622.2009年1月25日(日) 窮地の横綱朝青龍、5場所ぶりの優勝

 昨日ブログに書き込んだオバマ大統領の親イスラエル発言について、今日もニュースとしては大々的に扱うことはなく、ニュース討論番組の中でこの発言からすればブッシュと同じ政策であり、ことパレスチナ問題に関してはオバマ政権の先行きが心配であるという程度のコメントでしかなかった。話題としてはほんの少し俎上に上がることは上がった。

 しかし、マス・メディア全体でオバマ大統領のコメントを批判する、アラブ寄りの論調や発言はほとんどなかった。われわれはこのまま黙っているより仕方がないのだろうか。イスラエル寄りということは、いずれあの国連施設を含めてガザ地区を空路からも、陸路からも砲撃を加えるということにつながる。こうなるとオバマ政権が落ち着いたらイスラエルがアメリカを後ろ盾に、パレスチナを攻撃することになるのだろう。

 さて、人気沸騰の大相撲1月場所も今日が千秋楽である。優勝争いが興味を呼んで、当日の自由券を求めて徹夜組も出たそうだから、悪役朝青龍さまさまではないか。結びの一番で3場所連続休場で、引退を賭けて強行出場した横綱朝青龍が、4場所連続優勝を狙っていた横綱白鵬を、優勝決定戦で圧倒して14勝1敗で優勝を飾った。場所前にはまったく考えられもしなかった。

 実力は伴っているが精神面で問題があり、相撲界の看板力士としてわがままのし放題で、とかく問題発言を繰り返して顰蹙を買っていた朝青龍が、心機一転して並み居る強豪を倒して優勝したのだから、その精神力と実力には言うべき言葉がない。

 考えてみるとこれだけ四面楚歌の中にあって、苦境を突破した精神力は並大抵のものではない。今こういう「なにくそ」精神を持って困難に立ち向かう若者が少なくなったと思う。朝青龍は約束したわけではないにしても、優勝を期待されていることは自覚しており、その横綱が引退の瀬戸際にまで追い詰められていた心の内は察するに余りある。自業自得の面もあるが、黙って非難に耐えながらその期待に応えるのは、相当な覚悟が求められる。普段からもう少し行儀よくしたらどうだと思っていた朝青龍だが、今日のところは「お見事!」「あっぱれ!」と言ってやりたい。

 久しぶりに大相撲の醍醐味を堪能した。

2009年1月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

621.2009年1月24日(土) マス・メディアに隠蔽工作はないか?

 夕べ遅く小学校のクラス会から帰宅して風呂に入り自室に入る直前に、オバマ米大統領がイスラエルについて好意的なコメントを発表したとのテレビニュースをちらっと見た。就任直後で世界が注目するこの大事な時に、あまり刺激的な発言はしないだろうと思っていたので、一瞬オバマ新大統領もブッシュ前大統領同様にアメリカ国内に根強い親イスラエルの世論に引きずられて、イスラエル殺人鬼派かと実はがっかりした。どんな意図でイスラエル寄りの発言をしたのか今朝の新聞を楽しみにしていたところ、朝日にも日経にもオバマ関連記事は、大統領就任演説全文と妊娠中絶容認ほかのチョボチョボ程度である。親イスラエルの発言は新聞でも、テレビでもまったく扱われていない。あれだけ話題のパレスチナ問題について新大統領がどんな所信を示すのか興味を惹かれる場面であるにも拘わらず、発言したことに対して一切コメントが報道されていないのは納得がいかない。

 しばらくして1年前の韓国の火災を思い起こし、またか!という思いがこみ上げてきた。多分この時期にアメリカ新大統領の親イスラエル発言が、アメリカ政府が望まない形で流布され広がることが好ましくないのだろう。発言が野火の如くあっという間に世界を席捲してしまうだろう。今アメリカと敵対関係にあるシリア、イランがオバマ大統領へ祝福を送り、アプローチしようと考えている。こういう動きに水を差すようであってはならない。それがいかなるものか、どうも勘ぐるところ報道管制的な何らかの手が伸びてきたと考えざるを得ない。夕べのニュース報道について特別な筋からの「サジェスチョン」とか、報道したくない理由が日本のマス・メディアにあるのではないか。或いは私の予測は的外れであるかも知れない。私の思い過ごしでなければいい。アメリカ国内ではどうだろうか。

