497.2008年9月22日(月) 麻生総裁誕生で自民党は大丈夫か?

 良いこと、悪いこと、ぱっとしないことを取り混ぜて、この一両日は慌しかったり、いらだったり、気持ちもアップダウンした。

 幼児の残虐な殺人事件が福岡と千葉で2件、事故米販売が解決しない中で中国製の乳製品にメラニンが含有されていることが発覚した。大相撲では横綱・朝青龍が連敗して5勝4敗となり、プロ野球では巨人が阪神と並んでついに首位に立った。

 そこで今日の自民党総裁選挙だが、予想通り麻生太郎氏が他の4候補者を圧倒して1回の投票で決まった。また、これで世襲議員が総理大臣になる。何代続けばこの「世襲病」という伝染病を根絶するウィールスが開発されるのだろうか。その麻生氏は選ばれた後の就任演説で、130年前の今日22日に祖父・吉田茂が生まれ、吉田茂は66歳で総理大臣になったという家系の自慢話をしていた。やはり、常に政治家だった親や祖父を意識し、七光りとする政治家であることがはっきりした。この失言の多い、マンガ好きで軽い麻生氏が難問山積の国の舵取り役として、果たしてやっていけるのか心配である。景気対策優先と言いながら、経済政策に関して麻生氏の自説・持論はあまり聞いたことがない。外交にせよ、防衛にせよ、利己的なアメリカの対日政策に対してどうやって日本の立場や言い分を通すことができるのだろうか。苦労知らずのお坊ちゃん育ちだけに、相手にすぐ丸め込まれるような懸念がある。

 さて、唐突に舛添要一厚生労働大臣が後期高齢者健康保険制度の洗い直しを仄めかした。この4月から施行され、散々悪評を買った保険制度だが、政府は欠陥を少しでも修正しながら、信頼を得られる制度、また財政的にも継続できる安定した制度として、育てて行きたいと言ったように記憶している。年寄りいじめとか、老人は早く死ねということか、とまで言われた新制度である。それが、舌の根も乾かない間に、目の前の総選挙対策として①後期高齢者として区別しない、②天引きしない、③年齢による区別はしない、の3点を骨子として新医療制度としてまとめようとしている。

 高齢者にとって制度が改善されるので、反対するということではないが、後期高齢者医療制度は、少子高齢化に伴って高齢者の医療費が保険制度を財政的に窮地に追い込むので、受益者負担の考え方を採り入れ抜本的に変えたばかりであった。それがスタートして1年も経過しない内に、制度自体の見直しをやるというのだから、知恵を絞り、時間をかけて法律を作ったのは何のためだったのだろうか。間違いだと分れば、改善、改革するに如くはないというが、これでは金と時間の「無駄」オンパレードではないのか。しかも選挙が目の前にちらついて、負けると予想される政権政党としては、健全財政とか受益者負担の哲学なんかよりも、目の前の一票が欲しくなったのだ。

 国の方針はいつも揺らいでばかりいる。まったく国家としての哲学が見られない。

2008年9月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

496.2008年9月21日(日) パキスタン情勢が怪しくなってきた。

 今イラクよりアフガニスタンの方が、治安状態が危険で厄介だと言われている。先日寺島実郎氏も世界の火種はパキスタンだとはっきり言っておられた。実際タリバンが息を吹き返してきたために、パキスタン国境に近い山岳地帯で暗躍するタリバンの掃討作戦に、米空軍機がしばしばドュランド・ラインを越えてパキスタン領内へ越境し、パキスタン人に人的被害を与え新たな難民が出ている。首都カブールとパキスタン領ペシャワールを結ぶアジア・ハイウェイ1号線沿線は今緊張感でいっぱいである。先月NGO「ペシャワール会」の若い農業技術指導者が殺害されたのも、この1号線沿いのジャジャラバードである。

