477.2008年9月2日(火) 自分だけの都合で辞める福田首相

 松本整形外科医院の紹介状を持って、東京医療センターのリューマチ専門医・膠原病内科の大島久二先生にご相談した。発病とこれまでの治療の経緯、そして松本先生と内科医森先生の処方についてお話した後、大島先生は先生なりの検査をしてみたいと仰って、尿検査、血液検査、レントゲン検査をして、結果の出る8日(月)に話を伺うことになった。大島先生から松本先生へお手紙も預かってきた。近日松本先生へ今日の報告を兼ねて診てもらいたいと考えている。

 CRP定量数値が上がり続けることについて、ちょっと高いと大島先生も懸念しておられた。今服用中の「ブレドニゾロン1mg」を「ブレドニゾロン5mg」に戻すことに触れられたので、そうなるとこれまでの治療に逆行することになるし、ブレドニゾロン自体がステロイドなので、強力になる点では気持は複雑だ。もしそうなるなら辛いところだ。

 福田首相の突然の辞任騒動は案の定、国内外に大きな波紋を広げている。EUは割合冷めた見方であるが、米中は福田首相を持ち上げている。アメリカが福田首相を評価するのは、インド洋における海上自衛艦の給油活動への感謝と継続希望があるからであり、本音は日米同盟と言いながら、こう簡単に辞められたのでは堪らないというところではないか。国内では、もうぼろくそである。北海道のお百姓さんか、漁師が言っていたが、「辞めたいからと言って責任ある立場の人間がこうも簡単に仕事を放り出すなんて、出来ればわれわれもそうしたい。しかし、われわれは今の仕事にしがみついていなければ生きていけない。だから辞められないんだ」という悲痛な言葉が胸に突き刺さる。どう屁理屈を言おうと、福田首相は自分だけのために、辞任することを決めたことは間違いない。身勝手な世襲議員はこれだから困る。

 今日から広島で第7回G8下院議長会議が開催され、アメリカからナンシー・ペロシ下院議長が出席された。アメリカ政府の高官、特に大統領クラスの大物が広島市を訪れ、原爆死没者慰霊碑に献花するのは初めてのことである。寡聞にして知らなかったが、これまで広島と長崎の原爆記念日の式典に出席したアメリカ政府の要人は、駐日大使、総領事らを含めても前例がないらしい。アメリカはこれまでも原爆投下は戦争を早期終結させるために必要だったと、悲惨な状況をもたらした原爆投下について謝罪しない論旨を繰り返してきた。戦後63年経過してアメリカの同盟国に対するこの冷酷にして理不尽な対応は、やはりわれわれ日本人としては頭の中にきっちり入れておかなければならない。

2008年9月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

476.2008年9月1日(月) 福田首相辞任を表明

 あ~驚いた、というのが本音である。わが国の最高権力者の総理大臣がまたご乱心か。NHK夜9時の「ニュースウォッチ」の間に、9時30分より福田首相が緊急記者会見を行うとのテロップが表れた。一瞬昨年のこの時期に安倍前首相が政権を放ったらかした悪夢が甦ってきた。しかし、しばらくしてまさかそんな馬鹿げたことはないだろう、ひょっとすると公明党との連立政権を解消するのではないかと思っていた。それが番組の終わりでは、首相辞任の意向と表示された。やはり福田首相もついに自作自演の幕引き劇を演じた。

 評論家も言っていたが、易々と得たものは易々と手放す。総理大臣の職は、世襲議員として自分が築いた土台のうえで苦労しながら上り詰めて掴んだ座ではなく、父親からそれほどの努力も苦労もなく譲ってもらった議員の座に胡坐をかき、家の子郎党の協力を得て運良く勝ち取った座だったので、たたき上げの議員が総理へ上り詰めるのとははわけが違う。

 やはりいざとなると簡単に手放す。最後まで使命感を抱いて成し遂げるという気概はさらさらなく、いとも簡単に放り出す。こういう人たちに政治を任せること自体、日本がますます劣化現象を起すのである。

