あっと驚くショッキングな映像ニュースが‘You Tube’で流された。朝からテレビ、インターネットを通して後から後へと関連ニュースが流れる。まるでハチの巣をつついたような騒ぎである。そのニュースは昨夜初めて流された。何とその映像とは、国民に広く公開すべきかどうかで喧しい尖閣諸島問題の発端となった、中国漁船と海上保安庁巡視船の衝突現場のビデオ映像である。あれだけ公開するのしないのと喧々囂々の言い合いがあったのに、いとも無造作にインターネットに流出し、国民が気軽に見てしまったのである。この映像が本物かどうかという疑問も呈せられているが、どう見てもあの迫力あるシーンから考えて本物の現場写真である可能性が高い。
この映像は先日一部の国会議員を対象に公開された7分間のテープと酷似しているようだ。画像を見る限り明らかに中国漁船が巡視船「よなぐに」と「みずき」に意図的に衝突している。
それにしても政府が国民への公開をためらっているにも拘わらず、どうしてこういう映像が容易に見られる‘You Tube’で観ることが出来るのか。ビデオを所有している検察か、海上保安庁の誰かが何らかの意図を持ってサイトに流したのは間違いないだろう。
夕刊記事と写真を見てもその異常な衝突現場の映像はちょっと普通では考えられない。政府首脳は慌てふためいているが、どうも機密保持、危機管理がずぶずぶで甘すぎるようだ。ビデオが一体どこから流れたのか、今のところはっきりしない。国の威信にも関わることでもあり、ビデオ流失の原因を徹底的に究明して欲しいものである。
しかし、それにしても菅内閣の外交、危機管理はまったく当てにならない。こんな不透明で無様な危機管理しか出来ないのは、それぞれの大臣が能力的に大臣の椅子に座るだけの資質に問題があるからである。沖縄・普天間基地移設問題は未だに闇の中にあり、尖閣諸島、北方領土、さらに最近ではTPP問題も持ち上がり、政府部内で経済産業省と農林水産省が対立している。まだまだ、国内的に今年度の補正予算問題もある。国会が一向に先へ進まない。これが菅内閣の現実であり、政治執行能力である。
国民のひとりとして感じるのは、お先真っ暗ということである。