 とにかく昨年一月に起きた韓国・利川の冷凍倉庫爆発による40名即死事件を日本のマス・メディアがすべて隠蔽して外部への報道を止めたのは、マス・メディアとしての責任と義務を放擲した自滅作用とも呼ぶべきものである。この利川事件の真相は、1年を経過して未だに闇の中にある。日本のジャーナリストは誰も真実を突き止めようとしない。昨年12月の岩波市民セミナーの際にも質問したが、講師をはじめとして出席のジャーナリストから明確な答えはなかった。否この事件を知らなかったようだった。やはり、今の日本のジャーナリズムは腐りかけている。願わくば、オバマ発言が報道されなくなったのは、意図的な目的からではないということであって欲しい。

 どうもすっきりしない。しかし、直感ではあるが、日本のジャーナリズムは徐々に崩壊へ向かっているような気がしてならない。

2009年1月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

620.2009年1月23日(金) 世界的経済不況と小学校クラス会

 今朝の新聞を読むと不景気な記事満載に少々うんざりする。曰く「日銀、2年連続マイナス成長」「トヨタ、海外で正社員削減」「ソニー営業赤字2,600億円」「米マイクロソフト、初の大型リストラ・社員5%5千人削減」「米住宅着工件数、最低に」「6大銀、最終利益8割減」等々、国内外の有力企業が軒並み直近の金融危機の影響をまともに受けているのが分る。

 そんな中で「オバマ外交、早くも本格化」「アメリカ再生への道・新エネ産業創出へ結束」とオバマ大統領は中々勇ましい。実行力に大きな期待を寄せられ、一歩踏み出した。翻ってわが日本の政治はどうか。消費税を上げる論議が、自民党財務金融部会と政調審議会の間で「消費税を含む税制抜本改革を行うため、2011年度までに必要な法制上の措置を講ずる」とする付則を盛り込んだ税制改正関連法案として妥協の末に了承された。今の若者風に言えば、「何だよ、これって?」ということになる。麻生首相は就任当初定額給付金と引き換えに、2011年までに消費税を上げるとはっきり明言していた。「ぶれる」首相は、近づく総選挙を前に消費税値上げに批判的な党内事情を配慮してトーンダウンして、玉虫色の決着にした。「決定は必ずしも決定でない」おもわせぶりの文言だけが法案に付されている。日本のリーダーである麻生首相は、こういうその場しのぎの身の処し方で切り抜けることにしたのである。オバマ氏と比べて何と迫力のない、みみっちいことをやっているのか。

 日本の政治が機能していない一方で、他の分野で眉唾ものであるが面白い統計もある。日本経済研究センターが昨年の世界50カ国・地域の潜在競争力ランキングを発表した。少々分りにくいが、長期的、持続的な成長力について企業、教育、インフラなど8項目の主要な指標を分析して偏差値を算出し、今後10年間に一人当たりGDPをどれだけ増やせるかを示しているそうだ。部門別に面白いのは、06年に財政赤字が縮小したことで「政府」の順位が上がったことだそうである。この時期は小泉首相だったので、安倍、福田、麻生の実績によるものではない。

 しかし、よく考えてみると日本経済研究センターがまとめた、この予測統計はあまり意味があるとも思えない。香港が1位、シンガポールが2位を占め、産業生産力のある国や資源国が上位にランクアップされていない。経済力の実態を正確に映し出しているようには見えない。日本が12位へ上がったと喜んでいるようだが、ロシアが30位、中国が34位というのも潜在競争力という観点から少々疑問である。

 日本政府同様に官直営の作業や研究機関には、少々的外れでムダなものも多いのではないかと気になる。多額の経費を注ぎ込む以上、一般国民が納得し、役立つ情報収集と分析を行って欲しいと思うのは至極当然と思うのだが・・・・。

