1327.2010年12月31日(金) 「60年安保」50周年の2010年を送る。

 とうとう今年も大つごもりとなってしまった。それとなく樋口一葉の短編を思い出すが、巷ではそんな詩的で感傷的なこともなく、例年にも増してNHKが派手に今晩放送する「国民的行事」である「紅白歌合戦」の予告編や、裏話をこれでもか、これでもかとしつこいくらいにこの1週間ばかりは紅白塗れである。

 昨年の今日はどういうわけだか、体調が悪くなって入浴もせず早めに寝てしまったので、この国民的行事を見ずに年を越してしまった。

 振り返ってみると今年も反省すべき点が多い。尤も私個人より、こう言っては恐縮だが国の方にもっと反省してもらいたい。政治、外交面のお粗末なリードぶりには本当に愛想尽かしをしたい。政治家と官僚には大いに反省してもらわなければ困る。

 今年最後の日経平均はやっと1万円台に乗せて10,228円で2年ぶりに下落となった。円高基調は変わらず、年平均の円相場は87.75円だった。昨年は93.60円だった。今年の円高は変動相場制に移行した1973年以降、平均で最大の円高相場だった。円高が進行しても、政府・日銀は速やかに防止策を取らず、いつも「注意深く見守りたい」の一点張りで具体的な行動をほとんど起こさなかった。この間に中国は勿論、シンガポールの目覚しい発展に日本完全に遅れを取った。

 シンガポールの実質国内総生産(GDP)伸び率は約15%と1965年に独立して以降最高である。驚くのは一人当たりGDP=43,653$で、日本のそれを300$近くも上回っている。どうして彼我の差がこんなことになってしまったのだろうか。やはり国をリードする指導者の力量の違いだろう。シンガポールには、首相の座を去っても良きアドバイザーとして智恵を出してくれる建国の父、リー・クアン・ユー顧問相がいる。私がリー首相(当時)に随って箱根へ行ったのは、もう30年近く前だが、威厳があって柔和で、政治家として実に存在感があったように思う。果たしてわが国には彼のように国を想う偉大な政治家がいるだろうか。見回してみても誰1人として見当たらないではないか。

 反省すべき点はあるが、私個人にとっては、今年はまずまずの1年だったと思う。できれば海外へもう1回ぐらい行って見たかった。上梓の予定だった書下ろし作品は、「JAPAN NOW観光情報協会」発行の共著に専念したために来年へ先送りすることになった。9月開催の国際ペン・東京大会の記念に出したかったので、その点は若干未練が残る。まあ、朝日にも記事が出たし、テレビにも出られたので、善しと考えるべきであろう。

 独身貴族だった二男も漸く身を固めてくれたので、私生活上の懸念もなくなった。

 昨日から西日本、北日本方面では猛烈な寒さがやってきているが、今日は南国・鹿児島市内にも20㎝の積雪があり、観測上初めてのことだそうである。

 ともかく来年も今年以上に気持の充実した一年が送れるよう願って、これから除夜の鐘を聞こうと思う。年男で寅年、そして「60年安保」50周年記念の2010年よ、オボワール!

2010年12月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1326.2010年12月30日(木) 日本語が好い加減に使われている。

 今日は大掃除とホームページの修正に取り組んで一日が終った。まだ、大掃除は片付いたわけではないので、明日まだ続きがある。HPは「訪れた世界遺産」項目の修正である。昨年まで訪問世界遺産は150ヶ所だったが、今年になってかつて訪れた場所2ヶ所が世界遺産に認定され、また先日韓国で4ヶ所訪れたので、トータルで156ヶ所になった。それを手直ししなければならない。残念ながら、まだ修正出来てはいない。今までよりすっきりして洒落ていると思うが、肝心の写真だけがいくら送ってもどういうわけか送信出来ていないので、画面としては未完品である。明日もう少し調べて何とか年内に一応格好をつけたい。

 さて、どうも気になる言葉がある。「一所懸命」である。ところが、テレビ・アナやタレントの言葉を聞いていると大体「一生懸命」と言っている。今日も目の前でNHKアナが「一生懸命」と言っていた。この人はこの言葉の語源を知らないのではないか。そもそもの由来は、お殿様から拝領した田畑(所)をお百姓さんが命を懸けて守り抜くということから派生したものだ。それがいつの間にか生涯(一生)命を懸けて頑張るというような意味に使われている。そしてむしろその方が一般的になってしまった。

