1632.2011年11月1日(火) 母校創立90周年記念式典に出席

 母校・神奈川県立湘南高校創立90周年記念式典が鎌倉芸術館大ホールで挙行された。一寸早めにJR大船駅に着いたので、昼食でも取ろうと大船駅ルミネ店内をぶらぶらしていたら、偶然にも1枚のポスターが目に入った。「東山魁夷・平山郁夫日本画巨匠版画展」を無料で開催していたのである。展示作品はほとんどリトグラフだったが、中には欲しい作品が数多くあった。しかし、最安値でも1点50万円は下らない。観るだけで芸術心を満たして会場へ向う。会場は来賓、卒業生、生徒、保護者を交えて2階席までいっぱいである。母校は大正10年に神奈川県内で6番目の県立中学校としてスタートして以来、90年の歳月が過ぎ去った。この間全日制、定時制、通信制を合せると卒業生の数は、実に4万6千名に上るそうだ。
 式典は午後1時から3時半まで行われた。和やかな雰囲気の中でOGのNHKアナ・渡辺あゆみさんの司会進行によって手際良く進められた。ゲストスピーカーは、偉大なる先輩、2010年ノーベル化学賞受賞者・根岸英一博士の登場で、難しい話を幾分分り易く話された。聴けば、博士ご夫妻は昨日シカゴ、一昨日はニューヨークで雪に閉じ込められ、予定通り今日の式典に間に合うかどうかを心配されていたと笑いながら仰っておられたが、今日は突き抜けるような秋晴れで、演題は「21世紀を救い、支える科学―化学」と題して、図を使いながら説明された。私にとっては少々難しい化合物の話だった。博士の話で強く印象に残っているのは、人生の師をいかに見つけ、教えを請うかということが大切であるということと、できるだけ若いうちに世界を見てみることが重要だと述べられたことである。特に後者については3月にお会いした時私自身博士と意気投合した考えである。
 式典会場では弦楽部、吹奏楽部の演奏や合唱部のコーラスも久しぶりに楽しく聴けた。
 更に楽しかったのは、マイクロバスで移動した鎌倉プリンスホテルで開催された祝賀会だった。会場のバンケットホール「七里ガ浜」は、椅子席350席の大入りで、コースメニューを味わいながら、OBのゲスト・ミュージカル俳優沢木順さんの洒落たトークと声量のある歌声にすっかり魅了された。元合唱部員だった根岸博士も沢木さんにアシストされながら、素晴らしいテノールで「あざみの歌」「さくら貝の歌」ほかを朗々と歌われた。根岸博士ご夫妻、義兄の大正大学名誉教授・鈴木健次さん、森ビル会長の森稔さん、渡辺あゆみさんとも話すことができた。
 根岸ご夫妻には3月にお会いした時の写真にサインをしてもらい、先輩のトラック島大酋長・相澤進と佐々木信也さんについて書いたエッセイ掲載の「知研フォーラム」を差し上げた。同期生や、親しい先輩や後輩にも会えてとにかく楽しい時間を過ごすことができた。これだけ大勢の参加者が集まった宴会で、こんなにお互いに打ち解けた気分のいいパーティはこれまであまり記憶にない。素晴らしい歴史ある伝統校で高校生活を送れて、幸せの一語に尽きると思っている。帰り道友人と歩きながら心から「楽しかったなぁ」と語り合った。

2011年11月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1631.2011年10月31日(月) 映画「百合子、ダスヴィダーニャ」を観賞

