1530.2011年7月24日(日) アナログテレビ、「地上デジタル」へ移行

 一昨日ノルウェイのオスロ郊外ウトヤ島で残虐な大量殺人事件があったばかりだが、中国では昨夜高速鉄道の追突に より車両が脱線し、4両の車両が高架橋から落下して多数の死者を出す事故が発生した。中国の高速鉄道の製造とレール敷設工事は急ピッチで進められ、それが 全体計画に無理な皺寄せを生じさせて今回の事故につながったのではないかと推測されている。
 とにかく中国は高速鉄道建設のスピードが速い。2005年に工事を始めてその2年後には早くも上海・杭州間で開業した。2010年には営業㌔は7500㎞を超え、2020年にはその距離を更に16000㎞にまで延ばす壮大な計画を持っている。建設計画ばかりではなく、先日はアメリカほかで高速鉄道建設の特許申請をしたとされ、それが日本の新幹線技術のパクリではないかと日本国内、とりわけ開発したJR東海などは神経を尖らせている。つい最近では中国に日本の新幹線用のアニメーションに似せた偽物アニメまで現われる始末で、中国の特許侵害疑念とスピード志向はモラルと安全の両面で疑問を持たれていた矢先である。それが、やはり安全面の懸念が現実となった。
  中国には政策実行を急ぐあまり安全面への配慮をなおざりにしないよう願いたい。また、これまでの高速鉄道開発の経緯と完成した車両は誰が見ても日本の特許 を侵害しているのは明らかで、今や世界の大国となった中国が、自己主張を曲げず自己中心的で他から諫言を聞き入れようともしない傲慢な態度はそろそろ考え 直すべき時に来ているのではないだろうか。 
 さて、長い間テレビ局が「地デジへの移行」PRに努めてきたが、今日正午を期して、アナログ放送 は終了し、すべてデジタル放送化された。「地デジ」などという下品な言葉を恥も外聞もなく平然と使っているテレビ局は、地上デジタル放送が何のために行わ れ、視聴者にとってどんなメリットがあるのか、これまでほとんど視聴者に説明して来なかった。これは視聴者に対して無責任、かつ不親切であり、もっと広く 啓蒙すべきではないかと思う。

 今、問題になっている原子力の場合でも、原発開発と推進のプラス面ばかり強調され、そのうえ肝心な原子力に関す る知識については、一般国民に知らせようとして来なかった。それが今後のエネルギー政策を国論として検討を進めようという今、すぐ議論を起こせない原因と なっている。東電もテレビ局も根っ子は同じ体質なのかも知れない。
  今まで何ゆえに過大な費用をかけて、現段階で使用可能な機器を無駄にしてまでも「地デジ化」する必要があるのかという議論を聞いたことがない。電力にし ろ、テレビ放送にしろ、国が関わる事業には必ず情報未公開と情報隠蔽がある。これからは国が関係する事業や政策が実行、または変更される時には、国民が注 視できるようマス・メディアがもっと情報を流すことが必要である。
 今朝の朝日新聞によれば、「地デジ化」のために総務省が直接投資した費用は2000億円、NHKや民放が各種機材に投資した経費は1兆5000億円に達しているそうである。そのうえ視聴者は旧来のテレビを無駄にさせられ、新規テレビの購入やチューナーの購入に「二重」払いした。
  メリットは高画質が得られたこと、地デジ移行で空く電波の跡地に携帯電話用の周波数帯を広げて携帯利用者の増加で混雑している問題を解消することを狙って いるという。だが、この辺りの説明が不十分ではないだろうか。説明不足で無駄な金を払わされているという釈然としない印象である。
 国は今国民に対して、責任を果たさないことが多過ぎるような気がする。

2011年7月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1529.2011年7月23日(土) 今日はオペラ「トスカ」のさわりを楽しむ。

