すったもんだした菅内閣に対する不信任案は今日衆議院本会議場で採決され、反対293対賛成152の 大差で否決された。菅内閣と民主党にとってはほっとしたところだ。しかし、すんなりとこの投票行動になったわけではない。今朝になって民主党代議士会で菅 首相が震災復興や福島原発事故への一定のめどがついた段階で辞任する意向を表明した。これによって少し様子が変わった。
そもそもそういう経緯を辿ったのは、今朝菅首相が鳩山前首相との会議で鳩山氏が早い時期に辞任することを迫り、二人の間で条件付辞任を確約したことが起点にある。それが民主党内の造反派である不信任案「賛成」派を一気に「反対」表示に変えた。特に、小沢一郎派50名が自主投票とした結果ほぼ全員が「反対」票を投じた。更に、「賛成」と言われていた鳩山派が「反対」したことにより、勝負はつき意外な大差となった。
これで普通なら一件落着としてしこりを水へ流すのだが、今回ばかりは相互不信が噴出して反ってこじれそうだ。めどがついたら辞めるという言質に対してすぐ 辞めるべきと主張する自民党とアンチ菅グループに対して、民主党内からも露骨な突き上げがある。小沢氏は投票を欠席したが、鳩山氏の如きは菅首相との確約 について岡田幹事長の解釈が不満であるのか、岡田氏をウソつき呼ばわりするほどピントが狂っている。その挙句に人間はウソをついてはいけないとまで語って いる。冗談じゃない。議員を辞職するとの発言を舌の根も乾かない内に翻して自分自身がウソつきであることを実証しながら、その愚は棚に上げて相手を同じ言 い方で非難して、国会内に疑心暗鬼のムードを作ったのは、誰あろう鳩山氏自身ではなかったのか。
狐と狸の化かしあいの国会では、何をやっても真剣さと誠実さからかけ離れている。これから菅内閣はよれよれ状態のまま政界を浮遊していくのだろうか。もう好い加減にせいと言いたい。国会中継を観ていた被災者は、相当怒っていた。当たり前である。
さて、一昨日の本稿に書いた「近藤聰さん」から心待ちにしていた返事をいただいた。近藤さんは予想していた通り市川学園中学1年生時のクラスメート だった。彼も驚いている。彼はそのまま市川学園高校へ進んだが、3年生時のクラスの名簿まで送ってくれた。その中には3人ばかり私が知っている友人もい た。こんな奇遇もあるのかとその縁に驚いている。別れてから実に58年である。普通ならこれだけ疎遠だと知らないまま時が経つのだろうが、偶々同じクラスに近藤姓のクラスメートが4人もいてその名前をすべてはっきり覚えていたということと、生年が同じだということに何となく勘が働いたことが58年ぶりの再会というハップニングにつながった。
幸い近藤さんは海外でもワイン通として知られ本業のイラストレーターとしても成功し、素敵な人生を送っておられるようで、同じ日本旅行作家協会会員として嬉しく思っている。近い内にぜひ会いたいと言っておられるので、交流を深められることを楽しみにしている。