1277.2010年11月11日(木) 海上保安官のビデオ流出行為をどう考えるか。

 尖閣諸島沖の中国漁船衝突をめぐるビデオ流出事件で、流出させたと名乗り出た海上保安官は、警視庁と東京地検の事情聴取に対して動画サイト‘You Tube’へ投稿したことを認めた。この行為自体は決して許されることではないが、世論は意外に冷静でよくぞやってくれたと賛同する声もある。この海上保安官は国家公務員法により職務上知ることの出来た秘密を守る守秘義務違反に問われる可能性がある。しかし、ビデオ自体が国家の機密であるかどうかの議論もあり、ある識者は国民が知るべき事実で、秘密にはあたらないとの見解を述べている。

 作家佐野真一氏も中国人船長を釈放する一方で、ビデオを流出させた海上保安官を逮捕するのは妥当とは思えないとも言っている。

 本件のケースでは、国家公務員法の秘密とされるためには、公にされていないことと、実質的な秘密として保護に値することがクリアされなければならない。

 この海上保安官が勤務している神戸海上保安部では、誰もがビデオを観ることが出来たといい、職務上知りえたとも言えないという空気もあるようだ。現場の冷静ぶりに引き比べて、国会の先生方の浮き足立った言動が滑稽に見える。国家機密漏洩の責任は誰が取るのかとか、今になって早くビデオ公開に踏み切らなかったからこの騒ぎになったとか、足の引っ張りあいばかりやっている。

 それにしても昨晩のニュース‘ZERO’で、この保安官に個人的に接触し、取材した読売記者が堂々と彼にインタビューした時の様子をしゃべっていた。これだけ大騒ぎして当事者の名前も、顔写真も報道されていない中で、この記者はインタビューの概要についてぺらぺら話している。何だか奇妙な感じである。

 そんな中で、この保安官が情報流出に‘You Tube’という新しいメディアを選んだ事実に注目し、今後のためにも情報公開のあり方と情報公開はどうあるべきか、国民の間で議論を深めるべきだと指摘したジャーナリズム論専攻の林香里・東大大学院教授の提言が目を惹いた。検討に充分値すると思う。

 林教授は、「既存メディアはプロフェッショナルとして公共の利益を自ら判断し、情報を人々に伝える。だからこそ報道の自由など『特権』が認められてきたし、情報を提供した公務員が守秘義務違反に問われるのもまれだった。今守秘義務違反で国家公務員が刑事責任を問われようとしているのは、メディア環境の変化の中で起きたことだ。ネット空間では、だれもが情報の送り手となり、有益な情報もマイナスの情報もあふれている。そこにどんなルールを作っていくのか。ビデオの非公開という政府の判断の是非も含め、民主主義の土台となる公的機関の情報公開はどうあるべきか。議論を深めていくべきだ」と述べている。

2010年11月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1276.2010年11月10日(水) 日本で3権分立は絵空事か。

 尖閣諸島沖の中国漁船衝突のビデオ流出が政治問題化して流出した犯人探しが始まり、国家機密漏洩罪の疑いで検察が石垣海上保安部を家宅捜索していたところ、犯人が名乗り出て急転直下1件落着となった。ただ、獅子身中の虫と言おうか、身内の海上保安官が上司に告白したとあっては、あまりにも危機管理が甘い。

 これを受けて今日1日中国会、国土建設省、海上保安庁、検察庁が上へ下への大騒ぎである。

 一方で、今日からAPEC閣僚会議が始まった。今国内で最ももめているのは、TPP(環太平洋連携協定)に日本が参加するかどうかという問題であり、今もって結論が出ていない。

 確か今国会における菅首相の冒頭演説では「参加」と明言したが、ここへ来て無条件で自由関税という1項が、第1次産業の農業・漁業従事者から死活問題であると猛烈な反発を買い、締結に賛成する経済界との板ばさみになった政治家の態度が煮えきらず、結論を先延ばしにしているからである。玉虫色の大好きな民主党政権は、来年6月までに参加すべきかどうかの結論を出すべく検討するという外国人には理解しにくい、のんびりした方針を固めつつあるようだ。

