昨日イスラエルが一方的停戦を発表すると噂が流れたが、事実イスラエルはメリットを計算したうえで一方的停戦宣言をした。しかし、案の定と言うべきか、数時間で停戦宣言をしたイスラエルが空爆を再開した。停戦時間内にガザ地区から、イスラム原理主義組織ハマスがイスラエル南部へロケット砲弾を撃ち込んだことをその理由としている。
これでまた元の木阿弥となってしまった。今日までにすでに1,200名を超える生命が失われた。今朝の朝日新聞を見るとほぼ2面に亘ってイスラエルとガザの戦火に関する記事が掲載されている。その中で、駐日イスラエル大使の発言は、一方的にハマスを非難して、非は相手にありの一点張りである。その上パレスチナ国家が出来てイスラエルと共存していくためには、ハマスではなくハマスに対抗するファタハがガザ地区の支配権を取り戻すことを望むと堂々述べている。これは外交官として他国の内政に介入する発言で治外法権的な発想であり、パレスチナにとっては大きなお世話であり、許しがたい発言だろう。こういう外交官の本音が束になったのが、イスラエルという国家の体質であり、外交政策であると思う。今度の衝突がこの先一時的に回避されるような結果になっても、今後激しい戦争にはならないという保証はあり得ないように思う。このような対立を知りながら、まったく手を差し伸べようとしない日本を始めとする大国の無慈悲さにはがっかりする。
一方、今夜放映されたNHK番組「ETV特集・ミャンマーに医療のかけ橋を」を観て感動した。ビルマ(ミャンマー)における地域医療で日本人医療チーム(ジャパン・ハート)の活躍ぶりが、ビルマのサガインで展開される。医療施設も不十分で、待遇も悪く、休みもほとんどない。言葉も通じない。完全なボランティアである。この中で日本人医師と看護師が献身的に、ビルマの人たちのために働いている。指導者の博愛的な信念にも感動した。なんでもやればよいというものでもない。現地で働くチームが疲弊したのでは元も子もない。期間が過ぎたら日本に帰り、日本のどこかで一定期間医療活動に当たり、その後またその気になったら海外で活躍してもらうというローテーションを考えている。患者と正面から向き合い、不可能なことはダメとはっきり宣告する。患者との会話を大切にして何とか意思を伝えようとする。若い医師は何でもありの現場治療から少しずつ医師として成長していく。ビルマ人の患者、家族と医療チームのコミュニケーションが素晴らしい。