 昨日その1号線上のパキスタンの首都イスラマバードのホテルで自爆テロがあり、40人が死亡し、100人以上が負傷した。ムシャラク前大統領が辞任して、パキスタンとアメリカのテロ協調路線も怪しくなってきた。パキスタン政府はアメリカとの蜜月は終わったかのようなステートメントを出した。パキスタン軍は米軍機が越境してきたら、迎撃するとまで強調している。相変わらず、カイバル峠周辺の国境近辺では依然として不穏な空気が漂っている。一昨日テレビ朝日「報道ステーション」で特派員が国境近くでタリバン兵士と接触するシーンを映し出していたが、危険なムードの中でよくもタリバンと接触できたと思う。もちろん相当袖の下が渡されたと思うが、タリバン兵の言い分を聞いていると、彼らの戦闘意欲はかなり強いようだ。

 この辺りについては前々から強い関心と興味を抱いて、11月に上梓する「停年オヤジの海外武者修行」の中にも、2000年3月に訪れた時に感じたことを書いた。いずれにせよ当分パキスタンから目が離せない。

 明日の自民党総裁選挙に先立ち、今日民主党臨時党大会で小沢一郎党首が無競争で三選された。毎度のことながら、相変わらず小沢党首の愛想もなく、偉そうな態度に終始した記者会見の様子を見ていると、何様のつもりかと嫌になる。言っていることは結構真っ当なことを言っていて理解できるが、あんな横柄な態度で国民のためだと言われても素直に馴染めない。小沢党首に対抗できる党員がいないのが、この党の弱みであるが、小沢党首は民主党にとって両刃の剣である。それに、総選挙向けの政策を何点か発表していたが、財政的裏づけが信用出来ない。明日の新聞紙上に具体的な政策が出て、総選挙が近づけば更にマニフェストが出てくるだろう。明日の自民党総裁選挙の結果はどうなるのだろう。結果を見てみたい。

2008年9月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

495.2008年9月20日(土) 役人の悪事を見逃すな!

 昨日の農水大臣と農水事務次官の辞任にまで広がった事故米問題はまだまだ蔓延して、西日本地域一帯に拡大しているかと思っていたところ、ついに愛知県の学校給食にまでカビ米が混入され、5年間で実に45万食がオムレツとして提供されていたという。開いた口が塞がらない。

 これだけ国民に大きな不安を与え、国民の健康を害する行為を行いながら、農水省はトップが辞めるだけで、他に直接関係した責任者の結果責任が問題にされないのはなぜなのか。

 これはいつも通りお役所内は何をやっても許される治外法権的聖域になっているからであり、業務上の悪事は個人的な事件以外は如何に常識から逸脱するものであっても罪を追及されることはないからなのだ。

 数日前に舛添要一・厚生労働大臣が明らかにした厚生年金の意図的減額件数が6万9千件に上がるという。意図的に数字を書き換えたと大臣が認め、年金受給者に大きな被害を及ぼしていながら、この悪質な改ざんに関わった職員を過去にまで遡って処分しようとの考えなんて一向に役所内から出てこない。民間企業なら社長辞任、担当役員降格・減給、担当部長左遷・減給、担当者解任・減給だろう。

 こうなったら大臣は自ら先頭に立って身内から処罰するしかないだろう。場合によっては刑事告発をしてでも悪事を犯した責任を追及する。昨日の浅野史郎・前宮城県知事の話に照らしてみても、どうも役人というのは役人以外の人間、ましてや自分たちの食い扶持をいただいている一般国民を馬鹿にして、嘗めきっている。とんでもない連中だ。それでいて高待遇に甘えている。もうこうなったら、役人の体に張り付いている「高給料」「高ボーナス」「天下り余得」「恵まれた年金」「ふんぞりかえり椅子」「居酒屋タクシー」「威張り虫」「プライド」等々をひとつでも引っ剥がすより術はないのではないか。その第一歩として、役人にボーナスを支給するのを止めることにしたらどうだろう。以前から思っていたが、役人にボーナス支給は不可解だし、その必要はない!

