スズキらのソロでつなぎながら、女性講談師・玉川奈々福さんがメリハリの利いた語り口でムードを盛り上げるという趣向で中々楽しいものだった。

 個人的には、4日前NHK・BSのドキュメンタリー番組「‘蝶々夫人’は悲劇ではない―オペラ歌手岡村喬生80歳イタリアへの挑戦」を観ていたので、特に日本人と外国人の‘蝶々夫人’観の差について考えながら聴いていた。テレビでは岡村氏が、自分自身‘蝶々夫人’を歌いながら、いつも100年前の外国人が見る日本人観に違和感を抱き、岡村流のオペラ‘蝶々夫人’を、プッチーニ地元の屋外劇場で公演しようとするもので、岡村氏がイタリア人のオペラ観とぶつかり様々な場面で、イタリア人関係者と衝突するシーンを見せていた。

 イタリア人は日本人がどう思おうと、オペラ自体を変えることを受け入れず、また日本人的所作も取り入れようとしない頑固さに、岡村氏もほとほと弱りきっているのが感じられた。

 今日の部分的な抜粋オペラでイタリア人の考えが分かったわけではない。しかし、作曲者のプッチーニ自身が日本を訪れていない、況や舞台である長崎という土地や風習を知らない以上、こういう日本の文化・伝統を知らない外国人に誤解が生まれるのはある面で仕方のないことだろう。

 このままで良いとは思わないが、オペラができ上がって一定の評価が下された以上、これをいくら日本人が見て違和感を覚えると言っても変更するのは難しいだろう。しかし、これで決着がついたわけではない。これからはこの辺に興味を持ちながら、この名曲を聴こうと思う。

 コンサートが終ってから、揃って浅草の「アリゾナ」レストランで会食をしたが、いつもながら気の置けない仲間との食事は楽しい。この「アリゾナ」は文豪・永井荷風が愛した場所であり、店内には写真家・木村伊兵衛が荷風の亡くなる半年前に撮った写真も飾ってある。ゼミの恩師・飯田鼎先生は亡くなられたが、今日は飯田先生を偲び、仲間との旧交を温めながら青春時代を懐かしんだ、心が和む楽しいひとときだった。

2011年11月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1657.2011年11月26日(土) 東京交通短大で講義する。

 池袋にある東京交通短期大学で特別教養講座の一環として「現場で逞しい力を磨こう!」と題して、観光業を目指す学生相手に講義をした。今回が4回目であるので、大体要領は分かっている。

 強調したのは、若い時にできるだけ1人旅をやってみることである。これは3月にノーベル賞受賞者・根岸英一博士とお話しした時一致した考えである。私の若かりしころの危なかった1人旅の体験談と「本物」「生」に触れることの大切さ、臨場感を悟ることが重要であること、自分の立ち位置を知ることとともに心がけて欲しいと話した。その他に興味を持ってもらえそうなテーマとして、臨場感を知ることによってテロの予知まで可能になるというような話を、60余のスライドをパワーポイントで映し出しながら思い切って説明した。

 学生相手の講義は、質問がなくても反応があるから楽しい。今日も1時間半の間一方的に話し続けて何とかギリギリで時間内に終えることができた。

 講義終了後、桑原賢二助教と松岡弘樹・副学長から短大の入学と就職状況について話を伺った。この短大には、鉄道就職希望に特化した伝統校・昭和鉄道高校が併設されている。従って、短大でも観光業というより鉄道会社への就職希望者が圧倒的に多いと聞いた。入学希望者は定員の1.7倍というから、今日定員に達しない大学や専門学校も数々ある中で、経営的には安定しているのではないかと思う。

 さて、国家的な課題となっている年金問題がまたごちゃごちゃしている。先日の行政刷新会議の政策仕分けで指摘された、約10年前の特例で減額を見送った事案は、どうやら民主党が解消するということと、併せて来年度は物価指数のマイナスに連動して年金支給額を引き下げるという。これを1度にやってしまおうというのだ。