 そこへ今朝の朝日に出版社の全面広告が出ていた。「実業之日本社文庫」の文庫本24冊分の広告である。これが「一所懸命な、文庫です。」と、一文字が7cm正方ほどの大きな文字で書いてある。あまりにも大きな文字で書いてあり、目立つこと、目立つこと。宣伝文としてはそれほど上等とも思えないが、まあこれなら宣伝効果は充分であろう。漸くまともな出版社が現れた。とにかく最近は子どもならともかく、インテリぶったのが平気で間違った言葉を発するケースが多い。よく言われる「感無量」だってそうだ。本当は「感慨無量」が正しい。

 そう言いながらテレビを観ていたら「ありがとうございました」と「おめでとうございました」と民間テレビのアナが立て続けに間違って言っている。これも大間違いで、「ありがとうございます」と「おめでとうございます」が正しい日本語だが、今や間違いが罷り通っても誰も厳しく言わなくなった。こうして、少しずつ日本語が乱れていく。

2010年12月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1325.2010年12月29日(水) 事務次官会議廃止を中止

 民主党の政策実行があまり評価されず、先の国会で通過した法案成立も稀に見るほどの低率だった。ビジョンや哲学は良いとしても、政策として実行するには予算の裏付けを始め、すべてが杜撰のような気がする。

 民主党は総選挙では「脱官僚」と「政治主導」を旗印に戦い、政権に就くや各省の事務次官会議を廃止した。ところが、民主党の情けないところは、その後各省庁との対立によって思うように政権運営が出来なくなると、「政と官が車の両輪として機能しなければ政権運営は立ち行かない」といとも簡単に金看板を取り下げて、「官僚こそ政策や課題に取り組んできたプロフェッショナル」と官僚を持ち上げ、官僚との融合に舵を切り始めたことである。結局事務次官を政務三役会議へ陪席させることによって官僚の意見を聞こうと、政治主導を大幅に後退させたのである。何ともこの節操のなさには呆れるばかりである。これでは民主党を信頼出来ず、民主党の政策、政権運営には益々期待が持てなくなる。

 「歌舞伎俳優の市川海老蔵(本名・堀越孝俊)さん(33)が11月25日未明、東京都内で顔などにけがを負った事件で、海老蔵さんが28日夕、都内で会見を開き、同日起訴された杉並区、職業不詳伊藤リオン容疑者(27)と、事件時に同席していた元暴走族リーダーの両者との間で示談が成立したことを明らかにした」という海老蔵示談成立を報じる今朝の新聞記事の書き出しである。内容は写真入りで延々と書き綴られ、社会面の約1/4を占めている。単純な暴行事件なので、内容を理解するのは容易であるが、この記事は天下の朝日新聞記者が書いたものである。朝日記者なれば、超一流でマス・メディアに働くジャーナリストにとって一種憧れの存在であろう。にも拘わらず、僭越に言わせてもらえば、朝日全国版記事にしては冗長過ぎて些か幼稚な文章ではないかと思う。内容もそうだが、語順、読点、文章の切り方など全文に亘って朝日らしからぬ点が妙に気になった。

 さて、今日も昨日に引き続きパソコンの講習を受けに行った。どうしてもHPの「訪問した世界遺産」のページを修正したかったので、不明な点について教えを請いながら確認した。新しい年には、HPをもう少しリフレッシュしてご披露したいと思っている。

2010年12月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1324.2010年12月28日(火) 小沢一郎と鳩山由起夫は政界を引退したら?