 昨夕のタンゴに続いて今日午後はオペラ入門編である。自宅近くの「めぐろパーシモンホール」へオペラ入門シリーズを鑑賞に妻と出かけた。2005年 から毎年3回オペラ入門シリーズと称して、世界的にも名高いオペラをアリアに解説を交えてさわりを分り易く紹介してくれる企画が、目黒区芸術文化振興財団 主催、二期会制作協力の下に行われている。これまでに「カルメン」「椿姫」「蝶々夫人」「リゴレット」「フィガロの結婚」「トゥランドット」等の有名オペ ラが紹介され、かなりの人気があるようだ。実際今日も200席の小ホールは満員だった。今日のオペラはプッチーニの「トスカ」だったが、松本宰二・プロデューサーの分り易い解説と素晴らしいアリアに大満足だった。
 特にトスカ役のソプラノ・嘉目真木子とカヴァラドッシ役のテノール・山田精一の声量ある歌声に圧倒された。第3幕で山田が歌ったアリア「星は光りぬ」は、「トスカ」の見せ場だけに迫力もあり、感動的ですらあった。オペラの面白さを大いに満喫した。
 これまでに、本場のオペラはパリ・オペラ座の「魔笛」、ニューヨーク・メトロポリタン劇場の「サロメ」、ベローナ野外劇場の「アイーダ」を観る機会があったが、機会があればダイジェストの「トスカ」ではなく、完全版「トスカ」をスカラ座辺りで観賞してみたいものである。
 昨日ノルウェイの首都オスロ市内官庁街でテロ爆破により、政府系ビルが破壊され7名もの死者が出た。その僅か2時間後にオスロ郊外の小さな島、ウトヤ島で1人の男が銃を乱射して84名が亡くなった。政治的にも安定し、ノーベル平和賞授与国であり、一人当たりの国民総所得が世界4位のノルウェイはこれまで治安上問題になるようなことはなかった。それが、同国民によれば第二次世界大戦以来の惨劇であり悪夢だそうだ。
  今までテロと言えば、左翼系とかイスラム系によるものと思われがちだったが、今度のテロはどうも右翼系ノルウェイ人らしい。ひとつ気にかかったことがあ る。事件後インタビューを受けたノルウェイ人が外見からすると、ほとんど黒人系、或いはアラブ系の国民に見えたことである。実は2009年ノルウェイでは移民の受け入れ規制を訴えた右翼が躍進した。今では国民の1割が移民で、この移民受け入れを推進してきた政府が右翼に狙われたようだ。詳しい原因は犯人らしきノルウェイ人が1人逮捕されたので、いずれはっきりするだろうが、フィヨルド観光などで良いイメージのノルウェイにとっては、唾棄すべき忌まわしい事件である。
 今日名古屋場所14日目で横綱白鵬を倒した大関日馬富士が優勝を決めた。白鵬の前人未到の8連覇は成らなかった。同じモンゴル人同士であっても、そろそろ白鵬以外の優勝者が現れても良い頃ではないかと思っている。

2011年7月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1528.2011年7月22日(金) タンゴとディナーを楽しむ。

 慶応のタンゴ・バンド、KBRタンゴ・アンサンブルの東 日本大震災チャリティーコンサートが、神田の如水会館で開かれるから良かったら参加をとのご案内を、先日ゼミの利光國夫先輩の奥様からいただき、妻を伴っ て出かけた。ほかにタンゴに精通している島田さんご夫妻、音楽全般に詳しい須藤さんご夫妻のゼミ仲間に、島田さんの友人、野上さんご夫妻の10人で1テーブルを囲むフルコースのディナーショーである。
 案内状によるとフランキー堺もこのタンゴ・バンドの出身だそうで、中々名門バンドのようである。今も大学公認のバンドとして全国各地で公演しているらしい。 
 今日紹介された演奏メンバーは、医師あり、企業戦士あり、元航空会社員あり、農家ありで多士済々の優秀なバンド マンで、多忙な中で一芸に生きがいを見つけている人たちである。素人がこう言っては失礼だが、各地から参集し急ごしらえで編成したせいであろうか、?と感 じられるところもあった。しかし、テレビにも出たことがある実力派バンドだけに、総じて素晴らしい演奏を披露してくれた。
 普段タンゴを生で聴く機会はほとんどないが、それでも「カミニート」「ベサメムーチョ」「ジーラジーラ」「ラ・ クンパルシータ」「ジェラシー」などタンゴの名曲はよく知っているので、聴いていて楽しかった。ボーカリストの思わせぶりたっぷりのソロなんか中々見事な もので反ってその気障っぽいジェスチャーが一部で穿った見方をされ「慶応ボーイ」と言われる由縁かも知れない。紹介によれば、航空会社を辞めて山梨県忍野 村で百姓をやっているとのことだが、多分元日本航空社員ではないかと思っている。個人的に知る限りでも同社には、芸達者の社員が多かった。かつて親しかっ たJALセールスマンの安井賢さんも、奥さんともども今では大阪のFM放送で演奏しているほど趣味を活かし、充実した第2の人生を送っている。とかく娯楽的な趣味に熱中すると若いころにはプレイボーイと思われがちだったが、年齢を重ねるに従ってそれが一芸となり、それに秀でていると人生を豊かにするようだ。
 ディナーも東京會舘のフルコースにフリードリンクが付き、全員でタンゴをエンジョイし食事もエンジョイした一日だった。