 だが、その頃までに腰が据わらず、強力なリーダーシップを発揮出来ない政府が、本当にわが国の貿易政策を決められるのか。牛肉などを売り込もうとしているアメリカ政府からは、日本が同盟に参加することを求めるアプローチがあるが、果たしてどうか。

 さて、このところ駒沢大学の清田義昭講師の裁判制度に関する講義は、専門的になり面白くなってきた。今日はNNN系テレビの「法服の枷」というビデオを観賞して、その後に解説を伺い、意見を交換した。同ビデオが訴えているのは、裁判所内における裁判官の立場が裁判官は理想とする正義、真実究明を果たして履行出来ているのかとの疑問である。憲法違反との判決を下した長沼ナイキ訴訟で有名になった福島茂雄・元裁判官が克明に記した日記から、真摯に法の裁きに向き合う裁判官の悩みを、いくつかの他の裁判官の実例を交えながら紹介している。実際福島氏自身もナイキ訴訟の直後に、上司平賀所長から平賀書簡を受け取り、高裁長官からは口頭注意処分を受けている。一度は辞表まで提出し、その後撤回するという苦渋も味わっている。

 一見裁判官は何者にも冒されず、信念に基づいて判決を下していると思われがちだが、実際には「外に向かっては聖職で内では労働者であり、黙々と働き搾取され追われて行く」との福島元裁判官の日記に記された文言はあまりにも寂しく虚しい。「どの裁判官も良心と保身の狭間で悩んでいる」「裁判官は事件の清掃人」と他の裁判官も自嘲気味に述べている。

 実際福島氏は、裁判官は自衛隊とか、憲法第9条などに関して国の意向に反した判決を下すことは、将来を棒に振ることだという。上司から内々の圧力がかかり、もし逆らえば左遷が待っている。

 結局裁判官も司法官僚と言われ、国の方針や上司には逆らえない。その意味ではわが国では、3権分立は現実的には難しい。あまり関心を持っていなかったが、わが国では司法が立法、行政の下に位置しているということを改めて思い知らされた。

2010年11月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1275.2010年11月9日(火) ビルマ軍事政権の背後で暗躍する中国

 一昨日行われたビルマの総選挙は、投票結果がまだ発表されていないので、詳しいコメントは言えないが、新憲法の制定から選挙のルール決定のプロセスに至るまで、アメリカやEU加盟国からはタン・シュエ軍事政権に対する手厳しい批判が浴びせられている。日本のメディアでも新しい選挙制度自体については極めて批判的である。

 投票前から言われていたように、軍事政権の厳しい監視の下で行われる「民主化」選挙は、軍政がいかに自分たちのやり方を正当化しようとも所詮茶番である。アメリカやEU加盟国は、投票所視察団への参加を辞退した。当局は選挙前から外国人ジャーナリストの入国を認めず、そのため日本人ジャーナリストの山路徹氏なぞはタイ国境から入国ビザなしで入国して、不法入国で逮捕される有様である。自分たちの都合のためだけに、憲法を作り正当性を主張しようとする軍政の強引なやり方は、諸外国から強い非難を浴びている。

 今後も軍政を維持していこうとする当局のやり方は、中国の支援により軍事政権が安定の保証を得て、その一方で中国は資源の開発の権利を得ようとしている。こういう死の商人的取引を行うことにより、ビルマ政府は非民主化を加速させ、それに加担している中国は軍政を支える役割を果たしていることになる。政治的にも、文化的にも中国は世界中の鼻つまみ者になる恐れがある。

 ビルマの政治分布が明確になった後に、タン・シュエ民主?政権がスタートして、中国は果たしてビルマに対してどういうアプローチをするのか。あまり成金趣味の中国がビルマに深入りすると、純粋なビルマの人たちがカネで汚染され、ビルマ人らしい素朴さと純粋さを失い、中国に似た嫌な国になるのではないかと心配である。

 今日の衆議院予算委員会で、来月10日にオスロで行われる中国人作家・劉暁波氏に与えられるノーベル平和賞授与式に日本政府代表者が出席しないよう中国政府から要請があったと報告された。大きなお世話である。これに対して前原外相はよく検討してみると応えるし、菅首相は外相とよく相談して回答するという。これでは日本政府は中国政府にリモコン操作されているようなものではないか。内政干渉も甚だしい。なぜ即座にわが国の問題は、日本政府が考えると言って断固つき返さないのか。わが国の首脳はどうして揃いも揃ってかくも情けない対応しか出来ないのか。