 さて、9時30分になりひょうひょうと会見場に登場した福田首相は、冒頭の辞任表明のことばの中で、特定財源の一般財源化、社会保障制度を見直しすること、消費者庁の立ち上げ等について道筋をつけたことに自負を持っているとやや気負った表現があった。同時に、政治資金の問題、年金の問題、防衛庁の不祥事等々について泣き言を言っていた。それなら、責任を全うしてそのまま苦しい現状を乗り切る精神力と強い責任感を発揮してもらいたかった。それがトップとして取るべき道ではないのか。どう弁解しようとも政権を投げ出したとの印象は拭いきれない。

 どうせ自民党は、それなりの言い訳を言い続けるだろう。それにしてもお粗末である。一応12日に臨時国会召集が予定されていたが、それまでに次の自民党新総裁は決まるのだろうか。安部前首相辞任の際に、副首相、或いは首相代行を決めるべきことを提唱したが、それも実践されなかった。これなら、早く総選挙を実施して国民の気持ちを問うべきではないか。こんなトリッキーな手段で国会を乗りきり、国民の信頼を得られると思っているとは、まあ程度の低さも極まれりである。

 驚いたというよりも、呆れたというのが実感であるし、恥ずかしい気もする。世界各国の論評も気になるところだ。

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475.2008年8月31日(日) ミュージカルを楽しむ。

 妻がこのところ練習に次ぐ、練習でほとんど毎日練習に通っていたミュージカル「マリー・アントワネット」もいよいよ今日が本番となり、去年と同じく上演する横浜市西区公会堂へ出かけた。妻はもちろん中心人物ではなく、グループで唄い、踊っていただけで、端役も端役で1台詞しゃべっただけだったが、ミュージカルそれ自体は、観ていて愉しいものだった。まあこれで今年は終わったので、少しは家にいる時間が増えるだろう。

 昨日は夜遅く車で出迎えに行ったが、第3京浜道路上ではものすごい豪雨に襲われ前方も見えないほどだった。久しぶりに豪雨の中を車で走ったような気がする。

 今日は朝から青空でまず雨は降らないと思い傘も持たずに出かけたが、自由が丘駅へ戻ってきた途端大降りとなってタクシー待ちは長い行列となっていた。他に手段もなく黙って雨のしぶきを浴びながらタクシー待ち50分の末に帰ってきたら、雨は止んでしまった。まるで落語かなんかのネタである。ここ数日は天候に振り回されている感じだ。

 今日でほとんどの学校が2学期も終了して、明日から新学期となる。秋となると、気持ちも切り替わるだろう。

 そろそろ中国製ギョーザ中毒事件をはっきりさせてもらいたいものだ。中国としても、北京オリンピックも終わったことだし、やったことはやったと謝った後に原因究明、再発防止を日中共同で話し合いしてほしい。6月に発生の時点では、日本側は包装パックへ外部から農薬が入った形跡がないと発表したが、中国側も中国国内で農薬が混入した証拠がないとつっぱり、お互いに相手側に問題ありと言わんばかりで暗礁に乗り上げてしまった。洞爺湖サミットの直前に、胡錦涛主席から福田首相へ中国国内でギョーザ食中毒が新たに発生したと報告があった。そして、今回新たに製造元で内部による毒混入の可能性が高まったと発表された。正式に解決してからのことになるが、日本政府は中国に対して言うべきは言うの姿勢で対応すべきである。中国はいつも自分たちは悪くないとの一点張りで、実際にはそうでなかったことが何度かある。その際でも中国は謝罪すべきことに対して、きちんと謝罪しない傲慢な傾向がある。今度こそじっくり両国の対応を見守りたいと思う。

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474.2008年8月30日(土) また、PCがぶっ壊れた!

