702.2009年4月15日(水) 2度目の決断は早い。

 JR渋谷駅にちょうど到着した山手線で代々木へ行こうとしたところ、日暮里駅で人身事故があったのでしばらく停車するとアナウンスがあった。またかとの思いとともに、すぐ‘change my mind’で東京メトロに乗って青山1丁目まで行き、都営地下鉄に乗り換えて代々木駅へ出て、何とか歯科と約束の時間に間に合った。先月28日所沢へ出かけた時にも高田馬場駅で同じように人身事故が起き、渋谷から同じような対応で赤坂見附へ出て、新宿へ出た。それでも当座はどうすべきか迷った。しかし、2度目となると決断も早くなる。初めての時は迷い、2度目になると素早い決断が出来る。

 北朝鮮は3年前のテポドン発射の際は、ぐずぐずしていて国連安保理からえらいお灸をすえられたが、今回の「ミサイル」発射では国連安保理は議長の発射非難声明を素早く採択した。これに対して北朝鮮はどうするかと思いきや、即座に反応した。所詮とんでもない対応であるが、核施設の無能力化作業を監視している国際原子力機関(IAEA)要員に国外退去を命じた。さらに監視用カメラの撤去も始める模様である。アメリカは当然反発しているが、いつもながらこの北朝鮮の瀬戸際外交に手を焼いている感じであり、北朝鮮との2国間協議に応じるのではないか。それでは結果的に北朝鮮の思う壷である。実に嫌な手を使う。この調子ではまだまだ北朝鮮に国際社会は振り回されるだろう。

 このところ天下の朝日新聞社は、同社社員殺害事件の真犯人と名乗り出た実行犯と称する男の手記を載せた「週刊新潮」の記事にてんてこ舞いの対応をさせられている。

 1987年朝日新聞阪神支局が何者かに襲撃されひとりの支局員が殺害された。未解決事件のまま時効となった事件である。その事件の真犯人が名乗り出て、「週刊新潮」に今年1月から4回に亘って手記を公開した。朝日は、疑わしいとして訂正と謝罪を新潮社へ要求していた。にもかかわらず、新潮社は男の虚言を信じ、朝日の要求に対して応えようとしなかった。それが、明日発売の「週刊新潮」で誤報であったことを率直に認め、詫びることにした。

 果たしてこれでことが済むだろうか。同誌を読んでいないので、どんな説明になっているのか。読者を納得させるものなのか。朝日も承諾出来るものだろうか。

 テレビでノンフィクション作家佐野真一氏は、本件で新潮社側はまったく裏づけをとっていない。報道であってはならないことだと厳しく新潮社を糾弾していた。マス・メディアの自滅だとまで言っていた。まったくその通りだと思う。どうして自分の首を絞めるようなことを新潮社はやってしまったのだろう。

2009年4月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

701.2009年4月14日(火) 小中陽太郎先生にインタビュー

 企画中の書物の取材で、小中陽太郎先生のお宅を訪問した。何度となくお邪魔しているが、今日はイタリア人俳優マストロヤンニと一緒の写真や、ニューヨーク・タイムスのベトナム反戦広告のコピーが飾られた書斎を中心に見せていただき、その後リビングルームでインタビューということになった。小中先生の活動については、すでにべ平連を中心とするベトナム反戦運動や、1967年の米空母イントレピッド水兵脱走事件、金大中救出活動などの平和運動、NHK時代のディレクターとしてそのお名前は広く知られているが、そうした活動と知的生産の源流について伺わせていただいた。

 著書「ラ・メール母」に描かれたように母上との情愛、幼児期に育った上海を強く意識したこと、特に開戦を体験したことが強烈な印象として残っていることを聞かせていただいた。NHK時代に名古屋で小田実さんとドラマ制作に関わったことや、伊勢湾台風も名古屋時代の思い出として印象に残っていると仰った。

