1692.2011年12月31日(土) 震災と経済不況の1年を振り返る。

 今朝の新聞は社説を始めとして昨日政府・民主党が、消費増税案を決定して与野党協議を呼びかけ年度内に法案提出することを高く評価している。国民にとって増税負担より、国家破綻を防ぐことが極めて重要であると野田首相の決断を買っている。同時に議員が選挙を睨んで増税反対論を唱えることを強く批判している。

 さて、とうとう大晦日を迎えることになった。大晦日と言えば、樋口一葉の「大つごもり」でお峰が奉公先でお金を盗み、ばれそうになったところで総領息子・石之介の悪事が幸いして一転救われる、何とも侘しく寒々とするシーンを思い出す。これは「十三夜」「大つごもり」「にごりえ」を今井正監督がオムニバス映画として製作し話題をさらった。高校入学直前の春休みに、従姉夫婦に渋谷の映画館で観賞させてもらった、前記の「大つごもり」の主人公・お峰の心理的な場面が強く印象に残っている。中学を卒業したばかりの身にとっては、少々難しかったかも知れないが、思い出に残っている情景である。その後いくつも映画を観ているが、これほど心に残った映画はあまりない。

 この2、3日のテレビ画面を観てもエンタメ番組ばかりで、ニュースすらあまり観る機会がない。

 今年は何と言っても東日本大震災と福島原発事故が日本中を席捲して、今でも後遺症として被災者のみならず多くの国民の心に深い傷を残した。危険で費用のかかる原発が果たして国家として必要なのかという深刻な問題を、国民につきつけた。しかし、現状は原発の根元のスイッチさえ止められず、未だに放射性物質を流していて事故は解決できていない。今月中旬に政府は事故収束を宣言したが、専門家や地元自治体や住民はそうは思っていない。

 こんな中で国民的テーマとして、まだ原発是々非々について真剣な議論が始まらない。これまで「安全」「安い」「きれい」を謳い文句に、わが国のエネルギー政策は、水力発電、火力発電から原子力発電へシフトして、その比重は益々高まっていた。今や上記3原則は否定された。ならば、1日も早く新しいエネルギー対策を打ち出すべきではないかと考えるが、原発の恩恵に浴してきた経産省の高級官僚は前へ進めようとしない。

 来年こそは、「脱原発」の動きに勢いをつけ、運動を加速させて危険なエネルギーを廃棄するべきではないだろうか。

 5月に大学のゼミの恩師・飯田鼎先生が亡くなられたのも悲しいことだった。半世紀近くに亘り心の支えでもあった。来年は追悼文集を発行することにしているが、編集責任者として先生に自慢できる文集にしたいと思っている。

 そのほか個人的にいくつかエッセイは書いたが、願っていた観光書を上梓することは叶わなかった。本来なら昨年上梓すべく準備を進めていたが、共著「そこが知りたい 観光・都市・環境」(交通新聞社刊)の執筆に時間を費やして、1年先送りすることになった。ところが、前著の発行直後の11月に政府の事業仕分けで、観光に対する政府の見方と考え方に疑問を抱いた。その政府の考え方というのは、表面的には観光が国の経済を支える重要な事業と位置付け、海外からの観光客の増加に期待しているスタンスが窺がえたが、実はただ金さえもらえば良いのであって、偶々観光は政府が助成しなくても外貨を稼いでくれるし、雇用拡大の柱にもなるとのイージーな考えから「観光業の成長」を唱えているだけではないかと国の考え方に疑問を持った。その背景にあるのが昨年11月16日に事業仕分けで観光政策を一刀両断の下に予算をカットしたことである。もともと政府や自治体の観光に対する評価は低かった。本音が出ただけである。こんな点から、もっと多くの資料を入手して多面的な視点から切り込んでみたいと考え、執筆を延ばしているのである。

 健康面では、気になっていた「痔」は現在診療中で、回復の見込みが高いのでほっとしている。「前立腺」の精密検査の方も、まったく問題ないとの診断なので、やれやれである。問題は入口に来た「糖尿病」であるが、食事面で気を遣い、飲酒はできるだけ避けるようにしている。全体の健康チェックは来年8月に慶応病院に新しくスタートする予防医療センターで診断してもらうことになっている。

