1138.2010年6月25日(金) 祝!サッカー日本代表チーム、決勝トーナメントへ進出

 今朝起きて最初の関心事は、日本がワールドカップで決勝トーナメントへ進むことが出来たかどうかである。結果は‘YES’だった。早朝実力的には上位のデンマークを3-1で撃破して、同じE組でオランダに次いで2位となり、2大会ぶりに決勝トーナメントに進むことが出来た。メルビン・駐日デンマーク大使が予想していたデンマーク勝利のスコア3-1を見事に覆してくれた。

 今朝3時半にキックオフをして、終ったのが5時を過ぎていたので、よほどの熱狂的ファンでなければ観戦していないだろうと思ったが、視聴率は関東地区で何と30.5%だったというから人気のほどが窺える。負ければフィーバーが収まるかと思っていたが、これでは当分の間熱気は去らないだろう。朝6時ごろの渋谷駅周辺は夜通し眠らず観戦していたサポーターが、嬉しさと興奮のあまり街頭に繰り出して交通を妨害していた。新聞も号外が出る騒ぎとなった。当然朝刊には間に合わなかったが、夕刊はどこもトップ記事扱いである。スポーツでこれほど国中を興奮の坩堝と化すのはサッカー以外には考えられないのではないだろうか。日本はこの後トーナメントで、まず南米の雄、パラグアイと戦う。

 面白いのは、大会前に国内で岡田監督と代表チームに囁かれていた非難、悪評、罵詈雑言は聞くに堪えないものだったが、勝った途端に一転して風向きが変わってきた。代表チームと岡田監督の悪口を言う者は誰1人いない。まさに勝てば官軍である。

 今朝の勝利は、上杉鷹山の「為せば成る。為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」を実証してくれた。

 その興奮の中で、前回大会の優勝国イタリアが、昨日前回準優勝国フランスに次いで予選落ちしてしまった。2分け1敗で1度も勝てなかった。フランスと違い内紛ではないようだが、前回のメンバーとほぼ同じ選手でチームが構成されたので、年齢的に高くエネルギッシュなプレイに欠けるという点があったようだ。監督も前回大会と同じだった。

 それにしても番狂わせと言うべきだろうか、前回の優勝国と準優勝国が決勝トーナメントに進めないというほど、世界の力の差は小さくなったといえるのではないか。

 思い出すと日本サッカーがまだ弱かったころ、バンコック空港で乗り継ぎのために待っていて、マレーシアとの試合に向かう途次当時の日本チームの監督?だった故長沼健氏と立ち話をしたが、マレーシアは手強いと言っておられた。それが今ではアジアでマレーシアは置いていかれ、日本は1,2を争うまでにレベルを上げてきた。

 相撲界の野球賭博でスポーツが穢れつつある中で、すっきりした勝ち方のサッカーチームは、国民に勇気を与えてくれる。このまま持てる力を発揮して、もう1歩でも2歩でも前進して欲しい。

 珍しくわが庭でウグイスが啼いている。2週間ほど前にもやってきて啼いていたが、今日の鳴き声は、サッカーの勝利を祝福してくれているのだろうか。

2010年6月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1137.2010年6月24日(木) 日本、決勝トーナメント進出なるか?

 参院選が今日公示され、いよいよ来月11日の投票へ向けスタートした。選挙区と比例区の立候補者を合わせて、438名が121の議席を争う。3年前に比べて立候補者が61名も多いという。新党乱立の影響もあると思うが、やはり昨年の衆院選で政権交代が成って、有権者の気持ちが変わりやすくチャンスと見て立候補した人が増えたのではないだろうか。焦点は与党・民主党が過半数を獲得出来るかどうかである。

 さて、ワールドカップがたけなわであるが、昨日強豪国フランスが南アフリカに敗れてリーグ最下位となり、決勝トーナメントへ進出出来なくなった。フランスは何と前回大会の準優勝チームで、今回も優勝候補の一角にある。このフランスが早々に表舞台から姿を消した原因は、チームとしての力を発揮する以前の問題として、チームの和が出来ていなかったからのようだ。ドメネク監督と選手との間に溝があって、公然と選手が監督批判をするような下克上の雰囲気だったらしい。挙句の果てに中心選手をチームから追放し、それに対してチームメートが練習をすっぽかすほど監督・選手の対立は深刻だった。もともと選手はスター選手を揃えていて技術は超一級品だが、その分エゴが強くて監督も往生していたらしい。結局いくら実力があってもチームプレイのサッカーで、チームワークが乱れては持てる力を発揮することは出来ないということである。

