1480.2011年6月4日(土) 中国の覇権主義とわが国会議員にはとても付き合い切れない。

 22年 前の今日中国の首都北京で天安門事件が起きた。はっきりしたことはよく分らないが、当時の中国政府としてはこの民主化要求は外国政府から何と言われようと 絶対に封じ込めなければ、これまで中国共産党、並びに中国政府が一歩一歩積み重ねてきたと考える独自の国造りが危うくなると判断したからである。前日から 当日にかけて軍は戦車まで動因して学生、労働者を中心とする民主化勢力を徹底的に弾圧し、多数の死傷者を出した。結果的に官憲の弾圧により国民の声は抑え 込まれ、政治的にも、社会的にも見かけ上安定したように見える最低限の国内の治安を辛うじて保つことが出来た。しかし、この事件で中国の民主化は22年以上も遅れている。そして、民主化封殺の空気は今もなお続いている。
 内実は天安門以降中国国内で一層自由が制約されることになった。将来的にも本当の意味で中国の民主化は遠のくばかりである。中国政府首脳は自分たちの立場を保全するためだけに創意工夫を凝らして守旧的態勢を頑固に堅持している。
  ほんの数日前国内のモンゴル自治区で、交通事故をきっかけにモンゴル人が民主化と自主権利を求めて集団デモを行ったが、あっという間に鎮圧された。3年前 のチベット自治区におけるチベット人によるデモ、そして昨年の新彊ウィグル自治区におけるウィグル人の騒擾事件は世界的世論に逆行するように中国人民軍と 警察によって抑圧された。
 中国の覇権主義とは一体何だ? 今国際社会で自分たちだけの利己的都合ばかりを主張しているのは、「共産主義国家・中国人民共和国」だが、諸外国に対して恥ずかしいという気持ちがないのだろうか。南シナ海周辺でASEAN諸 国、なかんずくベトナムやフィリッピンの神経を苛立たせているのは、他国へ侵略を図り他国領土を自国領土とする覇権主義であり、中国の遠大な中華思想では ないか。言ってみれば中国が目論んでいることは、紛れもなく現代の新帝国主義ではないか。自分の思想や考えだけを押し通そうとする中国に何とかお灸を据え る方法はないものだろうか。
  さて、アホらしい菅首相の居座りか、辞任かという問題に関して、メディアは喧しい。首相としては原子炉の冷温停止、放射能物質の放出がほぼなくなるまで全 力を尽くすというものだった。しかし、福島原発事故の工程表に従えば、冷温停止は来年1月まで長引きそうで、その時期まで首相は辞任しないということにな る。これに対して辞任の確約を取ったと得意気に主張する鳩山前首相は、菅首相に対してあろうことかペテン師呼ばわりする始末である。そこへ自民党は参議院 で菅首相の問責決議案を提出すると明言し出した。もう馬鹿げた内輪話ばかりでうんざりである。この揉め事を何とか解決するためには、首相の早期辞任しか打 つ手がなくなってしまった。枝野幸男・官房長官と安住淳・国対委員長がともにそんなに遠い時期ではないとか、早晩決断するとか、相変わらず煮えきらず暢気 なことを言っている。
 政治家より多忙で毎日の生活に追われている国民には、もうこんな程度の低い国会議員に付き合っている暇はない。

2011年6月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1479.2011年6月3日(金) 下品な政治家の非難合戦