 今日この地球に誕生した赤ちゃんは、みんな地球上で70億人目の人と数えられるそうだ。これは国連人口基金で承認されていて、その東京事務所では申し出があれば、「70億人目の赤ちゃんの一人」という証明書を発行するそうだからギネスまがいの人気もここまで来たかと、些か脱線気味のお祭行事、名称、タイトル等に辟易する。
 先月17日に映画「百合子、ダスヴィダーニャ」の浜野佐知監督のお話を聞く夕食会にお誘いを受けて、監督から女であることのデメリット、映画界における女性監督の不利、これまでの厳しい歩み等について諸々お話を承った。今朝渋谷の円山町界隈にある「ユーロスペース」へ件の映画を鑑賞に行った。最近の映画、特にあまり脚光を浴びない個人やプロダクションが製作した映画は、かつての華やかな大劇場ではなく、こじんまりとした映画館で日時も限定されて上映されることが多く、上映日数も上映回数も少ない。最近私が観た映画は押しなべて力作であるが、やや深刻なストーリーのため、興行収入を考えたのだろうか大映画会社が配給せず小規模な映画館でこっそり上映されるケースが多い。「ユーロスペース」も建物内に2つの映画館があり、今日観たのは定員91名の小規模なシアターで、午前10時30分だけの1日1回きりの上映である。少々早いが行ってみると観客は20名程度で、年配の男性が多い。
 あらすじは、中條(宮本)百合子と湯浅芳子がレズビアン関係に入った経緯と、百合子と最初の夫・荒木茂との結婚生活破綻の複雑な原因を女性監督の目からねちっこく描いたものである。上映に先立ち、予定にはなかったが浜野監督が登場され舞台挨拶をされた。大阪から新幹線で来たところだと話されていた。監督は百合子がなぜ荒木と別れたのか、別れる必要もなかったのではないかと話されたのは意外だった。というのは、監督は日本社会に昔から根付いていた男社会の風潮を嘆き、それをぶち壊そうとされているようで、先月の夕食会場でも過度なまでに日本男子を攻撃し、愚弄する言葉を発していたからである。
 結局百合子と荒木の結婚生活は僅か5年、湯浅芳子との同棲は7年で幕を下ろした。百合子は後の共産党書記長・宮本顕治と一緒になるため、湯浅と別れた。湯浅と別れる時湯浅は相当荒れたようだ。湯浅が亡くなったのは1990年で、52歳で亡くなった百合子と異なり94歳まで生きた。著名なロシア語翻訳家だったが、残念ながらその訳書を私は読んでいない。しかし、日経新聞日曜版で瀬戸内寂聴さんがつい最近まで長らく連載していた「奇縁まんだら」の中で強い女性として描かれていたのを読んだことがあり、印象に残っている。監督が描こうとしたのは、女性の権利があまり認められなかった時代に、女性だからといって打ちひしがれる弱い女ではなく、風当たりが強かろうと強く生き抜いた女性だった。
 映画の構成はほとんど家の中で語られ、東京と福島だけで行動範囲が狭く舞台が限られていてダイナミックなスケールに欠けて少々物足りない感じもした。2人の著名な女流文学者同士の爛れた関係にスポットライトを当てて、「レズビアン」という特殊なテーマを取り扱ったのでそれも止むを得なかったのだろう。映画の中で百合子の作品をもっと紹介すれば、理解の助けになったと思うが、その点で少々分りにくかったという気持ちが残った。

2011年10月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1630.2011年10月30日(日) 行政は放射能に鈍感

 一昨日世田谷区八幡山のスーパー・マーケット空き地で民間人の線量計により高い放射線が計測された。先日同じ世田谷区弦巻で計測された放射線も分ったのは、民間人の連絡によるものだが、それも福島原発とは無関係ということが分った。今度の放射線もその空き地の周辺地下から異常値を示すことから福島原発とは関係ないと見られている。ただ、近辺の住民が放射線汚染を心配しているので、何が原因であるかを早く突きとめることが行政の責務だと思う。にも拘わらず、世田谷区はのんびりしている。民間人の軽量により分ったにも拘わらず、区が昨日語ったのは週明けにその地下を掘削して原因を究明したいと気楽なことを言っている。理由は休日ということのようだが、ことが放射線に関わることでもあり、早く作業を行って原因を明らかにすべきではないか。
 ことほど左様に原子力について、本質が分っているのか分かっていないのか、関係者によってスタンスがバラバラのようだ。例えば、昨日になって原子力委員会が福島第1原発を解体・廃炉にする工程を示した。それによると何とも気の長い話で、いろいろ建屋内部の取り出し作業を始めて、原子炉から建屋まで解体する廃炉作業が完了するのは30年以上もかかるとの発表があった。これではいま稼動、或いは休止中の原発を仮にいつの日か廃炉にした場合、それらも30年以上の時間がかかる。今後新たに稼動予定の原発の将来的な廃炉を考えると気の遠くなるような時間が必要である。
 これでは私が生きている間に原発はなくすことはできないということになる。今や知らない間に、周囲は放射線の危険で取り囲まれているという事態になっている。憂鬱な時代になってしまったものである。
 さて、円高が昂進して輸出関連企業が大きな赤字を計上しているようだが、パナソニックの如きは今年度連結決算が3,000億円前後の赤字に達する見通しだという。東芝も今年度上期だけで営業利益が100億円も減少した。企業は円高の長期化を睨んで、想定為替レートを変更し、利益予想を下方修正する動きが出てきた。例えば、対ドル為替相場ではリコー、セイコーエプソンや日本電産などでは上期に1$=80円相場だったが、下期は75円に変更しているようだ。商売本体ではなく、為替事情によって売上、利益が大きく変わるようになった。外為事情に左右される企業はあまりの円高市場に振り回されている。
 円高に洪水被害が重なり輸出関連企業が苦しんでいる。少しでも手を差し伸べられるのは国であるが、今のへなちょこ政府が果たしてお助けマンになってくれるだろうか。

