792.2009年7月14日(火) 外務省機密文書処分が明らかに

 外務省の外交機密文書破棄の件で、衆議院外務委員長・河野太郎氏が元外務事務次官・村田良平氏に会い、村田氏から「密約」と噂された外交文書の存在をはっきり確認した。河野議員はよくぞやってくれたと思う。やっとまともな政治家がいてくれたという思いである。

 ところが、終始一貫密約はないと主張していた政府は、河野議員が密約はないと主張する政府見解の修正を求めたことに関連し、麻生首相が「密約はずっとなかったと申し上げている。改めて調べるつもりはない」とにべもない。河野議員は政府答弁は虚偽だと批判しているが、河村建夫官房長官も「歴代首相、外相は密約は存在しないと明確に否定している。政府方針に変わりはない」と首相の談話を補足した。

 政府や外務省にとっては、実際にあった事実より事実だと信じることの方が遥かに大切だと非教育的なことを外聞もなく言い続けているのである。あまりにも不条理ではないだろうか。

 今後外務省は事実関係についてどう対応し、説明するのかはっきりしないが、半世紀の長きに亘って世間に疑惑を持たれた事件だけにきちんと説明し、国民を納得させるべきであるし、それが国の外交を預かるものの最低限の責務である。

 昨日北康利氏から伺ったところでは、白洲次郎が旧通産省を造り上げるうえで吉田茂の手を借りて計画立案を進めたが、現在の経済産業省の記録を調べてみると白洲の名前はたった一行しか書かれていなくて失望したそうだ。つまり役所というところは、外部から意見を聞いて、ことが成功することが、結果が良くても内心では快く思わないのである。

 このことは、結果が悪く自らに汚点となることなら尚更認めることを回避する傾向がある。今回の密約事件のように国民を半世紀に亘って騙し続けて、いざ事実が明るみに出そうになるや証拠を廃棄処分してしまうがごとき言語道断の行為は、とても普通の神経では実行出来るものではない。犯罪行為である。

 先日もそうだったが、昨日も北氏は一方で役人擁護の言葉も述べた。それは、役人を責めたり、引き摺り下ろすようなことではなく、もっと役人の良い点を誉めてあげないと誰も馬鹿らしくて真剣に働かなくなると同情的に言っていた。ご尤もであるが、役人に良い点なんかほとんどなくて、最初から高待遇に胡坐をかいていて、やることは一部の人間が全権を行使して国家を危うくするような行為までする。一民間人が成すこととは違うのである。あくどい限りの悪行を行ったとすると、これは最早全体責任であり、弁護のしようがないと考えるが、いかがなものだろうか。

 外務省の外交「密約」文書事件は、全外務省職員が辞めてもらうに匹敵するほどの大罪だと思う。これが厳しいとなれば、この世に法律なんか要らない。救いようがないからである。

 さて、昨日不通だったPCの無線回線が、やっと通じるようになった。NTTの専門窓口に聞きながら何度も何度もテストを繰り返して、漸く以前の状態に戻すことが出来た。細かい質問なので、時間はかかるし、分かりにくいので相手も嫌になることも多いと思うが、根気よく受け答えしてくれて気分良く30分近い時間を付き合ってくれた。私のような短気なものには、とても出来る仕事ではない。大型電気店の配送係には、概して程度の低い係員が多いが、その中でもごく僅かではあるが親切な係員も見られる。日曜日に機器設置に来られた電気係員と、今日電話で応対してくれたNTTサポートサービス係員の親切な対応に、久しぶりに涼風を感じたような気がした。

2009年7月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

791.2009年7月13日(月) 8月30日総選挙投票日で決まりか?

