ニューヨークで今日奇跡が起きた。ニューヨークのラ・ガーディア空港を離陸したUSエアウェイズの旅客機が、ニュージャージーとマンハッタンの境界を流れるハドソン川へ不時着水したが、幸いにして乗員・乗客合わせて155人の命に別状がなかった。不時着水だから滑走路上の胴体着陸に比べてややショックは小さく、火災発生の危険はない。だが、今まで何度かこのハドソン川をフェリーで往復して感じたのは、大小取り混ぜて1日中往来する船舶が多い船の過密地帯であり、航空機と船舶の衝突の危険性が極めて高いことである。例え航空機は着水の準備ができたにしても、航行する船が上空から飛び込んでくる航空機を避けることはほぼ不可能に近い。そんな絶体絶命の窮地をパイロットは見事に切り抜けた。アメリカでも機長の機転と操縦技術に絶賛の声が上がっている。実際飛行機が墜ちて乗客が全員救助されたという話はこれまで聞いたことがない。
原因は「バードストライク」と云われる鳥の吸い込みだそうだ。群れとなって飛んでいる水鳥が両翼に付いているエンジンに吸い込まれた結果である。2つのエンジンが機能しなくなり、急速に機体は急降下した。下手をすれば、地上の物体を巻き込んだ大事故につながる可能性があった。このピンチを冷静な操縦判断で救った元米空軍戦闘機のパイロットだった機長をヒーローだと言っている乗客もいた。大事故につながらなくて本当に良かったと思う。日本国内でも大事故にはつながらなかったが、過去に事故一歩手前というバードストライクはしばしば起こっているそうである。
今日の「JAPAN NOW観光情報協会」の定例観光セミナーは、講師が協会理事であり、高崎経済大学教授を務めている寺前秀一氏である。事前にタイトルが「1930年代の観光」と聞いていたので、どんな内容になるのか興味を持っていた。あの戦争前の暗い時代に観光がインバウンドを中心に結構流行っていたことを強調されていた。興味深かったのは、「観光」という字句は必ずしも易経による「国の光を照らす」ということではないということを寺前講師が主張され、明確ではないにしろ、疑問や異論もあって中々面白い意見交換の場となった。