1624.2011年10月24日(月) 昨日のトルコ地震に12年前の大地震を思う。

 昨日の昼過ぎ(現地時間)にトルコの東部都市ワンでM7.2の地震が発生し、多数の犠牲者が出た模様だ。トルコの地震と言えば、何と言っても自分自身が体験した1999年8月17日の大地震を思い出す。あの時は明け方で突然揺れた時チャナッカレのホテルで就寝中だった。20世紀最後の大地震と言われ、M7.4で犠牲者が1万8千人と言われた。この地震は私にとっても貴重な体験となり、拙著「停年オヤジの海外武者修行」にも体験談を詳しく書いた。
 トルコは日本と同様に地震国であるが、現地からの映像を観ると相も変わらずアパートがいとも簡単に押しつぶされ、そのまま倒壊したという印象である。私が体験した地震の時も、何の支えもなくつぶれた建物が多かった。トルコの中高層建物は耐震構造が充分でなく、みんなぺしゃんと押しつぶされている。真上から瓦礫が降ってきた形になるので、これでは下敷きになった人たちはとても助かるまい。トルコでは私が遭遇した大地震の後にも大きな地震に襲われ多数の犠牲者を出しているが、今回の様子を見ると、耐震構造はまだ徹底されていないようだ。偶々NHK「ニュースウォッチ9」で1999年の大地震の時の映像を紹介し、建築構造について専門家が解説していた。今度の地震はトルコの東部都市ワンを中心とする地域だが、クルド族を始めとして異民族が多く、このクルド族をトルコ政府は締め付けている。クルド族はイラン、イラクの国境周辺にまで住み着いている。そのために、各国から救助隊の派遣を申し出ているが、トルコは折角の申し出を断っている有様である。日本政府も東日本大震災の際救助隊を送ってもらったので、直ぐに援助を申し出たが、今のところ受け入れてもらえない。
 このワンはワン湖という塩水湖があり、12年前に訪れた時売店で「砂時計」ならぬ「塩時計」を売っていたことを覚えている。余談だが、ワン湖は世界の3大塩水湖のひとつであり、何とかその3つを征服したいと願っていて、すでにアメリカ・ユタ州ソルトレイク・シティ郊外のグレートソルト塩水湖を訪れたので、後はイスラエルの死海を残すのみである。
 今夜までに死者が260名、行方不明者が1,300人以上と報告されている。これから更に悲しみが加わるのだろう。地震は自然災害だから、発生するのは止むを得ないとして、災害を少なくするための手段は日頃から講じておかなければならない。トルコの住宅はその意味では、とても安全とは言えないと思う。だからといって日本の地震に対する防護策だって、とても完全とは言えまい。それだけに、予防できる災害は万全を期するのが現代人の責務ではないだろうか。その点で事故を防げるのに防ごうとしない原発を思うと憂鬱になる。

2011年10月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com