2011年7月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1527.2011年7月21日(木) 民主党がマニフェストを見直し

 民主党の岡田克也幹事長が、一昨年の総選挙に際して国民に約束したマニフェストを見直すと述べると同時に、国民 にお詫びするとも述べた。4年間の衆議院議員任期の半分も経過しない内にこのていたらくである。やはり無理が祟り無責任だと思うと同時に、第2次補正予算 法案通過を念頭に置いた政局がらみの後退劇で、野党のペースに巻き込まれたと感じた。
  しかし、野党時代に良いこと尽くめで大盤振る舞いのマニフェストを作成し、そのお陰で自民党から政権を奪ったとするならマニフェストを見直し、変更するこ とは国民を欺くに等しい。これでは政権の座を潔く去るべきであると思う。結局足が地に着いていないから、政策実行もままならず難局を乗り切れない。最大の ネックになったのは、子ども手当てである。確かに子育て世代にとっては、大いに助けられたと感じるだろうが、他の支出とのバランスを考えるとやはり厳しい 政策実行だったのではないだろうか。だが、だからと言って予算が足りないので政策実行をトーンダウンさせるという手法は、政権政党として取るべき態度では ない。
  それにしてもこの民主党政権というのは、確たる哲学も信念もなく時代の流れと政権交代の熱狂的な世論によって支えられた一時的なフィーバーで実現したに過 ぎないのではないか。現在の民主党政権を見ているとトップのリーダーシップが欠けている。トップに理念と哲学がないから、いつもふらふらしている。こんな 調子で国民を導いていけると思っているのだろうか。
  さて、ワールドカップ優勝以来日本中が「なでしこジャパン」ブームに沸いている。経済効果も相当あるという。選手たちも挨拶回りから、練習へと休む間もな く動いている。その中で監督と一部選手が東京都庁へ優勝報告の挨拶に訪れ、石原慎太郎知事が激励とお礼を述べ、これだけ日本中に力と勇気を与えた優勝メン バーに銀座パレードさせて優勝に応えてあげるくらいのことを考えても良いのではないかと持ち上げた。パレードはどこまで本心か分らないが、選手たちに労い のかけてそう語った。その直後に「報道ステーション」の古館伊知郎キャスターが、そんなことより選手たちに被災地を訪ねてもらって被災者を元気づける方が 大切だと話したが、一概にそうとも言えない。果たしてそうだろうかと疑問も感じた。
  その判断の是非については何とも言えないが、石原知事の発言の真意は予想外の活躍で世界一の座につき、国民、特に被災者に勇気を与えてくれた選手たちを褒 め称え、活躍に応えてご褒美をあげようということで、被災地への表敬的な凱旋をしてもらうという意図ではない。もし古館キャスターの言うように選手たちに 被災地へ激励に行かせるとしたら、選手たちには反って心理的な負担を強いるばかりではないかと思う。
 銀座のパレードが行われることはないようだが、どうも感情論ばかりが先走って核心を突いた議論になっていないような気がするが、どうだろうか。

2011年7月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1526.2011年7月20日(水) 恐い!残留放射線は消えないのでは?