 昨日衆議院本会議で菅内閣不信任案が否決されたが、内閣は安定するより不安定さを増し政治は混迷の度を深めてきた。
  その最たるものは、本会議前に開かれた民主党代議士会席上で「一定のめどがついたら辞任する」と語った首相の軽い言葉である。これによって菅降ろしの勢い は一応収まり、不信任案が否決された経緯がある。ところが、本会議直後から様子がおかしくなった。「一定のめど」とは時期的にはいつなのか。首相と首相に 辞任を迫った鳩山前首相が得た、辞任するとの確約を巡って解釈が対立している。首相は自身の退陣時期として来年1月を示唆している。鳩山氏は首相をペテン 師まがいと手厳しく批判している。他にも閣僚の中には、一定のめどを機に辞任とは1~2ヶ月内との解釈を披露する大臣も現れた。見苦しい内輪揉めはもう好 い加減に止めてほしい。
  野党はもちろん、海外でもこのトップニュースは評判が芳しくない。しかし、相変わらず国会議員はこれを政争の具にしている。朝日も日経も社説でこういう事 態では菅首相は早く退陣すべきだと厳しい。一番情けないのは、政界には判断力、倫理観、行動力が最早失われたことである。自浄能力はとても期待出来ない。 この国はこれから一体どうなるのだろう。
 今日「新宿区高齢者学級連合会」が主催する新生大学院で講師を務めた。「シニア大楽」を通した初めての依頼だが、求められたテーマは「世界遺産の楽しみ方」である。60歳以上の受講者が60名近く聴いてくれた。世界遺産については、これまでにも何度かお話しているので、要領も分っていて比較的楽しみながら自分の考えるように話すことが出来る。皆さん熱心に聴いてくれたようでまずまずほっとした。
 今日の会場は「新宿区立戸山生涯学習館」という公的施設で、利用したのは初めてだったが、長い間新宿区内で働いていた経験から当然すぐぴんと来る場所であるべき筈なのに、戸山、或いは近くの早稲田の地理が分かりにくい。地下鉄の路線図とにらめっこしながらJR代々 木駅から都営地下鉄大江戸線で都庁前まで行き、そこで乗り換え若松河田駅までやって来たが、目的地と反対側出口へ出てしまい、郵便配達員に尋ねてやっと辿 り着いた。帰りはその都営地下鉄で西新宿まで簡単に来ることが出来た。普段利用せず、また初めての路線というのは分りにくいものだとつくづく悟った。先日 偉そうにロンドンとパリの地下鉄の利用し易さを話したばかりだが反省、反省。
  東日本大震災の復旧見通しが立たない中であるが、長崎普賢岳噴火から今日満20年を迎えた。20年前会社で打ち合わせ中に偶々テレビ画面を観て火砕流の迫力に恐ろしかった記憶が思い出されてくる。近年日本は本当に自然災害の多い国だということを実感する。

2011年6月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1478.2011年6月2日(木) 菅内閣不信任案否決される。

 すったもんだした菅内閣に対する不信任案は今日衆議院本会議場で採決され、反対293対賛成152の 大差で否決された。菅内閣と民主党にとってはほっとしたところだ。しかし、すんなりとこの投票行動になったわけではない。今朝になって民主党代議士会で菅 首相が震災復興や福島原発事故への一定のめどがついた段階で辞任する意向を表明した。これによって少し様子が変わった。
 そもそもそういう経緯を辿ったのは、今朝菅首相が鳩山前首相との会議で鳩山氏が早い時期に辞任することを迫り、二人の間で条件付辞任を確約したことが起点にある。それが民主党内の造反派である不信任案「賛成」派を一気に「反対」表示に変えた。特に、小沢一郎派50名が自主投票とした結果ほぼ全員が「反対」票を投じた。更に、「賛成」と言われていた鳩山派が「反対」したことにより、勝負はつき意外な大差となった。
  これで普通なら一件落着としてしこりを水へ流すのだが、今回ばかりは相互不信が噴出して反ってこじれそうだ。めどがついたら辞めるという言質に対してすぐ 辞めるべきと主張する自民党とアンチ菅グループに対して、民主党内からも露骨な突き上げがある。小沢氏は投票を欠席したが、鳩山氏の如きは菅首相との確約 について岡田幹事長の解釈が不満であるのか、岡田氏をウソつき呼ばわりするほどピントが狂っている。その挙句に人間はウソをついてはいけないとまで語って いる。冗談じゃない。議員を辞職するとの発言を舌の根も乾かない内に翻して自分自身がウソつきであることを実証しながら、その愚は棚に上げて相手を同じ言 い方で非難して、国会内に疑心暗鬼のムードを作ったのは、誰あろう鳩山氏自身ではなかったのか。
 狐と狸の化かしあいの国会では、何をやっても真剣さと誠実さからかけ離れている。これから菅内閣はよれよれ状態のまま政界を浮遊していくのだろうか。もう好い加減にせいと言いたい。国会中継を観ていた被災者は、相当怒っていた。当たり前である。
  さて、一昨日の本稿に書いた「近藤聰さん」から心待ちにしていた返事をいただいた。近藤さんは予想していた通り市川学園中学1年生時のクラスメート だった。彼も驚いている。彼はそのまま市川学園高校へ進んだが、3年生時のクラスの名簿まで送ってくれた。その中には3人ばかり私が知っている友人もい た。こんな奇遇もあるのかとその縁に驚いている。別れてから実に58年である。普通ならこれだけ疎遠だと知らないまま時が経つのだろうが、偶々同じクラスに近藤姓のクラスメートが4人もいてその名前をすべてはっきり覚えていたということと、生年が同じだということに何となく勘が働いたことが58年ぶりの再会というハップニングにつながった。