2011年10月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1629.2011年10月29日(土) プロ野球界のゲーム・システムはこのままで良いのか。

 東日本大震災発生により開幕が遅れたプロ野球も終盤を迎え、今日からセ・パ両リーグともに、いわくつきのクライマックス・シリーズが始まったところである。一方、アメリカではワールドシリーズで今日チャンピォン・チームが決まった。
 再三プロ野球界へイチャモンをつけるようだが、このペナントレース後のクライマックス・シリーズほど馬鹿馬鹿しく無意味な勝負はないと考えている。セ・パ両リーグとも優勝チームが決定したわけだから、以前のようにこの両リーグの覇者、セの中日ドラゴンズとパの福岡ソフトバンク・ホークスの間で日本シリーズ7回戦を戦い、真の日本チャンピォン・チームを決めればそれでいい。それが、金儲けと引き換えに優勝の価値と権威を失くす、クライマックス・シリーズというわけの分らないシリーズ試合を加えたものだから、一体全体どこのチームが一番強いのかが分らなくなってしまった。
 野球の先進国・アメリカでも似て非なるものではあるが、一応強いチームが大リーグチャンピォンに最も近いところにいる。本当のファンは、ゲーム数が増えたからと言って喜んでいるのだろうか。
 メジャーリーグでは、今日セントルイス・カージナルスがテキサス・レンジャーズを降し、4勝3敗の成績でワールド・チャンピォンになったが、このチームは3つの地区のそれぞれの2位チームの中で一番勝率の高いチームが、ポスト・シーズン・シリーズにワイルド・カードという救済制度により出場権を得て勝ち上がり、ワールドシリーズへの挑戦権を得たチームである。その挙句にワールド・チャンピォンに輝いたのだから何をか言わんやである。この変てこなワイルド・カードを勝ち上がってチャンピォンになったチームが近年増えて、1995年に制度が発足して以来17回のワールドシリーズで2位チームが優勝したのは実に5度目だそうである。ペナントレースでは2位に甘んじたが最後に優勝の美酒を味わえることになる。物語ならともかく、本当の実力のあるチームがどのチームなのか分らなくなり、1年間戦って勝ち得た優勝の価値と意味を分らなくしてしまうシステムは、無意味であり勝負の世界では似つかわしくないのではないか。
 日本では昨年パ・リーグ3位だった千葉ロッテ・マリーンズが、クライマックス・シリーズを勝ち上がり、日本シリーズでセ・リーグの優勝チーム・中日ドラゴンズを倒して、見事日本一の座に就いた。しかし、その時は運よく波に乗って優勝したが、実力は必ずしも伴っていたわけではなく、その証拠に今年はリーグの最下位にまで急降下した。
 一部の狂信的なファンと金儲けのために野球界が考え出した奇策が、これからのプロ野球界の人気を削がなければ良いがと心配になる。実際、近年はサッカー人気に押されて、観客動員数もテレビの放映時間も減ってきているのは、このような安易な制度を採用したことも大きく影響しており、下手をすると大相撲と同じように人気が下降する可能性を秘めているのではないかと、プロ野球ファンとしては嘆かわしく思っている。