 昨日から普段主に使っているデスクトップPCが起動せず、画面から騒音だけ聞こえるばかりで手の打ちようがなく、SONYのVAIOカスタマーセンターへ電話で問い合わせた。担当者の指示に従ってキーボードを叩いてみたが、一向に反応がなく、担当者の話では分解修理する必要があるとのことに愕然とする。2年前にも同じような経験があるが、そのときは落雷にやられたことがはっきりしていた。その後雷が鳴るたびにコンセントを外すことにしていた。昨日から、各地に落雷があり、近所でも相当大きな雷鳴が轟いていたが、雷被害防止に関しては備え万端怠りなかった。しかるに、よりによって雷の激しい日に同じようにPCが故障とはついていない。修理に1週間もかかるうえに、修理代も高い。ざっと4~5万円かかると言われた。さらに気持ちを暗くさせるのは、ハードのメモリーが消滅してしまうことである。聞いてみると、まず消えてしまう可能性が高いという。折角苦労して本体に記憶させていたものをこのまま消失してしまうことが辛い。やはり普段から手間はかかっても大切な資料はコピーをとっておかなければだめだ。CDかUSBにバックアップしておくべきだったというのが、辛い反省である。

 さて不人気な福田内閣が、物価高や景気減速を受けた総合経済対策を決定した。国費と事業費を併せた13兆3千億円の補正予算を組む意向だ。更に今年度中に第2次補正予算を組んで、定額減税を実施する考えである。問題は、財源である。景気が後退して財源確保が困難な時期に大盤振る舞いをするわけだから、国民の生活を安定させる「安心・安全内閣」としては、何とか国民のご機嫌を取りたい気持ちが湧いてくるのは理解できる。

 しかし、ない袖は触れないのが現実で、早くも党内からも反対や異論もあり、新聞の論調も極めて厳しい。再び赤字国債の発行に頼らざるを得ないことは明々白々である。世界的にも驚くような、累積1千兆円近い国の借金がある中を、反対を押し切って借金を増やすことを決断したことになる。少しでも財政赤字を解消しようとした小泉首相の目指す方向とは、反対である。やはり負けそうな総選挙対策としては、少しでも一時的な国民寄りの対策を立てて人気挽回に努めたいとのあわよくばのスケベ心と、公明党への気遣いがあることは間違いない。

 一時的に少し税は軽くなっても、そのツケは将来に回されるということを国民がどの程度意識するだろうか。

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473.2008年8月29日(金) 国会議員の呆れたパフォーマンス

 新宿で知人と食事をした後に、早稲田出版・大塚編集長を訪ねた。先日来カバー表紙のデザインについて連絡があり、大塚さんは「川崎タカオ」のイラストを使ってみたいと考えていると説明してくれた。インターネットで川崎の作品を観たが、私には少々きつい印象が残った。定年後の中高年者が出かけるとの前提なので、愉しく優しいイメージの顔写真を考えていたが、大塚さんは定年を過ぎてなお世界へ飛び出していこうとする「停年オヤジ」をイメージしているので、むしろギラギラした顔の方がよいのではないかと話された。さらに着るものも行動的なサファリ・ルックがよいという。いろいろ考えてみたが、大塚さんの考えの方がごもっともな点もあるので考え直し、ごつい線でいくことでお任せすることにした。写真と地図も大体決まりつつある。来週中には、写真、地図を盛り込んだゲラを送ってくれるということになったので、まあ順調に進んでいると思う。

 帰りに松本整形外科へ寄って、先日の血液検査の結果を教えてもらう。また、がっかりの数値だった。どうして、炎症度が下がらないのだろうというのが、私自身はもとより、松本先生の率直なご感想でもある。昨年秋から数値は上がりっぱなしで、原因がよく判らない。松本先生のお考えではリューマチ系統の支障があって影響しているのではないかとのことだった。やはり専門医に診ていただいた方がよいとご意見をいただき、東京医療センターの膠原病内科の大島先生に宛てて丁重な推薦状を書いてくださった。来週火曜日に早速訪ねて行こうと思っている。それにしても、もうかれこれ治療していただいて5年になるが、回復しそうな状態からむしろ数値的には悪化している。とにかく早く直したい。