 以前からお聞きしたいと考えていたのは、どういう経緯でフランス文学を専攻されたのかということだった。幼少時から身体が弱かったことから、読書に親しみ、長じてコワモテのヒットラー的ドイツよりリベラルなフランス文学に関心があったということと、仏映画の影響があったとも伺った。影響を受けた作家は、ジイド、マルロー、サルトル、カミュという話だった。現代の若者考や親しい作家についても話が及んだ。アイディアがひらめくのは列車内というのも意外だった。

 いずれにしろ楽しい話を沢山聞かせていただき、私以外に「知研」から秋田事務局長、若手会員の幅さんと遠島さん、そして出版社の東洋経済新報社から担当者とカメラマンが参加されたが、インタビューを終ってからも寛いだ気分で奥様を交えて大いに話は盛り上がった。書物は年内にも出版される予定であるが、これから少しずつまとめていかなければならないのが当然とは言え少々億劫な気もする。帰ってからお宅へお礼の電話を差し上げたところ、小中先生からまとめるのは大変でしょうが、頑張ってと力づけられた。ご期待にお応えするよう全力を尽くしたい。

 予想されたことではあるが、半狂乱の北朝鮮は、国連安保理事会が北の‘ミサイル’発射を非難する議長声明を全会一致で採択し、再発射の自制を求めたことに対して猛烈に反発した。「国連安保理が我々の衛星打ち上げを論議したこと自体、許し難い犯罪行為」といつも通り自己流解釈によって非難し、今後絶対に6者協議に参加しないし、核開発を再開すると、手前勝手な論理で相変わらずの駄々っ子ぶりを発揮している。

 折も折、乾燥しきった日本列島に久しぶりに雨が降ってきた。しかし、長崎県平戸沖合では強風雨の中でまき網漁船が転覆し、22名の乗組員の内、12名の行方が分からない。徹夜で捜索するという。気の毒という以外に言葉もない。

2009年4月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

700.2009年4月13日(月) バンコック市内に非常事態宣言

 このブログも連続して700回を数えることが出来た。まず健康だったことが続けられた原因だと思う。そして、継続しようとの前向きな意欲、好奇心が途切れなかったことが700回継続の最大の原因だと思っている。これから果たしていつまで続けられるのかは分からないが、気持が萎えない限りは、何としても続けていきたい。

 そのためには、やはりPCへ向かう意欲を維持することが大切なことだと思う。今日も個人的にPC教授を受講すべく教室へ出かけたが、習うことには限がない。一昨日は契約しているITコンサルと電話回線で会話しながら、デスクトップPCにはSCYPEをインストールしてもらっり、ノートPCではアンチウィルスのAGV7.5 を8.5 へ切り替えてもらった。SCYPEをインストールしてもらって、さてこれをどう有効に使うのかとんと分かっていない。そんな有様だから、課題はこの後どのように有効的にメリットを使えるかである。 

 さて、タイが荒れている。バンコック市内に非常事態宣言が出された。パタヤで開催予定のASEANが中止となり、この後の予定が立たない。その中止の原因となった、タクシン元首相派のデモ隊を排除するためである。ついに政府も堪忍袋の緒が切れたように、タクシン派の「反独裁民主同盟」に対して強制排除に踏み切った。確かに政府の対応は生温かった。デモ隊のなすがままだった。これが国際社会の嘲笑を浴びた。実際デモ隊を強制排除することをためらっていた政府は、その弱腰を衝かれデモ隊の思い通りに暴れられてしまった。どうもタイという国は、ぱっと火山が噴火したように国の節目となる場面でひと暴れする伝統がある。

 以前添乗員としてバンコックにいた時に戒厳令が発令され、当日の朝日夕刊第1面には戦車の写真が載っていた。外国のことではあるが、いつ日本にも火種が飛んでくるかは分かったものではない。だが、こればかりはお断りしたいものである。