  幸い近藤さんは海外でもワイン通として知られ本業のイラストレーターとしても成功し、素敵な人生を送っておられるようで、同じ日本旅行作家協会会員として嬉しく思っている。近い内にぜひ会いたいと言っておられるので、交流を深められることを楽しみにしている。

2011年6月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1477.2011年6月1日(水) 呆れた国会議員のパフォーマンス

 銀座の「ライオン」に飯田ゼミの仲間10人が集まり今後の「飯田会」の在り方、方向性について話し合った。結局飯田先生は亡くなられたが、これまで結束も固く今日までほぼ50年 間に亘って継続されてきた会をここで解散してしまうのはいかにも名残惜しい。気の合った仲間同士で、今後も切磋琢磨したいというのが一人ひとりの気持ちで ある。毎年秋恒例の「飯田会」を今年も開催して、そこで参加者の意見や提言を聴いて、来年5月の一周忌に参集して結論を出してはどうかということになっ た。
 今後は「飯田会」に名を借りたゼミ仲間の懇親会のようなもので、奥様にも案内を差し上げ出来ればご出席いただきたいという願いと考えである。取りあえずスタートしてみて、その内飽き足らなくなったら見学会とか、旅行会に発展させるという手段もある。
 さて、先日来話題になっている菅内閣不信任案を今日自民党、公明党などが提出した。採決は明日の衆議院本会議で行われる。現時点で議席数から言えば、478議席の内の半数である240票を獲得して不信任案を可決することはかなり難しい。問題は、与党民主党内の党員が反旗を翻して不信任案にどの程度賛成するかということであるが、昨日から菅首相の手法に同調出来ない民主党員が怪しげな行動で連絡を取り合っている。現時点では民主党内から81人以上が造反しない限り不信任案の可決見通しは立たない。
 民主党内では菅首相に辞任カードを突きつけている小沢一郎元代表と鳩山由起夫前首相の動向が注目されている。小沢氏はすでにアメリカのメディアに対して菅首相では国難を乗り切れないと公言しているので、小沢派の50議員は不信任案に賛ご意見番成票を投ずるだろう。残り30票について、今日も鳩山氏が動き回っていてどんな手を打ってくるのか注目される。
  今日の党首会談で谷垣自民党総裁の「一日も長く菅政権が続くと国益を損なう」とか、大島副総裁の「菅総理では災害復旧と復興、原発事故の処理に対応出来な い」と、自分たちには一切責任がないような発言を繰り返しているが、後釜に誰を据えるのか、まったく代案すら出せない有様で、ただ相手を批判しているだけ という感じである。被災地でテレビを通して国会討論を観ている被災者は、すっかりしらけ切って、もう完全に政治家を見放し、彼らの理念とか、主張を当てに していない。もう野党流の政権批判は聞き飽きた。うんざりである。
 まったく政治家にはろくな奴がいない。20年若ければ、彼らにとって替わりたい心境である。

2011年6月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1476.2011年5月31日(月) イラストレーター・近藤聰さんは同級生?