 今日の朝日夕刊の1面トップ記事にこんなニュースが掲載されていた。村上春樹氏のベストセラー小説「IQ84」や、東野圭吾著「白夜行」の中国語翻訳版が、無断で電子書籍化されアップル社の配信サイト「アップストア」で販売されていることが判明した。中国と台湾の読者層を対象にした日本人作家の海賊版が販売されたわけである。中国ではかねてより知的財産権について国民の間に充分な理解がなされず、これまでにも度々トラブルを引き起こしていた。今回の件については、村上事務所側は消去を依頼するという。

 何だか知らない内に、政治面でも文化面でも中国ウィルスが侵入して、段々ややこしいことになってきた。

2010年11月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1274.2010年11月8日(月) 出版社特有の対応に戸惑い

 共著が出版され、3日に親しい知人・友人らに120冊を贈呈用に郵送して、やれやれと一息ついたところである。

 実は、先月中旬編集の最終打ち合わせで、出版社の担当者と執筆者が話し合った席で表紙のデザインが決まり、その一部の修正を出版社に提案した。

 まず、いくつか提案されたカバー表紙のデザインの中から書名とイメージがちょうどぴったりの見本があり、衆議一決でそれを表紙に採用しようということになり、同時に細部についても2箇所の修正をお願いすることになったのである。

 修正願いのひとつは表表紙に書かれた編著者名が小さいということ。もうひとつは背表紙の編著者名が書名の直ぐ下部に隙間無く続いているので、そこにスペースを取って、書名と編著者名の間をもう少し離して欲しいという比較的分り易い要望だと思っていた。

 ところが出来上がった表紙は、一見して何の修正も施されていないように見えた。そこで出版社の担当者に聞いてみると間違いなく修正したと仰る。再び表紙をじっと見てみたが、どうもぴんとこない。原案とはあまり変わっていないようだ。担当者は「修正しました」とはっきり断言するので、表表紙の編著者名をメジャーで測ってみた。するとほんの若干だが、確かに寸法的には大きくなっている。釈然としないが、こちらが気のつかないような小さな修正の仕方でも出版社にとっては、こちらの言う通りに修正したということのようだ。

 問題は、もうひとつの修正箇所である。背表紙の下部にある編著者名の位置であるが、これもまったく修正したように見えない。そこでくどいようだが、この箇所はまったく修正されていないのではないかと改めて尋ねてみた。返ってきたメールの回答は、文字の半角分だけ下へずらしたとの思ってもいない返事だった。せめて全角5字分程度のスペースが欲しかった。これでは、修正をお願いした意図がクリアされたとは言えないし、われわれが修正をお願いした本質的なポイントを理解していないのではないかという意味のメールを送信した。一見して書名と編著者名の間にスペースがないのが歴然としている。それでも1文字の半角分を下へずらしたと言う。このようにわれわれの望んでいる修正とはまったくかけ離れた修正の仕方は、修正とは言わないのではないか。

 商品が完成した以上、格別不出来でなければ敢えて苦情をいうのは潔しとはしないので、これ以上は修正云々を追求しようとは思わないが、出版担当者の相手の気持とか、願いを斟酌しない一方的な理解の仕方や、作業のやり方には少なからず違和感と不信感を覚えた。

 僭越であるが、私なりの長い営業経験からサジェストするなら、まず相手の言い分をよく聞き、何を考え、何を求めているのかということを深奥に推察し理解したうえで、相手に確認するものだが、今回出版社の対応はそうではなかった。一方的に自己流の判断で修正の意味を理解し、相手にそれを押し付けている。新著を受け取った友人からは、ちらほら礼状が届き、作品をほめてくれているが、その点で内容とは関係ないところで作業に疑問を抱くような事態になったのは、ちょっと残念な気がしている。

2010年11月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1273.2010年11月7日(日) どんな結果になるか、ビルマ総選挙

