1474.2011年5月27日(金) セルビアで慶応義塾塾歌が演奏される?

 しばらくニュースが聞かれなかった旧ユーゴスラヴィア、それも山崎洋さんの住んでいるセルビアでかつて軍司令官だったラトコ・ムラディッチがついに身柄を拘束された。ボスニア・ヘルツェゴビナ内戦で多くのイスラム教徒を虐殺した罪では、すでに故ミロシェビッチ元大統領と軍の最高幹部だったカラジッチが訴追された。セルビアは現在EU加盟を申請しているが、その条件としてEUは国際戦犯法廷で起訴されているムラディッチ被告を大量虐殺犯として裁判にかけることを要求している。タディッチ・セルビア大統領にとっては、ムラディッチの首を差し出すことによって念願のEU加盟が実現し、ユーゴ内戦処理が前進するということなのだろう。
 つい最近もらった山崎さんの手紙によると、日本ではあまり馴染みのないセルビアだが、東日本大震災の義捐金はヨーロッパ諸国の中で1番多いというから意外だった。そのセルビアで活動しているバイオリニストの豊嶋めぐみさんは、作曲家・信時潔の曲が好きでセルビアでも信時の曲を演奏しているらしい。特に名曲「海ゆかば」がお気に入りのようで、ほかにも信時の曲を探していて「慶応義塾塾歌」が偶々信時の作曲であることを知り、山崎さんを通してCDと楽譜を探してほしいと依頼された。アマチュア・オーケストラでチェロを弾いているゼミの友人に探してもらっているが、何とか見つけて山崎さんを通して豊嶋さんに届け、神宮球場でも聞かれる名曲「慶応義塾塾歌」がベオグラード音楽堂で演奏されることを願うと同時に、その実現を期待したい。
 さて、22日に千秋楽を迎えた大相撲は夏場所ではなく、曰くつきの「技量審査場所」という厳しい名前が付いた場所だった。予想していた通り横綱白鵬の7連覇で終り、場所は八百長相撲監視の下に真剣に行われたようだが、テレビ中継もなく、盛り上がるようなことはなかったようだ。それでも、何とか15日間を終えて八百長問題を審議していた「特別調査委員会」が提出した最終報告を理事会が承認し、一応のメドがついたと考え、監督官庁の文科省に7月の名古屋場所開催を申し出るという。
 ところが、力士の間では場所が終って気持ちが弛んだか、どうもしゃきっとしない。横綱白鳳が禁止されているTシャツ姿で外出したとか、グルシア出身の黒海がレストランで食事中に器物を破壊したとか、相変わらずお行儀の悪さは直っていない。いくら規則やルールを整備したところで、相撲関係者が襟を正してそれを守ろうとの気持ちがなくては元の木阿弥である。今回の組織改正案だって、自分たちに甘い制度の下でぬくぬくと生きてきた親方や力士にとっては、不利とあらば猛烈に抵抗しようとする姿勢が垣間見える。結局いつも抜本的な改革とはならず、同じ過ちが繰り返される。
 当初は理事長以下幹部も根本的な改革を目指すとしていたが、厳しい処分が回りまわって自分たちに降りかかってくることを知ってからは、すっかりゆるふんになってしまった。こんな調子では、また何年後かに相撲協会は再び激しい嵐に見舞われることになるのではないだろうか。

2011年5月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com