 二男に初めての子が誕生したので、孫が4人となった。私も73歳となり、そう余生は長くはないかも知れないが、このまま健康体を維持して、来年は著書も上梓してみたいし、何と言っても「アンマンでヨルダン兵に身柄を拘束」されてから、45年目の節目に当たるので、現地を再び訪れ拘束された現場を検証してみたいという願いも実現してみたい。

 昨日今年最後の取引となった東京株式市場では、日経平均株価が8455円で終了したが、これは1982年以来29年ぶりの安値であり、円の対ドル相場は年間平均1$=79.79$で年間3%も上昇した。世界的に経済は沈み込み、当分前途に期待が持てない。何とか来年は少しでも今年を上回る景気の良い話を聞きたいものである。

 恒例のNHK紅白歌合戦が始まった。今年は東日本大震災を強く意識している。来年こそもう少し良い思い出が残せるような1年であってほしいと思う。

2011年12月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1691.2011年12月30日(金) 消費増税案漸くまとまる。

 民主党の消費増税案が漸くまとまり、今後野党との協議に入るようだが、ことここに至るまで党内はすったもんだの小田原評定だった。それでも当初ほぼ決まりかけていた、2013年10月に8%、15年4月に10%へ増税するという計画が半年先延ばしされることになった。実はこの延期にも政治家特有の都合というものがあった。当初の予定だと増税してから総選挙があり、もし民主党が選挙で敗れると別の政党の手によって増税が行われることになる。それが公約違反になるというのだ。そんなことより、それ以外のマニフェスト違反の方がこれまでよほど国民を裏切ってきたと思うのだが・・・・。

 昨日朝夜行フライトでインドから帰国したばかりの野田首相が、午後民主党党員総会に出席して長広舌の説得をしてもめていた中で何とか結論をまとめた。国民に負担を強いるばかりと評判の芳しからぬ民主党としては、引き換えにマニフェストに謳った国会議員の定数削減と、公務員の給与削減を組み込むことにしたようだ。

 これで党内はまとまったかというとそうではなく、消費増税に消極的な議員からは相変わらず反対意見が出されて、党内意見は2分されている。だが、政府と民主党はこれを最終案として野党と協議に入るようだ。そんな党内が混沌としている時に、消費増税反対論の悪役・小沢一郎元代表と鳩山由起夫元首相が離党した議員と怪しげにも情報を交換しているようである。小沢氏は党から離党処分を受けているので、何ともいえないが、毎度お騒がせの元首相に至っては、首相の座は去ったにしても党内をまとめるのがかつてのトップとしての責任であり、義務であろうと思うのだが、どうもその時の思いつきだけで行動して、火事場荒らしばかりやって周囲を惑わせている。

 鳩山氏の軽はずみな発言で紛糾してしまった普天間基地移設についても、相変わらず辺野古以外に候補地があると思うようなことを無責任にもしゃべっている。こういう無節操で無責任で周囲に迷惑ばかりかけている政治家は、国家のためにもならない。1度は総理を辞めたら国会議員を辞めるとまで公言しておきながら、すぐ撤回する破廉恥さと非常識には言うべき言葉を知らない。鳩山氏のせいでどれだけ日本中が迷惑を蒙り、日本の政治が逆戻りしただろうか。そして民主党をダメにしてしまっただろうか。鳩山由起夫は即刻国会議員を辞めるべきである。

 それにつけても、増税が半年遅れたことによって2兆円以上の収入が国家に入らなくなった。こうなったら抱き合わせで決意を固めたであろう、国会議員の定数削減と公務員給与削減を実行してくれるであろうことを期待するしかない。

2011年12月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1690.2011年12月29日(木) 対立を抱えた民主党に離党者のドミノ

 企業の中には昨日仕事納めの会社が多く、今日から年末年始モードに入っている人たちが多いようだ。新宿でゼミの親友3人と昼食をともにした。平日なのに電車・バスは大分混んでいるし、レストランにも客が多い。帰省ラッシュも始まったようだ。不景気と言われながらも、多くの旅行者が正月休みを海外で過ごすべく旅立つ風景を成田空港から中継していた。いよいよ年の暮れだなぁと、今年1年を振り返って感慨無量の想いである。日本にとって東日本大震災という未曾有の災害を蒙った1年となったが、5月に大学ゼミの恩師が亡くなられ、その追悼文集を発行するに際して、先日奥様に一文を寄稿して欲しいと書状でお願いをしたことに対してご返事をいただいたが、先生のご家族にとっても最も悲しい1年であったと書かれていたことにはっとさせられた。普段マス・メディアの報道などでつい東日本大震災のことばかり頭に浮かび、その被災者に同情しがちであるが、震災以外に身近に辛く、悲しい体験をされた方々がいくらもおられるのだということに改めて気付かされた。