 昨日の都議選自民党惨敗の結果を受けて政界では今朝から右往左往している。遂に麻生首相も21日ごろをメドに解散を決意して、総選挙は来月30日に行うことを与党内で合意したようである。岡目八目というように、政治家よりも政治記者の方が実態や裏話については本当のことを知っているだろうから、これからきっとマス・メディアも喧しいことだろう。

 知研セミナーを虎ノ門の日本財団で予定していたので、夕方になって出かけた。今日の講師は3月に取材させていただいた評伝作家・北康利氏である。タイトルは「白洲次郎のプリンシプル」で、北氏が惚れこんだ白洲次郎をいろいろな角度から語られた。大雑把に言えば、白洲は日本人としての確たるプリンシプルを持っていた人物ということに尽きる。白洲が影響を受けたのは、何と言っても福沢諭吉である。「国を支えて国に頼らず」と独立自尊の精神を体現した福沢の日本人らしからぬ考え方と行動規範は、終戦直後に日本の進むべき道を示唆した白洲次郎の生きざまに大きな影響を与えたと話を続けられた。概略は取材の折に伺ってもおり、格別目新しい点はなかったが、いつの時代にも必ず道しるべとなる偉大な人物がいるものだと改めて感銘を深くした次第である。

 昨日光フレッツの担当者が来て、先日購入したデジタル対応テレビの光フレッツ対応、つまりアンテナを必要としない機器(ひかり電話対応ホームゲートウェイ・ルータ)を旧来の機器と置き換えて、いよいよ我が家でもアンテナなしのデジタル画面を楽しむことが出来るようになった。しかし、PCに関しては、ことはそう簡単にはいかない。

 PC機器に改めてIDとプロバイダーのパスワードを記入してインターネットの環境設定をしなければならない。昨日はパスワードの抽斗を失念していて、それが出来なかった。今日NTTへ電話で問い合わせしながら、改めて見つけ出したパスワードを打ち込み何とか起動することが出来た。しかし、問題はまだ解決されたわけではない。2台あるノートPCがインターネットを受信しないのだ。その内の1台がホームページの工房でここからホームページとブログを発信しているので、毎日発信しているブログが発信出来なくなる。これは困ったとPC上で調べると「LANケーブルが接続されていない」と表示された。昨日まではこれら3台のPCは無線で接続されていたので、「これはおかしい」と考えながら止むを得ず、LANケーブルでつないで何とか受発信出来るようになったが、これでは無線の意味がないし、困ってしまう。結局問題を先送りするようになってしまった。

 しかし、なぜ無線が流れなくなったのだろう。また、誰かに相談しなくてはならない。

2009年7月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

790.2009年7月12日(日) 都議選で民主圧勝、自公敗北

 近づく衆議院総選挙の前哨戦で、総選挙の行方を占う東京都議選の投票日である。首都東京とはいえ一地方選ではある。しかし、その重要度と影響力から考えても普通の地方選挙とは少々わけが違う。かつてこれだけ注目を浴びた都議選はないと思う。

 午後光フレッツの設備設置のためNTTと光フレッツの作業員が来るので、午前中妻と近くの東深沢小学校で投票を済ませる。

 それにしても、今回各候補の前宣伝が激しいようだ。これまでにないほどの電話の勧誘や、チラシの投げ込み、街宣車のアッピールがあった。公明党のごときは、会社のOBと亡くなった小学校同級生の夫人からも電話と直接訪問の投票依頼があった。

 今回は総選挙の前哨戦との事前の見方から、①自公で過半数を死守出来るか、はたまた②民主党が第1党の座を獲得出来るか、ということが注目されていた。すでに静岡県知事選挙でも民主党推薦の川勝平太氏が勝利を収めている。千葉市長選、横須賀市長選でも民主党系が勝利を収めている。献金問題で小沢一郎・前代表、鳩山由紀夫・現代表に嫌疑がかかっている民主党も一時的な逆風を乗り越えて、流れは完全に民主党に傾いている。

 さて、その結果であるが、即日開票の結果、夜のニュースでは民主党の圧勝となった。都議選の2つのポイントである、①②とも民主勝利、自公敗北ということになった。自民党が第1党の地位を滑り落ちるのは、社会党にその座を明け渡して以来、実に44年ぶりだそうである。その社会党の流れを汲む社民党は、前回に続きただ1人の当選者も出せなかった。