 先日の日本旅行作家協会総会後のパーティで近藤聰さんと仰る会員の方から話しかけられ、同姓の誼もあって気軽に60年安保のことなどを話し合った。これで近藤さんとは同年輩だと見当がついたが、その数日後その近藤さんから立派なご著書をお送りいただいた。ワインに関する専門家で興味深いエピソードをいくつも書いておられる。その中でルイ15世と愛人ポンパドゥール夫人に纏わる創作が特に面白い。本書にも近藤さんの垢抜けたイラストが散りばめられワインと旅を取り扱って全体的に洒落た構成になっている。広告会社を経営しながら、今もイラストレーターとして活躍されいくつかの賞も獲得されていることが分った。
  その立派な装丁のご著書「極上葡萄酒談義」ではワインに関する薀蓄を思う存分傾けて、これまでの近藤さんの仕事に合せたワインと旅との付き合いが自由に綴 られていて気軽に楽しく読める。しかも海外渡航に制約のあった時代から海外を歩かれ、欧米、アジアで高級ワインを品評したり、ユル・ブリンナーのミュージ カル「王様と私」の最終公演をブロードウェイで観劇してその感想まで書かれている。
 奥付にある著者略暦を見ていて生年が私と同じ1938年であることに、一瞬もしやと思った。千葉県の私立市川学園中学1年生の同じクラスに、偶々「近藤」姓が4人もいて、その中のひとりが「聰」であり「節夫」だった。私はその翌年父の転勤で京都市内へ移ったので、お互いにそれっきり会うことも連絡を取り合うこともなかった。
 近藤さんの住所を調べてみたら、案の定市川市内の真間 にあった。身体も大きく子どものころと変わらない。そんなびっくりするような思いでお返しにお送りした拙著に添えた手紙の中で、率直に感じたことを書き、 私の知る「近藤聰」であるかどうかを今問い合わせているところである。多分現在の近藤聰さんは、市川中学1年生の「近藤聰」くんに違いないと思っている。 事実とすれば、あれからほぼ60年が経つ。まさに「事実は小説よりも奇なり」を地で行くような再会となる。まあ、どういう返事が届けられるか分らないが、それにしても不思議なご縁である。近藤さんからの返事を楽しみにしている。
 今日消費増税についてひとつの方向性が示された。財政赤 字が溜っている上に、税収不足で消費税の値上げが俎上に上がりかけていたところへ、東日本大震災による国からの支出が増えると予測され、消費税値上げへ追 い風かと思いきや、「増税」という言葉を嫌う政治家が選挙民の声を忖度して、消費税値上げに否定的な声を発するようになった。これでは国の台所が火の車に なるのは当たり前である。「復興構想会議」発足直後に五百旗頭真・議長が増税を口にした途端非難を浴びる始末である。これから巨額の支出が予想されるの に、真剣に財源を検討しようともしない。その矛盾に漸く気がついたのか、やっと税制改革へ向けて歩み始めた。
 税と社会保障の一体改革を議論する政府の「集中検討会議」に対して、内閣府と財務省が消費増税について報告書を提出したのである。まだ、政府部内にも反対の声があり、現在の5%を一気に大幅に引き上げると経済変動が増幅されるとされ、2012~3年に7~8%、2015年までに10%と段階的な引き上げに落ち着きそうだ。
 消費増税に全面的に賛成するわけではないが、このまま放っておくと復興支援を始め国家機能が止まってしまうのではないか。消費税のある程度の引き上げは、現下の状況を考えると止むを得まい。

2011年5月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1476.2011年5月30日(月) ドイツ、2022年までに脱原発