 ただ気になるのは、これを発表した当事者の小宮山洋子・厚生労働相がどういうわけか、終始ニコニコしていたことだ。本来なら国民に苦難を強いるわけだから、笑ってなぞいられる場合ではないと思うのだが、この女性大臣もノーテンキというのか、お嬢様育ちというのか、国民の気持なんかあまり深刻には受け止めていないように感じられた。特例という1度与えたお年玉を取り上げようというのだから、明らかに約束違反であり、普通なら大臣は自ら陳謝してしかるべきなのだが、へらへらしている小宮山大臣の気持ちが分らない。国民の気持からかけ離れたこの小宮山大臣とは一体何者なのか? 父親は東大学長加藤一郎として1969年の東大闘争でご苦労されたが、小宮山大臣には大臣の器として些か欠けるところがあるのではないだろうか。

2011年11月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1656.2011年11月25日(金) 辛亥革命のビデオを診て、あれこれ考える。

 今週初めにNHK・BS放送で3日間かけて各回1時間半のドキュメンタリー番組を放送していた。落ち着いて観ようと録画して、昨日と今日3回分まとめて一気に観た。タイトルは「辛亥革命」である。辛亥革命が起きた1911年から今年でちょうど100年である。第1回は「孫文・革命を支えた日本人」、第2回「ラストエンペラー・溥儀の真実」、そして第3回で「蒋介石・秘められた対日戦略」となっており、革命と直接、或いは間接に関わった3人の活動を紹介している。3人にとってそれぞれ因縁深い土地を私自身も訪れているし、昔台中で蒋介石一行に遭遇したこともあるので、興味深く感じて日中の歴史を改めて考えた。

 今ちょうど中国映画「1911」が公開され、監督を務めたジャッキー・チェンが、辛亥革命に日本人がいかに関与していたかということを初めて知ったと語っていたが、私もこれほど多くの日本人が革命を陰で支えていたかということを改めて知った。ぜひこの映画を観てみたい。

 特に、孫文が日本で革命を準備し、満を持していた時に、孫文を資金面で支援していた宮崎滔天、梅屋庄吉、山田良政・純三郎兄弟、犬養毅らのサポートには損得を考えず、孫文の理想と心意気に心を打たれて心情的に彼を助けよう、彼の志を叶えさせてあげようとの真摯な気持ちがあった。

 宮崎が孫文を高く評価したことは次の言葉によく表れている。

 ‘その思想の高尚さ

 識見の卓抜さ

 我が国にこれほどの人物が

 何人いることだろう

 まさにアジアの宝である’

 これほどまでに宮崎は孫文を一目見て惚れこんだ。爾来孫文を陰になり日向になって支援した。

 映画会社「日活」創業者の1人でもある梅屋庄吉も、

 ‘君は兵を挙げよ

 我は財を挙げて支援す’

と物心両面で助けたことが、紆余曲折を経て革命という目標へ近づけた。

 今この孫文のような高い志を持った人物、そして宮崎や梅屋のような、高邁な理想を抱き打算的でない資産家がどれだけいるだろうか。

革命は時代に遅れた中国清朝時代が背景にあるが、登場人物は案外今日の日本に求められている人物像ではないだろうか。

 さて、今夕母校・湘南高校の東京有志会が4年先輩の森稔・森ビル会長のフランチャイズ・六本木ヒルズのヒルズクラブで開かれた。1日の創立90周年記念式典が開かれて間もないこともあり、「いけいけドンドン」の明るいムードだった。同級生の牧野力くん(元通産次官)から、アイザワ・トラック島大酋長のエッセイを過分に評価してもらったが、聞けば登場人物主役のひとり、森喜朗・元総理とは森さんが通産大臣だった時以来割合懇意にしてもらい、1年に2度ほど酒を交わすことがあるとも言っていた。

 ほかにも多くの同窓生と話を交わすことができて楽しかったが、この会場の豪華さは、流石に「六本木ヒルズ族」という言葉を生み出すきっかけになった建物と施設であり、感慨深いものがある。ほんのひととき楽しく良い経験をさせてもらった。

2011年11月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1655.2011年11月24日(木) ついに糖尿病の入口に