 日本が決勝トーナメントへ進出出来るかどうかは、この数日内にほぼ決まる。マス・メディアもヒートアップして、いよいよ日本の決勝トーナメント進出を賭けた対デンマーク戦が明日払暁に行われる。勝てばもちろん進出出来るが、引き分けでも決勝Tへ進める。全国的に盛り上がってサッカーファンは寝られないと思う。いつもなら白河夜船の時間である午前3時半のキックオフでは、とても観戦する気持ちになぞなれない。日本チームの決勝トーナメント進出を祈りつつ「おやすみなさい」。

2010年6月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1136.2010年6月23日(水) ケルト文化はユニークで個性的だ。

 今日の多摩美大の講座は、ケルト人文化に関する幅広い内容だった。講師は鶴岡真弓・同大教授で、ダブリン大学トリニティ・カレッジに留学されたこともあり、ケルトの歴史、美術、音楽、文学に造詣が深い。中々おしゃれな先生で、講義中もベレー帽を被ったままで洒落たシャツをお召しだった。やはり美大の先生ともなるとセンスの良い身だしなみが必要なのかな? アイルランドの歌姫と云われるエンヤと映画に出演したこともある、ハーフの顔立ちをした美人講師である。NHKのラジオ番組にもしばしば出られているようだし、お話では10月には作家・山崎豊子氏とクロアチアを歩いた番組がフジTVから放映されるという。話すことがいっぱいあって、予定の講義時間を20分も超過した。

 専門家らしく深味のある内容をサービス精神たっぷりに話してくれた。アイルランドはヨーロッパの中でも少々異質なケルト人国家で、イギリスに虐げられてきた歴史に、あらゆる文化面と生活面にその特徴が表れているという。ケルト文明はアイルランドから始まってオリエント方面へ移り、黒海、ウクライナまで辿ることが出来るという。

 1992年にダブリン郊外のダン・レエラ市内で学校訪問をした時には、ケルト語の発音に悩まされたことがある。ケルト語の名前がアイルランド人に尋ねても明確な答えがなく、その当人に聞かないと発音が分らないことが何度かあった。

 鶴岡講師によると、国土が地勢的に大英帝国ににじり寄られていて、アイルランドにとってイギリスは不在地主のような存在だとか。特徴的な例として、アイリッシュ・ダンスをビデオで見せてくれたが、男女とも上半身は硬直してまったく動かさず、飛び跳ねるようにして下半身をジャンプさせながらタップする。上半身はイギリスに対する姿勢で、下半身がアイルランド本来のものだとは、言われてみてなるほどと思った。このタップがスペインのフラメンコとなり、世界中に広がっていったというからダップ・ダンスのルーツはケルトなのだ。

 もうひとつ、個性的なケルト文様について話された。渦巻状に巻かれたデザインで、聖書の表紙にも使用されている。アイルランドには、聖書として「ケルズの書」と「ダロウの書」があるが、いずれもその表紙はケルト文様である。

 アイルランドはノーベル文学賞作家を数多く輩出しているが、ジェームス・ジョイス、オスカー・ワイルド、ジョナサン・スウィフトら文豪のほかに、小泉八雲がアイリッシュだったとは知らなかった。講師によると八雲の描く海辺と幽霊の世界は、アイルランドの海のイメージに共通しているらしい。

 いずれにしても、珍しい内容で中々興味を起こさせるテーマだった。

 今日は沖縄戦から65年目の沖縄慰霊の日である。激しい地上戦で約20万人の住民が亡くなられた。菅首相も横路衆議院議長、江田参議院議長とともに、沖縄全戦没者追悼式に参列した。普天間基地移設を辺野古へ決めたことで沖縄県民を裏切ったこともあり、慰霊祭でのメッセージも記者会見でも慎重に言葉を選んで話しているところに申し訳ない気持ちが表われているようだった。