 昨日は日本シリーズ第6戦が行われ、セ・リーグの覇者中日ドラゴンズとパ・リーグ3位の千葉ロッテ・マリーンズがお互いに譲らず延長15回でも決着がつかず、2-2の引き分けに終った。最近あまりプロ野球をテレビでも観ることは少なくなり、今年はほとんど観ていない。今年は贔屓の巨人が優勝を逸し、日本シリーズにも出ることが無くなったので、余計興味が湧かない。オーナーの滝鼻卓雄くんにもしばらく会っていないが、ご機嫌斜めか。昨日ロッテが3勝2敗のシリーズ王手をかけて、勝てば日本一、しかもパ・リーグでは3位との但し書き付ということから、好奇心に駆られて観てみた。

 それがどういうわけか、3回ごろから試合終了まで見続けることになったのは、ファインプレイとボーンヘッドが繰り返されて結構見せ場があり、ついずるずる最後まで観てしまった。テレビ中継の終ったのが12時5分前で、5時間43分の日本シリーズ史上最長試合となってしまった。

 一野球ファンにとっては久しぶりに肩の凝るゲーム観戦だったが、両チームとも力の伯仲した見応えのある良いゲームだった。

 さて、前々から気がかりだったビルマの総選挙が今日投票日を迎えた。1988年の反民主化反対デモに引き続いて行われた90年の総選挙以来、20年ぶりの国民投票である。90年の総選挙では、アウン・サン・スー・チーさん率いるNLD(国民民主連盟)が、全投票数の約8割を獲得して対抗する軍部に圧勝した。

 しかし、それにも拘わらず敗北した軍部がNLDに政権担当能力なしと言いがかりをつけて、20年間自らほしいままに軍事政権を保持してきた。諸外国の強い非民主化反対の声を少しでも受け入れた形に見せようとする今回の総選挙は、すでにどうみても民主的選挙の色合いが見られない。一方的に全体の25%の議席を軍部議員に割り当て、他方で引き続きNLD指導者アウン・サン・スー・チーさんを自宅軟禁処分にしたまま、総選挙をボイコットするNLDを解党処分にして自分たちの思いのまま選挙を行い、長期政権を維持しようとの目論みである。

 NLDは総選挙の信頼度を失わせるために、棄権を呼びかける運動を秘かに進めて、総選挙自体の国民的非人気を高めて、軍部に打撃を与えようとしている。スー・チーさんが言う「投票権があるように、投票したくなければ棄権する権利もある」という言葉が、力を発揮するだろうか。注目して結果をみてみたい。

2010年11月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1272.2010年11月6日(土) 愉しい高校同窓会

 横浜・桜木町駅前ワシントン・ホテル内「東天紅」で、湘南高校同期生会が開かれた。同級生も71歳、72歳となり、それぞれに老境に入ったと感じられる。同級生は全員で401名だったが、今日の出席者は78名だったので約20%の出席率である。だが、判明しているだけでも60名が物故者になっている現実を考えれば、卒業後53年も経過した現在、そんなに悪い出席率ではないかも知れない。

 残念ながら高校時代から親しい轟貞雄、加藤靖典、山田勝久3君が出席しなかったのが、少々寂しい。ラグビー部の仲間だった大島泰毅くんも欠席だった。山田くんは心臓が悪いらしいし、大島くんはお母さんと奥さんの具合が悪いらしい。

 近著を贈った牧野力、吉水淑浩両君からお礼を言われたが、特に牧野くんからは内容的に良いと言ってもらったので、ほっとしている。牧野くんは通産事務次官卒業後天下りを繰り返していて、今は財団法人の会長を務めている。前の独立行政法人に比べて地味なところなので、聞いてみると時間的には余裕があるとのことだった。相変わらず健康そうなので取りあえず良かった。

 案の定今日の話題のひとつは、ノーベル化学賞を受賞された根岸英一先輩に関するもので、偶々卒壽の身でご出席された化学の雨宮先生には、在学中根岸博士があまり印象に残っていないとのお話だった。卒業後初めて会った石村(旧姓安藤)櫻さんは、遠路札幌から出席されたが、今年のノーベル賞受賞者は高校の先輩(根岸博士)と大学(北大)の先輩(鈴木章博士)であると鼻高々だった。