 今日フィリッピン人夫妻がひとり娘を日本の親戚に預けたまま、成田空港から母国フィリッピンへ帰っていった。夫妻は強制送還によって母国へ帰国させられたものである。15年前に入国ビザ偽証で日本へ入国し、その後不法滞在容疑で国外追放処分となったが、13年前に日本で生まれたひとり娘、カルデロンのり子さんが日本語以外話せず、せめて独り立ち出来るまで親子3人が日本で暮らせるように、再三東京入管に訴えていた。しかし、両親の国外追放により、親子離れ離れの生活を送ることになった。識者がコメントを述べていたが、この決定はあまりにも親子にとって冷たいものである。確かに法を犯した経緯はあるにせよ、まだ13歳の娘と国を隔てて生活を送らせるには、あまりにも情に欠ける仕置きと言ってもいい。

 法務省では、特例が前例になる恐れがあると言っているらしいが、前例になったとて好いではないか。不法行為に対してまったく情状酌量の余地を残さずに、法律的には不法滞在であるかもしれないが、真面目に市民生活を送っている親子を生木を裂くように別れさせて帰国させるようでは、反って立法の精神にも悖るのではないか。

 法律というものについて考えさせられた1件である。

2009年4月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

699.2009年4月12日(日) ASEAN会議お流れに

 昨日タイのパタヤで開催予定だったASEAN諸国会議が、会場内へデモ隊が乱入したために開催出来なくなり、麻生首相、中曽根外相を始め各国首脳はヘリコプターで避難する有様だった。タイのアピシッド首相はタイ主催のすべての会議の延期を発表し、周辺一帯を一時的に非常事態宣言した。

 デモはタクシン元首相派によるアピシッド首相退陣を求めるものだった。ASEANは延期となったばかりか、当分開催の見込みが立たない。というのは、昨年12月にチェンマイで開催予定だったものが、内政の混乱で今回のパタヤ開催が先月決まったばかりで、僅か4ヶ月の間にビッグな国際会議が2度までも延期され、会議開催能力が問われているからである。これで、タイ現政権の権威は完全に失墜したばかりか、現首相の統治能力にも疑問符が付いた。ASEAN加盟国10カ国と日中韓のトップが参加する国際会議も、予想もされていたデモでいとも簡単に中止に追い込まれた前代未聞の不祥事にアピシッド政権の国際的な信用は大きく下落した。

 元々血の気の多いタイ人であるが、これほど自国の信用を失わせるような失態は滅多にあるものではない。日中韓の3首脳は、北朝鮮のミサイル発射問題も話し合う予定だったが、個別会談に譲ることになった。

 ところでタイの首相がアピシッド氏であることは迂闊なことに初めて知った。06年9月に外遊中の軍事クーデターでタクシン氏が失脚したことは大きなニュースとなった。その後08年2月にサマック政権が発足。それからたった半年余りの9月にソムチャイ氏が首相に就任した。そして、問題のバンコックの2つの空港占拠事件があって政権は崩壊し、昨年12月にアピシッド氏が首相に就任していたことが分かった。

 日本の首相交代劇だってその頻繁さに関しては、タイに一歩もひけを取らない、在任短期間の首相「CHANGE」劇である。これでは首相の名前なぞ覚えている間もない。

 日本でもこの事件を他山の石として、くれぐれも国際会議ボイコットなんかやらないでもらいたい。尤も今の日本にはこれほど元気のある行動的な若者がどれほどいることか。その点では安心出来るのかも知れないとつい皮肉のひとつも言いたくなる。

 一方、国連安保理事会で、北朝鮮制裁を決議したいとの日本の要求は、安保常任理事国の間で意見がまとまらず、結局国連議長の北朝鮮非難声明に落ち着きそうな空気である。中ロも多少歩み寄ってきたが、どうも日本としてはすっきりしない。声明文では「ミサイル発射」とは明記せず、単なるロケット発射となってしまった。これでも北朝鮮にとっては不愉快極まりないようで、北朝鮮・国連代表は記者団から提示された文案を放り投げるほどカッカしている。どうも中国はこの剣幕に押されたのではないか。

 さて、今日の政治討論会を観ていると、15兆円にのぼる緊急経済対策を当然として、自慢げに語っている自民党代議士のノー天気ぶりには恐れ入る。彼らには今後この穴埋めをどうやって賄っていくのか、きちんと説明する責任がある。にも拘わらずその点にはまったく触れず仕舞いなのである。埋蔵金が15兆円以上隠されているようなことを平気で述べるのを聞いていると、しっかりしろと言ってやりたい。