 あれ? と意外な感じである。政治倫理審査会には出席しないとあれだけ強情に否定していた、民主党元代表・小沢一郎氏が今日になって急遽記者会見を開き、次の通常国会で政倫審に出席することを決めたと表明した。人騒がせにもほどがある。国会閉幕中のここ数日間政局の中心話題が、この小沢政倫審出席問題だった。野党が攻め、与党内でも政府首脳と反小沢議員が突き上げている。

 小沢氏は9月の民主党代表選の折には、「国会が出ろというならいつでも出る」と言っていた。その点を繰り返し突かれるので、戦術を練ったうえで態度を豹変させたのだろう。

 しかし、小沢氏は出席に条件をつけた。どこまでも往生際が悪い。これに納得出来ない政府首脳は、党が決定をすると述べた。どうなることやら。虚言癖、失言癖、大法螺吹きの多い民主党は、とても信用出来ない。

 年末となり例年通り各テレビは今年のビッグ・ニュースを繰り返し再放映している。その中で最もシビアな報道は、鳩山前首相の沖縄問題に対する拙い対応だった。最近になって、こういう無責任な発言をしている。曰く「沖縄の人の苦しみが分る。基地の海外移設や県外移設は難しいと思っていた。しかし、国民の夢や希望を実現してあげるのが政治である。それが出来なかった」である。最初から無理というのは、ほとんどの日本人が思っていたことだと思う。それを敢えて沖縄県民に淡い希望を抱かせ、かどわかせていただけである。ノー天気な鳩山前首相が悪質なのは、3月には「腹案がある」とまで言い切り、更に期待を膨らませたことである。そのうえで2ヶ月後の5月には日米同盟で辺野古移設を容認していたことだ。こういう善人面して国民をたぶらかせるような所業は、国民に奉仕すべき公職からの追放に値すると思う。

 その鳩山氏が、また小沢氏の国会招致問題では表舞台にしゃしゃり出てきた。そのうえ、一旦は引退すると公表したにも拘らず、前言を翻して国会議員職は続けるという。人の悩みや苦しみが分らず、せせら笑うような言動で国民に嘘をついて反省もしない。こういう人間はこれ以上国会で働いてもらいたくないものである。国民が迷惑するばかりである。

 それにしても血統書付きの鳩山家のお坊ちゃまとしては、あまりにも程度が低く、失望させられた。スキャンダル塗れの小沢一郎氏ともどもさっさと政界から足を洗ったらどうか。

2010年12月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1323.2010年12月27日(月) 菅首相の硫黄島慰霊の目的と意味

 先日菅首相が日米激戦の地・硫黄島へ飛び、戦没者の霊に「遺骨帰還は国の責務」と誓って、戦没者の遺骨収集事業に力を入れることをアピールした。そのニュースは今朝の朝日社説でも取り上げられている。なぜ今首相は遺骨収集に目を向け始めたのだろうか。これまで長きに亘って厚労省は遺骨収集事業を行ってきた。私も20年余りこの事業に関わり多くの戦地を訪れたことによって、事業そのものと戦場周辺の人々の気持について深く考えることがあった。相手国の事情や国民感情もあって、いかに戦没者を慰霊する尊い事業であってもわが国の一方通行的な考えでは、必ずしも相手国の理解を得られず、難しい問題を孕んでいる。

 今首相がこの時期になぜこれほど力を入れて戦没者や遺族に対して「遺骨奉還」を誓ったのか、低迷気味の民主党人気の底上げを狙っているとしたら、戦没者の霊を慰めるどころか彼らの気持を弄ぶものでしかない。

 かつて遺骨収集事業を半永久的に継続することに対して、遠まわしの反対や否定的な意見が持ち上がり、その都度国家総責任論的な理由をつけては事業は曲がりなりにも継続されてきた。継続が危うい壁を何度となく潜り抜けて続けられ、規模は小さくなったが、国のために戦って亡くなった御霊を母国へ奉還するという尊い事業は今に引き継がれている。

 今年になってフィリッピンの事業を国から下請けされたNPOが、日本人ではない遺骨を持ち帰ったことから、問題が大きくなり、遺骨収集は継続されながらも、今もはっきりした方針が打ち出せないままである。

 そこへ今回の菅首相の硫黄島訪問であり、発言である。朝日社説では、首相は野党時代から遺骨収集問題に関心を持っていたというが、その様子はほとんど知られていない。にも拘わらず、首相はこの時点で積極的な姿勢を示した。

 海外で亡くなられた戦没者の数は約240万人と言われている。収集された遺骨の数は凡そその半分でしかない。現地の実態を多少知る立場から言えば、戦後相当な時間も経過して、戦地の現状から推しても今後成果を上げることは難しいというのが率直な感想である。相当額の予算をつぎ込んで、更に事業を拡大するのか、或いは規模を縮小して細々でも事業を継続するのか。これまで国が大上段に振りかぶって議論したことがない。ここは戦没者の慰霊と遺骨の奉還の最後の機会と捉えて、本気で国民的議論を高める必要がありはしないだろうか。