 友人らには別の友人の健康問題を相談したのだが、会うまで具体的な点を伝えなかったので、彼らは私が普段政治家のパフォーマンスに不満ばかり言っているので、私がいよいよ自ら選挙に打って出るのかと思ったと冗談とも思えない想像をしたと言っていた。今更政治家になったとて、私には資金も何の利益もないし、ましてやとても健康が保てない。先日も高校時代の友人からも同じようなことを言われたが、もう20年若かったら考えたとバカなことを話したものだ。

 その政治家の行動を見ると、昨日9人の民主党員が離党したが、その後更に2人増えて11人が党を離れることになった。これを待ち受けるかのように新たな行動を起したグループがある。「新党大地」の代表だった鈴木宗男・前衆議院議員が「大地・真民主党」なる新党の結成を総務省に届け、離党者の受け入れに動いたのだ。鈴木氏の行動も理解できない。実刑判決が確定し、服役して刑期半ばで今月仮釈放されたばかりである。従って当人にはまだ立候補する資格がない。また、いつもの悪い癖で何か人々の注目を集める線香花火的なことを考えているのではないかとつい勘ぐってしまう。そういう新党に加わろうとする離党議員の節度も問題である。彼らが離党の理由として挙げているのは、自党のマニフェスト違反である。

 しかし、消費税増税については、追求している自民党にも弱みがある。そこを昨日BS11で森喜朗元総理が「増税に反対して衆議院解散に追い込んで勝った後、自民党はどうするのか。消費増税法案なんて出せない」と自民党にも消費増税に賛成するよう求めた。実際自民党も消費税10%への引き上げを掲げている。今では民主・自民両党とも消費増税を政争の具としている。

 民主党税調は消費増税に関して党員の理解を求めているが、党内は賛成と反対に2分されてしまった。本当にこの民主党という政党の衣を着た組織は、現状を見る限り政党の体を成していない。

2011年12月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1689.2011年12月28日(水) 民主党内のドタバタはうんざりだ。

 今に始まったことではないが、民主党のドタバタは留まるところを知らず、エスカレートするばかりである。われわれ国民が民主党を政権政党として選択したので、ドタバタ騒ぎを引き起こした責任は、われわれも負わなければならない。それにしても、自分たちのやっていることが国民のためにならないと気がついたら、そこは不満であっても妥協してでも考え直すべきであろう。それができないのが、今の民主党の未熟児的体質の議員たちである。

 消費増税法案の素案作りについて、民主党税制調査会内の議論も中々まとまらない。でも税調は何とか2013年10月に8%、15年4月に10%と段階的に引き上げる案をまとめた。野田首相は増税で腹を括っているようだ。ところが、その首相は昨日からインドへ出かけている。そんな中で今日民主党員9人が感情的になり消費税増税に反対を唱えて離党届を提出した。

 更に政府を困惑させているのは、アメリカ軍普天間基地の辺野古への移設に向けた環境影響評価書、所謂アセスメントを沖縄県庁に届けるところだったが、昨日それができなかったことである。防衛省から使者が来ても評価書を受け取らないと拒絶宣言をした沖縄県に対して、使者が届けるのではなく、宅急便で届けようとした。だが、沖縄県庁受付前で受け取り拒否を叫ぶ大勢の市民団体に取り囲まれ届けられなくなった。それで今朝明け方になって市民団体が居ない隙を狙って、沖縄防衛局が評価書を届けるという離れ業をやってのけた。ただ、この姑息なやり方が一部には反発を招いている。

 とにかく、民主党は沖縄県民までも巻き込んでお家騒動を大きくさせ、今や党内はガタガタなのである。そして、深刻な経済不況は今もって続いており、震災復興は道半ばである。こんな非常時に内輪の喧嘩をやっている場合だろうか。あまりの節度のなさに開いた口が塞がらない。こうなったら時間の無駄ではあるが、改めて総選挙をやって信を国民に問うより最早手段はないと思う。