2011年10月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1628.2011年10月28日(金) 野田首相の施政方針演説の中身

 トルコ地震による死者が550人を超えた。72時間が生存の可能性の分岐点と言われ、この時を区切りにトルコ政府は行方不明者の捜索を中止すると発表した。だが、その1日後地震発生から100時間以上経ってから18歳の青年が救出されたり、108時間ぶりに13歳の少年が救出されたりもした。72時間で区切りをつけることが果たして生存の可能性とか、生命の尊厳という観点から妥当なのかどうか、もう少し考える必要があるのではないか。
 さて、バンコックの洪水被害は益々深刻になってきた。普段より水位が1.5mも上がっているようで、市内は水浸しの状態である。日系企業の工場操業停止で事業運営に支障を来たす恐れのある、パナソニックを始めとする日系企業では、タイ人従業員を日本の工場で働いてもらうと発表した。タイの工場では日本で作っていない製品を製造しているため、タイ人は日本の工場では日本人労働者を指導する立場に当たるという。受け入れる日系企業タイ人従業員は数千人規模と言われている。早速日本政府に特別ビザの許可を申請すると述べ、それに対して藤村官房長官は特例措置として前向きに考慮すると述べた。
 ところで、日本政府の震災復興に対する動きはどうだろうか。野田首相は今日午後衆議院本会議で所信表明演説を行った。巨額の資金手当てとして3次補正予算の早期成立により復興を加速させると決意を述べた。それに伴い歳出・歳入改革のひとつとして国家公務員給与を削減すると述べた。この公務員給与削減というのが実施できるかどうかが曲者なのである。公務員給与削減については、当然人事院勧告もからんでいると思うが、すでに国会に提出されている7.8%の削減を隠れ蓑に、抱き合わせで60歳の定年退職者を65歳まで延長雇用し、その間在職中の給与の70%を支給するという役人にとって都合の良い姑息な法案成立を併せ企んでいる。直接国民に関係のない事案は、どうも密室でことが成されている印象でどうも不愉快でありすっきりしない。
 その他に政治改革として「1票の格差」是正と議員定数削減について語ったが、いずれも迫力不足で実行できるかどうか怪しいものだ。議員定数削減については、鳩山内閣発足時から言い続け、昨年の参議院選挙でもマニフェストに堂々明記しながら、未だに一歩も前進していない。
 野田首相の演説の中で1番がっかりさせられたのは、沖縄の普天間基地移設問題について言及した一節である。「日米合意を踏まえつつ、沖縄の負担軽減を図ることが基本的な姿勢」と相変わらず抽象的で他人任せの論調である。本当にそう思っているのだろうか。民主党政権が約束を反故にしてから、政府と沖縄県はぎくしゃくした関係にある。加えて野田内閣内でも意思統一ができていない印象を受ける。
  沖縄基地移設にからんで昨夕奇妙な動きがあった。野田首相が鳩山元首相と会い、玄葉外相の鳩山氏への発言を詫びたという。玄葉外相が衆議院外務委員会で鳩山首相が普天間基地移設先を最低でも県外と公表したことは誤りだったと答弁したことに対して、野田首相が鳩山元首相に平謝りだったというのだから何が何だか分らない。これは玄葉外相の言う通り、鳩山元首相の思いつきの発言が間違いだったことは紛れもない。この野田首相の言動から推すと、首相は移転先を鳩山氏と同様に「最低でも県外」と考えているのだろうか。もし、そうなら担当職務が荷の重い大臣なんかに任せず、自ら沖縄関係者に会って「最低でも県外」と確約し、それならどこに米軍基地を移転させるのか腹案を発表すべきではないか。誠実そうに見える野田‘どじょう’首相も、早くもメッキが剥げたのだろうか。

2011年10月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1627.2011年10月27日(木) ギリシャ救済問題も一段落か?