 私が注目したいのは、民主党の勝ち方である。各選挙区ともトップ当選はほとんど民主党候補者が占めた点と、1人区でほぼ民主党候補者が勝ったことである。都議選は中選挙区制であるが、もし小選挙区制だったら、民主党の勝ちっぷりはぶっちぎりだったと思う。例えば、最終的に民主54人、自民38人となったが、開票後1時間半を経過した時点で、民主32人、自民は僅かに4人だった。これは各選挙区に民主党の強い支持者が満遍なく広がっているということである。

 最早自民党の凋落傾向を止めることは難しい。麻生首相の求心力の低下に加え、自民党内が仲間割りのような収拾のつかない騒ぎになり、党内のまとまりを欠いている。

 これで明日以降の政局の行方が注視されることになった。麻生政権は解散を選択するのか、任期ぎりぎりまでこの体制で行くのか。麻生首相もあんまり首相の座にこだわっていると、益々地盤沈下を招きそうな気がする。

2009年7月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

789.2009年7月11日(土) 外務省、役所ぐるみの情報隠しと情報破棄

 昨日の続きであるが、外務省の外交機密「密約」文書が2001年4月情報公開法施行直前に、廃棄処分された形跡がある。朝日新聞社が調べた同法施行直前の各省庁の文書廃棄数は、外務省が圧倒的に多い。2位の財務省と比べても桁違いに多い。これはそれだけ国民に見られてはやばい資料が存在したということである。日米政府間で密約した当該の外交文書が、大量に処分された資料の中に入っていたかどうかは推測の域を出ないが、恐らく含まれていたのではないかと思う。事実関係を問い合わせた朝日に対して、外務省はきちんと応えていない。中曽根弘文・外務大臣にいたっては、問題を調査する考えはないと述べた。この世襲議員は一体何を考えているのだろう。流石に朝日社説は「密約自体は半世紀も前の話だとはいえ、破棄が指示されたのは2001年ごろのことだ。現役官僚も関与しているかもしれない。なぜ真剣に調べようとしないのか、納得出来ない」と不満を述べている。

 情報公開訴訟を手がけている小町谷育子弁護士は、「国民への説明責任も果たさず、重要な文書を捨てるという行為は許し難い。政策の検証も出来ないまま、真相は藪の中だ。国民が怒りの声をあげないと同じことが繰り返される」と警告している。外交史専門家、石井修・一橋大学名誉教授も「米国では、政府高官の電話での会話すらテープにとったうえで公文書におこして残す。内容を非公開とする場合でも、文書そのものが存在することは明示される。『公文書は国民のもの』という真摯な態度があるからだ。それに引き換え、今回のように公文書を捨ててしまえと指示するというのは歴史に対する冒涜であり、納税者に対する犯罪である。怒りがこみ上げてくる」と外務省の対応を非難する。

 元々役人のやることには、残念だが心から信頼することは出来ない。どこの役所も相も変わらず官尊民卑の観念があるうえに、あまりにも非効率な仕事ぶりを知るにつけ、やはり公務員のあり方を根本的に見直し、国民の下僕であるとの心構えをきちんと胸に収めてもらわないといけないと思う。そうでなければ、多分似たようなことは年中行事となるだろう。まったく今どきの役人根性には愛想が尽きる。

 昨日の朝日夕刊「人脈記」の「反逆の時を生きて⑭」に、懐かしいかつての2人の学生運動家の近況が紹介されていた。1人は加藤三兄弟の真ん中の加藤倫教(57歳)で、もう一人は植垣康博(60歳)である。二人とも連合赤軍の同志で、浅間山荘事件前後に「総括」と称して12人もの仲間を殺害するという猟奇的な事件に加わり、警官隊と銃撃戦のすえ逮捕された。TV画面に目を釘付けにされた、世間を震撼させた社会的事件である。今年3月には若松孝二監督の映画も観た。事件の起きた1972年当時、随分関心を持ってこの事件に目を奪われながら、彼らの一挙手一投足を固唾を呑んで見守っていた。加藤は兄弟間の愛憎に心が揺れる中で兄の殺害に加わった。植垣はその前から全国に指名手配され、その精悍な顔写真をはっきり覚えているが、37年が経過して頭は光輝き昔日の面影はない。どうしてここまで血迷ってしまったのか言うべき言葉もない。2人ともベトナム反戦運動にも加わったが、ベトナム戦争の終結は獄舎の中で知った。ともに国立大理科系で学びながら、今では加藤は農業を、植垣は静岡でスナックを経営している。