 さて、政治家というのは、普通人とは生き方も考え方もまるで違うと思っているが、また常識的にとても考えられないパフォーマンスをやってくれた国会議員が現れた。昨日民主党・渡辺秀央参議院議員以下3名の民主党所属参議院議員、二人の無所属参議院議員、併せて5人の参議院議員が、「改革クラブ」というミニ政党を立ち上げると堂々記者会見した。ところが、これまでにも独特なパフォーマンスで派手な話題を提供していた、「虎退治の姫」こと姫井由美子議員が、今日になって所属する民主党からの離党届を撤回し、民主党にそのまま留まり「改革クラブ」への参加を取りやめると発表した。これで参加者が4人となり、「改革クラブ」自体も政党の構成要件(5人以上)を満たさなくなり、渡辺議員らの思惑は大きく狂った。

 それにしてもスキャンダルや、派手なパフォーマンスばかりが先行して、本来の議員職を全うしているのかとかねてから疑問に感じていた姫井議員に至っては、その朝令暮改の変幻自在ぶりと非常識に呆れ果てて開いた口が塞がらない。当選直後は、自民党のドン・片山虎之助参議院幹事長を打ち破り、「姫の虎退治」と大いに持ち上げられたが、その後は本業以外のスキャンダルで注目されるありさまで、こういう軽薄で無節操な人物がどうして議員になぞなろうとしたのか、また大物対抗馬を倒して議員になれたのか、どうも理解できない。

 結局政治家というのは、一部の真面目な人を除くとほとんどが単に金儲けと名誉欲のために、その人にとって政治家になるのが一番の近道だと悟った人がなっているということになる。こういう世間を嘗めきった人ばかりを集めた政治家集団というのは、金もかかるのでもう思い切って現有議員数の半分もいれば充分ではないだろうか。

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472.2008年8月28日(木) 日本人、タリバンに殺害される。

 八木知研会長にお手伝いしていただきながら、気仙広域連合2日目の研修を無事終えることが出来た。初めて「合意術」を教えることになり事前の自己研修で、かなり学んだつもりではあったが、教えるとなるとまた話は別だ。会長がうまく受講者と会話してヒントを受講者に与えてくれたので、かなり効率良く進めることが出来た。出来上がった作品も昨日に次いで、なかなか立派なものである。私自身も大体教え方のコツらしいものを学んだので、これから自己研鑽に励みながらもっとレベルアップして、受講者にさらに納得出来る「合意術」を教えられるよう努力したい。

 帰りは、森さんに車で研修会場の陸前高田から一ノ関まで送っていただき、随分時間をセーブ出来た。くねくねしたJR大船渡線に沿った山間の道路だが、大きなカーブを切ったループ線の道路と橋など、珍しい景色に興味をそそられる。受講生も良い方ばかりで、気持ちのよい研修だった。まぁ2日間全力投球したので、やや疲れた。

 昨日アフガニスタンで誘拐された「ペシャワール会」の農業専門家・伊藤和也さんが射殺体となって誘拐現場近くで発見された。伊藤さんは先日解放された横浜国立大生や、数年前拉致され殺害された飯塚市の青年とは目的が異なる。伊藤さんは心からアフガニスタンの農業復興のために力を注ぎ、言葉も覚えて土地の人々との交流も強めて、効果が出ていただけにこういう悲惨な結果は残念である。これから民間の現地支援事業は難しくなるし、現在海上自衛隊がインド洋海上で活動している石油補給活動も特措法が絡んで微妙な問題となったような気がする。

 今日の新聞もテレビもあまり見ていないが、夜遅く帰ってきてニュース番組を見るとやはりこの問題を大きく取り扱っている。折も折、早稲田出版の大塚編集長から、殺害されたジャララバードはカイバル峠から僅か50マイルで、次作品の描写に臨場感が表れているとのメールがあった。小中陽太郎さんからも話題の地でもあり、書評でうまく取り上げてもらえればよいですねとメールをいただいたばかりだ。