 さて、今日予定通り北朝鮮の金正日総書記の国葬が首都ピョンヤン(平壌)で雪が降りしきる中行われた。相変わらず情報の少ない国だけに、どんな形で葬儀が行われるのか、さっぱり分からず、17年前の金日成主席の葬儀を前例として想定するより他に方法がないのだ。

 葬儀を行ったのかどうかの報道すら午後遅くなってやっと入る有様であり、何とも心許ない。それでも夕刊や、遅いテレビ・ニュースで断片的に葬儀の様子は伝わってきた。雪の中で手袋も帽子も被らず父の遺体に付き添う金正恩が、国民に後継者であることを強くアピールしている。

 相変わらずよく分らない国である。

2011年12月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1688.2011年12月27日(火) 福島第1原発事故中間報告書に思う。

 政府の東京電力福島第1原発事故調査・検証委員会が、700頁に亘る中間報告書をまとめて昨日野田首相に提出した。専門家や関係者ら延べ456人に対して、900時間に及ぶ聞き取り調査を行った結果をまとめたものである。

 「事前の過酷事故対策」「現場の事故対応」「政府の事故対応」「被害拡大防止」の4つのポイントに絞って指摘している。中立的な立場から厳しくかなり的確な指摘がなされたように思う。

 新聞の見出しを見ても「国と東電、津波対策不備」「原発冷却でも不備」「起こるべくして起きた」「官邸内の分断深刻」「公表を統制・遅れた局面」「保安院欠けた問題意識」等々かなり辛辣な表現で批判している。

 それは今晩NHKの緊急スペシャル番組「謎は解明されたのか?」で委員会の東大名誉教授畑村洋太郎委員長と委員のひとりである作家・柳田邦男氏の話を聞いていてもよく分る。これまでは想定外と考えられると何もやらなかったが、今後想定内は防災を、想定外についてはいかに確率が低くとも減災を考える必要があると言われたことが印象に残った。

 今度の事故で、度々言われる「想定外」という言葉が責任逃れのように使われ、東京電力の責任を軽減するかのように伝えられてきた。想定外と言われているが、実際には今度の津波の高さを上回る15.7mの津波の可能性が2008年に提案されながら、それを上回る防潮壁の建設が検討されることはなかった。建屋の爆発の連鎖も食い止められなかった。東電社員が現場で起こっている事態を充分把握できていなかった。原子力のプロと思われる彼らがシステムをよく知らなかった。原発から5㎞地点にあるオフサイトセンター(現地対策本部)もまったく機能しなかった。首相官邸内で本部と現場の意思が統一されていなかった。本部の指令通りに現場責任者は行動しなかった。この他にも数多くの問題点が明らかにされた。それにしても放射性物質という危険物を取り扱う現場で、全員が必ずしも充分な知識を持たずに、管理面で意思統一ができていなかったことなぞ、組織としてはあまりにも杜撰だし、そもそも原発に関わる資格があったのかどうか疑問である。それにしても少々お粗末ではないかと思う。

 東電には技術的な知識を持ち合わせていない社員が大分いたようだが、こうなると言葉は悪いが、「気狂いに刃物」ではないか。だから手に負えなくなると無責任にも、1度は何もかも放っぽり出して火事場から逃げ出そうとしたのである。そんな危ない会社が心から反省の言葉を話すわけはなく、その代わりに言い出したのは、先日の一方的な電力料金値上げの申請であり、今日の原子力賠償支援機構への6,000億円資金援助の要請となるのである。

 「失敗学」を主唱している畑村事故調査・検証委員長は、管理・監督者の責任を追及するのではなく、津波への備えや非常時の原子炉の冷却で東電に対応の甘さがあったと指摘するに留めた。ただ、今回の巨大津波のように稀にしか起きない自然災害でも「想定外」として無視せずに対処すべきであったと提言した。

 今度の事故を見てみると、どうも責任のなすりあいをやっているような節がある。情報管理について縦社会の弱点が曝け出されたことも指摘された。特に事故が起きた時周辺住民の避難指示に役立てるための‘SPEEDI’(緊急時迅速放射能影響予測システム)が折角予測していながら、関係者が情報をたらいまわしにしてその情報が活用されず、重要な情報を無駄にしてしまった。130億円もの大金を注ぎ込んでシステムを開発しながら、肝心要の本番で情報を脇に置いたままだったのである。