 58年前に卒業した千葉市立幕張小学校(旧幕張町立幕張小学校)のクラス会「和会」は、毎年恒例の新年会を錦糸町の寿司屋で行っているが、今年は私の出版記念会を兼ねて開いてくれた。生憎体調を崩した友もいて、例年は10名くらい集まるが、今日は6名きりだった。いつも肩の凝らない昔話に終始する。今日成績が良くマドンナ的存在だった小林禮子さんが担任だった湯浅和先生に書いていただいた言葉を和紙にコピーして配ってくれた。それぞれの生徒に卒業前に書いてくれたらしいが、誰一人として覚えていない。素晴らしい達筆で次のように書いてある。

 「美しい気持でね

  でも

  美しい気持ってむずかしいよ

  一生かかってやるんだよ

  美しい気持でいられたら

  きっと幸福だよ

  元気で」

 この後に湯浅和先生の住所と署名がされている。先生がこどもたちのことを真剣に考えてくれたことがよく分る。

 とにかく素晴らしい先生だった。みんな慕っていた。体当たりで何でも教えてくれた。小林さんが「12歳の時に、一生かかってやることを教えて頂いた私達は、幸せな生徒だったと思います」と補足して書いてくれている。

 私も学生のころに父の仕事の関係で歌舞伎座の入場券を度々手にして、3~4回は先生と歌舞伎を観劇したことがある。22年前母が急逝した1ヶ月後に先生も亡くなられた。千葉市内の自宅で行われた通夜と葬儀に参列して無性に寂しい気持に襲われたことを思い出す。我々同級生もみんな古希を迎えた。いつまでこのクラス会が続くか分らないが、悪戯盛りだったこどもがもういいじいさんとばあさんになった。級長だった高橋繁くんがマメにお世話役を引き受けてくれるので、何とか続いている。せっかくの衆生の縁である。出来るだけ縁を大切にして出席するようにしたいと思っている。

2009年1月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

619.2009年1月22日(木) ホワイトハウスというところ

 「NATIONAL GEORAPGHIC」今月号に「知られざる米大統領の日常」という特集記事が掲載されている。公的な仕事場と私的な家庭をひとつにした個人商店のような、通常ホワイトハウスの窺い知れない一面と、年に5~6回予定される大統領の外国訪問の際の対応について興味津々のホワイトハウス情報をリポートしている。

 この特集の中で意外だったことが3つばかりある。ひとつは、普段大統領が移動に使用している専用リムジーンは、特別仕様でテロリストからの毒ガス攻撃にも耐えられるようになって、車内は外部の音を遮断する完全な密室構造になっている。重さも4.5トンもあるという。大統領が外国訪問する時にも、いつも思い通りに使用できるように航空貨物機でスペアの専用車とともに海外へ運び、訪問先でも国内と同じように利用するというから恐れ入る。

 2つ目は、外国を訪問する時、しかも大規模に移動する時は、総勢800人もの人が動き、専用機「エアフォースワン」には、大統領夫妻とスタッフ30人、シークレットサービス100人以上、そして14人のプレスが乗り、他のプレスはチャーターされた別の航空機で追随する。しかも、支払うべきその航空運賃はファーストクラス並みだそうである。

 3番目に驚くのは、ホワイトハウス内で開かれる晩餐会、外交団を招いたレセプションに掛かる費用は税金で賄われるが、日常的な家族の食費はすべて大統領の負担だそうである。第1級のシェフを多数雇い入れ、高価な仕入れのために、初めて請求書を見たファーストレディはそのあまりに高い食費にびっくりされるということである。

 まあこういう環境の中で多くのスタッフの協力を得ながら世界の政治のリーダーが活動しているのだと思うと、納得することが出来る反面些かの戸惑いを感じざるを得ない。

 そのオバマ政権はすでに実質的なスタートを切った。最初の日本流に言う閣議で、閣僚に国のため、国民のために奉仕して、自分自身のために奉仕することは控えて欲しいと言い渡したということであるが、当たり前のことで、こんなことを言わなければならないこと自体、勘ぐれば過去においてこういう反倫理的なことが行われていたということを匂わせる。しかし、日本では大臣だって私利私欲に走るケースが多く、透明性という点に関してはアメリカ政府の方がまだしも上だと思う。

 それにしてもオバマ大統領の演説、行動力、雰囲気、若さ、異質な経歴、どれをとってもカリスマ性とか、期待度がこのままだと益々広がっていくような気がする。リーダーシップに非凡なものがある。他方、自らは動けない、動こうともしない日本の政治家の動きを見ているとまったく情けなくなる。率直に言ってアメリカ国民を羨ましく思う。