 加藤は「どんな犠牲を払っても武装闘争をという間違った共通認識が素地にあった」と言い、植垣は「自分がこうして存在していることが不条理な気がする。こうして生きていていいのか。亡くなった人たちには『すまんな』というしかない。『すまんな』で済む問題ではないが」と言っている。

 こうした言葉に一抹の哀れさを感じる。カルト集団のように、絶対的な権威者や独裁者から盲目的に「成すべきこと」を信じ込まされるとこうなってしまうのか。かつては、鉄のような信念と強い意思を持って、武闘派集団として軟弱な体制派?と闘っていたかに見えたが、挫折し37年の時間が経過して、今やあまり幸せそうでないことが推察出来る。これも70年安保世代の屈折の軌跡と呼ぶべきか。何となく虚しい。

2009年7月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

788.2009年7月10日(金) 外務省、密約文書を破棄

 外務省の高官がえらいことをやってくれたものである。1960年以来度々ことの真相が囁かれ、裁判沙汰にまでなった外交秘密文書が破棄されていたとの今朝の朝日記事には、呆れかえってまったく開いた口が塞がらない。もはや外交文書に日米政府間で核持ち込みの密約があったことを否定する根拠はない。アメリカで公開された公文書や、村田良平・元外務事務次官と当時の吉野文六・外務省アメリカ局長の証言で明らかなように、核持ち込みを認める密約が存在したことは公然の秘密ではなく事実なのである。これを否定しているのは、日本政府関係者だけで、それも証明する根拠もなく、馬鹿の一つ覚えのように、ただ「ないものはない」の一点張りである。こんな駄々っ子のような言い分を誰が信じようというのか。

 ところが、あると思われていた公文書は外務省によって廃棄されていたのである。都合が悪ければ隠し、いざ証拠を求められる前に証拠を捨ててしまう。外務省としては立場が悪くなったので、大切な外交文書を敢えて廃棄処分にしたと思われても仕方がない。流石に朝日の解説でも「外務省内にあった『核密約』に関する文書がひそかに破棄されていた疑いが強まった。密約で国民を欺き続けているだけでなく、それを検証する可能性を現在と将来の国民の手から奪ったという意味で、二重の犯罪行為だと言える」と手厳しい。

 更に性質の悪いのは、2001年4月に情報公開法が施行されるのを前に、外務省内の文書保管のあり方を見直した際、存在しないはずの文書が将来発覚する事態を恐れたというから悪質極まりない。60年安保から今日まで外務省のやってきたことは、右翼政治家の尻馬に乗ってアメリカと密約を結び、国民を騙し、毎日新聞の西山太吉記者が特異な嗅覚で密約を突き止めると、これを逆手に取りスキャンダラス化して裁判へ持ち込み、例えアメリカ政府の密約文書の存在が明らかになっても、知らぬ存ぜぬの一点張りである。いよいよ立場が不利になると見るや、国民から開示請求が出る前に処分して証拠隠滅を図る。外務官僚の天下一品のあくどさは、大量殺人犯、大型脱税犯人以上である。

 山崎豊子の「運命の人」4部作が今売れている。これこそ本件の外務省秘密外交文書漏洩事件を取り扱ったものである。それほど話題をさらい、世間の注目を集めた事件の証拠書類を国家にとって都合が悪いからといって、いとも容易く捨ててしまうなんてことが認められようか。デタラメばかり繰り返し、何も外交問題を解決出来ない外務省の国賊役人どもはこれだからダメなんだ。ふざけるな!と言ってやりたい。

 文化人類学者の川喜田二郎氏が亡くなられた。享年89歳だった。新しいアイディアのカード使用法であるKJ法を編み出し、一世を風靡した。私も若いころにこのKJ法を学んで、随分役に立った。川喜田氏は単なる学者としてではなく、専門のフィールドから野外を歩いて、裏づけをとった。ただ研究室で研究活動するだけではなく、実践的に証明する行動科学を実践して多くのファンを惹きつけた。心よりご冥福をお祈りしたい。