 バンコック市内の洪水事情は悪化するばかりである。これまで見たこともないような水浸しの状態である。変わらずひたひたと水が王都に押し寄せている。これでは市民は落ち着いて生活できないのではないかと気にかかる。テレビニュースを観ていると、市内観光の中心である王宮やエメラルド寺院も危うい。実に50年に1度と言われているが、私が初めてバンコックとアユタヤを訪れたのが今から45年前だが、それ以来これほど酷い洪水は記憶にない。更に目前に迫ってきた大潮がどうにも気になって仕方がない。
 一方、ギリシャの債務危機に向けたEU首脳会議は中々合意に至らず、昨日結論を出す予定だったが10時間もの長丁場の話し合いの末、今日やっと合意に達した。7月に決まったギリシャ国債の元本削減など民間金融機関の負担の割合21%を、今後50%に大幅に修正、拡大することになった。これによってギリシャのデフォルト(債務不履行)は、取りあえず急場をしのぐことができる。だが、事態が根本的に解決されたわけではない。ギリシャはこれに安堵することなく、自国への支援をEU加盟国に感謝しつつ、財務状況が常時監視されることを教訓にして、この機会に景気回復への道筋を断固示してもらいたいものである。夕刊各紙のトップ記事として伝えられた見出しは、いずれも白抜きで「EU包括策合意」である。これで少しは日本の景気にも良い影響が表れるのではないかと期待したところ、案の定株価は前日に比べて178 円も上昇した。円相場も円安に移り、やれやれと思いきや、その後円高に振れ夜9時過ぎにヨーロッパの外為市場は、一時1$=75.67円と、またまた最高値を記録したようだ。どうしても外国為替市場から目を離せない。
 しかし、一喜一憂してもギリシャ経済が立ち直り、ヨーロッパもアメリカも不景気から抜け出せなければ、所詮日本経済も救われないということだ。日本人にとっては何とも張り合いがない。バブル景気は今やとても望むべくもないが、それにしてもいつになったら少しは明るい光が見えてくるのだろうか。
 さて、地球上の人類は今月末70億人になる。国連人口基金は今年の世界人口白書を発表した。白書が述べている点を概略まとめると、1950年代初に48歳だった平均寿命が68歳にまで延びた。乳児死亡率は出生千人当たり133人だったが、46人に減った。乳幼児難病予防のための新薬ワクチンが開発されたことが効いている。1999年に60億人だった人口が僅か12年で10億人も増加した。70億人の内アジアが42億人で世界の60%を占める。現在中国の人口が最多で13億5千万人だが、10年後にはインドが14億人となって中国を追い越すと見られている。
 その一方で、日本の人口は減少の一途を辿り国連統計を取って以来初めてその数が減り、1億2千5百万人になった。日本は典型的な少子高齢化時代を迎えて、その対策が急務とされている。今話題の年金問題もこの少子高齢化がクリアされなければ、前進しない。今や現代日本が抱える最大の課題である。

2011年10月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1626.2011年10月26日(水) 今や世界中がグジャグジャ