2009年1月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

618.2009年1月21日(水) オバマ政権人気先行でなければ良いが・・・。

 派手な演出の中でアメリカ合衆国大統領へ就任したバラク・オバマ氏は、早速衆人環視の中で大統領就任演説を行った。キーワードは、「新たな責任の時代」である。ブッシュ政権で深刻になったアメリカの分裂を修復し、結束を促すため、自らが先頭に立つだけでなく、ひとりひとりのアメリカ国民にも危機突破への自覚と協力を求めたのである。このスピーチがどのようにアメリカ国民に訴求力を持って捉えられたか、果たして名演説だったかは後世の人たちが評価すべきであろう。全米中からお祝いの式典会場に押しかけた国民の数は、実に200万人を超えたという。

 これまでオバマ氏ほどその就任を待たれた大統領は古今東西を通じていない。アメリカのメディア世論調査でオバマ氏の支持率は80%を超え、就任前の大統領として史上最高を記録したと伝えている。それほど新大統領政権は、アメリカのみならず世界中の期待と注目の中で発足した。異常なくらいの盛り上がりである。今アメリカ経済と外交はどん詰まりである。アメリカから広がった金融危機は世界を席捲し、世界中を経済不況の渦の中に引きずり込んだ。対外的な戦略もアメリカの一極集中主義が破綻して、現在ではアメリカ不振と反米感情がイスラム社会を中心に拡散している。

 同時に、オバマ政権は経済に精通した陣容を揃えた。マス・メディアは就任後100日が試金石と予測している。カーター政権のスタグフレーションの再来だけは御免蒙りたい。

 対外的な手腕を問われるのはイラク戦争とアフガニスタン戦争、そして急展開を見せてきたパレスチナ問題であろう。すでにイラクからの米軍の撤収を公約の柱に掲げてきた。今後はアフガニスタン戦線の強化へスイッチする。しかし、国防総省が検討している最大で3万人の増派は、下手をすると情勢を悪化させるとの懸念もある。そこへ、オバマ政権発足祝いに停戦作戦を取ったイスラエルの姿勢にどう向かうのか。全イスラム諸国を敵に回してこれまで通りイスラエルの肩を持つのか、イスラエル寄りのクリントン国務長官が就任しただけに、その対応次第では国際社会から異論も噴出しかねない。

 ところで経済活動の指標とも言うべきニューヨーク株式市場のダウ平均が、オバマ政権船出のご祝儀相場が出ると思っていたら、現実は厳しい。2ヶ月ぶりに8,000ドルを割り込んだ。新大統領就任に沸いても市場は一層の景気後退を織り込んでいる。

 当分の間オバマ新政権の行方を監視する必要がありそうだ。

 今日は小田急経理部時代にお世話になった岡村透さんご夫妻に1年ぶりにお会いして、豪華なご馳走に与った。経理部主計課長と平社員という上下関係だったが、温かい気持ちで指導してもらい、あまり好きになれない経理業務で気が滅入った中で随分気を遣っていただいた。今日はご夫妻と楽しいひとときを過ごすことが出来た。岡村さんは今も日本公認会計士協会・東京会常任幹事として活動しておられる。積もる話もあり、自由闊達に話すことが出来た。岡村さんには来月開催の出版記念会にご夫妻お揃いでご出席いただき、乾杯のご挨拶をお願いしている。一時健康を害されたのではないかと心配したこともあったが、お元気そうだったので安心した。

2009年1月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

617.2009年1月20日(火) 第44代米大統領にバラク・オバマ氏就任

 まもなくバラク・オバマ氏がアメリカ大統領に就任する。もう何日も前から就任式のリハーサルが繰り返され、当日の式典に参加する聴衆は過去最大とも噂されている。国内外が多事多難の中で、政治的に世界の最高位と見られている職責を全うするには相当の能力を発揮し、課せられた重い責任を果たさなければならない。時差の関係で日本にニュースが伝えられるのは明日になるが、今後オバマ氏の実行力がどのように発揮されるのか見守り続ける必要がある。個人的にはかなり期待が持てるような気がする。

