1133.2010年6月20日(日) 中国人民銀行、人民元切り上げを発表

 今日は父の日だが、嬉しいことに先週長男夫婦が1週間早く夕食をご馳走してくれた。偶然にも今日6月20日は亡父の誕生日でもある。8年前に93歳で亡くなったが、晩年まで割合健康で母の方が父より20年近く前に他界してから広い湘南鵠沼の実家でひとり生活していた。その点では精神的にもタフだったと思う。

 さて、菅首相が消費税を上げると発表したことに対して、各党各人喧々諤々である。今朝のTBS「サンデーモーニング」で、民主党の消費税値上げに対して、準レギュラーの田中秀征・元経済企画庁長官が吼えていた。まるでボロクソである。どうしてそれほど興奮して攻撃するのか。確かに菅首相の発表のタイミングと手順は上手くないし、国民に約束を破ったことに対して釈明も説明もない。しかし、財政事情が窮地に追い込まれているので、事情は分る程度のことは言ってもよいと思うのだが、とにかく舌鋒鋭く批判し続けていた。4日前にこの番組のレギュラーでもある岸井成格氏の講演を聞いた時、岸井氏は、田中氏の政治的意見は、定点観測的に非常に参考になると仰っていたが、今朝の発言のようにけんもほろろでは、定点観測も何もあったものではない。

 いよいよ中国も人民元の切り上げを決断したようだ。以前からアメリカ政府等に散々人民元の切り上げを要請され、のらりくらりと先延ばしにしていたが、やっと踏ん切りをつけた。

 しかし、中国人民銀行の言い方は限定的で、「人民元為替レートの弾力性を強める」との発表であり、「人民元相場のドルへの固定を解除し、再び人民元を上昇させていく意思を示すものだ」と受け取られている。世界の為替相場から考えれば、人民元は安く、その中国の安い労働力で各国とも中国から輸出攻勢をかけられ、貿易の不均衡をもたらしていた。一方で中国人労働者の賃金の安さが、中国各地の工場労働者の間でストライキを引き起こし、工場閉鎖に追い込まれているところもかなり多くなった。共産主義国家・中国で労働者が賃上げを求めてストライキを決行するとは、レーニンも毛沢東もあの世でびっくりしているのではないか。

 トヨタの中国工場でもストが頻発して工場が稼動しない有様で、これまで安い労働力に目をつけ、中国へ進出していた企業にとっては難問を抱えることになった。

 ところで、昨日サッカー・ワールドカップで日本はオランダに惜しくも0-1で敗れてしまった。実に惜しい試合だったが、もとより実力的には元々勝負になるような相手ではない。オランダの世界ランク4位に対して、日本は45位である。この惜敗というのが、ワールドカップ人気をまたヒートアップさせている。次はデンマーク戦であるが、得失点差でリードしているので、引き分け以上で日本が決勝トーナメントへ出場出来る。

 戦前は人気も盛り上がらず、予想も悪かったが、先日の1回戦でカメルーンに勝ってから、一気にフィーバーした。オランダ戦の惜敗により、更に熱狂ムードは加速して、25日のデンマーク戦まで、またじわじわとテレビも新聞も国内を熱狂の渦に巻き込んでいくのだろう。ちょっと煩過ぎる。

 明日は福岡へ講義に出かけるが、空模様が気にかかる。

2010年6月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com