 昨日から憂鬱な気分を引き摺ったままだった「知研フォーラム」掲載原稿の摩訶不思議な、写真消滅の原因が分った。昨晩から掲載文とオリジナル原稿を比べてみて、写真の消滅以外にも文章が一部抜けていたり、表現やフォントが何箇所も変わっていたので、トラブルの原因は知研・八木会長が言っていたようなPDFによる誤作動とは違うのではないかと考えた。
 まず、9月21日に原稿をほぼ書き上げて途中経過として「半製品」原稿を会長宛にメール送信した。その後10月5日に今回落ちてしまった10枚の写真を加えて最終原稿として送信した。ところが、印刷されたのは最終原稿ではなく、先に送った半製品の原稿だった。最終原稿こそが自信をもって書いた原稿だったが、それがまったく無駄に終ったのである。大騒ぎに終ったが、私としては意味のある写真が掲載されずに、拙稿が半製品の状態で知研会員に送られてしまったことが返す返すも残念である。私自身が納得できる掲載誌になっていないからだ。森喜朗事務所、佐々木信也さん、駐日ミクロネシア連邦・ジョン・フリッツ大使、相澤光春氏や友人らには印刷し直した最終原稿掲載の「知研フォーラム」を送ることができるので、それでもまだ良かった。まあここまで来てしまっては、この事態を受け入れざるを得ないと思っている。
 さて、今や世界的に経済が低迷し、逼塞状態になって、あまり景気の良い話が聞かれない。困るのはあらゆる問題に対して解決の曙光が見えないことである。
 ギリシャの財務不履行の不安からヨーロッパの首脳が会合を重ねているのに、最終期限の今日になっても解決策は見出せない。ついに首脳会議でユーロ圏各国は、基金の再拡充策をまとめるため、EU圏の枠組みを超えてIMFに出資要請をすると見られている。日本円は益々高くなり、遂に一時的に戦後最高の円高1$=75.71円を記録した。これで日本の企業は更に打撃を受けることになるだろう。
 トルコ地震による被害状況が段々明らかになってきたのに、トルコ政府は一向に外国からの救援隊を受け入れようとしない。これでは救われるべき生命も助からないことになる。
 また、タイの洪水は、いつになったら元通りに水が引くのか、見当もつかない。タイのインラック首相も当分水は引かないと言明した。これから大潮の時期が近づいてくると心配である。バンコック市内の日本企業はほとんどが生産活動を停止した。
 一方、国内では近づくTPP加盟交渉がそれぞれの利益代表が対立し、思惑のある賛成派、反対派の議員が付いて綱引きをやっているありさまである。今日もTPP賛成派と反対派がそれぞれ大集会を行い、気勢を上げていた。最初の結論を出すまでにあまり時間がない。「どじょう」首相はどう決断されるのだろうか。
 デッドロックに乗り上げた感じの沖縄普天間基地移設問題に関しては、最近になって連日入れ替わり立ち代り閣僚が沖縄入りをして、仲井真・沖縄県知事や稲嶺・名護市長と会見している。一番厄介な沖縄基地移設問題から逃げていた担当大臣らがやっと腰を上げ沖縄に出かけて沖縄と話しても、沖縄側から最早相手にされず、手詰まり状態である。そこへ普天間基地移転に関する早期決着をけしかけるように、パレッタ米国防長官が来日した。日本にネジを巻くためである。昨日パレッタ国防長官は野田首相や玄葉外相と会談した。パレッタ長官にはすでに辺野古海岸への移設の可能性をほのめかした。このように国と県が信頼感のない状態では、早晩政府と沖縄との間が一層紛糾するのは目に見えている。まったく政府の沖縄への交渉は稚拙である。この辺りはアメリカ政府にも察知され、呆れられているのではないか。
 今日のニュースを観てヒドイ現場にあれっと思った。防衛には素人を自称する一川防衛大臣がパレッタ長官と会談した。びっくりし、呆れたのはパレッタ国防長官と初対面の折傍に侍っていた中年の通訳と思われる人物の存在である。こともあろうに大臣が公式の場で外国の高官に会う場で口中にチューインガムとは恐れ入った。しかもこの品格のない人物は、その後両国大臣がテーブルを囲んだ話し合いの場でも、また同じようにチューインガムを口に入れてペチャクチャやっていた。この下品な人物は誰だ? こんな下卑た人物を外交交渉の場に付き添わせる防衛省の感覚を疑いたくなる。対外交渉以前に常識的、かつ品格があってしかるべきではないか。日本の恥ではないのか。恥ずかしい。

2011年10月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1625.2011年10月25日(火) 折角の原稿が印刷ミスでやり直し