 その中で与謝野財務相が、この後落ち着いたら当然消費税の値上げについて議論しなければならない(増税)と言ったことに、ある面で納得させられた。歳入より歳出が大幅に増えたので、今後その苦しみを国民が分担して背負わなければならないことは止むを得まい。そういう嫌なことは誰も語ろうとしない。

2009年4月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

698.2009年4月11日(土) 朝礼暮改の首相に国民は振り回されている。

 5日にミサイルを発射した後、北朝鮮は一昨日最高人民会議を開き、暴君・金正日を最高権力者である軍事委員長に再選した。つまりミサイルは金正日の健康誇示(決して健康体には見えないが)と最高権力者就任の祝砲だったのである。ミサイル発射を北は人工衛星打ち上げ成功と言い続けているが、アメリカやロシアでさえ衛星軌道に乗っている形跡がなく失敗であると北の報道を真っ向から否定している。そんな大騒ぎの中で日本政府は、米韓とともに北朝鮮のミサイル発射は国連決議違反であると安保理事会で制裁決議をしようとしているが、常任理事国の中国とロシアは強硬に反対し報道機関に伝えるという程度の極力小さなプレッシャーに抑えようとしている。

 ところが、ここへ来てそのアメリカのスタンスも微妙に変化してきている。昨日アメリカは前日までの国連決議違反との主張を「チェンジ」して、拘束力のない国連議長声明に留めるのが妥当との考えを述べた。ついにアメリカも変質したのである。アメリカよ、お前もか、と言いたくなる。結局どこの国も自分の国の利益しか念頭にないのだ。アメリカは米中関係の停滞を警戒し、中国は北朝鮮の保護者、また北の地下資源開発支援国の立場を狙い、北朝鮮の地位とプライドに傷がつくことを避けようとしているのである。

 しからば、わが日本はどうするか。これがまたよく分からない。麻生首相は、国連制裁決議をしてもその主旨が充分世界に伝わらないのではあまり意味がないと言い出した。議長声明ぐらいでは、北朝鮮を制裁することにならない。それだからこそ、新たな制裁決議を要求すると言っていたのではなかったのか。そして前日まで北朝鮮の行為に対して断固抗議すると気色ばんでいた態度をガラッと変えた。昨日国連制裁決議提案を容認することを国会で決めたばかりではないか。アメリカが態度を変えると自国の立場、否自分の意見をいとも簡単に変えてしまう。

 この「アソウというおじさん」は、一体何者だ? 緊急経済対策の15兆円だって、10兆円の舌の根も乾かないうちに15兆円に嵩上げし、今や15兆円超にまでなっている。こんな朝令暮改のおじさんを総理大臣に頂いているわれわれ国民は、外から見ればアホに見えるに違いない。あ~あ~やんなっちゃった。あ~あ~驚いた。

2009年4月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

697.2009年4月10日(金) 天皇・皇后ご成婚50周年

 今日は天皇・皇后ご成婚50周年記念日である。新聞でもテレビでも特別報道を流している。昭和34(1959)年のこの日パレードが進む最中に不届き者が馬車に飛びかかって取り押さえられた衝撃的なシーンが印象に残っている。それから20年以上を経て、その当時の厚生省が遺骨収集事業でお世話になっていた、国連信託統治領中部太平洋地区高等弁務官コールマン氏夫妻を日本に招待した時、皇居内の厩で厚生省課長とともに、古びたこの馬車に乗せてもらったことを感慨深く思い出す。