 さて、来週から横浜でAPEC首脳会談が開催されるので、大分厳しい警戒態勢が敷かれている。今日も桜木町駅前には山形県警から応援に駆けつけた警官がいたほどである。この会談の大きな話題のひとつがTPP加盟問題だろう。充分論議を尽くしているとも思えない。未だに政府内で対立している。

 さらに、今日になって前原誠司・前国交大臣が一旦は中止決定を下した八ッ場ダムの建設計画が、馬渕澄夫・現大臣によって振り出しに戻りそうな雲行きになってきた。馬渕大臣が地元の声を受けて、変更しかねない様相である。中止決定を先に延ばすということであるが、これまでの複雑な経緯から推して、そう簡単に朝令暮改をやらないようもう少し慎重であってもらいたい。

 どうも今の閣僚には、芯の強さや信念の固さが見られない。腰がふらついている。これだから外交ばかりか、内政まで怪しくなってきた。

2010年11月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1271.2010年11月5日(金) 中国漁船衝突時の映像がインターネットで流れる。

 あっと驚くショッキングな映像ニュースが‘You Tube’で流された。朝からテレビ、インターネットを通して後から後へと関連ニュースが流れる。まるでハチの巣をつついたような騒ぎである。そのニュースは昨夜初めて流された。何とその映像とは、国民に広く公開すべきかどうかで喧しい尖閣諸島問題の発端となった、中国漁船と海上保安庁巡視船の衝突現場のビデオ映像である。あれだけ公開するのしないのと喧々囂々の言い合いがあったのに、いとも無造作にインターネットに流出し、国民が気軽に見てしまったのである。この映像が本物かどうかという疑問も呈せられているが、どう見てもあの迫力あるシーンから考えて本物の現場写真である可能性が高い。

 この映像は先日一部の国会議員を対象に公開された7分間のテープと酷似しているようだ。画像を見る限り明らかに中国漁船が巡視船「よなぐに」と「みずき」に意図的に衝突している。

 それにしても政府が国民への公開をためらっているにも拘わらず、どうしてこういう映像が容易に見られる‘You Tube’で観ることが出来るのか。ビデオを所有している検察か、海上保安庁の誰かが何らかの意図を持ってサイトに流したのは間違いないだろう。

 夕刊記事と写真を見てもその異常な衝突現場の映像はちょっと普通では考えられない。政府首脳は慌てふためいているが、どうも機密保持、危機管理がずぶずぶで甘すぎるようだ。ビデオが一体どこから流れたのか、今のところはっきりしない。国の威信にも関わることでもあり、ビデオ流失の原因を徹底的に究明して欲しいものである。

 しかし、それにしても菅内閣の外交、危機管理はまったく当てにならない。こんな不透明で無様な危機管理しか出来ないのは、それぞれの大臣が能力的に大臣の椅子に座るだけの資質に問題があるからである。沖縄・普天間基地移設問題は未だに闇の中にあり、尖閣諸島、北方領土、さらに最近ではTPP問題も持ち上がり、政府部内で経済産業省と農林水産省が対立している。まだまだ、国内的に今年度の補正予算問題もある。国会が一向に先へ進まない。これが菅内閣の現実であり、政治執行能力である。

 国民のひとりとして感じるのは、お先真っ暗ということである。

2010年11月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1270.2010年11月4日(木) アメリカ中間選挙でオバマ政権完敗

 昨日アメリカで中間選挙が行われ、充分予想されていたことではあるが、オバマ大統領に対する信頼感が大きく下降した証として、民主党議員が大幅に減少した。歴史的大敗である。

 アメリカの立法は日本とはかなり異なり、任期2年の下院は全435議席の改選、そして任期6年の上院では100議席の約1/3に当たる37議席が改選される。中間選挙の結果、下院では255議席だった民主党が185議席にまで減り、逆に共和党は178から239へ議席を伸ばした。上院でも民主党は過半数を辛うじて維持したが、59から51議席へ減らしたのに反して、共和党は41議席から46議席へ増やした。

