618.2009年1月21日(水) オバマ政権人気先行でなければ良いが・・・。

 派手な演出の中でアメリカ合衆国大統領へ就任したバラク・オバマ氏は、早速衆人環視の中で大統領就任演説を行った。キーワードは、「新たな責任の時代」である。ブッシュ政権で深刻になったアメリカの分裂を修復し、結束を促すため、自らが先頭に立つだけでなく、ひとりひとりのアメリカ国民にも危機突破への自覚と協力を求めたのである。このスピーチがどのようにアメリカ国民に訴求力を持って捉えられたか、果たして名演説だったかは後世の人たちが評価すべきであろう。全米中からお祝いの式典会場に押しかけた国民の数は、実に200万人を超えたという。

 これまでオバマ氏ほどその就任を待たれた大統領は古今東西を通じていない。アメリカのメディア世論調査でオバマ氏の支持率は80%を超え、就任前の大統領として史上最高を記録したと伝えている。それほど新大統領政権は、アメリカのみならず世界中の期待と注目の中で発足した。異常なくらいの盛り上がりである。今アメリカ経済と外交はどん詰まりである。アメリカから広がった金融危機は世界を席捲し、世界中を経済不況の渦の中に引きずり込んだ。対外的な戦略もアメリカの一極集中主義が破綻して、現在ではアメリカ不振と反米感情がイスラム社会を中心に拡散している。

 同時に、オバマ政権は経済に精通した陣容を揃えた。マス・メディアは就任後100日が試金石と予測している。カーター政権のスタグフレーションの再来だけは御免蒙りたい。

 対外的な手腕を問われるのはイラク戦争とアフガニスタン戦争、そして急展開を見せてきたパレスチナ問題であろう。すでにイラクからの米軍の撤収を公約の柱に掲げてきた。今後はアフガニスタン戦線の強化へスイッチする。しかし、国防総省が検討している最大で3万人の増派は、下手をすると情勢を悪化させるとの懸念もある。そこへ、オバマ政権発足祝いに停戦作戦を取ったイスラエルの姿勢にどう向かうのか。全イスラム諸国を敵に回してこれまで通りイスラエルの肩を持つのか、イスラエル寄りのクリントン国務長官が就任しただけに、その対応次第では国際社会から異論も噴出しかねない。

 ところで経済活動の指標とも言うべきニューヨーク株式市場のダウ平均が、オバマ政権船出のご祝儀相場が出ると思っていたら、現実は厳しい。2ヶ月ぶりに8,000ドルを割り込んだ。新大統領就任に沸いても市場は一層の景気後退を織り込んでいる。

 当分の間オバマ新政権の行方を監視する必要がありそうだ。

 今日は小田急経理部時代にお世話になった岡村透さんご夫妻に1年ぶりにお会いして、豪華なご馳走に与った。経理部主計課長と平社員という上下関係だったが、温かい気持ちで指導してもらい、あまり好きになれない経理業務で気が滅入った中で随分気を遣っていただいた。今日はご夫妻と楽しいひとときを過ごすことが出来た。岡村さんは今も日本公認会計士協会・東京会常任幹事として活動しておられる。積もる話もあり、自由闊達に話すことが出来た。岡村さんには来月開催の出版記念会にご夫妻お揃いでご出席いただき、乾杯のご挨拶をお願いしている。一時健康を害されたのではないかと心配したこともあったが、お元気そうだったので安心した。

2009年1月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com