 しかし、基地移設問題はこれからが正念場である。どうやって民主党政権は沖縄県民を納得させようとするのだろうか。

2010年6月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1135.2010年6月22日(火) 国宝「倭奴国王の金印」を拝見

 福岡市内のNPO会館で「世界遺産150ヶ所を訪ねて」と題してお話した。参加者は25名ほどで年配者が多かったが、皆さん熱心に聴いてくれた。反応はまずまずだったと思う。

 ちょうど福岡市立博物館で福岡を舞台にした日本と中国大陸及び朝鮮半島との交流に関する歴史展を開催していた。担当者は私がきっと興味を抱くのではないかと思って講師に推薦してくれたので、終ってから博物館へひとりで出かけてみた。

 一番興味があったのは「奴国の時代」と証する展示で、初めて「倭奴国王の金印」と称する本物の歴史的お宝を拝見することが出来た。高校時代に日本史教科書で、金印の写真を見てから今日まで、大げさに言えば忘れたことがない歴史の証印である。本物と聞いて驚いた。いま執筆中の共著の中でもこの金印について触れている。会場は学術的で地味な催しのため、惜しいことに見学者が少ない。しかし、反って係員が丁寧に説明してくれた。福岡県の志賀島という小さな島で発見されたもので、その金印のあまりにも小さいのには意外な感がした。一辺の長さが2.3㎝、高さ2.2㎝、重さが108.7gでほぼ純金で作られている。早速実物大のレプリカを購入した。

 その他にいくつかの展示があったが、ある別室でささやかに「戦争とわたしたちのくらし」と称する展示会を開いていたので覗いたら、戦時中の数々の記念品を展示してあった。そこに説明があった「大詔奉戴日」という記念日があったことを寡聞にして知らなかった。何でも「戦地の兵士の労苦を偲び銃後の守りを固める決意の日」というのだそうである。昭和14年から16年まで毎月1日に制定されていた「興亜奉公日」というのが、大東亜戦争開戦直後の17年1月以降、その記念日が毎月8日に名前と一緒に変わったようだ。

 福岡の伝統的な行事や、貝原益軒ら昔の福岡出身の偉人に関する展示も案外面白かった。

 さて、大揉めの大相撲がぐじゃぐじゃである。日本相撲協会生活指導部長で協会の窓口として度々会見に顔を見せていた陸奥親方が賭けゴルフをやっていたとの上申書を提出した。このざまは一体何だ?と言いたい。理事、親方、現役力士らが、どっぷり相撲ではなく賭けに浸かっていたと知らされては、開いた口が塞がらない。過去のスキャンダルの対応例から考えても、相撲協会の自浄能力を疑わざるを得ない。今や次の名古屋場所が果たして開催可能出来るのか危うくなってきた。

 来月4日に臨時役員会が開かれ、名古屋場所開催について結論を出すらしい。しかし、今月28日には番付も発表するようだから、その後の開催不可となったら番付はどうするのだろうか。まったく人騒がせな相撲協会と恥辱に塗れた力士たちである。

2010年6月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1134.2010年6月21日(月) あやふや、二枚舌の菅流弁舌

 明日の講演のため福岡へやって来た。日本航空に乗るのは久しぶりだが、離陸前機内で「多くの航空会社がある中で日本航空を選んでご搭乗下さいましてありがとうございます」とのアナウンスがあって驚いた。お高くとまっていた日本航空が、機内で乗客にこのようなお礼を言うことは、かつては考えられなかったし、これまでなかったことである。やはり厳しい経営環境の中で、出来るだけ腰を低くして乗客の同情を買いたいというところだろうか。敢えて言えば、もう少し早く利用客に対して感謝の気持ちを表すことに気がついていれば、会社がこれほど崖っぷちに追い込まれることはなかったのではないだろうか。

 さて、菅首相が消費税の値上げを発表したことに対して異論百出であるが、首相は先日の発表について若干手直しをして修正した。消費税値上げの発表と同時に、世論調査による菅政権への支持が大きく落ちたせいであろう。党内外の批判や世論を配慮したのか、或いは4年間は値上げをしないと約束した鳩山前首相の言葉を慮ったのか、ニュアンスを少々変えて参院選が終ったら税制の抜本改革、なかんずく消費税の値上げに取り組むと今夕の記者会見で強調した。