 当時の枝野幸男・官房長官の会見で度々使われた「直ちに人体への影響が及ぼすものではない」との表現も、影響を心配する必要はないという意味か、或いは長期的には人体に影響があるのか、分りにくかったと問題視している。最終報告書は来年7月に出される。

 あれやこれやを考えると、もしこの次同じような規模の大災害が襲って来たら、よほど万全の備えをしないといよいよ「日本沈没」となるのではないかと考えると空恐ろしくなる。

2011年12月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1687.2011年12月26日(月) 政治家と官僚の狡さに対して庶民の正論

 これまで私が政治家や官僚らに不満を感じ、またその図々しさに呆れ果てた気持ちを本ブログに書き込んでいたが、それとほとんど同じ内容の投稿が、今朝の朝日新聞「声」欄に2件も掲載されている。

 そのひとつは、埼玉県の48歳になる会社員の「公務員・国会議員優遇は許さぬ」というものであり、公務員給与引き下げ法案、人事院勧告の引き下げ実施も見送られたうえに、ボーナスは満額支給されて昨年より増加している。また、国会議員に対しても歳費の一部返上は震災後たった6ヶ月で終了し、ボーナスも満額支給のうえに、議員定数削減も実現されなかったことに怒りをぶちまけている。これは近々増税を課されるだろう一般国民にとっては、許しがたく不公平ではないかと抗議したくなるのも当たり前だ。国民は誰が考えたって怒って当然だと思う。

 もうひとつは、札幌市に在住の56歳の女性から寄せられた「東電社長『権利』発言に驚き」というご尤もなご意見である。やはりと言うべきか、私自身西沢東電社長の思い上ったような発言には、正直言って鼻持ちならないと感じて義憤を覚えたくらいである。件の女性は西沢社長に対してこの発言を恥ずかしいと思わなかったのかとまで言っている。感度の鈍いこの社長の感覚は、完全に世間一般の常識とずれている。そのうえ気配りのできない尊大な性格なのだろうか、顧客である電力利用者を面罵し、頬をひっぱたくような行為を平気でやっている。こういう不遜な人物が社長になれるのだから、国策企業というのは一旦入社してしまえば気楽なものだ。尤もこんな顧客に気を遣えないような御仁では、普通の民間会社ではとても使い物にはなるまい。

 とにかく明治維新以来続いていたわが国の官尊民卑ムードは敗戦により一旦は消えたかに見えたが、時間の経過とともに復活し、今や時代に逆行して益々強まっている。結局われわれが何事も政治家と官僚を当てにせず監視して、国策会社のような大手企業に対しては、その騙し手口の裏を読んで誤魔化されないように注意しなければいけないということだ。そのためには、メディアに気合を入れて言うべきは言い、常に彼らに緊張感を持って業務に当たってもらわなければいけない。

 しかし、何とアホらしいことか。国民はどうして国税を無駄使いする彼らに気を遣わなければならないのだろうか。

 さて、またまた尾籠な話で恐縮だが、先週患部に注射をしてもらい大分効果が表れてきた痔について、その後の経過状況を今日診てもらった。結局年明け早々にもう一度注射をするべきか否かの結論を出してもらうことになった。やや出血するが、かなり具合が良くなったことは間違いない。医師に聞いてみると、このジオン液注射には即効性があるとのことだった。

 いずれにせよ早い内に決断して、治療してもらって良かったと思っている。

2011年12月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1686.2011年12月25日(日) 20年前の今日ソ連崩壊、70年前には日本軍香港占領

 昨晩のクリスマス・イブは底冷えのする陽気で、日本海側ではかなり積雪が多かったようだ。心配した妻が新潟の二男に電話してみると、「親の心子知らず」と言っても二男は38歳にもなるが、新潟市内の自宅にはおらず、妻子を連れて会津でのんびり温泉に浸かっているとの返信に気楽なものだなぁとつい笑ってしまった。

 さて、今日25日はソヴィエト社会主義共和国連邦が崩壊して丁度20年になる。また、70年前は太平洋戦争開戦まもなくの頃で、進軍ラッパを吹き鳴らし怒涛の進軍をした日本軍がイギリス軍を破り香港を占領した日だった。

