1652.2011年11月21日(月) スペインに新政権発足、日本ではオウム裁判終結

 スペインもサパテロ政権に代わって56歳のマリアノ・ラホイ氏が新しい首相に選出された。ヨーロッパの経済危機は政界トップの辞任に象徴され、3月のアイルランドに始まり、6月のポルトガル、10月ギリシャ、11月イタリア、そしてついに昨日スペイン政界にまで影響が及んできた。

 スペインでは、サパテロ社会労働党政権から7年ぶりに交替した中道右派の国民党・ラホイ新政権が苦境を乗り切ることを期待されているが、前途は茨の道である。現在スペインの失業率はEU加盟国の中でも最悪の22%台である。しかも、若者の失業率が飛びぬけて高く、25歳未満のそれは実に48%にもなり、若者2人にひとりが失業している状態である。こういう厳しい労働環境の中で新政権が緊縮財政を実行していくこと、とりわけ公務員の給与カットや柔軟な解雇の仕組みの導入などを巡っては労組から強い抵抗が予想されている。

 こうしたヨーロッパの一連の経済不況が、一部には次はフランスへも及ぶのではないかと心配する声もある。実際パリやフランクフルトの株式市場では今日株価が2%も値下がりした。これに影響を受けたかのように、今日から午前の営業時間を30分間延長した東証日経平均株価も今年最安値を記録して8348円にまで下がった。1日も早く経済が立ち直ることを願うばかりである。

 さて、今日オウム事件の裁判が終結した。裁判が終了したということは全被告189人の刑も最終的に確定したということだ。今日13人目の死刑囚が確定した。無罪ひとりと罰金刑3人を除くと、あとは全員量刑者である。思い出すだに忌まわしい事件である。

 知り合いのご子息も松本サリン事件で亡くなった。お気の毒で心境なぞはとても聞けない。事件の前、まだ私自身現役会社員だったころ、会社からの帰路JR代々木駅前で風変わりの衣装を身につけた10人足らずのグループが踊り狂っていた光景を1~2度見たことがある。彼らの口から♪~ショーコーショーコー、アサハラショーコー~♪とおまじないのような言葉が繰り返えされ、ただあっちへぶらぶら、こっちはぶらぶらしているだけだった。あれからしばらくして衝撃的なサリン事件が起きた。それにしてもあんな残虐な事件を引き起す犯人とはどんな極悪非道な悪党だろうと考えるが、実際には結構高学歴のインテリが多く、元医師とか、国立大学で遺伝子を研究していた知識人も含まれている。どうして彼らが邪悪の道へ入り込み、何を言っているのか分らないような麻原ごとき男に心酔するようになったのか。29人もの尊い生命が犠牲となったが、他にも後遺症を抱え苦しんでいる人が沢山いる。首謀者の極悪人・麻原彰晃が本心をまったく語らない現状では、遺族も堪ったものではない。遺族にとって事件はとても終ったとは思えないのではないだろうか。

 直接関わりはないが、私にとっても嫌な思い出としていつまでも忘れられない事件である。

2011年11月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com