 8年前にカイバル峠を訪れたとき、感じた不気味さはやはり世界中の他のどこよりも、奇妙な空気が充満していたような気がする。

 それにしても、また日本人に犠牲者が出てしまって残念でならない。伊藤さんのご冥福をお祈りするばかりである。

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471.2008年8月27日(水) 気仙広域連合研修第一日

 広域連合の森さんが8時に車で迎えに来てくれた。研修場所は「陸前高田市ふれあいセンター」という公共施設で受講者は21人。この広域連合を構成している大船渡市、陸前高田市、矢田町の2市1町から参加したほぼ30代の人たちばかりで、6人の女性が含まれている。2日間のスケジュールの中で、「図解」の他に「合意術」があるので、時間的には少々きつい。今日の感じでは、受講者の水準はかなり高いと感じた。ホテルの営業計画を図解する作業では、4つのチームがレベルの高さを示してくれた。PCを使わずに4チームがそれぞれ個性溢れる図を立派に仕上げたので、驚いたくらいである。明日の日程もタフで「私の仕事図」の演習時間がかなり少ないと思っていたので、説明・解説を今日最後の1時間の中に済ませた。これで明日は最初から「私の仕事図」の演習に充てることができる。明日のスケジュールに多少ゆとりを持つことができる。

 何と言ってもPCを使えないことから、作図はすべて手作業になるので、時間がかかるうえに作成した図の見映えが今ひとつ優れない。受講者には、PCを使用すれば確実に見映えが良くなりますと伝えた。

 明日の研修は、「私の仕事図」の作成と各人の発表、そして「合意術」である。夕方ホテルへ合流された八木哲郎・知研会長と「合意術」の講義内容について、新しい説明資料も加えて細かく検討し、何とか明日の研修で受講者に納得をしてもらいたいと思っている。

 イラク以上に危険になってきた最近のアフガニスタンで、日本人が1人拉致された。アフガニスタンで医療活動などを続けているNGO「ペシャワール会」の一員で、農業専門家である。4年以上も現地の農業指導に当っていた人物で、先日長い拉致から解放された大学生とは主旨が違う。拉致された場所は、アフガン領内のカイバル峠に近いジャララバードで最近不穏な情勢にあると伝えられたところだ。タリバンが関与しているとも聞く。特に最近はイラク情勢よりも、アフガン情勢の方がより深刻だと報道されている。元々山賊が出没するような場所へ、タリバンが再びその力を誇示し出したわけである。無事に解放されればよいが、相手はタリバンでもあり、少々気になるところである。

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470.2008年8月26日(火) 大船渡線の牧歌的な車窓風景

 JR大船渡線に初めて乗った。一ノ関から大船渡まで約2時間。JR新幹線内のギブアウェイ「トランヴェール」8月号に、偶々2頁にわたり大船渡線(一ノ関⇔盛)が地図と写真入りで紹介されていた。それを参考に車窓から沿線風景をたっぷり楽しむことができた。

 普段は地方鉄道にあまり乗る機会はないが、それでも偶に乗ると日本の原風景と縮図を見るようで、懐かしい気持ちの反面、寂しさと切ない気持ちが湧いてくる。数年前、日豊本線・城野駅から、田園地帯を飯塚方面へのんびり一人旅したとき、日本の本質を知りたいと日本へやってくる外国人旅行者には、古寺古跡を見学することはもちろん日本文化を知るうえで大切なことだが、出来れば地方都市を、列車で巡りながら訪れて見るのもいいのではないかと思った。地方の鉄道はすいているし、田舎では人や車が込み合わないので、旅行も楽に出来る。それに日本人のホスピタリティーに触れることが出来るのではないかと思った。