 ソ連の崩壊は、その2年前のベルリンの壁と東欧社会主義国家崩壊の雪崩現象からある程度予想されていた。実はソ連崩壊の5ヶ月前の1991年7月にシベリア・サハリン方面へ出張してサハリンの首都ユジノサハリンスクの漁港で、偶々広島県出身の日本名福原さんと名乗る朝鮮人のおばさんから、ペレストロイカになってから生活が苦しくなって今までなら年金生活で楽な生活を送れたのに、夫婦で共稼ぎしなければやっていけないとぼやいていた姿を思い出す。その時早晩ペレストロイカも破綻するだろうと秘かに思ったものである。そしてまもなくソ連の社会主義体制は崩壊した。

 そのロシアも紆余曲折を重ねながら、今でも何とか大国としての地位を守り続けている。しかし、しばらく安定していたかに見えたプーチン支配体制が、先日の下院議員選挙で不正があったと告発の声が上がり、ロシアでは珍しく再選挙の声が強まり、プーチン首相が否定すれども反対の声は高まるばかりである。ロシア国内もざわついてきた。数日前モスクワ市内のデモには3万人が集まったという。過去の実績に胡坐をかいて国民を見くびっていると足元を掬われることがよくあるものである。

 来年首相の地位を辞して大統領へ復活した後、憲法を改正までして、それから更に12年もの長期間に亘って大国ロシアの最高権力を握り続けようというのだから、まともな国民からは嫌われるわけである。トップに上りつめ、おだてられるとつい思い上がって自制心を失いがちになるものだ。

 一方、香港には今もなお日本軍が襲撃したトーチカが残っているようだ。その歴史を後世に残そうと地味な活動を続けている人たちが香港にもいる。開戦直後に日本軍が一気呵成にイギリス軍を打ち破り、あの高級ホテル「ザ・ペニンシュラ」で降伏文書に調印させた。香港には何度も行っているが、同地で日英両軍の戦いについてはこれまで話を聞いたことがなかった。

 戦争について言えば、今日はNHKテレビで足掛け3年に亘って断片的に放映された連続ドラマ「坂の上の雲」の最終回・日露戦争勝利を楽しんだ。時代背景と秋山好古・真之兄弟と正岡子規ら3人の人物像を上手にからませて列強の権益争いに巻き込まれる明治期の日本の姿をよく描いている。戦争場面なぞは中々スケールが大きく、観ていても楽しいが、子規が亡くなってから人情話が少なくなり、物語としては竜頭蛇尾の感がある。やはりテレビではどう逆立ちしても小説の魅力には及ばない。司馬遼太郎の原作6巻は、30年前勤務先の元社長に薦められて読み感銘を深くした。2人の息子たちにとっても愛読書のようだ。

 2000年に産経新聞に連載されたが、同社の特別取材班が書いた「『坂の上の雲』をゆく」と題する挿絵と文章からなる上・下2巻が産経の関係会社から発行された。ところが、2冊とも読んでいるのにあまり記憶に残っていない。情けないことこの上ない。この機会に改めて精読してみようと思う。

2011年12月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1685.2011年12月24日(土) 電力会社の騙し手口と来年度一般会計予算案

 昨日本欄に書き込んだ東京電力の電気料金値上げ申請について、東電の傲慢ぶりを指摘したが、今朝のNHKテレビ番組を観ていて電力会社の電気料金の算出方には、一般の企業では考えられない根拠があることが分った。しかもその稀有な料金算出根拠は法律によって認められているというのだから、経済産業省と電力会社の癒着ぶりが知れようというものである。

 その特殊な根拠について簡単に説明してみよう。それは「総括原価方式」と呼ばれているものである。他の民間会社でこんなことをやったら計算上は確実に利益が上がるが、販売価格が高く競争には勝てず会社は左前になる。とても現実的ではない。非現実を現実にさせることこそが癒着のカラクリなのである。「電気料金=原価+利益」なる計算式があり、その利益とは、総資産の3%を乗せることになっている。総資産が多ければ多いだけ、利益が膨らむ構造になっている。従って、電力会社としては、資産を増やす方向に行くようになり、不動産やら遊休施設を抱え込むことになる。電力会社は豪華な施設を抱え、社員はその恩恵に浴し、庶民の声なぞ耳を傾ける気持ちはこれっぽちもない。しかも、驚いたことに原価の中には、巨額でまったく価値を生み出さない巨額の「使用済み核燃料」管理経費が含まれているのである。