 コロンビア大学のカーティス教授によれば、オバマ氏は①感情的にならない、②ナショナリズムを煽らない、③理念、政策がぶれない、④難しい問題を分りやすく説明する、と評価している。確かにオバマ氏は、終始冷静で賢明な対応をとる。これが国民の安心感を呼ぶのだろう。翻ってわが麻生首相はどうか。オバマ氏とはすべての面で対極にあるのではないか。

 オバマ新大統領がどんな就任演説を行うのか、この点でも世界が注目している。引き合いに出されるのは、リンカーン大統領であり、ケネディ大統領である。それぞれに簡潔にして、説得力のある格調高い名スピーチで、とりわけ若者の共感を呼んだ。オバマ氏もきっと世界中の人々を唸らせ、後世に残るスピーチをやってくれるものと期待している。

 今年初めての「酒のペンクラブ」例会が六本木の「All of me club」で開催された。このクラブはJAZZクラブで毎晩ライブを行っている場所なので、いつもとは少々勝手が違う。クラリネット、ギターとベースのトリオが生演奏をやってくれた。しかし、何であれ生とか、本物というのはやはり良いものである。

 昨日「知的生産の技術研究会」秋田事務局長から、「知の現場」出版計画について、交渉した東洋経済新報社から、好感触を得たとメールで連絡があった。知研としては久しぶりの書籍出版事業計画であり、企画書自体は時宜を得た内容だと思うので、うまくいくといい。私も編集スタッフの1人として、これから多くの著名人をインタビューしていく立場上、アイディアをどんどん出していきたいと考えている。

 元朝日の加納隆氏さんから拙著を新聞の「書評」に取り上げてもらうひとつの方法として、直接新聞社学芸部「書評」係宛へ送付するのもひとつの方法であるとアドバイスをいただいたので、今日全国の新聞社の中から37社へ拙著を郵送した。取り上げていただければ有難いし、この先も第3刷への道が開けてくるかも知れない。多少の期待をしながら待ちたいと思う。

2009年1月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

616.2009年1月19日(月) ようやくパレスチナも休戦か。

 漸くイスラム原理主義組織ハマスも条件付きで停戦を受け入れることになった。ごちゃごちゃあったが、これで一応戦火が収まることを期待したい。イスラエル同様に、窮地に追い詰められたハマスも一方的な停戦宣言である。条件としてイスラエル軍の1週間以内のガザ地区からの撤退を求めている。これはイスラエルも同意した。最初の戦火が交わされてから3週間以上が経過している。すでに1,300人を超える犠牲者を生んだ。停戦と言っても、いつまた戦闘が再開されるか分らない。相変わらず爆弾を抱えていることには変わりない。両者の間にはそれくらいお互いの憎しみ合い、神経をとがらせる要因がある。

 イスラエルとしては、ハマスを制圧すればしたで、別の心配もある。ガザが権力の真空地帯になり、この機に乗じて国際テロ組織アルカィーダが潜入してくることを恐れている。イスラエルにとってはこの地域でアルカィーダが勢力を広げることは、貧しいパレスチナ自治政府が穏健に統治することに比べれば、懸念材料としては遥かに大きい。

 とりあえず停戦ということになったが、これから先パレスチナの将来はどうなるのか。イスラエルはこのまま大人しくしているのか。長期的にも短期的にも心配の種は尽きない。

 しかし、今回の騒動で国連の力の弱さとその力が失われつつあること、アメリカが自国のエゴのために主導的な役割を果たすこと、つまり仲介の労をとることに尻込みしたこと、大国の力が通用しなくなったこと、イスラエルとアラブの対立が一層険悪になったこと、等々が明らかになり、今後に複雑な課題を残した。