 先週行きつけの森内科医で糖尿病のための血液検査をしてもらい、今日その検査結果を教えてもらった。松本整形外科医で1ヶ月半1度の割合で調べてもらっているCRP検査の際、血糖値も教えてもらっているが、森内科で調べてもらったヘモグロビン検査(HbA1c)の結果は[6.1%]だった。安心できる数値は4.3~5.8%だそうで、私の場合数値は軽くて極度に心配することはないが、糖尿病の入口にいるとの診断だった。従って今後この数値を上昇させないことが重要だ。血糖値がその時点の糖分の含有量を表しているのに対して、この(HbA1c)検査は、瞬間風速的な数値を表示するのではなく、1ヶ月前から検査日までの糖分の平均含有量を示しているとのことだった。

 数値的には神経質に心配するほどのこともないようだが、糖分は控え目にと医師のサジェスチョンもいただいたので、割合好んだチョコレートなぞこれからは諦めるより仕方があるまい。普段からコーヒーはブラックなので、これは諦める必要もない。ただ、パーティなどでデザートが食べられないのがちょっと寂しい。医師の話では毎月検査することもなく、3ヶ月に1度ぐらい継続的に調べた方が良いとの診断だったが、原因はやはり年齢的な問題が一番だろう。

 さて、国会ではこのところ年金問題が喧しい。それも年金の本質的な問題ではなく、貰い過ぎた年金の減額を検討するというのだから、受給者にとってはあまりぱっとした話ではない。年金支給額というのは物価水準の上下に連動して増減されるという建前になっているが、1999年から3年間は物価が下がったのに「高齢者の生活への配慮」という特例を設け、下げることをしなかった。下げていれば2.3%少なかった筈だという話がいま話題になっている。その払い過ぎの年金総額が財務省の試算によると累計で7兆円にもなる。来年度以降特例を見直し、年金を減額し埋め合わせしようと検討している。

 しかし、これを槍玉に挙げた政策仕分け人の言い分は、「7兆円を現役世代が負担しており、世代間の不平等が広がっている」ということのようだ。果たしてそれだけだろうか。むしろこの7兆円は現役世代が負担しているとの説明そのものが、必ずしも正しい指摘ではない。

 小宮山洋子・厚労相は「早くやらないと負荷がかかってくる。やるべきと考えている」と述べたが、それより何より特例は一体誰が決めたのか。与野党の立場は逆転したが、特例自体は国会議員が国会で決めたことではないのか。減額しないと約束してもらった高齢者が、10年も経って掌を返すように返還せよと言われても戸惑うだろうし、今更返すだけの手持ち現金があるのだろうか。

 その前に国会議員がやるべきことは、自分たちの歳費を削り、公務員の給与を引き下げ、更に言うなら民主党が前回の総選挙で約束したように、議員定数の削減を実効するなりして自ら進んで身を切る方が先ではないか。自分たちは何もせず、間違った法律特例を勝手に作っておいてすべて国民につけを廻す、相変わらず狡すからいやり方の結果は、いずれ自分たちに降りかかってくることが分らないのだろうか。

 これに関連してこんな場面もあった。一昨日夜の日本テレビ「ZERO」の最後に、鈴江奈々アシスタント・キャスターが「これでは今まで真面目に年金を支払ってきた高齢者にも言いたいことがあるでしょうね」と村尾信尚キャスターにさりげなく疑問をぶつけたところ、村尾氏は「まぁ意見はいろいろあるでしょう」と質問をはぐらかせて取り合わないまま番組は終ってしまった。

 それにしても、いつも賢明で明快な説明を歯切れよくこなす「ZERO」の村尾キャスターの、いつにない後ろ向きの言葉には、やはり元役人らしいなぁと不審感が募った。

2011年11月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1654.2011年11月23日(水) 戦略のない日本のリーダー

 福島原発から50㎞圏内に湯の岳断層という活断層があることが判った。これまで土壌の表面を目視しただけでこの周辺は活断層ではないと東京電力も原子力安全・保安院も安易に見ていた。それにしてもこれだけ大それた事故を引き起こした原子力発電所について、政府は脱原発依存に向けた新たなエネルギー政策を来夏までにまとめる方針であると公言しているが、原子力安全対策について些か鈍感であり、その対応はスピードが遅い。