 まず、すぐにも値上げとの間違ったメッセージが伝わったようだが、それは間違いであるとの首相の釈明はおかしい。自分のしゃべったことがどう受け取られようと、それは話した方に責任があるのであって、自分の言葉に責任も持てない総理大臣では国民が迷惑する。更に消費税の値上げについては、2~3年の時間をかけて、或いはそれ以上になるかも知れないが、しっかり与野党間で議論を詰めていきたいと消費税議論は長期戦であると示唆した。この発言も国民を惑わせる。国民は参院選が終ったらすぐにも、或いはその直後に衆議院を解散してその後に値上げとのスケジュールを予想したと思う。

 今日の会見内容を聞いていると、自分で一方的に話しておいて、その捉えられ方が不味いと思うや、一歩下がって真意はこうだと修正するのが菅流なのか。いずれにしろ政治家の発言というのは、いつもその裏を考えないといけないとは何とも疲れることである。

 そんな中ですっきりしたのは、女子ゴルフのショップライトLPGAクラシックで、宮里藍選手が優勝したことである。ゴルフはよく分らないが、今シーズン4勝目だそうである。それより日本人初の賞金ランキングで1位となったことが高く評価されている。

2010年6月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1133.2010年6月20日(日) 中国人民銀行、人民元切り上げを発表

 今日は父の日だが、嬉しいことに先週長男夫婦が1週間早く夕食をご馳走してくれた。偶然にも今日6月20日は亡父の誕生日でもある。8年前に93歳で亡くなったが、晩年まで割合健康で母の方が父より20年近く前に他界してから広い湘南鵠沼の実家でひとり生活していた。その点では精神的にもタフだったと思う。

 さて、菅首相が消費税を上げると発表したことに対して、各党各人喧々諤々である。今朝のTBS「サンデーモーニング」で、民主党の消費税値上げに対して、準レギュラーの田中秀征・元経済企画庁長官が吼えていた。まるでボロクソである。どうしてそれほど興奮して攻撃するのか。確かに菅首相の発表のタイミングと手順は上手くないし、国民に約束を破ったことに対して釈明も説明もない。しかし、財政事情が窮地に追い込まれているので、事情は分る程度のことは言ってもよいと思うのだが、とにかく舌鋒鋭く批判し続けていた。4日前にこの番組のレギュラーでもある岸井成格氏の講演を聞いた時、岸井氏は、田中氏の政治的意見は、定点観測的に非常に参考になると仰っていたが、今朝の発言のようにけんもほろろでは、定点観測も何もあったものではない。

 いよいよ中国も人民元の切り上げを決断したようだ。以前からアメリカ政府等に散々人民元の切り上げを要請され、のらりくらりと先延ばしにしていたが、やっと踏ん切りをつけた。

 しかし、中国人民銀行の言い方は限定的で、「人民元為替レートの弾力性を強める」との発表であり、「人民元相場のドルへの固定を解除し、再び人民元を上昇させていく意思を示すものだ」と受け取られている。世界の為替相場から考えれば、人民元は安く、その中国の安い労働力で各国とも中国から輸出攻勢をかけられ、貿易の不均衡をもたらしていた。一方で中国人労働者の賃金の安さが、中国各地の工場労働者の間でストライキを引き起こし、工場閉鎖に追い込まれているところもかなり多くなった。共産主義国家・中国で労働者が賃上げを求めてストライキを決行するとは、レーニンも毛沢東もあの世でびっくりしているのではないか。

 トヨタの中国工場でもストが頻発して工場が稼動しない有様で、これまで安い労働力に目をつけ、中国へ進出していた企業にとっては難問を抱えることになった。

 ところで、昨日サッカー・ワールドカップで日本はオランダに惜しくも0-1で敗れてしまった。実に惜しい試合だったが、もとより実力的には元々勝負になるような相手ではない。オランダの世界ランク4位に対して、日本は45位である。この惜敗というのが、ワールドカップ人気をまたヒートアップさせている。次はデンマーク戦であるが、得失点差でリードしているので、引き分け以上で日本が決勝トーナメントへ出場出来る。

 戦前は人気も盛り上がらず、予想も悪かったが、先日の1回戦でカメルーンに勝ってから、一気にフィーバーした。オランダ戦の惜敗により、更に熱狂ムードは加速して、25日のデンマーク戦まで、またじわじわとテレビも新聞も国内を熱狂の渦に巻き込んでいくのだろう。ちょっと煩過ぎる。

 明日は福岡へ講義に出かけるが、空模様が気にかかる。

2010年6月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1132.2010年6月19日(土) 消費税10%へ値上げか?

