アメリカがこっそり臨界前核実験を行っていたことが明らかになった。アメリカは包括的核実験禁止条約(CTBT)に違反していないと言っているが、オバマ大統領が唱える「核なき世界」構想に反すると非難の声が挙がっている。
今日駒沢大の清田昭義講師の講座で、「隠された被爆」というビデオを見せてもらった。放射線の残留被曝の苦しみを取り扱ったものである。そこには広島と長 崎で、原爆投下後まもなく爆心地近くまで立ち入り、その後原爆症状を示す残留被爆と見られる状態であったにも拘らず、公式に中々認めてもらえず、長い裁判 の末漸く原爆症患者として国の認定を受けた。だが、国は本音としてはそれを認定したのではなく、高齢者救済が目的と問題をすりかえる対応を取り、認定判断 に対して改めて控訴する有様である。その根拠にはわが国がアメリカの核の傘の下にあると考え、日本政府がアメリカと同様に核隠蔽を庇う体質があるからであ る。
一方アメリカ連邦政府は核爆発には放射能は残留しないとの見解に固執している。それが日本政府の考えに影響を及ぼし、広島と長崎の残留被曝を認めようとしない偏屈なスタンスを取らせている。
しかし、アメリカ政府の見解がいかに好い加減なものであるかという点について日本政府は追及し、真実を究明しようとの姿勢は見られない。アメリカは原爆投下1ヶ月前の1945年7月に核実験を行い、すでに死の灰の危険を承知していた。それでも長い間に亘ってネヴァダ州で核実験を何度も行った。連邦政府が残留放射線を強く否定し、それも爆発後90秒後にはまったく影響がなくなるとして、実験現場周辺では爆発時には塹壕に身を隠した兵士が、その90秒後に一斉に外へ出て、今で言う放射能を浴びた。多数の被爆者を出したのである。約50万人の兵士が核爆発実験に立会い、核実験以来時間も経過した点を割り引いても、その内現在までに30万人もの兵士が癌や白血病で亡くなっているという。当時の兵士が国に騙されたとして、連邦政府を訴えている。
今日清田講師がビデオ・レポートに触れつつ話された論点は、最近肉牛から検出されたセシウムだけに留まらず、一般に事態を深刻に捉えようとしない、また過 小評価しようとする風潮に警鐘を鳴らすものだった。ある権威筋の「安全」の言葉だけで、検証もせず、本当に大丈夫なのか。真実とか彼らにとって都合の悪い ことは隠してわれわれ国民は騙されているのではないか。どうも国民は原子力村と経産省が造り上げるペースに乗せられて、安易に彼らの言い分を鵜呑みにさせ られていやしないだろうか。
今日大相撲の大関魁皇が引退記者会見を行った。23年間の土俵人生だったが、土俵を去る悲しさより思い切り相撲を取ったという誇らしい満足感を述べていた。後悔はまったくないという。潔いと思う。だが、これで横綱と大関の4人はすべて外国人となった。日本の国技としては少々寂しい気がする。