 そもそも「ボーナス」というのは、成果報酬である。民間企業で役員と社員が一丸となって努力して予想以上の利益を生み出した、その活動に対してご褒美としてキックバックを得るというのが本来の意味である。役人は当たり前のことを当たり前にやることを求められて、それを承知して役人になっている。成果報酬の入り込む余地なんてないのである。まして、成果を出すどころか、マイナスの仕事をしているのがほとんどの役人どもではないのか。まったくボーナスを支給するに値しない。もう少し時間的な余裕ができたら、「役人ボーナス支給反対運動」の活動を始めようかと思うくらいである。

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494.2008年9月19日(金) 浅野史郎・前宮城県知事の独演会

 名前だけ顧問を務めているような「ふるさとテレビ」の9月セミナーで前宮城県知事・浅野史郎氏が講演されるので参加した。中々ユニークなお人柄であるが、最後の質問で次回の都知事選挙に出馬するかどうかと聞かれて、まず出ないが、もし出るとするなら石原知事が4選に出た場合だと答えられた。また、もし総選挙後に大臣に要請された場合どうするかとの問いには、受けないだろう、なぜなら前回の都知事選で現在教授を務めている慶応義塾大学に相当迷惑をかけたからだと言っていた。やっぱり少しは罪の意識があったのだなあと思った。あの時の立候補に至るシナリオは、確かに慶応に対して失礼千万だと思って、いささか憤慨していたところである。

 多摩大学の公開講座では、生憎福島県の研修にぶつかり聴けなかったので、浅野氏の講演を楽しみにしていた。構想日本のパネルディスカッションにおける福島県知事当時の浅野氏は、他のパネラーを意識したのか、それほど脱線?するということはなかったが、今日は独演会とあって自由自在に自分のペースで与えられた1時間をしゃべくりまくっていた印象である。しかし、その話術は口八丁手八丁で、知事として実績は勿論、その雄弁による役所内の人心懐柔策から人気も全国的だった理由の一端を垣間見た感じだった。適宜ジョークを交えながら飽きさせず、要点をうまくまとめて中々楽しい笑いの出る雰囲気の中で「タレント・浅野史郎」をまた売り込んだ。

 地方と都市の格差について浅野氏は、持論を開陳された。それぞれ自治体のスペシャルを見逃さないことが大事だ。訪れたことがない黒川温泉蘇生の例を挙げられた。制度をどうかしろとか、補助金をもらうことばかりでなく、自分たちが他所と変わったスペシャルを見出し、生かすことを考えることが大切である。

 面白い話として、熊本県波野村のお神楽保存を紹介された。消えようとした伝統文化を何とか保存しようとした数少ない村人の要請を受けた、鈴木健二元NHKアナが「ふるさと伝統館館長」として、それを村人の協力の下に見事に復活させ、今では「神楽苑」でお神楽を披露して全国から大勢のファンを集めるまでになった。波野村はかつてオウム真理教が大挙押し寄せたときに、村人が結集して追い返した実績がある。山梨県上九一色村がオウムの侵入を許したのとは少し違う。波野村は相変わらず元気がいいが、上九一色村は吸収合併されてしまった。要は人である。特に、よそ者が違った目で見ることに意義がある。よそ者、変わり者、女性が惰性を変えていく。

 「地方自治は民主主義の学校」というのが、今日の講演の要諦だった。

 さて、相変わらず後から後から事故米の販路が公になり問題となっているが、今日農水省の太田誠一大臣と事務方トップの白須敏朗・事務次官が揃って辞めることになった。極めて異例である。大臣の如きは、先月2日大臣に就任したばかりで、残り任期もあと数日というこの期に及んでなぜ辞任したのか。責任を痛感しているというなら、もう少し泥をかぶって解決の道筋をつけてから辞めるというのが、大臣の取るべき責任ではないかと思うが、大臣の辞め方はいかにも安っぽい決断である。

 浅野氏は、厚生省役人だった自分の経歴から、また大臣の厚生省役人への影響力からも直属の大臣の存在を「季節労務者」と捕らえていたとの発言には、恐れ入った。いくら何でもその程度の評価しかなされていないのか、これでは官僚を抑えるのは容易ならぬことだと思わざるを得ない。この発言が太田大臣の辞め方に象徴的に表れているように思える。

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493.2008年9月18日(木) 11月に韓国で講演

 玉川青色申告会の「個人事業主のための複式簿記記入」3回講座の第1回講習会に出席した。受講者は8人でこじんまりした講習会だった。会員のために安くサービスして、理解してもらおうとの試みであり、実際聴講していて系統立った説明に大いに納得した。預金通帳も公私をはっきり分ける点等は少々無理ではないかと思えるが、節税のためにはやらねばならないのかなと思う。どうしたらよいのか少し検討してみようと思う。やはり、系統づけて説明されると分りやすい。あと2回分あるので、しっかり勉強したい。