 天皇は即位して20年目になるが、殊のほか大東亜戦争戦没者への慰霊の気持が強いようにお見受けする。1975年7月に初めて沖縄を訪問してひめゆりの塔で火炎瓶を投げられた。あれもショッキングな事件だった。その後戦後60年を迎えて2005年にはサイパン島へも慰霊巡拝されておられる。今上天皇に戦争責任はまったくないが、昭和天皇の戦争責任については未だにきちんと議論をすることもなく、ウヤムヤのままである。昨日の朝日夕刊「『検証』昭和報道」の中で「日本人自身はなぜ戦争責任を語らないのか。外国人ジャーナリストの多くが抱いた疑問だ」と問題を投げかけられている。昭和天皇が崩御された時が、戦争責任を問う最後の機会だったという外国人は多い。結局「皇室にものを言うのには危険が伴う。まして戦争責任は追及しにくい」ということで結論は曖昧にされたままお蔵入りになった。

 昨年共同通信の原寿雄氏が、セミナーの中でジャーナリストとしては珍しく進んで触れた「昭和天皇には戦争責任があると思う」と述べられたことが、有識者の中で唯一の天皇の戦争責任追及論のように思う。

 ご成婚と時を同じくして私は大学生になったが、すでに安保条約改定を翌年に控えて入学した大学キャンパス内は騒然としていた。その中で同じフランス語クラスにいた、県立福島高校出身の渡辺勉くんを通して、湘南高ラグビー部の1年先輩だった東大生清水丈夫さんから、日吉キャンパス内にオルグを組織しろと指令?を受けた。まだ2年間の浪人生活を終えたばかりで、これからのんびり大学生活を楽しもうと漠然と夢想していた時だっただけに、考えても見なかった不意の話にしばらく考えさせて欲しいと応えたことを懐かしく思い出す。清水さんは当時全学連書記長として全国学生運動の中心にいた。その先鋭な思想とリーダーシップ、そしてその存在感は並み居る全学連闘士の中でも圧倒的で、ひとり群を抜いていた。

 翌年、60年安保で日本中が熱気に包まれ、その中で、或いはその興奮を引きずったまま学生生活を送ることになった。私は安保闘争に最前線で戦うというほど積極的な姿勢が取れず、最初の内は大体上級生リーダーの尻に付いているというふがいない状態だった。その中で渡辺くんは安保、そしてその後の学生運動に身を挺して突っ込んでいき、次第に授業にも出席せず、ゼミの飯田先生も心配していた。結局次第に大学にも来ることが少なくなり、卒業も出来なかったのではないか。今も動向が気になっている友人のひとりである。

 天皇・皇后ご成婚50周年に遅れること10年にして、われわれ夫婦も今年結婚40年を迎える。両陛下に比べれば何と気楽な平時であろうか。

2009年4月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

696.2009年4月9日(木) 地球温暖化は国境を変える。

 近年の地球温暖化現象で世界的に万年雪や氷河が融雪して地肌が顕われている。カナダやスイスの氷河を訪れるたびに、後退していく姿を目の当たりにして現実を受け止めると同時に、些かショックを受けていた。昨日の朝日夕刊と「報道ステーション」によると、これまでスイスとイタリア国境は氷河の尖端部分だったために、イタリアとスイスの国境にある氷河が年々消滅して国境が変わってしまったという。幸か不幸か、周辺に住民がいないために差し当たって大きな問題は生じていないが、いずれ正式に国境策定を行わなければならないらしい。 

 このように2つに分断される国境線があるところでは、判断基準、確定線の維持、相互の思惑、お互いの利益関係等々で紛争が耐えない。かねてから河川を国境線にしている2つの国では一方で汚染すれば対岸の国が汚染される。或いは、上流の国で川を汚染すれば下流の国がその被害を蒙る。ひとつの国だけの都合だけでは万事が納まらなくなっている。かつて、ドナウ川の上流国だった東ヨーロッパが経済の停滞から公害を垂れ流し、下流にある西ヨーロッパ諸国が被害を蒙り苦しんでいた実例がある。

 今日NHK「ニュースウォッチ9」は、メコン川で鯰が獲れなくなったことをドキュメント風に報告していた。昔からの漁民は近年の不漁に頭を痛め、このまま不漁が続けば漁師を止めなければならないと深刻な表情で話していた。原因はメコンの遥か上流の中国におけるダム造成による汚れと水量の変化のようである。それが遥か下流で鯰がいなくなった原因である。