 小田急山岳部OB会が相模大野駅前の「ホテルセンチュリー相模大野」で開かれた。80歳を過ぎてなおスキーや山に出かけている元気者の高齢者もいる。その反面聞くのはやはり手術、入院、病気、健康の話が多い。30名近い山仲間が集まった。若い時に一緒に山へ行った仲間も来て、ひとしきり昔話に花が咲いた。感心したのは、何度も一緒に登った小俣龍平さんが、「日本百名山」全山登山に挑戦中で、征服した山々のリストを持ってきてくれたことである。
 日本アルプスはもちろん、北は利尻岳から南は開聞岳まで百名山の内96もの頂上を極めている。まだ4つ残っているようだが、意外にもその4つの内南アの光岳、北アの鷲羽岳を私は登っている。しかし、百名山の内私が登ったのは半分程度だろうか。小俣さんのチャレンジ精神と愛山心にはつくづく敬服する。小俣さんは今あまり健康が優れないようなので、残り4峰を征服するのは中々厳しいと思うが、焦ることなく何とかあと4つをやり遂げてほしいものだ。
 帰宅してびっくりである。拙稿「トラック島日系大酋長が見せた大和魂と謎」を掲載した「知研フォーラム」が段ボール2箱に詰められて送られてきた。早速箱を開けてみて、思わずアッと声が出た。拙稿の中に載せられる筈の写真と図14枚の内、実に10枚もが掲載されずに抜け落ちているのだ。どうしてこんな無様なことになってしまったのだろうか。完全に落丁本である。急いで八木会長に連絡して調べてもらったら、拙稿をPDF化した時にどういう不都合があったのか写真の一部が落ちてしまったらしい。会長に尋ねると、すでに小松市内の森喜朗事務所へは300部送付済みだという。慌てて森喜朗事務所の長谷川秘書に連絡を取り、すでに送った分は処分してもらい、改めて300部を送ると事情を話して何とか了解してもらった。
 トラブルの原因は印刷会社の失態ではなく、会長がPDF化した際誤って発生したミステークだと説明を受けたが、ちょっと残念である。
 私にとっても折角力を入れて書いたエッセイだっただけに、願い通りスッキリと仕上がらなかったことには忸怩たる思いである。もう1度印刷し直してもらうことになったが、私自身も150部ばかり注文したので、改めて期待通りにでき上がることをひたすら願うばかりである。それにしても奇妙なことが起こるものである。

2011年10月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1624.2011年10月24日(月) 昨日のトルコ地震に12年前の大地震を思う。

 昨日の昼過ぎ(現地時間)にトルコの東部都市ワンでM7.2の地震が発生し、多数の犠牲者が出た模様だ。トルコの地震と言えば、何と言っても自分自身が体験した1999年8月17日の大地震を思い出す。あの時は明け方で突然揺れた時チャナッカレのホテルで就寝中だった。20世紀最後の大地震と言われ、M7.4で犠牲者が1万8千人と言われた。この地震は私にとっても貴重な体験となり、拙著「停年オヤジの海外武者修行」にも体験談を詳しく書いた。
 トルコは日本と同様に地震国であるが、現地からの映像を観ると相も変わらずアパートがいとも簡単に押しつぶされ、そのまま倒壊したという印象である。私が体験した地震の時も、何の支えもなくつぶれた建物が多かった。トルコの中高層建物は耐震構造が充分でなく、みんなぺしゃんと押しつぶされている。真上から瓦礫が降ってきた形になるので、これでは下敷きになった人たちはとても助かるまい。トルコでは私が遭遇した大地震の後にも大きな地震に襲われ多数の犠牲者を出しているが、今回の様子を見ると、耐震構造はまだ徹底されていないようだ。偶々NHK「ニュースウォッチ9」で1999年の大地震の時の映像を紹介し、建築構造について専門家が解説していた。今度の地震はトルコの東部都市ワンを中心とする地域だが、クルド族を始めとして異民族が多く、このクルド族をトルコ政府は締め付けている。クルド族はイラン、イラクの国境周辺にまで住み着いている。そのために、各国から救助隊の派遣を申し出ているが、トルコは折角の申し出を断っている有様である。日本政府も東日本大震災の際救助隊を送ってもらったので、直ぐに援助を申し出たが、今のところ受け入れてもらえない。
 このワンはワン湖という塩水湖があり、12年前に訪れた時売店で「砂時計」ならぬ「塩時計」を売っていたことを覚えている。余談だが、ワン湖は世界の3大塩水湖のひとつであり、何とかその3つを征服したいと願っていて、すでにアメリカ・ユタ州ソルトレイク・シティ郊外のグレートソルト塩水湖を訪れたので、後はイスラエルの死海を残すのみである。
 今夜までに死者が260名、行方不明者が1,300人以上と報告されている。これから更に悲しみが加わるのだろう。地震は自然災害だから、発生するのは止むを得ないとして、災害を少なくするための手段は日頃から講じておかなければならない。トルコの住宅はその意味では、とても安全とは言えないと思う。だからといって日本の地震に対する防護策だって、とても完全とは言えまい。それだけに、予防できる災害は万全を期するのが現代人の責務ではないだろうか。その点で事故を防げるのに防ごうとしない原発を思うと憂鬱になる。