 この摩訶不思議な総括原価方式などというものを考え出したのは、役所に決まっている。どうして、消費者や国民のことを考えずに、電力安定供給を錦の御旗に事業を国策会社に独り占めさせてグルになって甘い汁を吸おうとするのか、その見下げ果てた根性が厭らしいし、とても許せるものではない。どうも今まで国民は彼らの悪賢い手口を知らされずに、言われるままに電気料金を納めさせられていたのだ。

 加えて、32年間も料金値上げを申請しなかったと言われているが、とんでもない嘘八百である。「燃料費調整」という隠れ蓑のような項目を設けて細部にあまり拘らない利用者の知らぬ間にこっそり料金は上げられ、カラクリを知らない電気利用者に黙って値上げ分を支払わせていた。東電は国と一緒になってウソツキ大芝居を打っていたのである。

 こういう会社と国の電力安定供給のスローガンに乗せられて、バカを見るのは国民、電気利用者である。何たる国家と国策会社による国民騙しか。呆れて物が言えない。電力会社のやりたい放題にはもう好い加減にうんざりである。

 さて、政府は今日来年度一般会計予算案を決定した。歳入が少なく歳出が増加する傾向が近年益々強まっている。特に、今年は東日本大震災の震災復興経費を含めると予算規模としては過去最大である。だが、民主党お得意の隠しカラクリがあり、予算額は90兆3339億円だそうだが、これは一部を特別会計へ回して金額を見かけ上少なく計上している。これによって前年度より2.3%少なく、6年ぶりに前年度を下回った。とにかくやることなすことすべてがセコイのだ。

 国の借金は2012年末には1,000兆円を超える。このまま借金が増えたら、遂には債務不履行になり借金残高はギリシャの比ではなくなる。政治家は誰も彼もがいかれている。‘ベビーギャング’安住淳・財務大臣がノーテンキなのだから話にならない。「国債依存の体制はそろそろ限界に来ている」と語ったという。何を今ごろバカなことを言っているのだ。もうとっくに限界に達しているのに、この感覚である。これだからベビーギャングは困る。

 予算案について言いたいことはいくらでもあるが、あまり多過ぎて言うのも嫌になる。精々予算案の金額が下4桁は不明だが、私の携帯番号(0)90-3339-○○○○とまったく同じで覚え易いことぐらいがメリットとは!

2011年12月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1684.2011年12月23日(金) 政治家もダメ、役人もダメ、国策会社の大企業もダメ

 昨日電力がらみで2つの不誠実な発表があった。ひとつは民主党が2年前の総選挙の際マニフェストに掲げた「八ツ場ダム建設工事中止」の取り止めであり、もうひとつは東京電力の32年ぶりの電気料金値上げの申請である。

 前者は民主党が総選挙で勝ち、その直後国土交通大臣に就任した前原誠司・現民主党政調会長が即座にマニフェストに添ってダム建設工事を中止すると公表した。ところが工事はすでに全体の7~8割方終っている。地元の反発も激しい。1週間後現地視察に訪れた前原氏は地元から対話も拒否される有様で、地元では賛成派と反対派が入り乱れる一方で、投資資金をつぎ込んできた首都圏自治体の間には建設続行の空気が強まってきた。次の馬淵前大臣のニュアンスが少し変わってきた。

 そんな中で現在の前田武志大臣はダム工事の再開を決定した。このよろめき裁断は、地元住民の気持ちを弄び、自治体を翻弄し続けた結果である。そして、遂に今日前原政調会長は、決定は政府に任せることにして、政府は正式にダム建設を決定した。これにより民主党はまたもやマニフェスト違反を犯し、国民を裏切ることになった。民主党が政権を取ることができたのは、国民を騙しても自分たちが甘い汁を吸えれば後はどうにでもなると考えたからだと思われても抗弁できまい。政権末期の自民党も酷かったが、これほど自分たちの政治を実行できない民主党は政権政党として最低である。まったく政権政党の体を成していない。恐らく次回の総選挙では信頼を失い、かなりの票数を減らすことになるだろう。