 日本の外交力の弱さは、歴史的に隣国と角突き合わせてバトルを行いながら、自国の権益確保のために折衝を行う機会が少なかったことが原因のひとつであろう。その意味では現在の日本は国境を接していないことから、国境紛争のようなトラブルがない。その要素がないことが、世界で外交力や政治力を発揮する点でむしろマイナスになっているのではないかと思う。

2009年4月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

695.2009年4月8日(水) 社友会に出席

 小田急ホテルセンチュリー相模大野で今年も小田急社友会総会・懇親会が行われた。かなりの小田急OB会員が参加した。ひとつの会場だけでは収容しきれず、隣の宴会場を解放したくらいだから、少なくとも5、6百名の会員が参加したのではないかと思う。会場はいもを洗うような熱気のある雰囲気だった。会員諸兄姉の愛社精神と小田急ノスタルジアの面目躍如たるところである。

 暫くぶりで会った人もいたし、一緒に仕事をした人もいたし、山仲間もいた。60歳の定年に達した時会員の資格を得たが、まだ働いていたこともあって出席しなかった。しかし、5年ほど前から毎年出席している。やはり一時期ともに会社のために働いた仲間と懐かしい思い出を話し合うのも捨てたものではない。

 今日は4月8日で、お釈迦様の誕生日として知られている。最近はそんな史実を知っている小学生はいないようだが、終戦の年に国民学校へ入学して1年生か、2年生の国語の教科書に次のような文章があった。‘今日は楽しい花祭り、お釈迦さまの誕生日、天上天下を指差してお立ちになっていらっしゃる。今日は楽しい花祭り’というような文言を習ったようにぼんやりと記憶している。それ以来おまじないのような、この文言が思い出されることがある。最近は4月8日についてマス・メディアでもほとんど報道しない。やっとNHKが「ニュースウォッチ9」の終わりの方で東大寺をバックにして花祭りを伝えた程度である。仏教徒が一番多い日本だからこそ、せめて開祖である釈迦の誕生をキリストやマホメットより以上にPRした方がよいのではないかと思う。

 今日政府は補正予算を発表した。その額は約15兆円だという。昨日は麻生首相が10兆円を考えていると言ったばかりである。随分簡単に増額したものである。必要な費用を積み上げていったらこの数字になったなどと呑気に言われても困る。1兆円という金額がどれだけの大金であるかということが本当に分かっているのだろうか。小泉政権時代は緊縮予算に押さえ込んでいたが、麻生内閣になって堰を切ったように予算の分取り合戦をやっているようである。財源はどうするのか。結局赤字国債に頼ることになる。これは次世代にツケを回すことになるわけだが、政治家はそんなことより直近に迫った総選挙のことしか頭にないようだ。政治家は、国家・国民のために将来にツケを回さないというより、現在の自分を売り込み、実績作りのために汗を流すのである。

2009年4月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

694.2009年4月7日(火) 北朝鮮のミサイル発射騒ぎ

 一昨日の北朝鮮によるミサイル発射では、日本側にもいろいろな点で問題があった。誤探知だの、連絡ミスだのと言われているが、まず誤探知ということはない。誤探知ということは機器が間違って探知したことで、今回の場合機器が探知したのではなく、取り扱う人間が探知したものと誤解して通報したわけで、担当者の人為的なミスである。発射が成功したかどうかは、日米韓と北朝鮮の発表では正反対である。日米韓は完全に失敗したと言っている。ただ、前回の打ち上げに比べれば第2段階の落下点が伸びたのは進歩ではないかと述べている程度である。

 一方の北朝鮮は打ち上げに成功して衛星は地球を旋回して、金正日将軍賛歌を地球へ向かって流しているという。どこまで本当なのか分からないが、こういうよその国にお構いなしに自分らの都合だけでことを進める神経にはもううんざりである。馬鹿げたことをやって、日本を始め多くの国々へ迷惑をかけっぱなしという非常識には呆れるばかりである。しかも、朝鮮中央テレビは、日本のマス・メディアが揃って衛星打ち上げの成功を伝えたと放送した。ここまで嘘をついて自国民を騙している北朝鮮という国は、何を策しているのか。

