今イラクよりアフガニスタンの方が、治安状態が危険で厄介だと言われている。先日寺島実郎氏も世界の火種はパキスタンだとはっきり言っておられた。実際タリバンが息を吹き返してきたために、パキスタン国境に近い山岳地帯で暗躍するタリバンの掃討作戦に、米空軍機がしばしばドュランド・ラインを越えてパキスタン領内へ越境し、パキスタン人に人的被害を与え新たな難民が出ている。首都カブールとパキスタン領ペシャワールを結ぶアジア・ハイウェイ1号線沿線は今緊張感でいっぱいである。先月NGO「ペシャワール会」の若い農業技術指導者が殺害されたのも、この1号線沿いのジャジャラバードである。
昨日その1号線上のパキスタンの首都イスラマバードのホテルで自爆テロがあり、40人が死亡し、100人以上が負傷した。ムシャラク前大統領が辞任して、パキスタンとアメリカのテロ協調路線も怪しくなってきた。パキスタン政府はアメリカとの蜜月は終わったかのようなステートメントを出した。パキスタン軍は米軍機が越境してきたら、迎撃するとまで強調している。相変わらず、カイバル峠周辺の国境近辺では依然として不穏な空気が漂っている。一昨日テレビ朝日「報道ステーション」で特派員が国境近くでタリバン兵士と接触するシーンを映し出していたが、危険なムードの中でよくもタリバンと接触できたと思う。もちろん相当袖の下が渡されたと思うが、タリバン兵の言い分を聞いていると、彼らの戦闘意欲はかなり強いようだ。
この辺りについては前々から強い関心と興味を抱いて、11月に上梓する「停年オヤジの海外武者修行」の中にも、2000年3月に訪れた時に感じたことを書いた。いずれにせよ当分パキスタンから目が離せない。
明日の自民党総裁選挙に先立ち、今日民主党臨時党大会で小沢一郎党首が無競争で三選された。毎度のことながら、相変わらず小沢党首の愛想もなく、偉そうな態度に終始した記者会見の様子を見ていると、何様のつもりかと嫌になる。言っていることは結構真っ当なことを言っていて理解できるが、あんな横柄な態度で国民のためだと言われても素直に馴染めない。小沢党首に対抗できる党員がいないのが、この党の弱みであるが、小沢党首は民主党にとって両刃の剣である。それに、総選挙向けの政策を何点か発表していたが、財政的裏づけが信用出来ない。明日の新聞紙上に具体的な政策が出て、総選挙が近づけば更にマニフェストが出てくるだろう。明日の自民党総裁選挙の結果はどうなるのだろう。結果を見てみたい。