5日にミサイルを発射した後、北朝鮮は一昨日最高人民会議を開き、暴君・金正日を最高権力者である軍事委員長に再選した。つまりミサイルは金正日の健康誇示(決して健康体には見えないが)と最高権力者就任の祝砲だったのである。ミサイル発射を北は人工衛星打ち上げ成功と言い続けているが、アメリカやロシアでさえ衛星軌道に乗っている形跡がなく失敗であると北の報道を真っ向から否定している。そんな大騒ぎの中で日本政府は、米韓とともに北朝鮮のミサイル発射は国連決議違反であると安保理事会で制裁決議をしようとしているが、常任理事国の中国とロシアは強硬に反対し報道機関に伝えるという程度の極力小さなプレッシャーに抑えようとしている。
ところが、ここへ来てそのアメリカのスタンスも微妙に変化してきている。昨日アメリカは前日までの国連決議違反との主張を「チェンジ」して、拘束力のない国連議長声明に留めるのが妥当との考えを述べた。ついにアメリカも変質したのである。アメリカよ、お前もか、と言いたくなる。結局どこの国も自分の国の利益しか念頭にないのだ。アメリカは米中関係の停滞を警戒し、中国は北朝鮮の保護者、また北の地下資源開発支援国の立場を狙い、北朝鮮の地位とプライドに傷がつくことを避けようとしているのである。
しからば、わが日本はどうするか。これがまたよく分からない。麻生首相は、国連制裁決議をしてもその主旨が充分世界に伝わらないのではあまり意味がないと言い出した。議長声明ぐらいでは、北朝鮮を制裁することにならない。それだからこそ、新たな制裁決議を要求すると言っていたのではなかったのか。そして前日まで北朝鮮の行為に対して断固抗議すると気色ばんでいた態度をガラッと変えた。昨日国連制裁決議提案を容認することを国会で決めたばかりではないか。アメリカが態度を変えると自国の立場、否自分の意見をいとも簡単に変えてしまう。
この「アソウというおじさん」は、一体何者だ? 緊急経済対策の15兆円だって、10兆円の舌の根も乾かないうちに15兆円に嵩上げし、今や15兆円超にまでなっている。こんな朝令暮改のおじさんを総理大臣に頂いているわれわれ国民は、外から見ればアホに見えるに違いない。あ~あ~やんなっちゃった。あ~あ~驚いた。