1627.2011年10月27日(木) ギリシャ救済問題も一段落か?

 バンコック市内の洪水事情は悪化するばかりである。これまで見たこともないような水浸しの状態である。変わらずひたひたと水が王都に押し寄せている。これでは市民は落ち着いて生活できないのではないかと気にかかる。テレビニュースを観ていると、市内観光の中心である王宮やエメラルド寺院も危うい。実に50年に1度と言われているが、私が初めてバンコックとアユタヤを訪れたのが今から45年前だが、それ以来これほど酷い洪水は記憶にない。更に目前に迫ってきた大潮がどうにも気になって仕方がない。
 一方、ギリシャの債務危機に向けたEU首脳会議は中々合意に至らず、昨日結論を出す予定だったが10時間もの長丁場の話し合いの末、今日やっと合意に達した。7月に決まったギリシャ国債の元本削減など民間金融機関の負担の割合21%を、今後50%に大幅に修正、拡大することになった。これによってギリシャのデフォルト(債務不履行)は、取りあえず急場をしのぐことができる。だが、事態が根本的に解決されたわけではない。ギリシャはこれに安堵することなく、自国への支援をEU加盟国に感謝しつつ、財務状況が常時監視されることを教訓にして、この機会に景気回復への道筋を断固示してもらいたいものである。夕刊各紙のトップ記事として伝えられた見出しは、いずれも白抜きで「EU包括策合意」である。これで少しは日本の景気にも良い影響が表れるのではないかと期待したところ、案の定株価は前日に比べて178 円も上昇した。円相場も円安に移り、やれやれと思いきや、その後円高に振れ夜9時過ぎにヨーロッパの外為市場は、一時1$=75.67円と、またまた最高値を記録したようだ。どうしても外国為替市場から目を離せない。
 しかし、一喜一憂してもギリシャ経済が立ち直り、ヨーロッパもアメリカも不景気から抜け出せなければ、所詮日本経済も救われないということだ。日本人にとっては何とも張り合いがない。バブル景気は今やとても望むべくもないが、それにしてもいつになったら少しは明るい光が見えてくるのだろうか。
 さて、地球上の人類は今月末70億人になる。国連人口基金は今年の世界人口白書を発表した。白書が述べている点を概略まとめると、1950年代初に48歳だった平均寿命が68歳にまで延びた。乳児死亡率は出生千人当たり133人だったが、46人に減った。乳幼児難病予防のための新薬ワクチンが開発されたことが効いている。1999年に60億人だった人口が僅か12年で10億人も増加した。70億人の内アジアが42億人で世界の60%を占める。現在中国の人口が最多で13億5千万人だが、10年後にはインドが14億人となって中国を追い越すと見られている。
 その一方で、日本の人口は減少の一途を辿り国連統計を取って以来初めてその数が減り、1億2千5百万人になった。日本は典型的な少子高齢化時代を迎えて、その対策が急務とされている。今話題の年金問題もこの少子高齢化がクリアされなければ、前進しない。今や現代日本が抱える最大の課題である。

2011年10月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com