 一昨日菅首相が来月の参院選のマニフェスト発表に当たり、消費税を(自民党が打ち出した)10%に上げることを参考に議論の対象にしたいと語った。増税分は社会保障費に充てる考えを示唆した。早くも党内外に波紋を呼んでいる。

 ここで一番問題なのは、昨夏の衆院選では向こう4年間は消費税を上げないとマニフェストで約束したことである。世論調査によると消費税値上げに関しては国民からはかなり理解が得られているようだ。それもこれも過大な赤字国債発行により、財政危機が叫ばれ、一方ではバラマキと揶揄される支出増大で将来に対する不安から、消費税値上げも已むなしとみられたからである。にも拘らず、いとも簡単に公約を破り一気に10%という消費税率へ話を持っていったことには、問題が残る。

 この時期に消費税10%をぶち上げた根拠には、来週カナダで開催が予定されるG8サミットで、増税で財政再建を訴えれば各国首脳の理解が得られるとの狙いがあるようだ。

 いずれにしても消費税値上げはある程度理解出来る。ただ、それには決定のプロセスに問題があった。決定と公表に至る前に充分議論を戦わせ、その過程が国民に伝えられ、了解を得られることが必要だった。時間の関係もあるかも知れないが、その辺りの過程を手抜きした印象が拭えない。

 それが証拠には、一応閣僚了解事項と言いながら閣内から小沢氏に近い原口一博・総務相の如きは首相とは一線を画す構えのようだし、山口正彦・農水相も納得していない様子である。民主党内では小沢一郎・前幹事長に近い党員は同意していない。首相には参院選までに党内を統一見解でまとめる必要がありそうだ。

 自民党は自分たちが打ち出した10%という線を、菅首相が唐突に言い出したことに対して、盗人猛々しいみたいな発言をする下品な役員もいる。同じ10%の中身について堂々議論すれば良いではないかと思うのだが、どうもお互いに低次元のライバル意識むき出しである。

 連立を組んでいる国民新党は反対、社民党も反対、共産党はもちろん反対で、結局民主党の消費税率値上げに対して素直に賛成を表明したのは、元々増税論者だった「たちあがれ日本」代表の与謝野馨氏だけである。

 しかし、赤字が溜る一方の国家財政を考えると、漸く増税に対する議論が持ち上がったことは佳しとすべきである。与野党それぞれの税制論を主張して参院選を戦って欲しい。

2010年6月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1131.2010 年6月18日(金) 不祥事続きの大相撲は立ち直れるか?

 先月の大相撲夏場所中に大関・琴光喜の野球賭博について一部週刊誌が取り上げたが、当の琴光喜が関与を否定して、うやむやのまま時間が経過した。それがこの数日間野球賭博に関連して相撲界関係者が大きく取り上げられ、ついに琴光喜も前言を翻して賭博に絡んでいたことを告白した。琴光喜の親方が来場所の出場辞退を申し出て受理され、事態の沈静化を図ろうとした。

 ところが、その後次々と賭博をやったという親方と力士が名乗り出て、このところ協会役員が連日監督官庁の文部科学省へ事情説明と釈明に参上する始末である。

 昨日は元貴闘力の大獄親方が告白したかと思うと、今日になって時津風親方、豊の島、豪栄道、豊響ら有力力士が続々と自白した。すでに相当数の現役力士と親方が野球賭博に関わっていたことが明らかになっているが、この後更に有力な力士が告白するようなことがあったら、来場所の開催が危ぶまれる事態になるのではないか。人気の面だけではなく、経営的にも厳しい事態が予想される。文部省からは日本相撲協会理事会があまりにも統治能力がなさ過ぎると呆れられているし、番組に懸賞金を提供している企業は手を引くことも検討中である。