 日本では、現在雇用が大きな社会問題となっているが、そのほかに今日の国会では相変わらず消費税アップ問題で非建設的な論議ばかり行われていた。消費税を上げざるを得ないことは、認めたくないが税収不足面から現状では止むを得ないのではないかと思われる。民主党が主張する行政の無駄を省くという説には、行政当局がすんなり受け入れようとしないので無理だと思う。一般会計予算が新年度88兆円と大幅な増加傾向に対して、昨今の経済状態から推して税収不足は明らかで、これを解決する名案は中々浮かんでこない。とても国の税収不足を補いきれない。結局消費税に頼らざるを得ないのではないか。ただ、消費税をどのように使うのかという肝心な点に論議はなく、あまりにも無為無策で知恵がない。アイディアも提案されていない。単に、いつから上げるか。上げ幅をどうするかということにしか知恵が回らない。これだから、小泉純一郎元首相が、先日突然マイクの前で、衆参両議院を統一して議員数も500人程度に減らした方がよいと提言して一部で喝采を浴びていたが、暴論ながらも一理ある。

 無駄遣いばかりで、無責任な国会議員ゴッコはもう止めてもらいたい。

2009年1月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

615.2009年1月18日(日) イスラエル一時停戦、そして再戦

 昨日イスラエルが一方的停戦を発表すると噂が流れたが、事実イスラエルはメリットを計算したうえで一方的停戦宣言をした。しかし、案の定と言うべきか、数時間で停戦宣言をしたイスラエルが空爆を再開した。停戦時間内にガザ地区から、イスラム原理主義組織ハマスがイスラエル南部へロケット砲弾を撃ち込んだことをその理由としている。

 これでまた元の木阿弥となってしまった。今日までにすでに1,200名を超える生命が失われた。今朝の朝日新聞を見るとほぼ2面に亘ってイスラエルとガザの戦火に関する記事が掲載されている。その中で、駐日イスラエル大使の発言は、一方的にハマスを非難して、非は相手にありの一点張りである。その上パレスチナ国家が出来てイスラエルと共存していくためには、ハマスではなくハマスに対抗するファタハがガザ地区の支配権を取り戻すことを望むと堂々述べている。これは外交官として他国の内政に介入する発言で治外法権的な発想であり、パレスチナにとっては大きなお世話であり、許しがたい発言だろう。こういう外交官の本音が束になったのが、イスラエルという国家の体質であり、外交政策であると思う。今度の衝突がこの先一時的に回避されるような結果になっても、今後激しい戦争にはならないという保証はあり得ないように思う。このような対立を知りながら、まったく手を差し伸べようとしない日本を始めとする大国の無慈悲さにはがっかりする。

 一方、今夜放映されたNHK番組「ETV特集・ミャンマーに医療のかけ橋を」を観て感動した。ビルマ(ミャンマー)における地域医療で日本人医療チーム(ジャパン・ハート)の活躍ぶりが、ビルマのサガインで展開される。医療施設も不十分で、待遇も悪く、休みもほとんどない。言葉も通じない。完全なボランティアである。この中で日本人医師と看護師が献身的に、ビルマの人たちのために働いている。指導者の博愛的な信念にも感動した。なんでもやればよいというものでもない。現地で働くチームが疲弊したのでは元も子もない。期間が過ぎたら日本に帰り、日本のどこかで一定期間医療活動に当たり、その後またその気になったら海外で活躍してもらうというローテーションを考えている。患者と正面から向き合い、不可能なことはダメとはっきり宣告する。患者との会話を大切にして何とか意思を伝えようとする。若い医師は何でもありの現場治療から少しずつ医師として成長していく。ビルマ人の患者、家族と医療チームのコミュニケーションが素晴らしい。

2009年1月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

614.2009年1月17日(土) 阪神・淡路大震災、満14年目を迎える。

 阪神・淡路大震災から今日で満14年になる。その当時は地震であんなにびっくりしたことはなかったと思った。朝起きてテレビ画面で神戸の街の至るところから黒煙が上がり、アナウンサーが絶叫口調で被害の甚大さを訴えていた。6,434人もの尊い生命が犠牲になった。今でもあの時の興奮が甦ってくることがある。