 ついにドイツが脱原発を表明した。福島原発事故前までは、恐る恐るだが原発へGOサインを出していた。それが福島原発事故がきっかけで一時運転を休止していたが、今日になって原発から脱却する方針を固めた。遅くても2022年までに全廃する意向だそうだ。
 ドイツは現在電力供給量の約23% を原発に頼っている。他国へ先駆けて「脱原発」へ舵を切ったドイツは今後、再生可能エネルギーなどへの構造転換を目指すことになる。現在停止中の8基は再 稼動しない。残りの9基はいずれすべて停止となる。まさに電光石火というか、この決断の早さには舌を巻く。いつも前向きに検討とか、多くの意見を聞いて正 しい方向に進むよう努めたいとのらりくらりのどこかの国とは随分違うなと思う。
  昨日も政治家の行動につい愚痴を書いたが、原発事故にお構いなく与野党の国会議員たちは政局がらみの菅内閣不信任案提出に慌しい動きを見せている。なぜ谷 垣自民党総裁は「公明党」「共産党」「みんなの党」「立ちあがれ日本」と歩調を合わせて不信任案を提出するのか。答は簡単である。谷垣氏自身の存在感が自 民党内でまったく示されないからである。自民党内で若手を中心にそういう声を耳にした谷垣氏が大芝居を打ったというのが本当のところではないか。結局不信 任案を考えている国会議員にとっては被災者のことなんか二の次で、自分たちのことしか頭にないのだ。現在様子見だが、今週中に不信任案を提出しそうな雲行 きである。まあその時になってもし解散・総選挙でもなったら、最早国民は誰一人今の国会議員を信用しなくなるだろう。
 それにしてもドイツの早業に比べて、何とまあのろまで、無様な猿芝居を演じている日本政治だろうか。
 今日の朝日夕刊に日本賞賛とでも呼ぼうか、或いは皮肉と言おうか、シドニーに本部を置く国際民間シンクタンク「経済・平和研究所」が2011年版国際平和指数を発表した。それによると「国民が日常生活で平和を享受」している平和ランキングは、日本が2年連続で世界第3位だそうである。たいしたものである。世界153カ 国を対象に犯罪発生率や政治の安定などで評価した指数である。因みに上位は①アイスランド、②ニュージーランド、③日本、④デンマーク、⑤チェコの順で、 下位は最下位のソマリアから、イラク、スーダン、アフガニスタン、北朝鮮の順だという。今の日本の政治が安定しているのかどうか、基準が分かりにくいが、 それでも日本は世界から治安が良く住みやすい国だと見られている。それは決して政治家のお陰ではないことだけははっきり言っておきたい。

2011年5月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1476.2011年5月29日(日) 自分たちのことしか考えない国会議員