 先日来「知的生産の技術研究会」八木哲郎会長から、ソウル(韓国)で行われる韓国の定年退職者の会合で八木会長の替わりに講師を務めて欲しいと依頼されていたが、昨日会長にお引き受けすると正式に回答した。ちょっと戸惑いと逡巡もあった。講演日が11月8日(土)で、生憎日吉で開催される慶応義塾創立150周年記念式典と重なり、それに出席する予定だったからである。式典参加の希望者が多く、幸い抽選で当たり出席できるのを楽しみにしていたところだった。

 しかし、講演会は韓国政府がらみのプロジェクトの一環のようで、考えようによっては自分を飛躍させる良いチャンスでもあると思い、一丁やってみるかというくらいの気持ちでお引き受けすることにした。スピーチ内容を同時通訳で韓国語に変えてくれるらしい。韓国語はまったく分らないだけに、受講者次第では英語でもよいと思うのだが、肝心の韓国の人たちが英語を全員が理解できないとあまり意味がない。どんなニュアンスで自分の言葉が韓国語に訳されるのか、別の意味で興味もある。

 講演のテーマは定年退職者に、これからの第2の人生をいかに有意義に過ごすかと言うことを、日本人のケースも交えて韓国人定年退職者が納得するような話をして欲しいということらしい。

 韓国では、今経済停滞を反映して「サオジョン時代」という言葉が流行しているそうだ。サオジョンとは「45歳定年」とも言われる厳しい社員選別の実情を指した言葉で、西遊記の「沙悟浄」の韓国語読みで「サ=4」「オ=5」「ジョン=定年の定」の発音と同じことからこう呼ばれているそうだ。労働者にしわ寄せが来て、60歳どころか45歳というのだから、現実的ではないかも知れないが働く人々にとっては相当深刻である。持論の「人生三分活動期説」を下敷きに話してみるのも面白いかなと思っている。まだ、詳細は分らないが、これから韓国の社会保障制度、福祉制度、年金、定年制度等について研究しなければならないし、日本人で定年後元気に活躍している人たちも調べてみようと思う。定年者のことを韓国では「隠遁者」というようだ。隠遁ではもう山の中へでも逃避してしまうようなイメージなので、ネーミング自体も代えた方がいいのではないかとつい余計なことまで考えてしまう。

 まあ、お引き受けする以上全力を尽くして、聞いてよかったと韓国の「隠遁者」に納得し、喜んでもらえるようにしたい。

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492.2008年9月17日(水) 頭が疲れた一日

 駒沢大学のマスコミ公開講座の2学期が始まった。昨日はペンクラブで出席できなかったので、今日が2学期最初の授業である。

 いただいた小冊子「2005年衆議院選挙報道に見るマス・メディアの問題点」について、筆者である赤羽紀元講師が読み進みながら説明された。2005年衆議院選挙は郵政選挙と言われる一方で、小泉劇場とも言われて自民党が圧勝した総選挙である。赤羽講師に言わせれば、その選挙が今自民党のやっている総裁選挙と似ているそうだ。赤羽講師は、その選挙に関する大手新聞とテレビ各社の報道姿勢について解説された。内部にいた専門家であるだけに、内情に詳しくなるほどなあと謹んで聞いていた。

 一旦帰宅して改めて赤坂見附の永楽倶楽部へ向かう。「知的生産の技術研究会」の定期的な小規模セミナーで、講師は教育ジャーナリストとして知られている中井浩一氏で、教育関連の著書も多数ある。テーマは「若者全体の学力は下がっているか?どうしたらいい?日本の教育」という大きなものだった。中井氏を中心に八木哲郎会長がコーディネーター役を務めながら、座談形式で話は進められていく。出席者は八木会長、久恒啓一理事長、秋田英澪子事務局長、淺川基男・早大理工学部教授、ゼミの後輩で翻訳家の遠藤靖子さん、酒のペンクラブの勝野定典さん、畑中さんと仰る女性、それに私を入れて9人。中井講師は鶏鳴学園という国語専門進学塾を主宰している。中高生と永年接しているだけに、現代の若者の気風、考え方、学力レベル等々について熟知されている。どうしたらよいかという点で、百家争鳴とまではいかないにせよ、十人十色ならぬ九人九色の建設的な意見が開陳された。