 経済不況により、失業者が増え失業率は10%近い。失業者や非正規労働者問題がクローズアップされているわが国でも精々5%前後である。これでは、失業者を含む労働者、経済界からオバマ政権に対する不満が高まるのも頷ける。

 しかし、民主党惨敗の原因は、経済問題ばかりではない。茶会系候補が支持を固めたのは、2年前の大統領選でオバマ大統領当選のために活動した若者が動かなかったからだとされる。その最大の理由は、大統領があれほど熱心に法制化を説得し実現した医療保険改革が、中間層以上の選挙民から袋叩きに会い、攻撃の大きなターゲットとなったことである。

 ただ、国際社会では、世界をリードするべきアメリカが国内問題にかかりきりになってもらっては困る。アメリカにとっては、仮に国内的にどうあっても国際的には民主国家として外交上で存在感を発揮し続けてもらいたい。アメリカにとっても、オバマ政権にとっても正念場になってきた。

 昨日の誕生日にもうひとつグッドニュースを得られるかと期待していたが、残念ながら実現しなかった。東京六大学野球リーグ戦最後の早慶戦後の優勝決定戦で、早稲田が母校慶応に勝ったことにより、慶応連覇は露と消えた。

 特に今秋の早慶戦が注目を集めたのは、早慶戦で早稲田が1勝でもすれば、すんなり早稲田が優勝するはずだったが、ご丁寧にも連敗して慶応と同勝点、同勝率で首位に並び、改めて早慶戦による優勝決定戦が行われた。流石に早稲田も最後で踏ん張り、慶応を倒して優勝を決めた。早慶両校が優勝決定戦で優勝を争うのは50年ぶりということから注目されるようになった。しかも、早稲田には先日プロ野球界からドラフト1位指名を勝ち取ったエース級投手が3人もいる。これも50年前の早慶6連戦と状況が似ている。当時慶応にはプロ入りはしなかったが大型投手と言われた、清沢、角谷、三浦、丹羽の4羽烏がいた。慶応絶対有利だったが、優勝決定戦も含め1勝3敗2引き分けの戦績で優勝を逸した苦い思い出がある。

 その年、1960年の6月に安保条約改定が調印され、60年安保はわれわれ学生にとって屈辱的な敗北となった。その後しばらくは抜け殻のような気持で大学キャンパスへ出かけた。その虚ろな気持を救ってくれたのが、歴史的名勝負と言われた秋の早慶6連戦だった。全試合応援のため毎日神宮球場へ通い、暗くなるまで芝の外野席で応援していた。これほどエポックメーキングで、青春を謳歌した対抗試合はなかったと思う。いずれにしろ懐かしい思い出である。

2010年11月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1269.2010 年11月3日(水) 「文化の日」は72歳の誕生日

 72回目の誕生日を迎えた。昨日までの曇天はどこへ行ったのか、「文化の日」は例年通り快晴である。

 今日驚いたのは、作曲家兼指揮者・松本耕氏のファンクラブ「耕友会」のコンサートが行われた新宿文化センターで、思いがけずベオグラード在住の山崎洋さんにばったり会ったことである。コンサートの4つのプログラムの内、「水脈速み(みをはやみ)」は詩人である山崎佳代子夫人が書いた詩を松本氏が作曲したものなので、作詞家として奥さんが一時帰国中であることは分る。実に意外だった。

 山崎さんから初めて奥さんを紹介してもらったが、9月開催の国際ペン東京大会に出席のため来られた時、生憎会うチャンスがなかった。昨日ベオグラードからやって来たという。

 コンサートは期待以上に素晴らしいものだった。オーケストラは超一流の東京フィルハーモニー交響楽団で、混声合唱は‘The Metropolitan Chorus of Tokyo’という若いコーラスがミサ曲も含め、荘重に唄ってとても良かった。総勢130名以上の大合唱は迫力もあった。折りを見て東京滞在中に山崎さんと会おうと約束して別れた。車での帰りに新宿のイタリアン・レストラン「マキャベリ」で、妻とささやかにプチ・デラックス・ディナーを楽しんだ。

 誕生日は本来お祝いすべきものではあるが、老齢に入るとそう喜んでばかりもいられない。定期的に内科と整形外科に通院して、健康管理には気をつけているつもりではあるが、他にも気になるところがないわけではない。これからは1日1日を悔いないように過ごしたいと思っている。