 今日まで4日間行政刷新会議による政策仕分け作業が行われたが、原発関連支出では高速増殖炉「もんじゅ」が稼動しないまま、ほぼ20年間に亘り維持費だけで年間200億円もかかる無駄遣いなどはそのまま置き去りにされている。それでいて、今朝の朝日はトップ記事が「原発コスト『4割高』―04年事故リスクを加算」であり、セカンド記事が「チェルノブイリ原発事故から25年」とあり、「300年は住めない」ととんでもないびっくり記事が書かれている。加えて社説では「まず脱原発を固めよ」とまで提言している。最早原発問題は放っておける状態ではない。これだけ原発の危険性が報道されていながら、その一方で案外直接関係ないところでは、原発の危険性は軽視し放置されている傾向がある。結局いつまで経っても日本人には、深刻な事態を一過性と捉えたがる性癖があり、権力者には重大事に決断が遅く方針を立てても戦略がないのではないかと思う。原子力政策もまったく同じである。

 そんな折り今朝NHKが「未来をつくる―森永卓郎のリーダー論」という面白い試みの番組をやっていた。経済ジャーナリスト・森永氏が佐賀県の十数名の公立中学校生徒に、佐賀県人のリーダーについて語り聞かせ、彼らと話し合って佐賀県をどうしたら世界的に売り出し、価値を上げることができるかと4つのグループに分けてプレゼンテーションを行わせていた。その中で森永氏は佐賀藩主・鍋島直正について、幕末という混迷の時代に世界を最も知っていた日本人であり、いかにリーダーとして優れていたか、と話していた。同時にリーダーは戦略を持ち、戦術は部下に任せるべきだと述べていたが、まったくその通りで今わが国のリーダーには戦術はあるが、肝心な戦略がある人物がどれほどいるだろうかと考えると少々首筋が寒くなってくる。

 日本はどうして戦略のないリーダーを抱えることになってしまったのだろうか。平和な証と言っては皮肉だろうか。

2011年11月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1653.2011年11月22日(火) 駒沢大学公開講座最終講義

 駒沢大学マス・コミ研究所の今年度公開講座が最終回とあって、講座は2人の講師、菱山郁朗氏と片山正彦氏が一緒にコーディネーター役となって受講者と今年のニュース、気になった事件などについて諸々話し合うスタイルで進められた。今年のビッグニュースは何と言っても震災であり、原発事故だ。私は日本ペンクラブのシンポジウムやセミナーのケースなどを話して、わが国は脱原発へ向うべきということと、学校教育で原子力全般についてもっと詳しく教えるべきだと私見を述べた。

 2時間の講座を終えてから、近くの蕎麦屋で打ち上げをした。今年は後半になって欠席が多くなり、その点で少し悔いが残るが、講義はすべて分り易く仕事上も大分参考になった。来年も時間を見つけて参加するようにしたいと考えている。

 「最終」と言えば、1924年日本で初めての本格旅行雑誌として「日本旅行文化協会」が創刊した、月刊誌「旅」が来年3月号を以って休刊と決まった。発行元が戦後日本交通公社へ移り、7年前創刊80周年記念の年に新潮社へ移った。昨年共著として発行した「そこが知りたい 観光・都市・環境」(交通新聞社刊)の中でも本雑誌「旅」について一寸触れた。こういうオーソドックスに旅行と向き合う真面目な旅行専門雑誌が休刊となるのは、いかにも残念である。旅行情報誌というより、むしろ紀行文を取り上げていたが、スピード時代に入って今では玉石混交の情報満載で回転の速い週刊誌に些か遅れを取るようになった。月刊誌ではスピードに最早付いていけなくなったということだろうか。かつては、松本清張の名著「点と線」が連載され、文壇でも注目を集めた。父方叔母の日本女子大時代の同級生・戸塚文子さんのような一世を風靡した名物編集長もその後輩出されなかった。今の状態では、休刊とは言うが、廃刊も覚悟しなくてはならないだろう。90年もの長い歴史を重ねてきた老舗雑誌が姿を消すのはいかにも惜しまれてならない。