 結論は学生のレベルが下がったのは、必ずしも彼らの責任ばかりではない。時代の環境が生み出した結果である。現状はレベルの低い状態を高めるのは教師の責任だということになった。久恒理事長が宮城大学と多摩大学における指導経験から、学生の学力レベル向上に自信があることを仰った。その裏づけは、宮城大学教授時代のゼミ学生に対するフィールドワークにあるとのことだった。

 ただ、それはそれとして皆さんが認めていたように、やはり現代の若者が本を読まないことは事実であり、若いころからまともな読書、理論構築のための基礎学習、ディベートのような真剣な討論を経なければ、学習能力は培われないのではないかとの疑問は残る。

 教育そのものとは若干離れるかも知れないが、勝野さんが建築家としての専門的な立場から欧米と日本の大学における建築の位置づけが異なるとの指摘は、頷けるものだった。欧米の大学では建築学科は美術大学に設置されているが、日本の大学では工学部の建築学科にあり、それが自ずから建築の美的観点から見るとどうしても欧米の建築物に比べて劣る理由だと言われた。 

 終始一貫中々骨のある面白い討論だった。

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491.2008年9月16日(火) 2つのペンクラブ、文学とお酒

 今日の日経平均は、前日4日前の終値に比べて605円の下落だった。アメリカは優に及ばず、世界中がアメリカの金融不安を払拭しようとあの手この手の策を講じている。しかし、金融不安発生の本家、アメリカでは連鎖反応として次のターゲットが噂され出した。それが日本にも進出しているAIGである。連銀は民間企業に公的資金を回さないと言っているので、もしAIGが破綻でもしようものなら、日本のバブル崩壊に似た現象が起きるのではないかと心配される。日経平均株価も当分、乱高下を繰り返しながらもう少し下がることになると思う。

 今日は、日本ペンクラブと酒のペンクラブの例会がダブってしまい、前者ではパーティ前のショートスピーチを出久根達郎氏が話されるとの予告だったので、ペンクラブを優先した。

 出久根氏の話は面白かった。「佃島ふたり書房」で直木賞を受賞された作家だが、集団就職で上京し、佃島で古本屋に勤めてその後杉並区で独立したキャリアを持ち、今も古本屋稼業の傍ら物書きをしているユニークな経歴をお持ちの人である。古本屋は徒弟制度なので、現代風ではないが、今かなり古本屋になりたいと希望する若者が多いらしい。そういう彼らのために古本屋組合として講座を開いているそうだ。今日の話の中で、藤村操にまつわるエピソードが面白かった。藤村の「煩悶記」が、この世に1冊しかない希少価値のある書なので、新たに市場に1冊出たとあって147万円の値がついた。ところがその後また1冊出た。これで3冊だが、古本屋業界では、3冊は30冊と見られていて、残り27冊がどこかにあるとの噂が広がるそうである。最後に学校の先生は、子どもたちに古本屋を案内し、古本屋について教えるべきであるとのご託宣があった。

 パーティでも多くの方々に挨拶したが、元朝日の轡田隆史氏が湘南高へ来られたことがあると聞いて、尋ねてみたら浦和高在学中にサッカーの試合で来られたそうだ。どこにご縁があるか分らない。途中で小中さんが、酒のペンクラブへ行くというので、それではとわれわれもぞろぞろと神田の「樽平」へ寄ることになった。小中さんご夫妻に、知研八木会長、久恒理事長、多摩大樋口裕一教授、小倉から来られた女性に私が神田までタクシーに分乗した。この「樽平」でまた盛り上がって、今月初めてアルコールを喉に通す結果と相成った。

 帰りは例によって自由が丘まで帰り、タクシーで小中さんご夫妻に送ってもらう形になった。今日から駒沢大学の公開講座2学期が始まったが、2時限とも欠席である。

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490.2008年9月15日(月) リーマン・ブラザース破綻

