1321.2010年12月25日(土) 旧皇族の私生活を知った「朝香宮グランドツアー」

 白金に住んでおられる鈴木武朗さんのお誘いで、夫婦揃って鈴木さんのお仲間の催し「東京都庭園美術館見学とクリスマス・ワインパーティ」に参加させてもらった。鈴木さんはこの世知辛い世の中で、季節の折々に友人のためにいろいろな企画を考えて実行してくれる大変面倒見の良い人である。今年は皇居内のお花見、夏の神田川巡り、そして今日の催しに招んでもらった。

 庭園美術館は目黒通りに面しているので、場所はよく承知していたが、実際に内部へ入って見学するのは初めてだ。庭園が売り物であることは当然として、ここには元朝香宮邸があり、その由緒ある建物は戦後長らく白金迎賓館として使用されていた。ちょうど「朝香宮のグランドツアー」と称して建物内部が公開されていた。都内の一等地に敷地面積が約1万坪というから、昔の華族はみんな贅沢三昧に生活していたのだろう。建物内部はアンリ・ラパンによってアール・デコ調にデザインされ、置物もルネ・ラリックのガラス製品がふんだんに展示されていた。

 戦後になって天皇家を始めとする皇族以外の華族は、世間から忘れ去られていったので、戦後の皇族方の実生活を知る機会は極めて少ない。実際朝香宮家と言われても咄嗟にイメージが思い浮かんでこない。

 資料によると主の朝香宮鳩彦殿下は香淳皇后と叔父・姪の間柄に当り、朝香宮允子妃は明治天皇の第8皇女だという。朝香宮がフランス留学中に、同じく在仏中の北白川成久殿下が運転する車に同乗して事故に遭い、成久殿下とプロのフランス人ドライバーは亡くなられ、朝香宮は重傷を負われた。今なら大変なスキャンダルだと思うが、この事故に際して朝香宮允子妃が日本に子どもを残してフランスへ看病に出かけ、長らく夫妻がフランスに滞在していたという。夫婦愛を象徴するような麗しい話と考えられがちだが、国民から召し上げた税金で自由奔放な生活を送っていたことは国民には知らされず、国民は重税に我慢を強いられていた。私自身宮家にこんな歴史や秘め事があるとは知る由もなかった。今日同じようなスキャンダルを起こしたら、とても世論を押さえきれないのではないか。それにしても皇室にとっては、良き時代だったと言うべきだろうか。

 見学を終えてから鈴木さんの手配により、プラチナ通りにある「ラ・ボエム」で寒い戸外の食事会となった。お花見の時に紹介してもらった、映画監督・木下恵介組の助監督を務めていた、鈴木さんの麻布高の同窓生・横堀幸司さんの座持ちの巧いトークが面白かった。クリスマスに相応しい愉快な一日だった。鈴木さん、お世話になりました。お疲れさまでした。

2010年12月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com