 さて、後者の電気料金値上げは突然東電の一方的な発表である。企業向けに2割、一般家庭向けに1割程度の値上げを検討しているようだ。火力発電の比重を高めた結果、燃料費の負担が重くなり過ぎたからだという。だが、本音は公的資金が注入され実質国有化されることから逃れるために、東電がかけた乾坤一擲の勝負ではないかと噂されている。気に入らないのは、値上げを発表した西沢俊夫社長の値上げは当然のような不遜な会見である。「値上げは事業者の義務であり、権利でもある」とまで言い放った。お願いするのに、申し訳ないとの気持ちや謙虚さが微塵も感じられない。長年親方日の丸で事業展開してきた国策会社の厚かましい本音が覗ける。

 政治家にせよ、ダム建設推進のための下工作をやっていた役人にせよ、或いは国策会社の東電にせよ、みんな自分たちだけのためにしか働かない。どうして日本人のモラルはこうも劣化したのだろうか。

2011年12月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1683.2011年12月22日(木) 高校同級生の文化功労者・中西準子さんのこと

 はっと気がついたら今日は「冬至」である。少々品格を欠いた言い方で表現するなら、私にとっては「糖痔」である。つまり糖尿病の「糖」と「痔」の2文字である。痔については、一昨日射ってもらったジオン注射は思っていた以上に効果が良好である。これほど効果が早く表れるとは思っていなかった。今日松本整形外科で、しばし痔談義である。序に肛門科の城クリニックからプレドニン5mgを毎朝服用している点について尋ねられたが、今日改めて松本医師に質して「リウマチ多発筋痛症」のために服用していると説明していただいた。

 さて、先日兄から読売新聞朝刊に連載中の「時代の証言者」の著者「中西準子」は、湘南高校出身で1938年生まれだから私の同級生ではないかと尋ねられた。確かに中西さんは高校の同級生で1年生時から卒業までクラスメートだった。今日の読売に目を通してみると、連載は回を重ねて23回目であるが、内容が専門的でレベルが高く理解するのが難しい。高校時代は少々小太りの元気の良い生徒で、成績も抜群に良かった。1クラス51人の中で女生徒は僅か3人だけだったが、いつもニコニコしていて優しく存在感は際立っていた。

 中西さんの父・故中西功氏は戦前上海の東亜同文書院で学び、日本共産党の幹部として活動した筋金入りの共産党員だった。われわれの高校生時代は確か日本共産党の参議院議員だった。高校入学直後の最初の授業で新人の「生物」担当教師が、教室内の空気を和らげようと考えたのか、何人かの生徒を指名して好きな歌を何でも良いから唄いなさいと言われ、私が最初にふざけて津村謙のヒット曲「上海帰りのリル」を歌ったのに対して、彼女が真剣な表情で真っ直ぐ正面を向き「第1インターナショナル」を唄ったのには驚いた。安保闘争当時仲間とよく唄った歌だったが、高校時代そんな歌は当時まったく知らなかった。とにかく他の同級生とはちょっと違うと思った。あの当時からすでに父親仕込みの左寄りの思想堅固な女性だった。

  卒業して半世紀以上経つが1度も会ったことはない。横浜国立大学工学部へ進学し、大学院へ進みその後横浜国大、東京工大、東大教授を歴任して、現在は国の研究機関の役員を務めているようだ。昨年同じ母校の先輩でノーベル賞受賞者の根岸英一博士や、後輩のオーケストラ指揮者・大野和士氏とともに文化功労者に推薦され、今や地球環境問題の専門家として八面六臂の活躍ぶりである。同級生が頑張って活躍してくれるのには大いに元気づけられる。

  湘南高創立90周年に当たる今年、校内に建設中の「湘南歴史館」に展示されるオブジェ「湘南大樹」の一葉に、現役の生徒に対して目標と勇気を与えられる250名の先輩のひとりとして、私でも推薦されたくらいだから、私より遥かに優秀だった彼女は当然推薦されることだろう。中西さんに久しぶりに会ってみたいと思うと同時に、中西さんの益々の活躍を祈って止まない。

 夕方「飯田ゼミ」の有志による恒例の忘年会を下北沢のイタリアン・レストラン‘JACK POT’で開き、ワインと牡蠣を肴に1年の語り収めをした。恩師は亡くなられたが、気の合うゼミ仲間と会って他愛ない話に夢中になるのは実に楽しい。来年も、再来年も、いつまでもこのままでありたい。

2011年12月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com