 文科省の言う通り、相撲協会幹部の経営者としての能力とモラルはあまりにもお粗末であり、また社会人としても幼さ過ぎる。

 財団法人日本相撲協会としては、これまでのスキャンダルや不始末、更に法律に悖る違反行為に対して世間が納得する凛とした処罰や、相撲界再建への道筋を示して来なかった。卑しくも相撲協会は公益法人で税の優遇を受けている。現状は社会通念に疎い未熟な集団が、だぶついた資金を自由に使い、幻の権力と威厳を行使して、政府の緩い庇護を良いことに相撲という国技を弄んでいたような気がしてならない。

 この世間知らずの集団・日本相撲協会は組織体としてまったく機能していない。トラブルは闇に葬って頬被りである。流石に文科省も今度ばかりは、放ってもいられず、外部の意見を取り入れて何らかの処置を行うだろう。

 私は個人的には次のように考える。ある一定の時期をメドに、日本相撲協会と同理事会を解散して、広く人材を求めて出来る限り経営感覚と教育指導の出来る人たちで理事会を再結成して、極力相撲界出身者が理事となる機会を減らして出直したらどうだろう?

 今のままの相撲協会では、いずれ伝統の大相撲をつぶしてしまうのではないか。相撲の大好きなフランスのシラク前大統領もがっかりするのではないだろうか。

2010年6月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1130.2010年6月17日(木) 江戸城復元図完成報告会

 江戸東京博物館でNPO法人「江戸城再建を目指す会」主催による「江戸城寛永度天守『復元図』完成報告会」が開かれた。しばらくぶりで会の催しに参加したが、小竹直隆理事長の情熱的なリーダーシップと、スタッフの周到な事前準備で報告会は成功だったと思う。

 城郭建築の研究家である三浦正幸・広島大学大学院教授が「寛永度天守はこんなに壮大で、美しい姿だった!」と題して、幕府大棟梁が遺した江戸城寛永度天守絵図について、他の安土城、大坂城、姫路城、名古屋城、宇和島城の立面図と比較しながら、その大きさや特徴等を分り易く説明された。

 引き続いて照明デザイナー・石井幹子氏が「夜空に照らされた江戸城―東京の新ランドマークをつくろう」のテーマの中で、夜の照明効果について、更に諸外国に比べて日本の都市には観光の目玉がないので、仮に江戸城を東京湾岸にでも作れば夜景が美しく、観光地化が期待出来ると話された。だが、これは後段のシンポジウムで、小竹理事長が江戸城再建場所はオリジナルの天守跡地でなければならないとはっきり断言された。

 その後両氏に加えて大田道灌公第18代子孫・太田資暁氏と、日本総合文化研究所代表・西川壽麿氏が参加され、小竹理事長がコーディネーターとなって「江戸城が再建されたら日本は甦る」というテーマでシンポジウムが行われた。この中で三浦教授の日本文化におけるオリジナル性と木の文化の観点から、元の天守台へ再建するのが望ましいとの主張が説得力を持っていた。結論は木造建築により往時の姿で復元したいとの声に集約された。

 小竹理事長の巧みな司会進行で、ユーモラスに時間の配分もよく、楽しい雰囲気の内に、江戸城再建の声を盛り上げていった。

 印象的だったのは、多くの参加者が三浦教授の専門的、かつ学術的な話に引き込まれていったことである。特に、再建に当たっては1割方の人はオリジナルの木造建築よりコンクリート製を望んでいるようだが、その前提として恐らく耐久性の理由で木造建築よりコンクリート製を選択しているのではないかと推測される節がある。しかし、城はしばしば改築、再建されることもあるので、材料の再利用や、本当の意味での耐久性、材質の過重負担、室内の雰囲気、林野庁の国有林内に城郭に適した建築材が植林されている点などを考慮すると、むしろ木造建築の方に利点が多いと説明されたのは意外で、これまで考えていたこととはむしろ反対だった。それにしても三浦教授の明快な説明には頷けるだけの説得力があった。

 最後にCGによる再建江戸城の雄々しい外観の姿と、日本文化の伝統的な奥床しさを見ていて感動を憶えた。とりわけ内部の廊下周りと畳の和室を見ていると木造建築以外では意味がないと感じた。

 江戸東京博物館第1ホールは定員450席だそうだが、参加者が溢れ出て530名の方が来られたそうである。前途は遙遠であるが、皆さんの気持ちが盛り上がっているので、江戸城再建目指して小竹リーダーの下に前進するのみである。

