1523.2011年7月17日(日) 日本の煮え切らない外交政策

 しばらく動きが伝えられなかったリビア情勢だが、じわじわとカダフィ政権へ圧力が強まっている。すでに、欧米主要国は反体制派の国民評議会(TNC)を唯一の正当な統治組織として承認している。中でもアメリカ政府は、カダフィ政権との関係を断絶したうえで、TNCをリビアの正当政府として承認した。
 今朝の朝日によると、TNC代表で暫定政府首相のマハ ム・ジブリル氏は日本がカダフィ政権との関係を維持している点について、関係を解消するよう求めている。日本がカダフィ政権との関係を切れないのは、紛争 解決後のリビアにおける天然資源の権益に色目を使っているからである。だが、いかに時間がかかろうとも大勢としては、カダフィ政権崩壊がひとつの流れだろ う。ここは、早く同政権にきっぱり引導を言い渡した方が、長い目で見てわが国にとっても有利になるのではないかと考えている。
 日本の外交はいつも結論を出すのが遅れ勝ちであるが、そのうえ煮え切らない政策対応で相手国の信用を失っている ような気がする。今朝もテレビで河野洋平・前衆議院議長が日本のダブル・スタンダードが問題だと指摘していた。かつてのアメリカ牛肉の汚染が問題になった 時、日本は輸入牛は全頭検査をすべきと主張し、アメリカ政府ともめた。今回の福島県の肉牛から規定値以上のセシウムが検出されたが、これは全頭検査が難し いことを表していると言い、日本政府は自国内で出来ないことを外国に対して要求していると、日本の外交上の対応とダブル・スタンダードを問題視していた。
 とにかく、外交政策というのは、自国のためばかりでなく他の国に対しても迷惑を及ぼすこともあるので、決定すべき時にはずばっと決める素早い決断、外交理念と外交スタンスが必要ではないかと思う。
 それにしてもカダフィ大佐もしぶとい。あまりにも内戦状態が長く続くので、EUと一緒になって空爆に協力しているイギリスでは、戦費支出も問題視されて厭戦気分が漲ってきたという。

2011年7月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com