1327.2010年12月31日(金) 「60年安保」50周年の2010年を送る。

 とうとう今年も大つごもりとなってしまった。それとなく樋口一葉の短編を思い出すが、巷ではそんな詩的で感傷的なこともなく、例年にも増してNHKが派手に今晩放送する「国民的行事」である「紅白歌合戦」の予告編や、裏話をこれでもか、これでもかとしつこいくらいにこの1週間ばかりは紅白塗れである。

 昨年の今日はどういうわけだか、体調が悪くなって入浴もせず早めに寝てしまったので、この国民的行事を見ずに年を越してしまった。

 振り返ってみると今年も反省すべき点が多い。尤も私個人より、こう言っては恐縮だが国の方にもっと反省してもらいたい。政治、外交面のお粗末なリードぶりには本当に愛想尽かしをしたい。政治家と官僚には大いに反省してもらわなければ困る。

 今年最後の日経平均はやっと1万円台に乗せて10,228円で2年ぶりに下落となった。円高基調は変わらず、年平均の円相場は87.75円だった。昨年は93.60円だった。今年の円高は変動相場制に移行した1973年以降、平均で最大の円高相場だった。円高が進行しても、政府・日銀は速やかに防止策を取らず、いつも「注意深く見守りたい」の一点張りで具体的な行動をほとんど起こさなかった。この間に中国は勿論、シンガポールの目覚しい発展に日本完全に遅れを取った。

 シンガポールの実質国内総生産(GDP)伸び率は約15%と1965年に独立して以降最高である。驚くのは一人当たりGDP=43,653$で、日本のそれを300$近くも上回っている。どうして彼我の差がこんなことになってしまったのだろうか。やはり国をリードする指導者の力量の違いだろう。シンガポールには、首相の座を去っても良きアドバイザーとして智恵を出してくれる建国の父、リー・クアン・ユー顧問相がいる。私がリー首相(当時)に随って箱根へ行ったのは、もう30年近く前だが、威厳があって柔和で、政治家として実に存在感があったように思う。果たしてわが国には彼のように国を想う偉大な政治家がいるだろうか。見回してみても誰1人として見当たらないではないか。

 反省すべき点はあるが、私個人にとっては、今年はまずまずの1年だったと思う。できれば海外へもう1回ぐらい行って見たかった。上梓の予定だった書下ろし作品は、「JAPAN NOW観光情報協会」発行の共著に専念したために来年へ先送りすることになった。9月開催の国際ペン・東京大会の記念に出したかったので、その点は若干未練が残る。まあ、朝日にも記事が出たし、テレビにも出られたので、善しと考えるべきであろう。

 独身貴族だった二男も漸く身を固めてくれたので、私生活上の懸念もなくなった。

 昨日から西日本、北日本方面では猛烈な寒さがやってきているが、今日は南国・鹿児島市内にも20㎝の積雪があり、観測上初めてのことだそうである。

 ともかく来年も今年以上に気持の充実した一年が送れるよう願って、これから除夜の鐘を聞こうと思う。年男で寅年、そして「60年安保」50周年記念の2010年よ、オボワール!

2010年12月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com