昨日から憂鬱な気分を引き摺ったままだった「知研フォーラム」掲載原稿の摩訶不思議な、写真消滅の原因が分った。昨晩から掲載文とオリジナル原稿を比べてみて、写真の消滅以外にも文章が一部抜けていたり、表現やフォントが何箇所も変わっていたので、トラブルの原因は知研・八木会長が言っていたようなPDFによる誤作動とは違うのではないかと考えた。
まず、9月21日に原稿をほぼ書き上げて途中経過として「半製品」原稿を会長宛にメール送信した。その後10月5日に今回落ちてしまった10枚の写真を加えて最終原稿として送信した。ところが、印刷されたのは最終原稿ではなく、先に送った半製品の原稿だった。最終原稿こそが自信をもって書いた原稿だったが、それがまったく無駄に終ったのである。大騒ぎに終ったが、私としては意味のある写真が掲載されずに、拙稿が半製品の状態で知研会員に送られてしまったことが返す返すも残念である。私自身が納得できる掲載誌になっていないからだ。森喜朗事務所、佐々木信也さん、駐日ミクロネシア連邦・ジョン・フリッツ大使、相澤光春氏や友人らには印刷し直した最終原稿掲載の「知研フォーラム」を送ることができるので、それでもまだ良かった。まあここまで来てしまっては、この事態を受け入れざるを得ないと思っている。
さて、今や世界的に経済が低迷し、逼塞状態になって、あまり景気の良い話が聞かれない。困るのはあらゆる問題に対して解決の曙光が見えないことである。
ギリシャの財務不履行の不安からヨーロッパの首脳が会合を重ねているのに、最終期限の今日になっても解決策は見出せない。ついに首脳会議でユーロ圏各国は、基金の再拡充策をまとめるため、EU圏の枠組みを超えてIMFに出資要請をすると見られている。日本円は益々高くなり、遂に一時的に戦後最高の円高1$=75.71円を記録した。これで日本の企業は更に打撃を受けることになるだろう。
トルコ地震による被害状況が段々明らかになってきたのに、トルコ政府は一向に外国からの救援隊を受け入れようとしない。これでは救われるべき生命も助からないことになる。
また、タイの洪水は、いつになったら元通りに水が引くのか、見当もつかない。タイのインラック首相も当分水は引かないと言明した。これから大潮の時期が近づいてくると心配である。バンコック市内の日本企業はほとんどが生産活動を停止した。
一方、国内では近づくTPP加盟交渉がそれぞれの利益代表が対立し、思惑のある賛成派、反対派の議員が付いて綱引きをやっているありさまである。今日もTPP賛成派と反対派がそれぞれ大集会を行い、気勢を上げていた。最初の結論を出すまでにあまり時間がない。「どじょう」首相はどう決断されるのだろうか。
デッドロックに乗り上げた感じの沖縄普天間基地移設問題に関しては、最近になって連日入れ替わり立ち代り閣僚が沖縄入りをして、仲井真・沖縄県知事や稲嶺・名護市長と会見している。一番厄介な沖縄基地移設問題から逃げていた担当大臣らがやっと腰を上げ沖縄に出かけて沖縄と話しても、沖縄側から最早相手にされず、手詰まり状態である。そこへ普天間基地移転に関する早期決着をけしかけるように、パレッタ米国防長官が来日した。日本にネジを巻くためである。昨日パレッタ国防長官は野田首相や玄葉外相と会談した。パレッタ長官にはすでに辺野古海岸への移設の可能性をほのめかした。このように国と県が信頼感のない状態では、早晩政府と沖縄との間が一層紛糾するのは目に見えている。まったく政府の沖縄への交渉は稚拙である。この辺りはアメリカ政府にも察知され、呆れられているのではないか。
今日のニュースを観てヒドイ現場にあれっと思った。防衛には素人を自称する一川防衛大臣がパレッタ長官と会談した。びっくりし、呆れたのはパレッタ国防長官と初対面の折傍に侍っていた中年の通訳と思われる人物の存在である。こともあろうに大臣が公式の場で外国の高官に会う場で口中にチューインガムとは恐れ入った。しかもこの品格のない人物は、その後両国大臣がテーブルを囲んだ話し合いの場でも、また同じようにチューインガムを口に入れてペチャクチャやっていた。この下品な人物は誰だ? こんな下卑た人物を外交交渉の場に付き添わせる防衛省の感覚を疑いたくなる。対外交渉以前に常識的、かつ品格があってしかるべきではないか。日本の恥ではないのか。恥ずかしい。