2011年10月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1623.2011年10月23日(日) なぜ原発廃止へ向けて動こうとしないのだろうか。

 20日原子力安全委員会から原発の防災対策の重点区域を拡大する案が示された。それによると現在計画中、或いは建設中の原発からの防災対策重点地域(EPZ)が半径8~10㎞から、緊急時防護措置準備区域(UPZ)約30㎞圏に拡大される。県内に東電柏崎・刈羽原発を抱える泉田裕彦・新潟県知事は県独自にその範囲を50㎞に拡大することを合理的と見ている。各自治体によってその判断はバラバラであるが、仮にこれがそのまま自治体で受け入れられると、対象は135市町村、人口は800万人近くに上る。原発稼動のためにこれだけ多くの人や自治体に迷惑をかける。これだって充分な避難距離でないかもしれない。もしそうなら、もっと多くの住民や自治体を惑わすことになる。
 各自治体にとって「福島原発事故」を考えれば、避難地区設定は当然と思う一方で、電力会社にとってことは深刻である。
 他方で、自主判断によって放射能から逃れようと避難した場合、賠償がどこまで認められるべきかとの問題も提起されている。同時に、津波発生の際福島第1原発の電源が失われてメルトダウンや水素爆発が起こったのは、5年前に1~6号機を電気ケーブルでつないで電源を融通しあう改良工事を一旦は検討しながら、技術的な障害を理由に見送っていたことが昨日判明した。専門家はこの工事さえしておけば、重大事故を防げた可能性があったと指摘した。先日は日本地震学会が地震予知について学会が強い発信をしなかった点を反省していたが、事故が起きてから反省しても所詮後の祭りである。
 問題は後から反省しようが、安全のために想定以上の工事をしようが、はたまた自主避難をしようが、原発がある限りいかなる対策を講じようとも事故発生の可能性は残るわけである。今回の福島原発により、いかに大きな犠牲を払い、これからも継続して費用を支払おうとも、原発が存在する以上われわれはいつまた同じような事故で痛い目に遭うか分らない。もっと大きな事故が起きるのではないかとの不安と恐怖から逃れられない。
 今更過去に起きた取り返しのつかない事故を悔やんでも仕様が無い。これからその不安から完全に逃れる術は、原発を廃止することしか考えられないのではないか。まだ、解決策が見出されないまま問題を大きくしている核廃棄物の処理だって、先延ばしにすればするほど益々問題解決を難しくしていく。
 原発反対の声は以前に比べて強くなってきた。先日福島県議会では県内の原発廃止を決議した。この動きが全国的に広がることを願うばかりである。その一方で、相変わらず原発再稼動を主張する声や動きが衰えないのも事実である。経済界からは電力供給量が減少することによって経済活動にブレーキがかかるとの不満もある。電力会社にとってはこれまで投下した巨額の投資資金をこのまま回収できずに、廃炉にかかる費用の無駄を考えると稼動を中止したくない事情もあるだろう。ただ、言いたいのは、それでも自分や家族の生命を引き換えにしても経済発展、言い換えれば生活向上を希望するのだろうか。みんな自分のこととして本質を捉えていないような気がする。すべて他人事なのである。だから、大きな生命の危険を孕み巨額の費用がかかろうとも、100%完全とは言えない安全神話を信じて、原発を動かし続けるのだ。
 政府は都合の悪いことはやらないだろうから、1度マス・メディアが世の中から原発がなくなった場合の電力供給のシミュレーションをやってみてはどうだろうか。そのうえで、なお生命より経済発展による生活向上を望む人が多いなら、それも止むを得まい。

2011年10月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com