 「敬老の日」である。承知はしていたが一瞬忘却していたところ、朝から百歳を超えた元気な方々がテレビに出演された画面を観て、ふっと思い当たった。102歳で現役の声楽家の女性、同じく102歳で百歳を超えたマスターズの陸上競技で、世界記録を作った元高校体育教師のエピソード等を紹介していた。人間ばなれしていてとても真似はできないが、「他人が楽しむのを見て自分も楽しむ」「継続の大切さ」など、やはり長い間実践されているだけあって、話の中に説得力があり、なるほどと頷かせてくれる。良いお顔をしているのにも感銘を受けた。 

 振り返ってみると、妻と見合いをしたのも今からちょうど40年前の今日である。来年は結婚40周年を迎えることになる。卒論テーマで取り組んだ「河上肇」が戦前長い弾圧と官憲との戦いの末に、歩んで来た道を振り返って思わず漏らした感慨深い句、「幾山河越えては越えて来つるものかな」(?)という河上肇の常用言語があったと記憶しているが、40年と言えばそのくらいの長さになるだろうか。

 さて、驚いたことにアメリカの大手証券会社、リーマン・ブラザースが経営破たんを発表した。連邦破産法に基づく会社更生手続き適用を裁判所に申請する。150年以上の歴史を有し、総資産67兆円の大手証券第4位の会社である。5日に16$だった株価が12日には3.5$にまで大きく値下がりした。市場では投資家の不安を呼び、救済策が噂に上がり、バンク・オブ・アメリカが買収を前提に政府資金の投入を交渉していたが、連邦政府の出動が望み薄となりバンク・オブ・アメリカは手を引いた。唖然としたのは、そのバンク・オブ・アメリカが間髪を入れず、大手証券第3位のメルリ・リンチを買収したことである。あまりにもドラスティックなスピード買収劇にはただ呆然とするばかりである。リーマン・ブラザースの社員が社屋から自分の荷物を持って、次々に外へ出て行く姿も日本人の感覚では馴染めない。これほどドライとは二の句が出ない。

 3月には第5位のベアー・スターンズ社が買収されたばかりで、これで今年に入って大手証券会社のうち、3~5位企業が破産、或いは買収の憂き目にあったことになる。これもサブ・プライム・ローンの影響である。昨夏以降サブ・プライム関連損失は1兆4千億円以上に上がっていた。この様子だと当分アメリカ経済には光明が差す見込みはない。15日のニューヨーク・ダウ平均は一気に504$下げた。続いて開かれたサンパウロ、ロンドン、アジア各国でも軒並み下げ3~7%も下げている。東京証券取引所は今日まで3日間休みだったが、明日の休暇明け日経平均株価はどうなるか。

2008年9月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

489.2008年9月14日(日) 一週間早いお彼岸の墓参り

 久しぶりに先祖の墓参りへ出かけた。いつも通り妻の実家・川手家の多磨墓地から、近藤家の中野・宝仙寺へ回る。二男は新潟勤務なので、敢えて呼ばなかったが、孫3人を含む長男家族5人がやってきた。今日は連休も中日のせいだろうか、中央高速道路から車が混んでいて、実際に多磨墓地へ来てみたら、ここもかなりの人出だった。こんなことはこれまであまりない。先祖への墓参りも混雑を避けて、日程調整のうえ1週間前倒しでやっていることになる。我が家もそうだが、どこの家族も段々日時には拘らなくなってきたようだ。

 自分の生前墓をお参りするというのも妙なものだが、先祖の墓石にはお花を手向けても、自分自身が昨年建立した己の墓にどう向かうべきか住職には、心構えなどをまだ尋ねていなかったので細かいことはよく分らない。墓石にお花を一輪供えお水をかけておいた。作法には反しているかも知れない。