 2輌編成のジーゼルカーだが、車窓から気がつくことが多い。北上川の水が意外に汚い。陸中松川駅前には「太陽と風の家」という公的な施設があるが、見学者がいそうもない。これも夕張化してしまうのではないかと他人事ながら気になる。沿線南側にはセメント工場が無造作に鉄骨をむき出し無気力に稼動している。2つの駅前の大きなパチンコ店が2軒も閉鎖していた。客も来なくなったのだろう。駅名も珍しい名が多い。陸中門崎(「りくちゅうかんざき」と読む)、猊鼻渓(げいびけい)、千厩(せんまや)、鹿折唐桑(ししおりからくわ)等々である。上鹿折(かみししおり)から陸前高田の区間は、山間部の小高い森林帯の中を勢いよく走ったかと思いきや、稲穂の中を疾走したり、山の中から海岸近くを走り抜ける。旅行者には飽きることのないバラエティに富んだ牧歌的な風景の連続である。

 この大船渡線がドラゴンレールと言われたり、ドラゴン急行が走っているのは、路線がくねくね上がったり下がったり龍のような形をしているからだそうだ。岩手県と宮城県の県境を2度ばかりまたいで、三陸海岸へ到着する。三陸とは、陸前、陸中とは知っていたが、もうひとつの陸○は何だろうと大船渡駅までわざわざ出迎えてくれた、気仙広域連合の森正さんに尋ねてみたところ、「陸奥」と即座に答えられた。

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469.2008年8月25日(月) 北京オリンピック後の中国はどうなるか。

 日本中、というより世界が悲喜こもごもだった北京オリンピック・フィーバーが漸く幕を下ろした。ほっとしている人も多いのではないかと思う。夏休みということも影響しているが、この17日間「日本」国内は、何ひとつ前進がなかった。政治、経済両面でもまったく目に見える成果はなかった。ほぼ1ヶ月近く政党首脳は時折会議と称して雑談をやっているに過ぎなかった。あとは夏休みと称してゴルフをやったり、ずる休みを貪っている。政治家とはつくづく気楽な商売だと思う。

 オリンピックの宴が終わり、これから中国は、どうやって経済成長を維持していくのか、今抑圧」しているウィグル地区やチベット、その他の人権抑圧問題はどう解決するのか、中国農村の疲弊化をどう立て直すのか、経済格差と役人の汚職をどう解決するのか、等々課題は山積である。ところが、実は一部の問題はこのままわが国にも当てはまる。政治家は働かず、官僚が主導して経済を減速させている。財務官僚のタクシー券を「事後清算払い」にしたところ、9千万円も減ったという。つまみ食いを当たり前として上司は見逃して、国民には苦しい生活を我慢しろと言っている。

 オリンピックが終わって日本政官の国民を舐め切っているありようが露骨に浮かび上がってきた。

 小中陽太郎さんから電話があり、先日お渡しした次の作品「停年オヤジの海外武者修行」の梗概をお読みになって、内容がタイムリーなカイバル峠やテロ事件を取り扱っているので、うまく新聞や雑誌で取り上げてくれれば、結構売れると思いますよと嬉しいことを仰ってくれた。大きな励みになる。

 今日早稲田出版の大塚編集長から、今週末ころに一次ゲラができあがるとメールがあった。224ページに10ページくらい増えるとも書いてあった。明日から岩手県の気仙広域連合で研修講師を務めるが、帰ったころから少しずつ動き出すという感じだ。先日来「合意術」の研修テキストとパワーポイントのスライド作成に忙殺されている。今日も朝からずっとPCにかかりきりで、アニメーション設定等に没頭していた。あさって合流する知研八木会長にも出来上がったスライドをメール送信する。

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468.2008年8月24日(日) やっと終わった! 北京オリンピック

 YahooのWEBサイトを何気なく覗いていたら、2つのアイテムが目に留まった。ひとつは、友人「山崎洋」の名前がインターネット百科事典「Wikipedia」の「日本の翻訳家」の1項目に載っていたのである。その紹介文の中に、篠田正浩監督作品「スパイ・ゾルゲ」に関する彼のエピソードが載っている。読んでみると、そのエピソードは私が「知研フォーラム」に寄稿した、山崎くんの母上について書いた「ある女性の波乱の生涯」から引用されている。勿論脚注にその旨書かれている。友人のおかげで、私も「Wikipedia」に名を連ねることになった。