 台東区生涯学習のラーニング・スクェアで「世界の都市を知る」シリーズの第1回「イギリスの魅力といろいろな都市を知る」と題して講師を務めた。すでに担当者と打ち合わせを済ませており、一応のイメージに沿って昨日までにパワー・ポイントのスライド28枚を作成した。どうしたらイギリスの魅力とイギリス旅行の楽しさについて説明したら良いかといろいろ考えてみた。受講者の年齢が50歳以上という制約の中で、当初28名の募集に対して申し込みが少なく開催を心配していたが、今日現在受講者が21名というのはまずまずだったのではないか。比較的意欲的な受講者が多いようなので、政治、伝統、文化、習慣、文学、特に文学ではシェークスピアとワーズワースについて触れた。観光面では首都ロンドンより、地方都市の良さを訴えた。中でも湖水地方とケンブリッジの美しい環境について自分自身の体験談を交え話したので、イギリスの田園地帯の素晴らしさを理解してもらえたのではないかと思う。次回は再来週に「フランス」を担当するので、どういう視点で説明するかゆっくり考えたい。
 さてさて、またアホな国会議員のパフォーマンスについて書かざるを得ない。菅直人首相を首相の座から引きずりおろそうとする野党の中でも、谷垣禎一・自民党総裁の「菅首相ではもう何も出来ないし、期待出来ないので、何とか辞めてもらわないといけない」とぶち上げ、他党とも謀って菅内閣不信任案を提出するという。これに対して安住淳・民主党国会対策委員長は、仮に不信任案が通ったら国会を解散すると受けて出た。この言葉を聞いた谷垣氏は、原発事故で苦しみ、県議会選挙も行えない現状で総選挙とは、被災者の気持ちを考えていないと厳しく追求していた。まったくどっちもどっちである。谷垣氏の言い分は、不信任案を可決させて何とか菅首相を辞めさせたいようであるが、結果的に衆議院解散も当然あり得る状況からすれば、何をふざけたことを言っているといつもながら自分たちの都合だけを優先させている態度には腹が立つ。
 現在の国会議員の中にはもちろん真面目な人もいる。しかし、自分の都合ばかり考えて、国の健全な発展のために、全身全霊を注いで国家のために貢献しようとする人が果たしてどれほどいるだろうか。
 今の政治家集団が政局ばかり気にしている姿を見ていると、最早こういう利己集団には期待することは出来ないような気がする。
 今日の朝日朝刊トップ記事は、またもや原発事故の巨額に上るであろう国際賠償の話題である。何とわが国が海外から巨額の賠償を負わされる恐れがあることが分った。何と日本が、国境を越えた被害の損害賠償訴訟を事故発生国で行うことを定めた国際条約にも加盟していないことが判明した。菅政権は危機感を強め、条約加盟の本格検討に着手し出したとのことである。極めて深刻な事態である。どうして原発を抱えているわが国がこのような国際条約に加盟していなかったのかと云々することより、こんな重大な時期に放射能問題を一向に解決へ導けないわが国が、首相の首をどうする、こうするもないと思う。
 そんなことも分らないのが今の国会議員ではないか。だからそんな国会議員が勤める国会議事堂の最寄り駅・地下鉄「国会議事堂前」(KOKKAIGIJIDOMAE)が、フランス人から「コッケイジジドモー」と呼ばれるのだ。

2011年5月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1475.2011年5月28日(土) 原発事故に不毛な政治

 フランスのドーヴィユで開催されていたG8も首脳宣言を採択して閉幕した。菅首相にとっては、日本と首相自身の存在感とパワーを示す絶好のチャンスだったが、残念ながら腰折れだった。折角サルコジ仏大統領がエスコートしてくれたことでもあり、これに甘えて全体写真でも最前列に並んで世界中に日本の総理大臣の顔を売れば良いのに、いつも通り「日本の首相」らしく目立たない指定席でもじもじしていた。
 首相は個別の記者会見で、2020年代の早い時期に自然エネルギーについては発電量の20%超を目標とするとの公表と同時に、国内1千万戸の屋根に太陽光パネルの設置を目指すと語った。ところが電力担当の海江田万里・経済産業相がそんな話は聞いていないと憤然とした口調で語っていた。こんな多額の補助金を要するような政策実行について管轄する経済産業相が、情報は報道を通じて知ったという間の抜けた話である。結局閣僚間のコミュニケーション以前に、内閣としてどう機能すべきかという政治の初歩が分っていないようだ。これでは「百年河清を待つ」の心境にならざるを得ない。
 そんな弛緩した政治情勢、そして原発事故の収束という厳しい環境の中で、自民党谷垣総裁と公明党山口代表が、菅内閣不信任案を提出することを鼻息荒く喋り捲っている。つい最近の各社の世論調査でも菅内閣は支持しないが、菅首相の退陣には反対という国民が増えている。国民の方がよほどわが国の深刻な危機状態が分っているのだ。
 国際原子力機関(IAEA)の調査団が、昨日福島第1原発を視察した。地震、津波、原発事故の専門家を含めて、その数は20人だという。それだけIAEAも事態を深刻に受け止めているのだ。来月ウィーンで開かれる閣僚級会議で報告書を公表する。話は逸れるが、この原発で生じている放射能汚染水の浄化処理費用が、たった1ℓに約210円もかかるというから目を回す。これでは後から後から排出されるであろう汚染水にどれだけ費用をかけることになるのだろうか。実際、一旦事故が起きると外部への直接、間接の費用のほかに原発自体に巨額の費用をつぎ込まざるを得ない。これでは、やはり今後のエネルギー政策は、原発から他のエネルギーへの転換を真剣に検討すべきだとの考えが益々強くなる。
 さて、笑っちゃう話だが、NHKの教育テレビの通称を「Eテレ」ということに決めたそうである。よくもこういう下品でくだらない略称を頭の良いNHK幹部がすんなり承認したものである。これまでにも「地上テジタル」を「地デジ」と略称化して呆れていたが、ここでまたもやってくれた。
 かつてJR東日本が都内の電車をすべて「E電」と呼ぼうと決定した。あまりにも軽薄な略称の名づけ方に呆れた石原慎太郎・元運輸大臣が待ったをかけて沙汰止みになったことがある。そのJR東日本の社長を経験した御仁が、今やNHK会長職に就いている。どうでも良い話かも知れないが、幾ら何でもこんな軽い「Eテレ」は止めた方が良いと思う。