 今日7月10日は妻の64回目の誕生日である。玉川高島屋内に出店している佐賀牛のステーキを食べさせてくれる「金の箸」で密かに内祝いをする。

2009年7月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

787.2009年7月9日(木) 大きい中国の存在感

 出席する直前になって国内事情でイタリアから帰国してしまった、中国最高権力者、故錦濤・国家主席抜きの会議のせいか、代理の中国代表が小粒のせいか、G8拡大会議は参加各国とも中国に遠慮せずにG8首脳会議のポイントが割合スムーズにまとまった。例えば、温室効果ガス排出量を先進国全体で2050年までに80%以上削減、核不拡散へ協調して包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効に努力、北朝鮮の核実験、ミサイル発射非難、拉致問題を含む人道上の問題の懸念、等は仮に故錦濤・国家主席が出席したらここまで明記されることはなかったのではないか。温室ガスの80%削減なんか、こう簡単に決めて実行出来るのだろうかとの心配は残る。昨年の洞爺湖サミットでは確か同じ2050年までに目標が50%削減だったと思う。

 しかし、この合意事項が後になって中国が自国はその場にいなかったからと言って、その効力に異議を申し立てることになりはしまいか。一癖も二癖もある近年の中国の自己中心的圧力外交を考えると、どうもそんな気がしてならない。

 それにしても中国の存在感は今やアメリカに次ぐ。したたかな外交力により、ケース・バイ・ケースで先進国として振舞ったり、後進国の立場を主張したり、中々老獪である。今先進国が最も神経を尖らせているのは、排出ガス規制について、先進国が受け入れにくい後進国の条件を中国が発展途上国グループのリーダーとなって先進国へ突きつけていることである。

 だが、中国は国内に民族間対立、沿海部(都市)と内陸部(農村)の経済格差、個人的貧富の差、役人汚職、ほかの難問を山のように抱えている。これらの問題解決は今までクリアしてきた問題以上に難しいだろう。今年中に日本を抜いて国内総生産はアメリカに次いで世界第2位になるという。大きなお世話かも知れないが、まずは自分の頭のハエを追い払ってもらいたい。もう少し大国なら大国としての、権威、責任、矜持、倫理観を持ってもらいたいものである。

2009年7月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

786.2009年7月8日(水) 中国はウィグル族と共存すべきだ。

 今朝は9時過ぎにヤマダ電機から作業員が、46インチの地デジ対応テレビとエアコンを設置にやって来た。漸く世間並みに地デジ対応のテレビを設置することにした。テレビとエアコンは担当部署が違うということから、それぞれ別様に依頼したが、結局同じ時間帯にかち合っててんてこ舞となった。やはり、地デジ対応テレビは画面が大きく画像が細かいのではっきり見えるが、機能が進化していてすべての機能をマスターするには相当時間がかかりそうだ。この点ではすっかりオジサンになってしまった。

 早速スイッチを入れたら昨日に引き続いて中国・新彊ウィグル自治区ウルムチの騒乱事件について報道している。ウィグル族の中国政府に対する不満が嵩じて騒乱へつながったとの見方が微妙に変化しつつある。

 今では民族対立の色彩が色濃くなってきた。その根源はウィグル地域における漢民族による支配と収奪である。年々漢民族がウィグル地区へ移住者を増加させて、支配権を強め、そこで得た収益をウィグル人へ還元せず自分たちだけで分配する支配体制の確立により、両民族間における貧富の格差が激しくなり、結果的にウィグル人の不満を募らせることになったようである。対応次第では深刻な民族対立に発展する可能性がないとは言えない。

 新彊ウィグル自治区は、1933年と44年に独立を志した。しかし、中国政府により独立は認められず、中国内の1自治区として中国政府の思い通りに支配されてきた。内蒙古自治区に次ぐ広大な面積を誇り、石油、レアル・メタル等多くの地下資源を有する新彊ウィグル自治区の土地を中国が手放すはずがない。

 G8拡大会議に出席する予定でイタリア・ラクイラ市を訪問中だった故錦濤・中国国家主席が開催直前になって急遽中国へ帰った。このままG8のためにラクイラに留まっていたのでは針のムシロで、プラス面は少ないと見たのではないか。世界が注視している今回の騒乱は、下手に対応すると世界中の非難を浴びかねない。さあ中国はどうする?