 アメリカがこっそり臨界前核実験を行っていたことが明らかになった。アメリカは包括的核実験禁止条約(CTBT)に違反していないと言っているが、オバマ大統領が唱える「核なき世界」構想に反すると非難の声が挙がっている。
  今日駒沢大の清田昭義講師の講座で、「隠された被爆」というビデオを見せてもらった。放射線の残留被曝の苦しみを取り扱ったものである。そこには広島と長 崎で、原爆投下後まもなく爆心地近くまで立ち入り、その後原爆症状を示す残留被爆と見られる状態であったにも拘らず、公式に中々認めてもらえず、長い裁判 の末漸く原爆症患者として国の認定を受けた。だが、国は本音としてはそれを認定したのではなく、高齢者救済が目的と問題をすりかえる対応を取り、認定判断 に対して改めて控訴する有様である。その根拠にはわが国がアメリカの核の傘の下にあると考え、日本政府がアメリカと同様に核隠蔽を庇う体質があるからであ る。
 一方アメリカ連邦政府は核爆発には放射能は残留しないとの見解に固執している。それが日本政府の考えに影響を及ぼし、広島と長崎の残留被曝を認めようとしない偏屈なスタンスを取らせている。
 しかし、アメリカ政府の見解がいかに好い加減なものであるかという点について日本政府は追及し、真実を究明しようとの姿勢は見られない。アメリカは原爆投下1ヶ月前の1945年7月に核実験を行い、すでに死の灰の危険を承知していた。それでも長い間に亘ってネヴァダ州で核実験を何度も行った。連邦政府が残留放射線を強く否定し、それも爆発後90秒後にはまったく影響がなくなるとして、実験現場周辺では爆発時には塹壕に身を隠した兵士が、その90秒後に一斉に外へ出て、今で言う放射能を浴びた。多数の被爆者を出したのである。約50万人の兵士が核爆発実験に立会い、核実験以来時間も経過した点を割り引いても、その内現在までに30万人もの兵士が癌や白血病で亡くなっているという。当時の兵士が国に騙されたとして、連邦政府を訴えている。
  今日清田講師がビデオ・レポートに触れつつ話された論点は、最近肉牛から検出されたセシウムだけに留まらず、一般に事態を深刻に捉えようとしない、また過 小評価しようとする風潮に警鐘を鳴らすものだった。ある権威筋の「安全」の言葉だけで、検証もせず、本当に大丈夫なのか。真実とか彼らにとって都合の悪い ことは隠してわれわれ国民は騙されているのではないか。どうも国民は原子力村と経産省が造り上げるペースに乗せられて、安易に彼らの言い分を鵜呑みにさせ られていやしないだろうか。
 今日大相撲の大関魁皇が引退記者会見を行った。23年間の土俵人生だったが、土俵を去る悲しさより思い切り相撲を取ったという誇らしい満足感を述べていた。後悔はまったくないという。潔いと思う。だが、これで横綱と大関の4人はすべて外国人となった。日本の国技としては少々寂しい気がする。

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1525.2011年7月19日(火) 中国は世界最大の世襲国家となるか?

 中国は来秋の共産党大会で指導体制が代わると見られている。すでに諸外国への売り込みを始めている習近平・国家 副主席が、胡錦濤・国家主席に取って代わることはほぼ確実である。近年軍事力の急速な拡大とともに、その存在感を強めている軍部も、トップが外交の場へ出 てくることが多くなった。
  中国が時の経過とともに代替わりするのは当然であるが、それが世襲制度を益々強めて「太子党」と称される元の共産党幹部の子弟が各分野で頭角を表し、彼ら が国を支配するのは民主化に逆行するのではないかと心配である。元々共産国家に世襲自体馴染まない。現在の中国は中国国民による選挙によって代表者を選ぶ という民主主義の原則を踏まず、共産党の一党独裁の下に、密室の中で支配者を決めているが、これではとても民主的とは言えまい。アメリカ政府を始めEU諸国が、体制批判や民主化運動に対する人権弾圧に非難でもすれば、直ちに内政干渉と抗議して一切受け付けず、一言でも体制批判的な発言でもしようものなら言論封殺によって押さえ込む強権的な体質は、中国を恐怖国家と看做す風評を流布することにならないか。
  「選択」7月号によれば、最近の中国指導層に昇格する幹部の中には、悪名高い文化大革命に関わった党幹部の子弟がごまんといるらしい。彼らはかつての天安 門事件、ソ連や東欧の崩壊という体制危機を目撃して、民主化や政治改革を敵視する紅衛兵思想が強い。その太子党の中に、何と劉少奇・元国家主席の息子や、 毛沢東の孫まで含まれているというから驚いた。その他にも中国建国の元勲の子弟が綺羅星の如くいるというのだから、この国の人材育成、人間教育では世襲し か信じられない独裁者の性や心情を育む秘密が隠されているのではないか。こういう太子党が軍の中枢に抜擢され、軍事予算は年々増大し、軍部が力を強めてい く。それが南シナ海への進出につながっているとすれば恐ろしいことである。
  今や中国は、そのスケールにおいて北朝鮮やアラブ諸国の世襲国家を圧倒して、世界最大の世襲国家への道を進んでいるというのが「選択」の結論である。他国 のことではあるが、何を仕出かすか分らないお隣の大国・中国をこのままにして、いずれお出ましになるであろう北朝鮮の将軍様のような、毛沢東そっくりな中 国将軍様に引っ掻き回されるようになっては、いつも割りを食っている大人しい日本人としてはたまらない。
  さて、今朝世界一の座へ上り詰めた女子サッカー「なでしこジャパン」チームが凱旋帰国した。選手が全員揃って「チームワーク」「絆」「仲間」を勝因として 認めているのが爽やかである。それにしても女子選手のブレザーは何とかならないだろうか。黒一色でまるで喪服のようである。もう少し女性らしい明るく、若 やいだものに出来なかったのだろうか。近年稀に見るほど地味で、「ダサイ」ブレザーだと思う。この黒づくめのブレザーでは、世界一の栄冠を獲得した若い女 子選手たちにとって少々気の毒な気がした。