2010年12月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1322.2010年12月26日(日) 新聞小説の意図がよく分らない。

 今日は毎年恒例の「ヨタロウ会」の忘年会。小中陽太郎さんを敬愛する人たちの懇親会である。この会の瀧澤陽子さんは、もう幹事役を20年も務めておられるという。

 会場は池尻大橋の「河豚鮮」でフグ料理を提供する中々の老舗らしい。残念ながら高級・高価なために量的にふぐ刺しが少なく、ほんの2切れしか賞味出来なかった。会費を考えれば、それも已むを得まい。集まったのは約20名で、皆好き勝手なことを言い合い打ち解けて会話と食事を楽しむ人たちの集まりだ。今日の話題のひとつは、市川海老蔵のスキャンダルだった。海老蔵が事件後記者会見を行った時に、芸能レポーターであり目黒区議会議員でもある須藤甚一郎さんは出席し、質問もされたという話だった。他にもNHKの大原雄さんから海老蔵と歌舞伎について薀蓄を伺った。

 さて、世に読書離れが言われて久しい。そんなところへ電子書籍化が進んで出版業界にも新たな関心と話題が舞い戻ってきた。

 それに関連して、新聞の連載小説にどれほどの読者が熱心に読むのか定かではないが、少々関心を持っている。私の場合朝刊と夕刊の2小説、2紙だと4小説を読むことになる。これは毎日少しずつ読むことになるので、1日で内容的に大きな変化はないが、毎日読んでいると徐々に興味も湧いてきて、結構その日の楽しみにもなる。

 中には話題となり、ベストセラーとなる連載小説もある。今読んでいる日経、朝日の4つの小説は、興味のある小説とまったく面白くなく陳腐な小説の真っ2つに分かれる。

 つい最近まで日経夕刊に「無花果の森」という恋愛小説というか、官能小説が連載されていた。この道では知られた書き手の小池真理子が筆を揮ったもので、毎日読んでいて面白いと感じていた。ところが、先日突然のように連載に終止符が打たれたのである。僅か240回程度の連載である。まだ、話が続けられると考えていたので、この先わけありの男女がどういう結末になるのかと期待していたが、強引にジ・エンドを迎えることになってしまった。どう考えてもまだ終るべきストーリーではない。それが突然ヒーローとヒロインが葬儀の帰りに出くわし、後先考えずに手に手を取ってどこかへ行ってしまおうという、降って湧いたような設定で終焉となってしまった。どうも中途半端な気がしてならない。

 これに似たケースが朝日夕刊にも見られる。現時点では、まだ連載中であるが、予告によりまもなく終る。中国人作家・楊逸の「獅子頭」という中華料理のコックを扱った小説である。これだって260回ほどで突然の終りである。若い中国人コック夫婦が離婚して、縒りを戻そうとしている過程にあり、まだ話は佳境にも入っていないと思う。まだまだどんな展開になるのか固唾を飲んで見守っているのに、話は一方的にお仕舞いである。果たして書いている作家は納得して思い通りに話は進んでいるのだろうか、中途半端で話を終らせる新聞の意図がよく分らない。

 一方で、朝日朝刊に連載中の川上弘美の「七夜物語」が今日460回目だ。川上は現代女流作家の中でボス的存在となって隠然たる力を発揮している。だが、この話はだらだらと似たような話が繰り返され、挙句に小学生が魔界へ紛れ込んだり、現世へ戻ってきたり、小学校周辺の話が延々と続き、冗長でおよそ奇想天外な話である。もっとテンポを早めて欲しいと思っているほどだ。それなのにまだ終らない。

 最近の読み物が面白くないのは、「なぜだ?」「なぜだ?」があまりにも多すぎるからではないか。新聞小説にも似たようなことが言える。

2010年12月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1321.2010年12月25日(土) 旧皇族の私生活を知った「朝香宮グランドツアー」