 しかし、その4年後である。実害はなかったとは申せ、自分自身も大地震に巻き込まれる当事者になってしまった。トルコのチャナッカレで20世紀最後とも言われた大地震に遭遇してしまったのだ。まさか外国の地で自分自身があのような大災害に巻き込まれるとは思ってもいなかった。ホテルの7階に宿泊していた明け方に、突然大揺れに揺れた地震は、多くの建物を倒壊させ、1万7千人もの被害者を出す大参事となった。その件については、近著「停年オヤジの海外武者修行」に1項目分まとめて書いた。今となっては懐かしい気がしないこともない。結果としてこのトルコ大地震は、私が書物を書くに当って題材の一部を提供してくれることになった。地震を通してトルコの文化の一端を知ることも出来たし、中世オスマン・トルコ文明の骨太さも学ぶことができた。幸い本書は、増刷されることになり、重版が昨日手元に届いた。初版の出来上がりから出版社に修正をお願いした、帯表紙のコーティングと本文中の写真の陰影箇所が、希望通り良く出来ていて満足のいくものである。これも何とか在庫ゼロにして、第3刷にまで持って行きたい。

 さて、最近の内外ニュースのうちで最も脚光を浴びているのは、外国ではイスラエルによるパレスチナ・ガザ自治区への攻撃であり、国内では不況に伴う企業の人員解雇である。

 イスラエルはリブニ外相をワシントンへ派遣してライス米国務長官と緊急会談させて、停戦へ向けた下打ち合わせをやっているようだ。しかし、イスラエルの行動には、国際批判の厳しい目を反らせ、早目に有利な条件を勝ち取りたいとの思惑がミエミエである。その思わせぶりなパフォーマンスは、ハマスの意向に一切耳を傾けることなく停戦を一方的に宣言する戦術に出ると噂されている。なんとまあ手の込んだ身勝手なことを考えるものか。そのイスラエルの考える姑息な手段にアメリカも手を貸そうというのだから、民主主義のご本尊を自称するアメリカも始末に終えない。やはりアメリカはイスラエルとは手を切れないのだ。死者はすでに1,100人を超えた。

 国内問題では企業の非正規社員解雇問題で、新たに三菱自動車が1,600人を解雇するという。トヨタ自動車では、国内生産を半減するというから、いずれ社員解雇につながるだろう。一向に曙光が見えてこない。

 残念ながら新年早々あまりめでたい話はない。

2009年1月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

613.2009年1月16日(金) 危機一髪! 旅客機が不時着水

 ニューヨークで今日奇跡が起きた。ニューヨークのラ・ガーディア空港を離陸したUSエアウェイズの旅客機が、ニュージャージーとマンハッタンの境界を流れるハドソン川へ不時着水したが、幸いにして乗員・乗客合わせて155人の命に別状がなかった。不時着水だから滑走路上の胴体着陸に比べてややショックは小さく、火災発生の危険はない。だが、今まで何度かこのハドソン川をフェリーで往復して感じたのは、大小取り混ぜて1日中往来する船舶が多い船の過密地帯であり、航空機と船舶の衝突の危険性が極めて高いことである。例え航空機は着水の準備ができたにしても、航行する船が上空から飛び込んでくる航空機を避けることはほぼ不可能に近い。そんな絶体絶命の窮地をパイロットは見事に切り抜けた。アメリカでも機長の機転と操縦技術に絶賛の声が上がっている。実際飛行機が墜ちて乗客が全員救助されたという話はこれまで聞いたことがない。

 原因は「バードストライク」と云われる鳥の吸い込みだそうだ。群れとなって飛んでいる水鳥が両翼に付いているエンジンに吸い込まれた結果である。2つのエンジンが機能しなくなり、急速に機体は急降下した。下手をすれば、地上の物体を巻き込んだ大事故につながる可能性があった。このピンチを冷静な操縦判断で救った元米空軍戦闘機のパイロットだった機長をヒーローだと言っている乗客もいた。大事故につながらなくて本当に良かったと思う。日本国内でも大事故にはつながらなかったが、過去に事故一歩手前というバードストライクはしばしば起こっているそうである。

 今日の「JAPAN NOW観光情報協会」の定例観光セミナーは、講師が協会理事であり、高崎経済大学教授を務めている寺前秀一氏である。事前にタイトルが「1930年代の観光」と聞いていたので、どんな内容になるのか興味を持っていた。あの戦争前の暗い時代に観光がインバウンドを中心に結構流行っていたことを強調されていた。興味深かったのは、「観光」という字句は必ずしも易経による「国の光を照らす」ということではないということを寺前講師が主張され、明確ではないにしろ、疑問や異論もあって中々面白い意見交換の場となった。

2009年1月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com