 11月の同時期に、次作品「停年オヤジの海外武者修行」と、前著「現代・海外武者修行のすすめ」の焼き直しを上梓することになって、今両著書の校正ゲラをチェックしているが、それぞれ異なる出版社の熱心な編集者と交渉できて、学ぶことが多い。前者についてはほぼ終わり、近日ゲラを届けて、更に打ち合わせをすることになっているが、後者については前著を基本的には大幅な文章・スタイル変更をしないという前提で話を進めている。しかし、かなり細かい表現、特に重ね言葉や単語の取り違い等について指摘してもらっている。実は、細かいところによく気がつかれる編集者だと感心しているところだ。内容的にはほとんど変わらないが、書名は私の申し入れで頭に「新」を付けて「新・現代海外武者修行のすすめ」に決めさせてもらった。当分細かいことまでやることになるが、新しい書を世に出すということは、自分の考え方や現状を売り込むことであり、今の自分の立場上意欲を掻きたてられるし、モチベーションも高まる。とにかく楽しみが増してきた。

 昨日もブログに書いたが、三笠フーズ㈱の事故米偽装販売事件は、その影響が益々広がりを見せてきた。因みに今朝の朝日新聞を見ると、「汚染米底なし沼」「経路複雑、情報も混乱」「農水省ジタバタ」「転用の手口継承」と見出しがあり、図解入りで懇切に解説してくれている。回収した日本酒はすでに112万本に達して、消費者に大きな不安を与える大スキャンダルとなった。ジタバタしている農水省の白須敏朗・事務次官が「責任は一義的には食用に回した企業にある。私どもに責任があると考えているわけではない」と居直ったような、刺激的な無責任発言をした。国民、消費者を愚弄するような発言だ。これで農政のトップだというのだから何をかいわんやである。流石に町村官房長官が見かねて注意したようだが、バカな役人どもは何をやり出すか分らない。いよいよ対応が後手後手と回ったBSE騒動の二の舞になってきた。どういう落としどころがあるのだろうか。

2008年9月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

488.2008年9月13日(土) 三笠フーズに関わった悪人ども

 三笠フーズ㈱が販売した事故米が各地で大騒ぎになっている。WTOの規約により嫌々ながら輸入して倉庫に保管しておいた、ミニマム・アクセス米と呼ばれるもので、必ずしも完璧な保管状態でなかったために、カビが生えたり、微量とはいえ有毒となったものだ。そもそも食用として売ってはいけないこの米が、三笠フーズの強欲と流通会社の金儲け至上主義によって、消費者の胃袋へ入ってしまったのである。今回の騒動は、今わが国が抱えている問題の「無責任」「偽装」「モラルの欠如」「金儲け」「弱者いじめ」等々を関係各方面で曝け出し、実際にその影響が表れた結果である。

 まずお役人の無責任の最たるものが、農水省の見かけだけの検査、つまり無検査の検査である。事故米と判明してからの農水省の指定業者への販売、指導、その後の検査の杜撰さがことを大きくしている。更にことを荒立てているのは、所管の失言大臣、太田誠一氏の記者会見における対応である。こんな大臣ならいない方がいい。事件が発覚してから「ジタバタしない」と発言して物議を醸して言い訳したり、一言多く説明したり、まあドタバタ劇になってきたと言える。第2に販売業者である三笠フーズの「見たところ普通の米と変わらなかった」後で、食用に転用して販売した。それが焼酎、煎餅、和菓子のメーカーへ事故米を販売したのみならず、驚いたことに老人ホームや保育園のような施設で、給食や普通の食事に供されたり、一番気をつけなければならない施設へ流れていった。

 昨日のニュース・キャスターらも口を揃えて、いくら悪事を試みたにしても、これ以上は止めておくという良心の限界を承知してそれ以上は踏み込まないものだが、今は限界なんてないと言っていた。誰がどうなろうと自分たちの利のためだけに動く、そういう嫌な社会になってきた。

 それにしても、保育園の給食から規定値の2倍のメタミドホスが検出された。致死量にはほど遠い数値だそうだが、量の多寡が問題ではない。こういう認識で食を扱っている食品関連業者がこれだけこの世にいるかと思うと薄ら寒くなってくる。

 太田大臣も余命幾許もないだろうが、もうこんな大臣は願い下げにしてもらいたいし、監督官庁の農水省役人にもきついお灸をすえて欲しいものである。あっ、気がつかなかった。役人にお灸をすえられるような偉い人は日本にはいないんだ。

2008年9月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com