2011年7月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1524.2011年7月18日(月) 女子サッカー「なでしこジャパン」世界の王座へ

 今日は国民の祝日「海の日」である。平成7年に祝日制定された時は7月20日だったが、平成13年の祝日法の改正によって平成15年から7月第3月曜日に変更になった。
 2005年に福島県職員研修の講師を務めるため、その前々日、17日 に相馬市の鈴木進一さんのお宅に泊めてもらい、その翌日の「海の日」に松島と瑞巌寺を鈴木さんご夫妻に案内してもらってから福島市内のホテルまで送っても らったことがあった。勇ましい大漁旗を掲げた幾艘もの漁船の間を縫うようにして松島湾を観光船で巡ったことが懐かしい。その鈴木さんご家族も東日本大震災 ではどうやら無事だったと聞いて安堵している。
  今日は日本中が明け方行われた女子ワールドカップ決勝戦で、日本チーム「なでしこジャパン」の堂々の優勝に酔いしれた嬉しい一日だった。テレビでは朝から 晩まで一日中、「なでしこジャパン」得点シーンを繰り返し放映していた。まあこんなに鮮やかな勝ちっぷりは何度観ても飽きることはない。戦前の下馬評は悪 かったが、その予想を覆して勝った決勝トーナメントの2試合、準々決勝対ドイツ戦、準決勝対スウェーデン戦以上に厳しい戦いが予想されていたが、わが「な でしこジャパン」は、最大の強敵・アメリカに対して臆することなく延長戦で2-2の末PK戦を制して撃破した。女子サッカー世界チャンピョンの座に君臨したのである。「なでしこジャパン」はおろか、日本のサッカー界にとっても初めての栄誉であり最高の勲章である。
  日本中を力づけた今回の勝利は、「弱敵として侮らず、強敵として恐れず」をモットーに大敵アメリカに対して、一歩も退かず身体を張って食い下がりひたすら チャンスを待っていたところに勝因があると思う。ほとんどの日本人はまさかアメリカを破るとは想像していなかっただろう。実際川淵三郎・日本サッカー協会 名誉会長ですら、まず勝てるとは思っていなかったと正直に漏らしていた。
  このチームには、チームワーク、指導者、キープレイヤー、選手ひとりひとりの傑出した能力、ハート等々チームが勝つための諸々の条件が備わっていた。特に 感心したのは、勝負を諦めない執着心である。個人的には、澤穂希選手のキャプテンシーと得点能力が素晴らしい。澤選手は今大会のMVPと得点王も獲得した。強敵アメリカに2度までも試合をリードされ、普通ならこれまでと諦めるところだが、その都度同点に追いつき決着をPK戦へ持ち込むという試合運びで強敵を降した。
  今日の勝利は日本国内のみならず、世界中から賞賛されている。フランクフルトのスタジアムは4万9千人の観客を呼び込んだが、地元ドイツに勝った日本に対 する声援も多かった。少しずつ女子サッカーも定着しつつある。これを機会に日本でも、女子サッカーが普及することを願っている。
 大震災など嫌な事件が頻発し、政治のアホらしさにもうんざりしている最中に、久しぶりにスカッとする快挙である。

2011年7月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1523.2011年7月17日(日) 日本の煮え切らない外交政策

