476.2008年9月1日(月) 福田首相辞任を表明

 あ~驚いた、というのが本音である。わが国の最高権力者の総理大臣がまたご乱心か。NHK夜9時の「ニュースウォッチ」の間に、9時30分より福田首相が緊急記者会見を行うとのテロップが表れた。一瞬昨年のこの時期に安倍前首相が政権を放ったらかした悪夢が甦ってきた。しかし、しばらくしてまさかそんな馬鹿げたことはないだろう、ひょっとすると公明党との連立政権を解消するのではないかと思っていた。それが番組の終わりでは、首相辞任の意向と表示された。やはり福田首相もついに自作自演の幕引き劇を演じた。

 評論家も言っていたが、易々と得たものは易々と手放す。総理大臣の職は、世襲議員として自分が築いた土台のうえで苦労しながら上り詰めて掴んだ座ではなく、父親からそれほどの努力も苦労もなく譲ってもらった議員の座に胡坐をかき、家の子郎党の協力を得て運良く勝ち取った座だったので、たたき上げの議員が総理へ上り詰めるのとははわけが違う。

 やはりいざとなると簡単に手放す。最後まで使命感を抱いて成し遂げるという気概はさらさらなく、いとも簡単に放り出す。こういう人たちに政治を任せること自体、日本がますます劣化現象を起すのである。

 さて、9時30分になりひょうひょうと会見場に登場した福田首相は、冒頭の辞任表明のことばの中で、特定財源の一般財源化、社会保障制度を見直しすること、消費者庁の立ち上げ等について道筋をつけたことに自負を持っているとやや気負った表現があった。同時に、政治資金の問題、年金の問題、防衛庁の不祥事等々について泣き言を言っていた。それなら、責任を全うしてそのまま苦しい現状を乗り切る精神力と強い責任感を発揮してもらいたかった。それがトップとして取るべき道ではないのか。どう弁解しようとも政権を投げ出したとの印象は拭いきれない。

 どうせ自民党は、それなりの言い訳を言い続けるだろう。それにしてもお粗末である。一応12日に臨時国会召集が予定されていたが、それまでに次の自民党新総裁は決まるのだろうか。安部前首相辞任の際に、副首相、或いは首相代行を決めるべきことを提唱したが、それも実践されなかった。これなら、早く総選挙を実施して国民の気持ちを問うべきではないか。こんなトリッキーな手段で国会を乗りきり、国民の信頼を得られると思っているとは、まあ程度の低さも極まれりである。

 驚いたというよりも、呆れたというのが実感であるし、恥ずかしい気もする。世界各国の論評も気になるところだ。

2008年9月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com