今日の日経平均は、前日4日前の終値に比べて605円の下落だった。アメリカは優に及ばず、世界中がアメリカの金融不安を払拭しようとあの手この手の策を講じている。しかし、金融不安発生の本家、アメリカでは連鎖反応として次のターゲットが噂され出した。それが日本にも進出しているAIGである。連銀は民間企業に公的資金を回さないと言っているので、もしAIGが破綻でもしようものなら、日本のバブル崩壊に似た現象が起きるのではないかと心配される。日経平均株価も当分、乱高下を繰り返しながらもう少し下がることになると思う。
今日は、日本ペンクラブと酒のペンクラブの例会がダブってしまい、前者ではパーティ前のショートスピーチを出久根達郎氏が話されるとの予告だったので、ペンクラブを優先した。
出久根氏の話は面白かった。「佃島ふたり書房」で直木賞を受賞された作家だが、集団就職で上京し、佃島で古本屋に勤めてその後杉並区で独立したキャリアを持ち、今も古本屋稼業の傍ら物書きをしているユニークな経歴をお持ちの人である。古本屋は徒弟制度なので、現代風ではないが、今かなり古本屋になりたいと希望する若者が多いらしい。そういう彼らのために古本屋組合として講座を開いているそうだ。今日の話の中で、藤村操にまつわるエピソードが面白かった。藤村の「煩悶記」が、この世に1冊しかない希少価値のある書なので、新たに市場に1冊出たとあって147万円の値がついた。ところがその後また1冊出た。これで3冊だが、古本屋業界では、3冊は30冊と見られていて、残り27冊がどこかにあるとの噂が広がるそうである。最後に学校の先生は、子どもたちに古本屋を案内し、古本屋について教えるべきであるとのご託宣があった。
パーティでも多くの方々に挨拶したが、元朝日の轡田隆史氏が湘南高へ来られたことがあると聞いて、尋ねてみたら浦和高在学中にサッカーの試合で来られたそうだ。どこにご縁があるか分らない。途中で小中さんが、酒のペンクラブへ行くというので、それではとわれわれもぞろぞろと神田の「樽平」へ寄ることになった。小中さんご夫妻に、知研八木会長、久恒理事長、多摩大樋口裕一教授、小倉から来られた女性に私が神田までタクシーに分乗した。この「樽平」でまた盛り上がって、今月初めてアルコールを喉に通す結果と相成った。
帰りは例によって自由が丘まで帰り、タクシーで小中さんご夫妻に送ってもらう形になった。今日から駒沢大学の公開講座2学期が始まったが、2時限とも欠席である。