 白金に住んでおられる鈴木武朗さんのお誘いで、夫婦揃って鈴木さんのお仲間の催し「東京都庭園美術館見学とクリスマス・ワインパーティ」に参加させてもらった。鈴木さんはこの世知辛い世の中で、季節の折々に友人のためにいろいろな企画を考えて実行してくれる大変面倒見の良い人である。今年は皇居内のお花見、夏の神田川巡り、そして今日の催しに招んでもらった。

 庭園美術館は目黒通りに面しているので、場所はよく承知していたが、実際に内部へ入って見学するのは初めてだ。庭園が売り物であることは当然として、ここには元朝香宮邸があり、その由緒ある建物は戦後長らく白金迎賓館として使用されていた。ちょうど「朝香宮のグランドツアー」と称して建物内部が公開されていた。都内の一等地に敷地面積が約1万坪というから、昔の華族はみんな贅沢三昧に生活していたのだろう。建物内部はアンリ・ラパンによってアール・デコ調にデザインされ、置物もルネ・ラリックのガラス製品がふんだんに展示されていた。

 戦後になって天皇家を始めとする皇族以外の華族は、世間から忘れ去られていったので、戦後の皇族方の実生活を知る機会は極めて少ない。実際朝香宮家と言われても咄嗟にイメージが思い浮かんでこない。

 資料によると主の朝香宮鳩彦殿下は香淳皇后と叔父・姪の間柄に当り、朝香宮允子妃は明治天皇の第8皇女だという。朝香宮がフランス留学中に、同じく在仏中の北白川成久殿下が運転する車に同乗して事故に遭い、成久殿下とプロのフランス人ドライバーは亡くなられ、朝香宮は重傷を負われた。今なら大変なスキャンダルだと思うが、この事故に際して朝香宮允子妃が日本に子どもを残してフランスへ看病に出かけ、長らく夫妻がフランスに滞在していたという。夫婦愛を象徴するような麗しい話と考えられがちだが、国民から召し上げた税金で自由奔放な生活を送っていたことは国民には知らされず、国民は重税に我慢を強いられていた。私自身宮家にこんな歴史や秘め事があるとは知る由もなかった。今日同じようなスキャンダルを起こしたら、とても世論を押さえきれないのではないか。それにしても皇室にとっては、良き時代だったと言うべきだろうか。

 見学を終えてから鈴木さんの手配により、プラチナ通りにある「ラ・ボエム」で寒い戸外の食事会となった。お花見の時に紹介してもらった、映画監督・木下恵介組の助監督を務めていた、鈴木さんの麻布高の同窓生・横堀幸司さんの座持ちの巧いトークが面白かった。クリスマスに相応しい愉快な一日だった。鈴木さん、お世話になりました。お疲れさまでした。

2010年12月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1320.2010年12月24日(金) 年賀状を書き終える。

 今朝の NHK「あさいち」に映画俳優の館ひろしがゲストとして出演した。館は愛知県立千種高校時代にラグビー部主将として、またチームの司令塔・スタンドオフとしてプレーした。昨年だったか、文武両道校として知られる関東・東海地区の公立高校による、7人制選抜ラグビー大会が横須賀の自衛隊体育学校で開催された。母校湘南高の後輩たちも推薦されて出場し、館の母校・千種高と戦った。その時館が母校の応援に来たということを後になってあるOBから聞いた。その館のラグビー部時代の2人のチームメートが、今朝のフィルムの中で高校時代の館の想い出話をしていた。そこで語っていたのが、何と「近藤節男」さんと「吉田茂」さんと仰る2人のチームメートだった。「近藤節男」さんのポジションは分らなかったが、私とは「夫」と「男」の1文字違いの「近藤さん」と「ワンマン元総理」の偶然の出現に、笑いながらしばらく見るではなく、聞くでもなくテレビの前に座っていた。ラグビーの話になるとつい関心がそちらへ向かう。

 さて、今日の臨時閣議で来年度の一般会計予算が承認された。総額92兆4千億円で過去最大である。私が大学に入学した昭和34年の一般会計予算が1兆4千億円で、経済原論の安川正彬・専任講師(後経済学部教授)から経済学部の学生なら国家の予算ぐらい覚えておけと言われた数字だ。来年度の予算は、それより実に91兆円も上回っている。半世紀以上も昔の価値と物価も考えずにその差額を比較しても詮無いことであるが、あまりのギャップにため息しか出てこない。

