「敬老の日」である。承知はしていたが一瞬忘却していたところ、朝から百歳を超えた元気な方々がテレビに出演された画面を観て、ふっと思い当たった。102歳で現役の声楽家の女性、同じく102歳で百歳を超えたマスターズの陸上競技で、世界記録を作った元高校体育教師のエピソード等を紹介していた。人間ばなれしていてとても真似はできないが、「他人が楽しむのを見て自分も楽しむ」「継続の大切さ」など、やはり長い間実践されているだけあって、話の中に説得力があり、なるほどと頷かせてくれる。良いお顔をしているのにも感銘を受けた。
振り返ってみると、妻と見合いをしたのも今からちょうど40年前の今日である。来年は結婚40周年を迎えることになる。卒論テーマで取り組んだ「河上肇」が戦前長い弾圧と官憲との戦いの末に、歩んで来た道を振り返って思わず漏らした感慨深い句、「幾山河越えては越えて来つるものかな」(?)という河上肇の常用言語があったと記憶しているが、40年と言えばそのくらいの長さになるだろうか。
さて、驚いたことにアメリカの大手証券会社、リーマン・ブラザースが経営破たんを発表した。連邦破産法に基づく会社更生手続き適用を裁判所に申請する。150年以上の歴史を有し、総資産67兆円の大手証券第4位の会社である。5日に16$だった株価が12日には3.5$にまで大きく値下がりした。市場では投資家の不安を呼び、救済策が噂に上がり、バンク・オブ・アメリカが買収を前提に政府資金の投入を交渉していたが、連邦政府の出動が望み薄となりバンク・オブ・アメリカは手を引いた。唖然としたのは、そのバンク・オブ・アメリカが間髪を入れず、大手証券第3位のメルリ・リンチを買収したことである。あまりにもドラスティックなスピード買収劇にはただ呆然とするばかりである。リーマン・ブラザースの社員が社屋から自分の荷物を持って、次々に外へ出て行く姿も日本人の感覚では馴染めない。これほどドライとは二の句が出ない。
3月には第5位のベアー・スターンズ社が買収されたばかりで、これで今年に入って大手証券会社のうち、3~5位企業が破産、或いは買収の憂き目にあったことになる。これもサブ・プライム・ローンの影響である。昨夏以降サブ・プライム関連損失は1兆4千億円以上に上がっていた。この様子だと当分アメリカ経済には光明が差す見込みはない。15日のニューヨーク・ダウ平均は一気に504$下げた。続いて開かれたサンパウロ、ロンドン、アジア各国でも軒並み下げ3~7%も下げている。東京証券取引所は今日まで3日間休みだったが、明日の休暇明け日経平均株価はどうなるか。