2011年5月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1474.2011年5月27日(金) セルビアで慶応義塾塾歌が演奏される?

 しばらくニュースが聞かれなかった旧ユーゴスラヴィア、それも山崎洋さんの住んでいるセルビアでかつて軍司令官だったラトコ・ムラディッチがついに身柄を拘束された。ボスニア・ヘルツェゴビナ内戦で多くのイスラム教徒を虐殺した罪では、すでに故ミロシェビッチ元大統領と軍の最高幹部だったカラジッチが訴追された。セルビアは現在EU加盟を申請しているが、その条件としてEUは国際戦犯法廷で起訴されているムラディッチ被告を大量虐殺犯として裁判にかけることを要求している。タディッチ・セルビア大統領にとっては、ムラディッチの首を差し出すことによって念願のEU加盟が実現し、ユーゴ内戦処理が前進するということなのだろう。
 つい最近もらった山崎さんの手紙によると、日本ではあまり馴染みのないセルビアだが、東日本大震災の義捐金はヨーロッパ諸国の中で1番多いというから意外だった。そのセルビアで活動しているバイオリニストの豊嶋めぐみさんは、作曲家・信時潔の曲が好きでセルビアでも信時の曲を演奏しているらしい。特に名曲「海ゆかば」がお気に入りのようで、ほかにも信時の曲を探していて「慶応義塾塾歌」が偶々信時の作曲であることを知り、山崎さんを通してCDと楽譜を探してほしいと依頼された。アマチュア・オーケストラでチェロを弾いているゼミの友人に探してもらっているが、何とか見つけて山崎さんを通して豊嶋さんに届け、神宮球場でも聞かれる名曲「慶応義塾塾歌」がベオグラード音楽堂で演奏されることを願うと同時に、その実現を期待したい。
 さて、22日に千秋楽を迎えた大相撲は夏場所ではなく、曰くつきの「技量審査場所」という厳しい名前が付いた場所だった。予想していた通り横綱白鵬の7連覇で終り、場所は八百長相撲監視の下に真剣に行われたようだが、テレビ中継もなく、盛り上がるようなことはなかったようだ。それでも、何とか15日間を終えて八百長問題を審議していた「特別調査委員会」が提出した最終報告を理事会が承認し、一応のメドがついたと考え、監督官庁の文科省に7月の名古屋場所開催を申し出るという。
 ところが、力士の間では場所が終って気持ちが弛んだか、どうもしゃきっとしない。横綱白鳳が禁止されているTシャツ姿で外出したとか、グルシア出身の黒海がレストランで食事中に器物を破壊したとか、相変わらずお行儀の悪さは直っていない。いくら規則やルールを整備したところで、相撲関係者が襟を正してそれを守ろうとの気持ちがなくては元の木阿弥である。今回の組織改正案だって、自分たちに甘い制度の下でぬくぬくと生きてきた親方や力士にとっては、不利とあらば猛烈に抵抗しようとする姿勢が垣間見える。結局いつも抜本的な改革とはならず、同じ過ちが繰り返される。
 当初は理事長以下幹部も根本的な改革を目指すとしていたが、厳しい処分が回りまわって自分たちに降りかかってくることを知ってからは、すっかりゆるふんになってしまった。こんな調子では、また何年後かに相撲協会は再び激しい嵐に見舞われることになるのではないだろうか。