 今日も国連では日本がアメリカとともに安保常任理事国であるロシアと中国と話し合ったようだが、同意を得られなかった。この線では解決しまい。つまり今のままでは決議違反として改めて北朝鮮を制裁決議することはどうも難しいのではないか。

 イタリア中部で大きな地震があった。アブルッツォ州の州都ラクイラで古い建物が多い歴史地区だそうだが、寡聞にして知らなかった。今日のニュースではすでに生き埋めになった人を含めて200人以上が亡くなったらしい。元々火山が多いイタリアは地震が多いが、この土地では過去に大きな地震はなかったようだ。これまで重要文化財として町の観光名所だった13世紀のロマネスク様式のサンタ・マリア・ディ・コレマッジオ聖堂も壁が崩れた。壊れた箇所を見ると、鉄筋が入っていない。10年前に遭遇したトルコ大地震の際に見た古い煉瓦造りの建物が崩壊したシーンを思い出す。それにしても自然災害とはいえ、もったいないとの感が拭えない。

2009年4月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

693.2009年4月6日(月) 被害者の心情が分からない米国人ジャーナリスト

 日本時間で今朝国連安保理事会は緊急会合を開き、昨日打ち上げた北朝鮮の長距離弾道弾「テポドン2」の国連決議違反に関する日本の提案を協議したが、決議採択には至らず、引き続き協議を継続することになった。やはりロシアと中国の消極的な姿勢が採択に至らなかった最大の理由である。

 今度の「テポドン」事件には、マス・メディアが挙って過熱報道した。このこと自体が、或いは、北朝鮮の思う壷だったかも知れない。しかし、それにしても今朝の朝日新聞に載った東京駐在の外国人特派員の声の中で、42歳のファクラー・ニューヨークタイムス東京支局長の「ワシントンやソウルの冷静さに比べて日本は騒ぎすぎた。・・・・・北朝鮮に攻撃の意図がないことは分かっていたはず。バランスに欠け、パフォーマンスに負けたと言える」とのコメントほど日本人の神経を逆撫でした発言はないと思う。この支局長には核の恐ろしさがまったく分かっていない。被爆国日本が核に対して神経質になるのはある面で当たり前である。このコメントは、世界で初めての原爆投下国アメリカ国民の被爆国日本人に対する言葉とはとても信じられない。過去の戦禍を知らないベトナム戦争末期に生まれた世代の、大国主義、アメリカ一国主義がもたらした戦争を直視せず、反省もしない無神経な思考回路から生まれた発想である。こういう特派員を日本国内で取材活動に当たらせているマス・メディアの報道は決して公平ではなく、独りよがりの報道であると断じざるを得ない。

 時恰もヨーロッパを訪問中のオバマ大統領は、プラハでチェコ国民を前に核廃絶へ向けた新政策を打ち出した。包括的核実験禁止条約(CTBT)をアメリカが批准することを目指す意向を表明した。更に一歩踏み込んで広島・長崎への原爆投下を指す「核を使用した唯一の保有国としての道義的責任」に触れ、「核のない、平和で安全な世界をアメリカが追求していくことを明確に宣言する」とまで述べたのである。ここまで核被災者の気持を代弁した歴代のアメリカ大統領はいない。これでこそ核断絶へつながる第一歩と言ってもいい。

 オバマ大統領になって確かにアメリカは変わりつつある。ブッシュ前政権時代には自国主義を貫き他国の利にそっぽを向き、京都議定書の批准を拒み、CTBTの批准に賛意を示さず、多くの国々の顰蹙を買っていた大国アメリカが、オバマ大統領に代わって態度を‘CHANGE’させてきているのである。歓迎すべきオバマ大統領の言動である。早速日本の原爆被爆者団体はもろ手を挙げて歓迎している。その一方でこの空気をつかむことが出来ないジャーナリストが現実に取材活動に当っているのは何とも嘆かわしい。

2009年4月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com