 国債の出入りを除いた基礎的財政収支は、22兆7千億円の赤字で、これは13年連続である。これら累積された財政赤字額が将来にツケとなって、次世代へ引き継がれる。もう少し真剣に将来の財政について議論し、少しでも減額し、将来的には国債発行をなくす方向へ経済政策の舵取りを行わなければいけない。どうなることやら、1国民としては手の施しようがない。やはり口先ばかりの政治家の嘘の上塗りに誤魔化されないよう充分監視することが必要である。

 ここ数日続けていた年賀状の宛名書きが今日漸く1区切りついた。全体で今のところ約570枚で、枚数としては毎年あまり変わらない。追加があるだろうから、今年も昨年と同じく凡そ600枚というところだろうか。

 毎年年賀状の文面はパソコンで作成するが、社会人になるまでは毎年版画を彫っていた。これは幕張小学校時代の恩師・湯浅和先生の影響である。先生から毎年いただく年賀状も素晴らしい版画だった。宛名はすべて万年筆で手書きを心がけている。書き間違いもあるが、今も手書きに拘っている。年賀状を差し上げる相手の宛名を機械的にプリントするというのはどうも引っかかる。じっと住所録を見ながら、しばし宛名の人物に想いを馳せ、場合によっては添え書きするのが私のスタイルである。先日は外国にいる友人にクリスマス・カードを郵送したが、これも結構手間がかかった。でもニューヨーク、ブラジル、ビルマ、イタリア、ベルギー、ドイツ、スイス、セビリアの友人たちからの便りも楽しみにしている。今年もクリスマス・カードと年賀状を書き終え、漸くノルマを果たせたような気持になって、とりあえずほっとしている。

2010年12月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1319.2010年12月23日(木) 河野雅治・駐ロシア大使更迭される。

 今日は天皇誕生日で祭日に当たり、昔風に言えば天長節で旗日ということになる。60年以上も続いた昭和天皇の天皇誕生日から、漸く最近になって今上天皇の誕生日が時期的にも馴染めるようになってきた。今上天皇と美智子皇后には優しい印象があるので、不幸にして戦争のイメージを払拭出来なかった昭和天皇に比べれば、国民からの敬愛の念は強いのではないかと思う。

 韓国のヨンピョン島へ北朝鮮が砲撃を加えて、今日でちょうど1ヶ月になる。韓国軍は3日前の海上軍事訓練に続いて、今日は空陸一体となって北朝鮮国境近くで砲撃訓練を行った。北は事前にやればやり返すような強硬なコメントを述べていたが、今のところ静かである。このまま平穏であって欲しいものである。

 さて、昨日のニュースによると駐ロシア大使の河野雅治氏が更迭されることになった。メドベージェフ大統領の11月の国後島訪問の情報を事前に入手出来なかった、重要情報収集力欠如の責任を問われた模様である。この裁断が下される前に、実は今月初発行の月刊「選択」12月号に河野氏の大使としての外交能力を疑問視する記事が掲載されている。確かに自分が勤務する国の最高権力者の行動が直前まで分らないのでは、出先の外交責任者として外交情報の入手はどうなっているのか政府首脳が訝しがるのも当然である。

 かつて鈴木宗男前代議士の「ムネオハウス」が、疑惑の俎上に上がった際、モスクワの日本大使館勤務の佐藤優外交官のロシアにおける並外れた行動ぶりが、外務省のような保守的な空気の中では必ずしも好意的に評価されず、外務省職員として職務停止の状態に留められ、今も裁判中で休職扱いである。その後佐藤氏の著書を何冊か読んでみて、その規格外れの行動力に目を見張った。佐藤氏の講演を聞いたり、直接話を伺ったこともある。

 佐藤氏は浦和高から同志社大学神学部を出られた。在学中に湘南・浦和高定期戦で、湘南高を訪れたこともあると言っておられた。佐藤氏の話を聞いてロシアのような魔界的な国では、危険を冒してでも政界内部へ食い込み人間関係を築いて、コンフィデンシャルな情報を入手する必要があることを痛感した。そこまで蛮勇を奮える外交官の数が少なくなったようだ。得意のロシア語を駆使してロシア政界内部へ切り込んでいく豪胆さを持ち合わせていた佐藤氏は、ノンキャリアである。スパイ視される危険を承知のうえで、相手の懐へ飛び込まなければ重要情報の入手は容易ではない。これがエリートには中々出来ないのではないか。これは佐藤氏の話と著書から感じたことである。その点で現大使の河野流のパーティ外交では限界があったというべきであろう。