2009年7月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

785.2009年7月7日(火) マクナマラ・元アメリカ国防長官逝く。

 アメリカの歴代国防長官の中で最も在任期間の長かったロバート・マクナマラ氏が亡くなった。93年の生涯だった。ベトナム戦争中はほとんど毎日のようにその特徴のある顔つきを見せつけられ、良きにつけ悪しきにつけ、印象に残る人物だった。フォード自動車社長、国防長官、世界銀行総裁と絢爛たる履歴ぶりである。いずれもその在職中並外れた実績を上げた希代の怪物でもある。その中では何と言っても7年間も世界最強の軍事大国のトップに君臨していたことは特筆されるべきであろう。ニクソン訪中の仕掛け人であり、ベトナム戦争を拡大させた影武者でもあり、ベトナム戦争とは切っても切れないアメリカ政府の要人だった。近年になって核廃絶を訴え出した。晩年は世界銀行総裁としても実績を残した。貧困国向け融資額を在任中に12倍以上に増額した。信念と行動において、これほど振幅の激しい人も珍しい。日本人にとっても彼の存在感は飛び抜けていた。

 ベトナム戦争中は共産国家の脅威を主張して、一国が共産主義化すれば周囲も同化するという有名な「ドミノ理論」を展開した。後年その認識は誤っていたと反省したが、メディアからは「陳腐な謝罪で無駄死にした兵たちの喪失を埋め合わせることは出来ない」と厳しく指弾されている。ベトナム戦争中のアメリカ兵死者の数は、58,000人に上る。

 ベトナム戦争では、ジョンソン大統領と並んでアメリカ人としては最も名を上げた一人だろう。

 さて、昨日中国のウルムチで発生した騒乱による死者は、その後も増えて156人に達し、負傷者は1,000人を超えた。「世界ウィグル会議」主席は、中国政府が言っている「事件は国外からの指揮と扇動があった」とする説を完全に否定している。アメリカ政府は多数の死傷者が出たことを深く憂慮していると述べたが、中国政府を非難するまでには至っていない。経済的に米中関係が抜き差しならぬ状態にある以上、中国政府のご機嫌を損ねることは極力避けたいところだろう。とは言えこのまま事態が沈静化すれば良いが、暴動化すればチベット事件の二の舞となる。

 今日のニュースを見ていると興味深いことがあった。海外メディア団が中国政府によって取材を許されると、ウィグル人がメディアを目指して声高に騒ぎ立て率先して取材されようとする。すると少し遅れて市内の漢民族が手に凶器を持って街中をウィグル人が集まる場所へ向かった。一触即発と見た警官隊が中へ割って入るという危ない状態だった。

 こうした中で米中首脳は、明日からイタリアのラクイラで開催される、G8サミットで顔合わせする。G8諸国が中国に対してどの程度踏み込んだ注意をするのか不明だが、大いに注目されるところである。そのラクイラも3ヶ月前に起きた地震により一部には壊滅的な状態に陥っている。テント暮らしの人も多い。未だに余震があるという。こんな落ち着かない状態で果たしてサミットも予定通り開催出来るのか気になる。ウルムチ・ラクイラ地震が襲って来なければ良いが・・・・。

2009年7月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

784.2009年7月6日(月) また中国内陸部で騒乱事件発生

 また中国内陸部で騒乱事件が起きた。昨年3月チベットのラサで暴動、8月にはカシュガルで死傷事件が発生したが、今度は新彊ウィグル自治区のウルムチで騒乱事件である。これに対する中国政府の対応はお決まりの高圧的なものである。有無を言わせず力で押さえつけて鎮圧する、いつもの非民主的な弾圧だ。まだ詳細は分からないが、中国政府は人民を警察権力で押さえつけるばかりでなく、海外メディアを特定の場所に囲い込んで発信を不可能にし、インターネット回線を切断するという乱暴な権力行使に出て、まともなニュースを海外へ流させないよう策を巡らせている。