 その一方で、変わった新たなデビューもある。日本人シンガーのCDアルバムがアメリカやカナダ、ヨーロッパで人気を博し、その影響を受けて次第に日本国内でも販売数が増え、それをリリースした日本人歌手のアルバムがいま話題を呼んでいる。

 歌手・由紀さおりが出したアルバム「1969」がそれだが、その中に同年ヒットした「夜明けのスキャット」が挿入されている。私たち夫婦は1969年に結婚してタイへ新婚旅行にでかけたが、バンコックのホテルで食事をしていると毎日耳にした忘れられないメロディーだった。それ以来このハミングばかりで歌詞の少ない異色の曲を聴く度に、タイへの新婚旅行を思い出したものだ。そう言えば、あの時ペナンへ向う予定だったが、マレーシアで突如戒厳令が発令され、バンコック空港からマレーシアへ飛び立てず、方向変更してチェンマイへ行ったり、いま洪水で大騒ぎのアユタヤへも行った。まぁいろいろハプニングはあったけど、想い出は尽きない。

2011年11月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1652.2011年11月21日(月) スペインに新政権発足、日本ではオウム裁判終結

 スペインもサパテロ政権に代わって56歳のマリアノ・ラホイ氏が新しい首相に選出された。ヨーロッパの経済危機は政界トップの辞任に象徴され、3月のアイルランドに始まり、6月のポルトガル、10月ギリシャ、11月イタリア、そしてついに昨日スペイン政界にまで影響が及んできた。

 スペインでは、サパテロ社会労働党政権から7年ぶりに交替した中道右派の国民党・ラホイ新政権が苦境を乗り切ることを期待されているが、前途は茨の道である。現在スペインの失業率はEU加盟国の中でも最悪の22%台である。しかも、若者の失業率が飛びぬけて高く、25歳未満のそれは実に48%にもなり、若者2人にひとりが失業している状態である。こういう厳しい労働環境の中で新政権が緊縮財政を実行していくこと、とりわけ公務員の給与カットや柔軟な解雇の仕組みの導入などを巡っては労組から強い抵抗が予想されている。

 こうしたヨーロッパの一連の経済不況が、一部には次はフランスへも及ぶのではないかと心配する声もある。実際パリやフランクフルトの株式市場では今日株価が2%も値下がりした。これに影響を受けたかのように、今日から午前の営業時間を30分間延長した東証日経平均株価も今年最安値を記録して8348円にまで下がった。1日も早く経済が立ち直ることを願うばかりである。

 さて、今日オウム事件の裁判が終結した。裁判が終了したということは全被告189人の刑も最終的に確定したということだ。今日13人目の死刑囚が確定した。無罪ひとりと罰金刑3人を除くと、あとは全員量刑者である。思い出すだに忌まわしい事件である。

 知り合いのご子息も松本サリン事件で亡くなった。お気の毒で心境なぞはとても聞けない。事件の前、まだ私自身現役会社員だったころ、会社からの帰路JR代々木駅前で風変わりの衣装を身につけた10人足らずのグループが踊り狂っていた光景を1~2度見たことがある。彼らの口から♪~ショーコーショーコー、アサハラショーコー~♪とおまじないのような言葉が繰り返えされ、ただあっちへぶらぶら、こっちはぶらぶらしているだけだった。あれからしばらくして衝撃的なサリン事件が起きた。それにしてもあんな残虐な事件を引き起す犯人とはどんな極悪非道な悪党だろうと考えるが、実際には結構高学歴のインテリが多く、元医師とか、国立大学で遺伝子を研究していた知識人も含まれている。どうして彼らが邪悪の道へ入り込み、何を言っているのか分らないような麻原ごとき男に心酔するようになったのか。29人もの尊い生命が犠牲となったが、他にも後遺症を抱え苦しんでいる人が沢山いる。首謀者の極悪人・麻原彰晃が本心をまったく語らない現状では、遺族も堪ったものではない。遺族にとって事件はとても終ったとは思えないのではないだろうか。

 直接関わりはないが、私にとっても嫌な思い出としていつまでも忘れられない事件である。

2011年11月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com