 後任には、現チェコ大使の原田親仁氏が就任すると見られているが、「選択」では原田大使は既定路線と見ていて次のように手厳しく論評している。ロシアスクール出の原田氏はドン的な人材ではなく、保身を考えるような人物と同列にあると辛口の評価である。外務省にはしたたかなロシア・クレムリンと正面から交渉出来る外交官はいないとクレムリンにも見抜かれているようだ。

 身の危険を冒してまでも情報収集に当たるべきかどうかについては、議論の分かれるところだが、こういう特殊な国を相手にする場合は、相当語学に秀でた外交官に長期間勤務を継続させて人間関係を構築することが大切ではないかと思う。

 いずれにせよ、政治家がダメなら、外交官もダメ。これでは今後うるさ型で百戦錬磨の各国の首脳陣を相手にどうやって外交問題を解決していこうというのだろうか。どうも心許ない。

2010年12月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1318.2010年12月22日(水) がんじがらめの「日本」という国

 年末の年中行事だが、来年度国家予算の決定に際して水面下で関係当局が虚々実々の駆け引きを行っているようだ。外交や政治を始め政局の動きも絡んで、中々前へ進まない点を心配していたが、役所は話をとっとと進めているらしい。

 その中で2点ほど気になったことがある。ひとつは、民主党政府がマニフェストで約束したバラマキ政策が、未だに歳入のメドも立たない財源難のため実現の可能性が危ぶまれていることである。

 来年度の一般会計の歳出は、今年度と同じ92兆円台と見られている。これを税収41兆円と国債発行44兆円を併せても、なお約7兆円が不足する計算である。この不足分を独法や特別会計の剰余金で賄う腹のようだ。ところが驚いたことに「出るわ、出るわ」、JN協会の松尾道彦理事長が総裁を務めていた鉄道建設・運輸施設整備支援機構から利益剰余金1.2兆円を始め、財政投融資特別会計から1兆円、外為資金特別会計から3兆円の剰余金を税外収入として計上するという。国はあっちからも、こっちからもいざとなれば、いくらでも剰余金をかき集められるシステムになっているようだ。「国家の制服」にはない筈の袖がいくつも付いているのだ。どうしてこれだけの大金が不透明なまま埋蔵金として眠っていて、国民の前に公表されないのだろうか。言ってみれば「隠し資産」のようなものではないか。かつて学生時代に法政大学へ出かけて大内兵衛教授の講義を受講したことがあるが、その時大内教授は財政投融資を表に出せない「めかけ」のような存在と手厳しく糾弾していたが、なるほどと思う。

 もうひとつ注目したのは、「日本復活特別枠」というおひねりを作り出したことである。これは来年度予算編成で成長戦略やマニフェスト関連施策を実現するために特別に設けた予算の枠だという。まったく国の手にかかったら何でもありなのだ。しかも当初想定を上回る2.1兆円にも達するという。

 そのどちらも国民のほとんどがその決定の経緯と中身を知らないと思う。在日米軍の駐留経費の日本側負担額などもこの中に含まれるらしい。どうも国民の知らないところで、物事が決定されていく。民主党政権になって戦時中の翼賛体制傾向が強まっているようだ。危険!危険!

 財政悪化と経済成長の弱さが影響して日本の格付けも下がる一方である。大手格付け会社、アメリカのS&P社の格付けによると日本は信用度の低下したスペインと同格の「AA(弱含み)」に置かれている。更に同社は日本の社会保障費が高齢化に伴って増え続けた場合、国債の格付けを現在のダブルAから更に引き下げる可能性を匂わせている。日本の出来の悪い政治家たちの行う政治ごっこが、外から危ないと見られているのだ。どうしてこういう政治家をわれわれは選んでしまったのだろうか。「田園の憂鬱」ならぬ「日本の憂鬱」である。

2010年12月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com