 夕方のTVニュースでは140名以上の死者が出たという。これは表向きの数字であるから、実際にはずっと増えていることだろう。

 中国政府の代弁機関、新華社は「国外から指揮と扇動を受け、国内の組織が実行した計画的、組織的な暴力犯罪」と伝え、世界各地のウィグル人組織でつくる「世界ウィグル会議」の関与を指摘した。もちろん同会議日本部は否定している。今年は中国建国60周年に当たる。中国はこの記念年を静かに祝いたい。でもこの様子だと中国政府の思惑に反して、10月は荒れるのではないか。この行き着く先は、どうなるのだろう。中国政府は揺ぎない体制を誇示するために、簡単には妥協はすまい。徹底的に反抗勢力を押さえつけ、グーの音も出ない状態にしてしまうだろう。心配なのはまだ解決の可能性が見えないことである。中国も共産人民国家から、年々独裁軍事、非民主国家、帝国主義国家に変貌しつつある。こういう国が大国を名乗り威張っているのは、その他の民主国家にとっては不愉快である。ウルムチの人々の無事を祈るばかりである。

 昨日静岡県知事選挙が行われて、民主党系の川勝平太氏が接線を制した。いよいよ麻生政権の末路が見えてきた。自民党・公明党が推薦した参議院議員・坂本由起子氏は、僅かの差で及ばなかった。しかし、元々民主党は候補者の一本化に失敗して前参議院議員も立候補していたことを考えると自民・公明は完敗したと言えるかも知れない。この後日曜日に都議選が行われ、ここで自民が敗れるようだと来る衆議院選挙は自民党にとってお先真っ暗になるかも知れない。

2009年7月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

783.2009年7月5日(日) 講演会で世界遺産について話す。

 昨春に続いてNPO・小金井雑学大学から「世界遺産を訪ねて」と題して講演を依頼された。60~70名の方が来られた。会場は都立小金井工業高校で、この工業高校は一時普通高校だった時期がある。奇しくも校歌の作曲者はわが母校湘南高校と同じく山田耕筰である。JR武蔵小金井駅から徒歩10分程度のところにある。教育環境としては中々良いところにある。八王子の近藤さんと、近藤さんと親しいJR出身の國枝さんに連絡をとったらお2人とも来てくれた。出来るだけ分かり易さと興味深さを心がけ、46枚のスライドに時間をたっぷりかけてパワーポイントで照射した。出席者にはかなりの程度理解していただけたと思う。雰囲気もよく、和やかに予定の1時間半をマイペースで話し続けることが出来た。終って久しぶりに駅周辺で近藤さんと國枝さんと夕食を楽しむ。

 私なりの疑問とか、問題提起を行った中で世界遺産のピラミッドの魅力について話したところ、偶々夜のNHKの「エジプト発掘」シリーズで、ピラミッドがどうやって出来たかということを分かり易く説明していた。偶然とはいえ不思議な感じがした。

 駒沢大学の講座でアマゾンの書籍販売について学んだが、そのアマゾンが今朝の朝日によれば国税当局から追徴課税を受けている。その額が実に140億円だそうだ。海外企業は日本にある施設を利用して利益をあげても、施設は営業活動をやらず、単なる倉庫、物資貯蔵庫という立場から本国における営業活動だけが営業であると主張している。日本における活動は営業活動ではないという海外企業の言い分は国税当局には認められない。詳しいことは分からないがどう決着がつくのだろう。

 同じく駒沢大で学んだ「グーグル検索エンジン」について、日経では第6頁全段を使って「ネット時代揺らぐ著作権」と題する特集記事となっている。グーグルと権利者との衝突、国会図書館の電子化構想について触れている。大きな問題になりそうだが、こじれるのではないかと心配である。著作権に関して改めて専門家を交えて権利者の権利を擁護する方向でじっくり話し合いを続ける必要がありそうだ。

 昨日北朝鮮が発射したミサイルは、3発どころか7発だった。北朝鮮のやり口は何とアメリカの独立記念日に合わせたものだそうである。アメリカはどう応えるのだろうか。

2009年7月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com