2011年5月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1473.2011年5月26日(木) 日本全体を騙している東電という国策会社

 昨日開催され紛糾したペンクラブ総会について、新聞が記事を掲載するかと思いきや、朝日、日経には新ペンクラブ会長に浅田次郎氏が就任したとの小さな記事が載っていただけだった。毎日新聞が先月と今月に入って、国際ペン東京大会の不透明な会計処理について糾弾したため、昨日のもたついた総会について何らかのコメントがあると思い今朝の毎日を買ってみたところ、ここにも新会長人事しか掲載されていなかった。
 その会長人事だが、早くから噂は外部に流れていて、それが昨日の総会前の理事会で正式に決定された。しかし、昨日の総会では役員人事については、35名の新理事名簿表が配布された以外まったく話がなかった。従って新旧会長交代発表や浅田次郎・日本ペンクラブ新会長の就任スピーチもなく、それでいて総会後の記者会見で会長交代人事だけは発表している。知らぬは新理事を除く会員だけか。一体全体どうなっちゃってんだろう?
 さて、先日来上を下への大騒ぎだった大震災発生翌日に、福島第1原発の海水注水の55分間に亘る中断を巡って国会内外で当事者を呼び、与野党党首による見苦しい鞘当てのような議論の応酬があったが、今日東電が発表したところによると、何と馬鹿げた話だが、主題の注水の中断はなかったという。何? あの鉦や太鼓のカラ騒ぎは何だったのか。刺身のツマにされた斑目春樹・原子力安全委員長は苦笑しながら、中断していないとしたら私は一体何だったんでしょうねと呆れて記者に逆質問する有様である。どうしてこういう想像もしないような馬鹿な事態が起きるのだろうか。情報をきちんと伝えない東電、信憑性のない情報に振り回される政府と原子力安全委員会、原子力安全・保安院の事故対策は、本気で事態を収束させようという気持ちがあるのだろうか。しかし、彼らを信用出来ないとするなら、一体どこの誰を信頼すれば良いのだろうか。
 時恰も菅首相はG8に出席のため、フランスのドーヴィユ(Deauville)を訪れている。ホスト国フランスは全エネルギー源の8割を原発に頼っている。菅首相が原発に否定的な発言をしないようフランスは神経を尖らせている。今日もサルコジ大統領が手厚く菅首相をもてなし、会議冒頭に菅首相のスピーチを演出するほどのヨイショぶりである。フランスのみならず、各国のメディアも菅首相の発言と一挙手一投足を注目している。心配なのは今日明らかにされたような情報の隠蔽で、わが国の原発事故処理に対する信頼性が大きく損なわれる恐れがあるということではないだろうか。 パリの西北西約200㎞、英仏海峡に臨むドーヴィユは、名画「男と女」の舞台として知られる、ノルマンジー地方屈指のリゾートである。隣町オンフルール(Honfleur)とセットになったムードのある街で、私自身ツアーを企画し案内した「タウンクラブ」が10年前に訪れた時宿泊した高級ホテル「オテル・ノルマンジー」も、しっとりした街の雰囲気に合った木組みの建物で趣があり極めて印象的だった。あんな洒落た街で、G8の主題が危険な原発事故というのが何とも皮肉である。

2011年5月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com