 八王子市内に住む同姓の近藤幸一さんから電話をいただいた。近藤さんが秋の叙勲を受けたというお慶びの電話だった。心からお祝いの気持ちを伝えた。勲章には種類が多くて一般人には分かりにくいが、近藤さんが受勲したのは「瑞宝双光章」というもので、JRのご出身として朝日新聞では単に「鉄道業務」、日経ではさらに詳しく「元国鉄東京西鉄道管理局八王子駅長」と書かれていた。話を伺うと何でも今朝からJR関係者や八王子市長らから多くの祝電をいただいたという。昨日発送準備をしていた書籍120冊を午後になって玉川郵便局へ運んだ。この中に近藤さん宛の書籍もある。相変わらず元気そうに話してくれるのが嬉しい。私よりちょうど10歳年長だが、お互いに健康に留意して元気でいられる内は、前向きに生きたいものである。

2010年11月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1268.2010年11月2日(火) 新刊共著「そこが知りたい 観光・都市・環境」出版

 朝刊に福本邦雄氏の死亡記事が掲載されていた。福本氏の父親は、日本共産党史上屈指の理論的指導者だった福本和夫氏である。学生時代河上肇「自叙伝」を読むと「福本イズム」の名が度々出てくるほどの大物だった。その子息の邦雄氏は、あろうことか新聞記者から自民党・椎名悦三郎氏の秘書を務め、歴代自民党首脳とパイプをつないで竹下登との関係が有名となり、政界フィクサーとしても知られた。10年前には中尾栄一元建設省の受託収賄罪で逮捕され、起訴猶予処分となったことは世に知られている。

 その福本邦雄氏が、毎月購読している月刊誌「選択」に「むかし女ありけり」を連載している。元々ジャーナリストだっただけに、各種情報の収集が数多く古い話をよくご存知である。今11月号では9月号から、永井荷風と別れた元妻・藤陰静枝との関係にスポットライトを当てている。今月号の連載が23回目で、文学界の裏社会に関心のある読者には、中々面白い記事だったと思う。ところで次号124回目はあるのか。いずれにせよ、福本邦雄氏は功罪半ばする人生を送られた。享年83歳である。

 さて、待っていた「そこが知りたい 観光・都市・環境」を特注していたが、今日3梱包・150冊が届いた。一見して表紙の印象が観光の雰囲気を醸しだしていて中々良い。ところが、よく見てみると最終打ち合わせで変更をお願いした背表紙の編纂者名と表紙の同じ名前の位置が修正されていない。

 そんなに難しい注文ではないし、その場にいた編集者が修正を軽く引き受けていた。どうして修正すべきが、修正されないままになっているのだろう。明後日の札幌セミナー会場で参加者に配布されるが、それは間に合わない。明後日都内の出版社に連絡を取り編集者に理由を尋ねてみたい。それにしても表紙と言えば、人間なら顔である。その顔が歪められたわけである。

 今日は親しい知人、友人に郵送するための準備と作業にてんてこ舞いで、約120冊を袋詰めにした。明日にも郵便局に持ち込みたい。友人たちは何とコメントを言ってくるだろうか。

 昨日東京地裁で、昨年8月に起きた耳かき店員とその祖母を殺害した犯人の判決が下された。事前に裁判員制度導入後、初めての死刑判決が下される可能性があるとして注目されていた。判決は無期懲役だった。いろいろ各方面の識者がコメントを述べているが、駒沢大学の清田義昭講師が度々話された「永山基準」9項目について新聞に詳しく説明されていた。この裁判も「永山基準」に準拠しているようだ。

 その基準とは、①材質=犯罪の性質、②動機、③犯行態様=残虐性、④結果の重大性=被害者数、⑤遺族の被害感情、⑥社会的影響、⑦被告の年齢、⑧前科、⑨犯行後の情状、となっている。これらはもちろん死刑囚・永山則夫の裁判で考慮された観点である。この9項目がどの殺人裁判でも参考にされているようだ。それを裁判員にも考えることを求めている。裁判員になるのも大変だなぁとつくづく思う。

2010年11月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com