 しばらく動きが伝えられなかったリビア情勢だが、じわじわとカダフィ政権へ圧力が強まっている。すでに、欧米主要国は反体制派の国民評議会(TNC)を唯一の正当な統治組織として承認している。中でもアメリカ政府は、カダフィ政権との関係を断絶したうえで、TNCをリビアの正当政府として承認した。
 今朝の朝日によると、TNC代表で暫定政府首相のマハ ム・ジブリル氏は日本がカダフィ政権との関係を維持している点について、関係を解消するよう求めている。日本がカダフィ政権との関係を切れないのは、紛争 解決後のリビアにおける天然資源の権益に色目を使っているからである。だが、いかに時間がかかろうとも大勢としては、カダフィ政権崩壊がひとつの流れだろ う。ここは、早く同政権にきっぱり引導を言い渡した方が、長い目で見てわが国にとっても有利になるのではないかと考えている。
 日本の外交はいつも結論を出すのが遅れ勝ちであるが、そのうえ煮え切らない政策対応で相手国の信用を失っている ような気がする。今朝もテレビで河野洋平・前衆議院議長が日本のダブル・スタンダードが問題だと指摘していた。かつてのアメリカ牛肉の汚染が問題になった 時、日本は輸入牛は全頭検査をすべきと主張し、アメリカ政府ともめた。今回の福島県の肉牛から規定値以上のセシウムが検出されたが、これは全頭検査が難し いことを表していると言い、日本政府は自国内で出来ないことを外国に対して要求していると、日本の外交上の対応とダブル・スタンダードを問題視していた。
 とにかく、外交政策というのは、自国のためばかりでなく他の国に対しても迷惑を及ぼすこともあるので、決定すべき時にはずばっと決める素早い決断、外交理念と外交スタンスが必要ではないかと思う。
 それにしてもカダフィ大佐もしぶとい。あまりにも内戦状態が長く続くので、EUと一緒になって空爆に協力しているイギリスでは、戦費支出も問題視されて厭戦気分が漲ってきたという。

2011年7月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1522.2011年7月16日(土) 原発関連ニュースで良いことはひとつもない。

 菅首相が記者会見での自らの脱原発発言に対して、昨日衆議院予算委員会で弁明のような発言をした。つまり前日述 べたばかりの「脱原発依存社会を目指すべき」との真っ当な発言は政府の統一見解ではなく、個人的な願いだと言い訳がましく首相自身によって修正される有様 である。そこへ今度は高木義明・文部科学大臣の、高速増殖原型炉「もんじゅ」の開発中止を含めて検討するとの発言が槍玉に上がり、大臣はこんな発言はして いないと否定した。言った言わないと、どうしてこうも神経質に取り扱わなければならない問題の、一番気になる点を深く考えることもなく、軽々しく口を滑ら せるのだろうか。これは口が軽いなんて問題ではなく、自ら然るべき責任ある職には自分は不適任だと言っているようなものだ。
 やらせメールによるお騒がせ事件を起した九州電力でも、真部利応社長が14日に続投と居直ったが、これだけ世間を騒がせた責任を執るべきだと海江田経産相から詰め寄られ、辞任の覚悟を決めたようだ。この国策会社も無責任体質丸出しで、世論に対してKY的だった。どいつもこいつもてんで話にならない。
 さて、昨日ラグビー部の後輩、矢田健一さんから藤田祐幸氏が長崎で行った講演の動画「You tube」 を観るようにと親切に教えてくれた。先月ペンクラブ環境委員会のセミナーで配布された、電力供給量は需要を超えている(原発なしでも電気消費量を賄える) との資料を作成された人である。慶大理工学部助教授だったとは知らなかった。1時間半の長きに亘って図を示しながら淡々と原子力の恐さを説明される。震災 2週間後の講演だが、すでに4年前に浜岡原発、東海原発の危険と放射能汚染を心配して神奈川県三浦市から福島から一番遠い長崎県西海市へ自宅を移して、そ こを拠点に全国各地で脱原発の講演活動を行っている。チェルノブイリへも行かれ、惨状を目撃して、心の底から脱原発を訴えておられる。「スリーマイル、 チェルノブイリの悲劇から学ばなかったのは『愚』、福島の悲劇を繰り返すのは『大愚』である」とか、「終わりでなく、新時代の始まりの始まり」とか、その 感性溢れる適切な言葉には感嘆する。「昨日のように今日があり、今日のように明日がある」と表現して何気ない連続性が幸せの原点と講演を結んだ、スマート な言葉の使い方は中々のもので、分り易いトークに好感が持てた。
 ここへきて新たな原発関係の嫌なニュースが発生している。その最たるものが、肉牛の餌である稲藁から国の暫定基 準を超える放射性セシウムが検出されたことと、畜産農家が出荷した牛の肉から同じく放射性セシウムが検出されたことである。出荷された牛の肉が広範囲です でに販売されているのだ。これでこの周辺の牛肉を買おうとする消費者は当分の間いなくなるだろう。畜産農家はみんな泣いている。気の毒でたまらない。今後 影響が拡大していったら、事態はどうなるのだろうか。
 今日福井県大飯原発で1号機が手動により停止された。手動停止は滅多にないことで危機一髪の事態が想定されたのではないだろうか。ぞっとする。冷却系統に不具合が生じたようだ。日本の原発は一体どうなっているのだろう。