 もうひとつは、「はてなアンテナ」というサイトに私のブログ「ご意見番の意見」が紹介されていたことである。HP(知の狩人・知の旅人)本体ではなく、人目につきにくいHPの中に組み込んだブログが紹介されたということは、HPのトップページを通してブログを読んでくれ、その内容をある程度評価してくれたことだと思う。

 驚くのは、私以外の9人のHP掲載者には、今をときめく副島隆彦、加瀬英明、高市早苗氏らの他に何と塩見孝也がいる。誰あろう、元日本赤軍議長である。

 まあ、あまり気にもしていなかったが、意識しようとしまいと自分の知らないところで自分の考えを多くの人に読んでもらい、それなりに評価されるというのは嬉しいものだ。ひとつの刺激になる。これからも今まで通り、しっかり腰を据えて書いていきたいと改めて思う。やはりHPは効果テキメンで、これから出版物のPRにもうまく使えるのではないかと思っている。

 17日間続いた北京オリンピックも今日閉会式を迎えた。最後の陸上種目男子マラソンも案の定惨敗だった。派手で時間のかかったサプライズ開会式に比べて、閉会式は開会式ほど時間をかけなかったが、相変わらず中国らしい派手で毒々しい演出だった。ようやるなぁというのが本音だ。とても感動を与えるという演出ではない。一種の芸能人のイベントである。バベルの塔でも真似たような高い塔の周囲で、曲芸をやったり、入れ替わり立ち代りエンターテイメントをやって、ロンドン名物2階建てバスを入場させ、サッカーのベッカムにボールを蹴らせたり、ジャッキー・チェンに唄わせたり、プラシド・ドミンゴまで狩り出して中国人ソプラノ歌手と唄わせる。どうせ唄わせるなら、あまり知らない中国の歌より、中国所縁のオペラ♪トウランドット♪の「誰も寝てはならない」を唄って欲しかった。いずれにしても、厳粛、荘厳、人間の尊厳、愛情、思いやりなどとはまったく縁遠いものだった。漸く終わったというのが、率直な感想である。

 獲得した金メダル数も開催国中国がダントツ・トップで、中国の国威発揚もそれなりの効果を上げたことだろう。中国の狙いは達せられた。だが、そのためにどれだけの資金を注ぎ込み、人海戦術で人をかき集めたのか。国際政治が専門の藤原帰一・東大教授は、開会式を評して「伝統の誇示と政治宣伝に才能を消費するばかりで、悲しい光景だった」とまで言っている(本日付朝日)。徹底した警備体制により、オリンピックを混乱させるような事態は表面上発生しなかったようだが、昨日ジャック・ロゲIOC会長は、期間中ただ1件のデモも許可されなかったのは異常だと苦言を呈した。

 中国政府には、これからは世界の大国としての責任を果たしてもらいたいものである。国連関係でも分担金は、国連本体、世界遺産、ODA等々、恩恵に浴していながらほんの微小である。それでいて5大常任理事国のひとつとして、そのパフォーマンスはいつも国際世論とは逆行するように見える。もうそんなわがままは許されない。人権問題も含め、中国の行動には目を光らしていく必要がある。

 ともあれ、騒がしかったオリンピックも終わった。それなりに楽しませてはもらったが、最大の不満は、この北京オリンピックが中国の政治的な宣伝と伝統文化の自画自賛に利用されただけで、今世界の中でも大きな課題となった環境汚染対策に対するメッセージが、何ひとつ示されなかったことである。絢爛豪華な仕掛けばかり考えずに、時間を決めて電気を消すとか、ナイターをできるだけデーゲームにするとか、方法はいくらでもあったと思う。煌々と電気を照らし、花火を打ち上げるばかりが祭典ではないと思うのだが・・・。

 次回ロンドン大会について、ブラウン英首相はイギリスとしては中国とは違う形のオリンピックを開催すると語っていたが、もっと小規模で、個性的で手造りのオリンピックを開催して欲しいと思う。

2008年8月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com