 今日はメディアの取材も多かったようで、早速18:15からNHK「首都圏ニュース」で放映され、(後で録画を観ると)小竹理事長がインタビューに応えられていた。懇親会には着任間もない溝畑宏・観光庁長官も出席された。民間にもおられた経験があるので、本プロジェクトの主旨を充分理解され、観光振興の大きな仕掛けとして捉えていただき、早速パフォーマンスを示され気合を入れておられた。

 これから組織内部の声を一層盛り上げて、念願成就のために国民運動にまで広げていく強い意思と心構えが必要であるが、とりあえず経過報告会としては素晴らしく盛り上がったイベントとなり感動した。

 何とか生きている内に、ライトアップされた江戸城の格調高い姿を拝んでみたいものである。

2010年6月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1129.2010年6月16日(水) 岸井成格氏講演会と60年安保写真展

 久しぶりに「ふるさとテレビ」の月例セミナーに出席した。国会議事堂裏の憲政記念館で開催されたセミナーで、毎日新聞特別編集委員・岸井成格講師が「波乱の政局を読む」と題して1時間余に亘って持論を分り易く解説された。長年政治部記者として取材に当たられていただけに、政治の内部事情に詳しい。政治勘に勝れていてあまり知られていない興味ある話も数々された。

 そのひとつはサッチャー・イギリス首相が来日された時、並み居る日本の首相経験者を前に、首相の資格に関する質問に応えて、サッチャー首相は日本の首相資格についてイギリス人に聞くほど、日本には国家のリーダーたるべき人材はいないのかと逆質問をして、オーバーな表情で嘆かれたという話である。

 もうひとつは、最近中国政府がアメリカ政府に対して、全アジア・太平洋海域の安全保障のために、東太平洋をアメリカが、西太平洋は中国がコントロールしたいと秘かに申し出たそうである。そのためには、南鳥島が日本領土であるのが邪魔であるとか、なぜ日本領なのかとか、沖縄近海の公海が狭くて沖縄諸島が気になるような話をしたらしいが、今更ながら法衣の下に鎧を着た中国の覇権主義がミエミエで、中国が経済成長に乗って何でも事が通ると思っているその傲慢さには嫌悪感すら憶える。

 中々歯切れの良いスピーチだったが、岸井氏は今月24日には、毎日新聞社編集主筆になられるそうで、これから毎日新聞紙面編集の全責任を負っていくことになる。一時大腸がんを手術されたようだが、お見かけしたところお元気そうなので、益々の健筆を期待したいと思う。

 セミナーを終えてから早稲田大へ行った。明日まで「60年安保50周年記念行事」の一環として大隈記念タワーで報道写真展が開かれていることを知ったからである。早大キャンパスを訪れたのは、早大受験の時以来ほぼ半世紀ぶりである。街と大学キャンパスが融合しているような印象を受けた。展示写真はそれほど多くはなかったが、それでも懐かしいものが大分あった。当時の新聞と記念雑誌が興味を惹いた。スペース中央部では、安保闘争の流れについてビデオが放映されていたが、樺美智子さんの死とアイゼンハウアー大統領のハガチー新聞秘書来日騒動、そして強引な手法で安保を成立させた国会の様子などが懐かしいものだった。

 それにしても、当時の学生は現在に比べると服装はほとんど学生服で地味そのものであるが、信念とか行動は迫力があった。それに現代のように植物系で無機質な学生はほとんどいなかったように思う。

 エレベーターで一緒になった同じような年頃のおばさんは、今の学生はだらしないとしきりに嘆いていた。

 夜テレビ朝日で池上彰の「学べるニュースSP!」を観ていたら、ラグビー誕生についてデタラメを言っていた。結構役立つ番組で真面目な取材をしているし、いつも池上氏が分り易い解説をされるので、楽しみに観る番組のひとつであるが、最早ラグビー通の間では定説となっているラグビー誕生のユニークな話があまりにもお粗末なエピソードに創り上げられているのには驚いた。大した取材もせず、よくもこんな嘘っぱちをでっちあげるものだと呆れ返ってしまった。返事はないと思うが、とりあえずTV局にメールで注意してやった。

2010年6月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com