一昨日世田谷区八幡山のスーパー・マーケット空き地で民間人の線量計により高い放射線が計測された。先日同じ世田谷区弦巻で計測された放射線も分ったのは、民間人の連絡によるものだが、それも福島原発とは無関係ということが分った。今度の放射線もその空き地の周辺地下から異常値を示すことから福島原発とは関係ないと見られている。ただ、近辺の住民が放射線汚染を心配しているので、何が原因であるかを早く突きとめることが行政の責務だと思う。にも拘わらず、世田谷区はのんびりしている。民間人の軽量により分ったにも拘わらず、区が昨日語ったのは週明けにその地下を掘削して原因を究明したいと気楽なことを言っている。理由は休日ということのようだが、ことが放射線に関わることでもあり、早く作業を行って原因を明らかにすべきではないか。
ことほど左様に原子力について、本質が分っているのか分かっていないのか、関係者によってスタンスがバラバラのようだ。例えば、昨日になって原子力委員会が福島第1原発を解体・廃炉にする工程を示した。それによると何とも気の長い話で、いろいろ建屋内部の取り出し作業を始めて、原子炉から建屋まで解体する廃炉作業が完了するのは30年以上もかかるとの発表があった。これではいま稼動、或いは休止中の原発を仮にいつの日か廃炉にした場合、それらも30年以上の時間がかかる。今後新たに稼動予定の原発の将来的な廃炉を考えると気の遠くなるような時間が必要である。
これでは私が生きている間に原発はなくすことはできないということになる。今や知らない間に、周囲は放射線の危険で取り囲まれているという事態になっている。憂鬱な時代になってしまったものである。
さて、円高が昂進して輸出関連企業が大きな赤字を計上しているようだが、パナソニックの如きは今年度連結決算が3,000億円前後の赤字に達する見通しだという。東芝も今年度上期だけで営業利益が100億円も減少した。企業は円高の長期化を睨んで、想定為替レートを変更し、利益予想を下方修正する動きが出てきた。例えば、対ドル為替相場ではリコー、セイコーエプソンや日本電産などでは上期に1$=80円相場だったが、下期は75円に変更しているようだ。商売本体ではなく、為替事情によって売上、利益が大きく変わるようになった。外為事情に左右される企業はあまりの円高市場に振り回されている。
円高に洪水被害が重なり輸出関連企業が苦しんでいる。少しでも手を差し伸べられるのは国であるが、今のへなちょこ政府が果たしてお助けマンになってくれるだろうか。