2011年7月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1521.2011年7月15日(金) 日本ペンクラブが揺れている。

 昨日の記者会見で菅直人内閣総理大臣が公式に語った脱原発依存という発言は、今日の閣議で閣僚たちから「聞いて いない」の強い突き上げにより、改めて発言は国としてのエネルギー政策ではなく、自ら個人的な願望であると後退発言するに至った。未熟と言うべきかお粗末 と言おうか、総理大臣としての権威はおろか、見識や信念がまったく感じられない。総理大臣が公と私の区別が分らず、思考力低下のまま国家のトップとして君 臨しているのだから、この先が心配である。とにかくがっかりである。我々はこんなにレベルの低い総理大臣を戴いていたのかと思うと、どうしてこうなったん だろうと深く反省しなければならない。それにしても言動において軽率な総理を擁しながら、支えるべき取り巻きの無知無能には呆れ果てて言うべき言葉もな い。
  昨日日本旅行作家協会例会を体調不調で欠席したが、今日は浅田次郎氏が新会長に就任して最初の日本ペンクラブ例会懇親会に出席した。まだ、国際ペン東京大 会の決算のケリがついていないので、その影響もあってかどうも雰囲気がおかしい。前会長の阿刀田高氏も、批判の矢面に立たされている常務理事の吉岡忍氏も 欠席である。いずれ近日明瞭な結論が報告されるだろう。国際ペン専務理事に選任された堀武昭さんに、選出後ロンドン本部に行ったのかどうか聞いてみたら、 国際ペンの決算がはっきりしないから行くわけにいかないとの話だった。選出されてからすでに10ヶ 月も経過しているのに、これではペン国際本部も困るのではないだろうか。本年9月開催の国際ペン・セルビア大会に参加を誘われたが、まだ先の予定が立てら れず即答しなかった。ただ、日本代表団の通訳を山崎洋さんに依頼したのか確認したところ、まだ頼んでおらず、あ~そうだったとの感覚だった。セルビア語通 訳としては私情を抜きにしても山崎さん以上の優秀な通訳はいないと思う。堀さんは浅田次郎会長が9月に行かれるので、前以て浅田会長に話をしておいてほし いと言うので、取り急ぎ浅田会長に、山崎さんの人柄と高度なセルビア語通訳としての能力を簡単に説明し、セルビア語通訳を山崎さんにお願いすべきであると 推薦し頭に入れていただいた。
 今年の国際ペン大会がセルビアで開催と決まった時点で、通訳は山崎さんにお願いすべきなのに、なぜかもたもたしている。これも国際ペン大会の経理不透明事件の後遺症だろうか。
 小中陽太郎さんに尋ねると、今年の国際ペン大会ではすでに英語の通訳が決まっていると聞いたが、せっかくセルビア語の優秀な通訳がいるのになぜお願いしないのか。どうもペンの判断も理解し難いし、ペンの動きもぴりっとしない。
 例会後いつも通り有楽町の大衆酒場「金陵」で、小中陽太郎さん、須藤甚一郎さん、瀧澤篤朗さん・陽子さん夫妻、新会員の高橋克典さんと一杯傾ける。9時丁度店内がぐらぐらっと揺れた。M5.4、震度4だという。日本ペンクラブの現在の姿を感じさせた。危ないので店を出て、いつもなら地下鉄で帰るところだが、小中さん、須藤さんとタクシーで帰る。

2011年7月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com